タイヤローテーションの方法

タイヤローテーションの方法~駆動方式別と作業時間・工賃の目安

タイヤローテーションに関する情報。FF車やFR車などの駆動方式別方法、タイヤの入れ替え作業を行うべき適切な時期と頻度、4WD車での必要性、オートバックスやイエローハットなどのカー用品店に依頼した際にかかる費用と時間の目安も。

タイヤローテーションの方法~駆動方式別と作業時間・工賃の目安

タイヤローテーションの方法~「FF」など駆動方式別方法と作業時間・費用の目安

タイヤローテーションとは、タイヤの装着位置を入れ替える作業のことです。タイヤは同じ位置に長く固定されていると、一部分だけが偏って摩耗してしまいます。

装着場所によって異なるタイヤ表面の摩耗をできるだけ均一化し、タイヤの寿命を延ばすことができる「タイヤローテーション」の方法を、FF車やFR車など駆動方式別に分けてご紹介します。また、カー用品店に依頼した際にかかる費用や作業時間の目安についても取り上げます。

タイヤは装着位置によって摩耗の進行状況が違うためローテーションが必要です

タイヤローテーションの方法駆動方式によってタイヤの減り方が違うためタイヤローテーションの方法も異なります

車のタイヤは、4輪全てが均一に摩耗していくわけではなく、駆動方式や「右」「左」どちらに装着しているかによって、摩耗の進行状況は異なります。

発進・加速・旋回・減速・停止などの運転動作をする際、主に力が加わるタイヤを駆動輪と呼びます。

フロントタイヤを駆動輪とするFF車(前輪駆動車)であれば「前輪」の方が、リアタイヤを駆動輪とするFR車(後輪駆動車)であれば「後輪」の方が、タイヤ表面が摩耗しやすい傾向があります。

消耗品であるタイヤの寿命は商品によっても異なりますが、平均すると3~4年、走行距離換算では3万~4万kmが目安とされています。

もしも、タイヤローテーションを行わなければ、装着位置の違いにより生じる偏った摩耗が進行し続け、グリップ力の低下やハイドロプレーニング現象が起こりやすくなるなど、より早いタイミングで寿命を迎えてしまいます。

つまり、タイヤローテーションは、走行時にダメージを受けやすい位置に装着されているタイヤを定期的に入れ替えて、タイヤ全体の寿命を延ばすために行います。

前輪と後輪の溝の深さの違いが大きくなると、車体が振動しやすくなったり、走行時の騒音が大きくなったりします。そのため、定期的にタイヤローテーションを行うことで、運転時の快適さも保たれます。

FF車・FR車の特徴と駆動方式別のタイヤローテーションの方法

タイヤ交換駆動方式によって前後のタイヤの摩耗に差が出るためタイヤローテーションを行います

FF車やFR車の特徴と、駆動方式別のタイヤローテーションの方法をご紹介します。前輪と後輪どちらがより摩耗しやすいかは、その車がFFやFRであるかによって変わってきます。

そのため、FF車やFR車の特徴は、タイヤローテーションの方法に影響を与えます。なお、ローテーションは前輪と後輪が同一サイズのタイヤで行うのが基本です。

FF車(前輪駆動車)は前輪が駆動輪、後輪を前輪に移動させる際にはクロスします

FF車はエンジンをフロント部に搭載し、前輪を駆動輪として車を動かします。駆動輪である前輪には、走行時のエネルギーが集中するため、後輪よりも速いスピードで摩耗してしまいます。

FF車は、駆動輪である前輪は駆動方向に対して摩耗しやすいのに対し、遊輪である後輪は横方向に対して摩耗しやすくなります。

そのため、FF車のタイヤローテーションは、前輪は左右そのまま(右前→右後、左前→左後)で真後ろの後輪スペースへもっていき、後輪は「右」と「左」をクロスして(右後→左前、左後→右前)前輪スペースにもっていきます。その後、各タイヤを装着すれば作業は終了です。

FR車(後輪駆動車)は後輪が駆動輪、前輪を後輪に移動させる際にはクロスします

FR車はフロント部にエンジンを搭載し、後輪を駆動輪として車を動かします。駆動輪である後輪は加減速する際などの運転シーンで、設置面から受けるダメージが大きくなるため、後輪は前輪よりも速いタイミングで摩耗してしまいます。

FR車は後輪が駆動輪で、前輪が遊動輪です。そのため、FR車のタイヤローテーションは、後輪は左右の位置を変えずに(右後→右前、左後→左前)、前輪のスペースに移動させて、前輪は「右」と「左」の位置を入れ替えて(右前→左後、左前→右後)後輪スペースに移動させます。その後、各タイヤを装着すればローテーションは終了です。

回転方向が決まっている方向性タイヤは前後同一方向でのみ入れ替え可能です

FF車・FR車の種類を問わず、サイド部に「ROTATION」といったマークが表記されて、回転方向が指定されているタイヤがあります。

回転方向が指定されている方向性タイヤであれば、前後同一方向でのみ入れ替えが可能で、右側に装着されているタイヤは右側で、左側に装着されているタイヤは左側での利用が求められます。

もしも、方向性タイヤの左右をクロスして、間違った方向で装着してしまえば、タイヤ本来の十分な性能が発揮されないばかりか、抵抗が逆にかかってしまうため、走行時の危険性が高まります。そのため、ローテーションを行う際には、方向性タイヤであるかどうかを事前に確認する必要があります。

