ハイグリップタイヤの特徴

ハイグリップタイヤの特徴とおすすめスポーツラジアルタイヤ12選

ハイグリップタイヤはタイヤと路面の摩擦力を高めたスポーツカーや高出力車向けのラジアルタイヤ。運動性能に優れることからストリートだけでなくクローズドコースでも人気で、特に価格が安いアジアンタイヤはドリフトやジムカーナなどのモータースポーツで人気が高まっている。

ハイグリップタイヤの特徴とおすすめスポーツラジアルタイヤ12選

ハイグリップタイヤ(スポーツタイヤ)の特徴とメーカー別おすすめ商品

ここでは、ハイグリップタイヤをラインナップする国内三大メーカーのブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップに加えて、欧米のトップブランドのミシュラン、グッドイヤーなどのスポーツタイヤブランドからおすすめタイヤをピックアップして紹介。

そのほかに、韓国のクムホやネクセン、台湾のケンダやナンカンなど、低価格で人気のアジアンタイヤメーカーが販売するハイグリップスポーツタイヤを紹介するほか、ハイグリップタイヤのメリットやデメリットも解説。

ブリヂストンPOTENZA RE‐71RSは最速へのこだわりを受け継ぐハイグリップラジアル

ブリヂストンPOTENZA RE‐71RS低角度に配置した溝によりコーナリングで強力なグリップを発揮するポテンザRE‐71RS

POTENZA RE‐71RS(ポテンザ アールイー ナナイチアールエス)は、「RE71」「RE-71R」の性能や情熱を引き継ぐリアルスポーツタイヤ。非対称パターンとハイグリップポリマーが、高いコーナリンググリップ性能を実現するほか、従来品のRE-71Rに比べてロングライフ性能を向上しています。

タイヤサイズラインナップは13~19インチで、一部のサイズが低燃費タイヤのラベリング制度で転がり抵抗性能「C」、ウェットグリップ性能「b」を獲得。

さらに、サーキットでの速さを追求するなら「POTENZA RE-12D」がおすすめ。国内最大級のワンメイクレース「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」のアマチュアドライバーのみ参加可能な「クラブマン」シリーズの競技規定を満たすハイグリップタイヤとなっています。

ヨコハマADVAN A052は速さだけでなく環境や人に優しいストリートスポーツタイヤ

ヨコハマADVAN A052コーナリングフォースを最大化するプロファイルとタイヤ構造を開発したアドバンA052

ADVAN A052(アドバン エイゼロゴーニ)は、優れたグリップ力とハンドリング性能に加えて、燃費や騒音に配慮した次世代のストリートスポーツラジアル。専用コンパウンドがドライグリップとウェットグリップを高次元で両立して、素直で扱いやすいハンドリングを実現。

14~20インチを展開するADVAN A052は、ウェットグリップや騒音、転がり抵抗に関する規制を定める国連欧州経済委員会(UN/ECE)のRegulation No.117 02 Series(R117-02)をクリア。

また、ADVANシリーズでは、走りを追求したADVAN最強のストリートタイヤと位置付けられる「ADVAN NEOVA AD08R」もおすすめ。ドライグリップ優先設計のA052に対して、NEOVAはウェットグリップを十分に確保していることから、あらゆる路面状況で高いグリップ力を発揮します。

ダンロップDIREZZA β05はサーキットでの運動性能を高めるハイグリップタイヤ

ダンロップDIREZZA β05OUT側のワイドなブロックがコーナリングで路面をしっかりグリップするディレッツァβ05

DIREZZA β05(ディレッツァ ベータゼロゴー)は、レースやジムカーナ競技用のドライグリップ性能を高めたハイグリップスポーツタイヤ。新開発の非対称パターンがコーナリングで強力なグリップ力を発揮するほか、高速域で優れた操縦安定性を確保します。

タイヤサイズラインナップは、86のベースグレード「G」やBRZの「R Customize Package」「RA Racing」などの純正サイズに適合する「205/55R16 91V」の1サイズのみ。

そのほかに、14~19インチの幅広いサイズを展開するハイグリップタイヤ「DIREZZA Z3」もおすすめ。新グリップ向上剤配合のコンパウンドが高いグリップ性能と耐摩耗性能を両立し、サーキットでのLAPタイム短縮を可能にします。

トーヨータイヤPROXES R888Rは高いドライグリップを発揮するリアルスポーツラジアル

トーヨータイヤPROXES R888Rハイグリップコンパウンドの優れたグリップによりコーナリング性能を高めるプロクセスR888R

PROXES R888R(プロクセス アールハチハチハチアール)は、レースやジムカーナなどのモータースポーツ用ラジアルタイヤ。非対称パターンのセンターのワイドリブがステアリングレスポンスと高めるとともに、アウト側の大型ブロックがコーナリング性能をアップ。