4WD車(四輪駆動車)の特徴とタイヤローテーションの必要性について

タイヤを外すタイヤ交換時にタイヤローテーションを行いましょう

4WD車は、4輪全てを駆動輪とすることで、FF車やFR車では走行しにくい雪道などのシビアな路面で高い走破性を実現します。

4WD車は、前輪あるいは後輪のみを駆動輪とはしないため、FF車やFR車と比較すれば、タイヤの装着位置によって摩耗の進行度合いに差は生じにくいです。それでも、旋回時や方向転換する際においては前輪にかかる摩擦力が強まってしまうため、前輪の方が摩耗しやすいという傾向があります。

そのため、4WD車であっても、装着しているタイヤの寿命を延ばして、より長く使用するためには、ローテーションが必要です。

4WD車のタイヤローテーションの方法は、基本的には前述のFR車のやり方と同一ですが、4WD車はクロスオーバーSUVのブームの影響もあって、パワーユニットなどが多様化しているため、車両によってはその方法が異なるケースがあります。そのため、車の取扱い説明書を見て事前にやり方を確認する必要があります。

タイヤローテーションの目安は5,000km走行毎に1回のタイミングです

日本自動車タイヤ協会などでは、タイヤローテーションを行うべき適切なタイミングとして、走行距離5,000km毎に1回のペースを推奨しています。

タイヤローテーションは、季節の変わり目に行う、ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤ、スタッドレスタイヤからノーマルタイヤへと交換する際に同時に行うのが効率的です。

けれども、オフロード走行や高速走行を好むドライバーであれば、そういったタイミングよりも早くローテーションを行えば、一部のタイヤだけが偏って摩耗してしまうのを防げます。

ローテーションの時期はタイヤの種類によっても異なります

ローテーションの時期は、タイヤの種類によっても異なります。

例えば、エコタイヤであれば、設置面に対する転がり抵抗を抑える加工を施しているため、タイヤ表面は摩耗しにくくなっています。

一方のエコタイヤとよく比較されるスポーツタイヤでは、ハイグリップ・柔らかい素材のゴムを採用するなどの影響を受けて、タイヤ表面は摩耗しやすくなります。
そのため、スポーツタイヤはエコタイヤよりも早いタイミングでのローテーションが必要です。

スペアタイヤも利用してローテーションを行えば、タイヤ寿命はさらに延びます

スペアタイヤが他の4本と同じタイプであれば、それを含めた5本のタイヤでローテーションを行うことができるため、タイヤ全体の寿命はさらに延びます。

5本のタイヤでローテーションを行えば、摩耗しやすい位置にあるタイヤを固定せずに、順番で回していきながら、1本のタイヤは休ませる事が可能となります。ローテーションで順番にタイヤを休ませていけば、タイヤ全体の寿命はさらに延びます。

大手カー用品店の「タイヤローテーション」作業時間と費用の目安

交換前のタイヤタイヤローテーションを依頼する場合はタイヤを持ち込む必要がある場合があります

タイヤローテーションは、ご自身では行わず、カー用品店やディーラーなどに依頼される方も多くいます。その際にかかる費用の目安や作業時間の目安をご紹介します。
工賃は、ホイールサイズやセダン・SUVなどの車種の違いによって変わってきます。

オートバックスでのタイヤローテーション費用は2,200円から(税込)

業界最大手のオートバックスでは、取り扱う商品の販売だけではなく、車のカスタマイズやチューンアップも行います。
オートバックスでの、タイヤローテーションの作業時間は最短15分から30分程度で、工賃は1台あたり税込2,200円からが目安です。

イエローハットのタイヤローテーション費用は3,300円から(税込)

イエローハット

通学時に児童がかぶる「黄色い帽子」から社名が付けられたイエローハットは、人とクルマとの共存・交通安全のサポートを企業理念としています。

イエローハットでは、走行中の安全性に関わるタイヤローテーションの作業は最短20分で終了し、工賃は税込3,300円からが目安です。

ピットメニューを積極的に行う「ジェームス」の作業料は2,600円から(税込)

トヨタのグループ会社である、株式会社タクティが運営するカー用品店「ジェームス」は、国内で100店舗近くを展開しています。

部品代と工賃をセットにしたピットメニューを積極的に行う「ジェームス」では、タイヤローテーションの工賃は税込2,600円からで、作業は最短で15分程度で終了します。

Auto Waveは4本セットで4万円以上の商品を購入すれば、何回でも無料

Auto Wave(オートウェーブ)は、各店舗で4本セット・4万円以上の商品を購入したドライバーに対して、タイヤローテーションを何回でも無料で受けられるサービスを実施しています。

オートウェーブは、諸条件を満たすタイヤ購入者には「7大メンテナンス」サービスを適用して、顧客満足度を高めます。

定期的にタイヤローテーションを行ってドライブを快適に楽しもう

定期的にタイヤローテーションを行うことで、ドライブの快適さは維持されます。

タイヤの状態の良し悪しは、走行中の振動のしやすさ・グリップ力の強弱と密接に結びつきます。タイヤの摩耗スピードを、駆動方式に関係なく均一化できる「タイヤローテーション」を定期的に行うことで、走行中の安全性は向上します。

タイヤローテーションをご自身で行うのが「不安」あるいは「面倒」だと思う方は、カー用品店やディーラーに依頼して、快適で安全なドライブを楽しみましょう。