13~20インチの幅広いサイズ展開のうち、一部のサイズが、低燃費タイヤのラベリング制度で転がり抵抗性能「B」「C」、ウェットグリップ性能「c」「d」を獲得しています。

また、PROXESシリーズでは、ドリフト競技向けにチューンした「PROXES R888R Drift」をラインナップ。R888Rとほぼ同じ左右非対称のパターンデザインで、ドリフトに求められるハイグリップに加えて、高いコーナリング性能を発揮します。

ファルケンAZENIS RT615K+のが強力グリップと高い応答性がサーキットでのラップタイムを短縮

ファルケンAZENIS RT615K+最適化によってハードな限界走行に耐えるパターン剛性を実現するアゼニスRT615K+

AZENIS RT615K+(アゼニス アールティーロクイチゴケー プラス)は、サーキットでラップライムの短縮を実現するドライグリップに優れたスポーツタイヤ。トレッド面が走り始めから素早く発熱するほか、ランド比の高いパターンデザインにより強力なグリップを発揮。

タイヤサイズラインナップは17インチと18インチの9サイズで、主に86やBRZ、S2000など各社を代表するスポーツカーのほか、2020年8月発売のGRヤリスなどに適合します。

ミシュランPILOT SPORT 4Sは高いパフォーマンスが公道からサーキットまでの走りが可能

ミシュランPILOT SPORT 4S広い接地面が路面をグリップして優れた走行性能と高速安定性能を発揮するパイロットスポーツ4S

PILOT SPORT 4S(パイロットスポーツ フォーエス)は、最先端テクノロジーと情熱の結集により高レベルのドライグリップを実現したハイスペックスポーツタイヤ。OUT側とIN側で異なるコンパウインドを採用することで、高次元のドライグリップとウェットグリップを両立。

タイヤサイズラインナップは18~22インチで、一部のサイズが、低燃費タイヤのラベリング制動で転がり抵抗性能「A」「B」、ウェットグリップ性能「a」を獲得しています。

また、PIKOTシリーズには、ダイナミックグリップスポーツタイヤ「PILOT SPORT 4」をラインナップ。こちらタイヤは、フォーミュラEで培われた技術を応用により、溝の割合を低く抑えることでグリップ力を高めています。

グッドイヤーEAGLE F1 ASYMMETRIC 5は強力なウェットグリップを発揮するUHPタイヤ

グッドイヤーEAGLE F1 ASYMMETRIC 5制動時にタイヤブロックの接地面積を確保して摩擦力を高めるイーグル F1 ASYMMETRIC 5

EAGLE F1 ASYMMETRIC 5(イーグル エフワン アシメトリックファイブ)は、全サイズで最高グレードaのウェットグリップ性能を獲得するハイパフォーマンスタイヤ。さらに、トレッド面からの入力を緩和する一方、路面に確実にパワーを伝えることでドライハンドリング性能をアップ。

タイヤサイズラインナップは17~20インチで、一部のサイズが、転がり抵抗性能「A」を獲得する低燃費タイヤとなっています。

さらにEAGLEシリーズでは、2020年3月に「EAGLE RS SPORT V4」が発売。ル・マン24時間などの世界耐久選手権(WEC)用タイヤの開発チームが手掛けたタイヤで、ドライグリップとウェットグリップをバランスするとともに、ロングラン性能もしっかり確保しています。

ピレリ P ZERO CORSAは世界の名立たるメーカーと共同開発したスリックタイヤのようなスポーティモデル

ピレリ P ZERO CORSAIN側のトレッドが高速走行とグリップ力/トラクションをバランスするP ZEROコルサ

P ZERO CORSA(ピーゼロ コルサ)は、フェラーリやランボルギーニ、ポルシェなどのスーパーカーに承認されるハイパフォーマンスタイヤ。一般道路とレース場の両方で高いドライグリップを発揮するほか、極上のハンドリングとトラクションを実現。

タイヤサイズラインナップは19~21インチで、一部のサイズには「ノイズキャンセリングシステム(PNCS)」と呼ばれる車の内側の騒音を抑える技術が採用されています。

P ZEROシリーズにはこのほかに、スポーツカー用のハイパフォーマンスタイヤ「P ZERO」をラインナップ。ドライグリップとウェットグリップをバランスよく高めているほか、コンフォート性能やライフ性能も確保しています。

ケンダKR20A KAISERは高いコントロール性能とグリップ性能が思い通りのライン取りを可能に

ケンダKR20A KAISERサイドウォールの剛性を高めたケース構造により高いドライ性能を発揮するKE20A カイザー

KR20A KAISER(ケーアールニーマルエー カイザー)は、D1グランプリやフォーミュラ ドリフトなどのモータースポーツシーンで採用されるリアルスポーツタイヤ。V字対称トレッドパターンが排水性を高めるとともに、連続したセンターブロックが高い高速安定性を発揮。

タイヤサイズラインナップは15~18インチで、広範なV/W/Zのスピードレンジが特徴となっています。

また、KAISERシリーズのベースモデル「KR20 KAISER」は、グリップ重視のコンパウンドが高い安定性を発揮するほか、2種類の溝が排水性を高めるデジタル3Dトレッドによって、ウェット性能を確保しています。

ナンカン NS-2Rのワイドなトレッドが路面を確実に捉えて公道やサーキットで高い性能を発揮

ナンカン NS-2R台湾の優れた製品に贈られる台湾エクセレンス2016を受賞したRACING NS-2R

NS-2R(エヌエス ツーアール)は、数々のレースで高評価を獲得するハイグリップスポーツタイヤ。高速ドライビングだけでなく、ドライ路面でもウェット路面でもタイヤ交換が不要のグリップ性能とともに、UTQG表示のTreadwear(耐摩耗性能)は80、100、180を実現。

タイヤサイズラインナップは13~20インチで、特定のサイズにレース仕様のソフトコンパウンドを設定するほか、公道仕様のミディアムコンパウンドが用意されています。

クムホECSTA V710は独自のパターンデザインにより異次元のドライグリップを実現

クムホECSTA V710極限にまで接地性を高めることで優れたドライパフォーマンスを実現するエクスタV710

ECSTA V710(エクスタブイナナニーマル)は、スリックタイヤに近いシンプルな非対称パターンにより、シリーズ最強のドライグリップを実現するハイグリップタイヤ。タイヤサイズラインナップは15~18インチで、ドライ路面専用タイヤのため、公道やウェット路面での使用には不向きです。

一方、ウェット性能を求めるのなら、ECSTAシリーズの「ECSTA V720」がおすすめ。セミウェット路面で高いグリップ性能を発揮するほか、耐摩耗性や乗り心地、静粛性をバランスよく高めているため、サーキットだけでなく街乗りにも使える実用性の高いタイヤとなっています。

ネクセンNFERA Sport Rはサーキットでラップタイムを短縮するために強力なグリップを実現

エヌフィラ スポーツRエヌフィラ スポーツR

N ‘FERA Sport R(エヌフィラ スポーツアール)は、日本のサーキットで開発されたハイグリップスポーツタイヤ。センターリブで排水性を確保するとともに、ランド比を高めたOUT側のブロックが高いグリップ力を発揮。こちらもドライグリップ優先設計のため、降雨時には十分な注意が必要です。

タイヤサイズラインナップは、86やBRZ、シルビア、インプレッサスポーツなどに適合する205/55R16 91Wの1サイズのみとなっています。

ハイグリップタイヤのメリットは強力なグリップ力と高い安全性

ハイグリップタイヤ(スポーツタイヤ)は、その名の通り路面をしっかりと捉えるグリップ力の高さが最大のメリット。グリップ力が強ければ、素早くスピードを出せるだけでなく、高速域での制動性が高く、高いコーナリング限界性能を発揮します。

そのほかに、メーカー各社のオリジナリティーにあふれるパターンデザインも魅力の一つ。ランド比の高い接地面やOUT側の剛性を高めた非対称パターンによって、路面をしっかりグリップするとともに優れたコーナリング性能を実現します。

ハイグリップタイヤは摩耗しやすく価格が高いのがデメリット

ハイグリップタイヤ(スポーツタイヤ)のデメリットは、路面をグリップする際に路面から受ける摩擦力が強いため摩耗しやすい点と、先進技術の採用によって高品質を実現しているため、ローグリップタイヤに比べて価格が高い点です。

交換サイクルが短いばかりか高額なため、経済性は決して高いとは言えないことから、最近は国内外のトップブランドが販売する高額なハイグリップタイヤのほかに、アジアンタイヤメーカーが販売する安価なハイグリップタイヤの人気も高まっています。

スポーツ性能に優れたハイグリップタイヤは車本来の魅力を引き出してくれる

スポーツカーやハイパフォーマンスカーに装着されるハイグリップタイヤは、その強力なグリップ力によって素早い発進加速に加えて、高い操縦性や制動性が得られる高品質タイヤです。

特に、ローグリップタイヤからハイグリップタイに交換した際に、その大きな違いを体感することができることから、ハイグリップタイヤ未経験のドライバーは、ここで紹介したスポーツタイヤブランドを参考にして、自分の車に合ったタイヤを選んでみてはいかがでしょう。