軽自動車の定員数

軽自動車の定員は何人?12歳未満はカウント方法が違う!

軽自動車には定員数がある。一部の軽自動車を除き、規格で決められた4人が定員数だが、例外も存在し最大では5人で乗車できる。軽自動車の定員を越えた5人乗車の条件、5人乗車したときのデメリット、定員オーバーしたときの罰則や罰金、シートベルトの着用義務など解説。

軽自動車の定員は何人?12歳未満はカウント方法が違う!

軽自動車の定員数は4人?5人?大人と子どもの正しいカウント

軽自動車は日本独自の規格で、戦後の経済成長の助けとなるために誕生しました。
実用的な軽自動車は1955年にスズキが発売したスズライトから始まり、軽自動車の歴史がスタートします。
販売価格が普通乗用車と比較し安価なことと、税金面や保険料でも優遇されているため、初めて購入する車やセカンドカーとしても人気となっています。

一昔前はボディが弱く耐久性がない、エンジンパワーが足りず高速道路や坂道では力不足、乗り心地が悪い、などと言われていましたが現在の軽自動車はこれらの弱点を克服しています。
特に乗り心地や安全性は普通車にも負けないほどで、ファミリーカーとして絶大な支持を集めています。

では軽自動車をファミリーカーとして使う場合の乗車人数はいったい何人なのでしょうか。軽自動車の規格では4人の乗りとなっていますが、状況により5人乗りも可能となっています。
詳しい乗車人数のカウント方法、乗車人数をオーバーした場合の罰則など、軽自動車の正しい定員数について解説します。

軽自動車の最大乗員数は大人と子どもを合わせた合計5人

5人で車に乗り込む家族

ダイハツのコペンやホンダのS660のような乗員定員2名の軽スポーツを除き、ほとんどの軽自動車は4人が定員となっています。この定員数は車検証にも記載されているので一度確認してみましょう。

何故定員4名なのか、それは軽自動車のボディサイズやエンジンが小さいことによる運搬能力の不足など様々なことが考えられますが「軽自動車の規格で決まっていること」なので、現在の法律が変更されない限り変わりません。

軽自動車の規格

  • 全長 3,400mm以下
  • 全幅 1,480mm以下
  • 全高 2,000mm以下
  • 排気量 660cc以下
  • 定員 4名以下
  • 貨物積載量 350kg以下

しかしここで定員数の例外があり、それが道路交通法の子どもの乗車定員の解釈です。

道路交通法では12歳未満の子どもは3人で大人2人分にカウント

赤ちゃんをチャイルドシートに乗せるパパ

道路交通法では車に乗る12歳未満の子ども(11歳までの子ども)は、法律上3人で大人2人とカウントされます。

前項の乗車定員は、十二歳以上の者の数をもつて表すものとする。この場合において、
十二歳以上の者一人は、十二歳未満の小児又は幼児一・五人に相当するものとする。

引用元:道路運送車両 保安基準第53条第2項

乗車人数の計算式

  • (定員数-大人の数)×1.5=乗車できる子どもの数
    ※小数点以下は切り捨て

例えば大人2人、12歳未満の子ども3人の計5人乗車でも、子どもは大人2名とカウントされているため違反にはなりません。計算式に当てはめると「(4-2)×1.5=3」となり、大人2人が乗車する場合の子どもの乗車人数の上限は3人となります。

これを大人3人とした場合は「(4-3)×1.5=1.5」で小数点以下は切り捨てとなり乗車できる子どもの数は1人なります。

軽自動車の乗車定員
乗車定員の例 乗車の可否
大人4人
大人3人+子ども1人
大人2人+子ども2人
大人2人+子ども3人
大人1人+子ども3人
大人1人+子ども4人
大人5人 ×
大人3人+子ども2人 ×
大人2人+子ども4人 ×
大人1人+子ども5人 ×

5人乗車時は不足分のシートベルトとチャイルドシートは免除

車に乗り喜ぶ赤ちゃん

軽自動車の定員は4人なので、運転席と助手席にそれぞれ1つ、後席の左右に2つの合計4つのシートベルトが用意されています。
しかし大人2人+子ども3人、または大人1人+子ども4人の最大5人で乗車した場合は1人シートベルトができない状況となります。
この場合は特例でシートベルトの着用義務が免除されることもあります

6歳未満の子どもに着用義務があるチャイルドシートの場合も同様で、後席にチャイルドシートを3つ並べることができないため、1人分のチャイルドシートが免除されることがあります

これらは特別な理由がなければ免除されない、という点に注意しておく必要があり、事前に警察署などに相談することで認められる場合があります
大人と子どもを合わせた5名で軽自動車に乗車する方は、定員数を守った上で警察署に相談してみると良いでしょう。

軽自動車に5人で乗る時の乗車位置

助手席に乗った子どもに絵本を読んであげる女性

軽自動車はボディサイズが規格で決まっているため、普通自動車のように余裕のある室内ではありませんが、近年の軽自動車は天井が高いトールワゴンタイプが主流のため室内が広々使えます。
しかしチャイルドシートを乗せ、後席に3人乗るにはやはり狭いでしょう。

道路交通法ではチャイルドシートの設置義務を説明していますが、設置場所については規定がありません。そのため助手席にチャイルドシートを設置することで軽自動車の室内を最大限広く使うことができます

助手席にチャイルドシートを乗せると室内を広く使えるのですが、危険を伴うデメリットもあるので注意しましょう。

エアバックにより押しつぶされる可能性がある

万が一衝突事故を起こし助手席のエアバックが作動した場合、助手席のチャイルドシートに乗車した子どもが、押しつぶされ窒息してしまう可能性があります。助手席にチャイルドシートを設置する場合は後ろ向きに設置するなど、大きな被害を最小限にするよう工夫しましょう。

わき見運転の原因になる

助手席にチャイルドシートを設置することで横に注意がそれ、わき見運転の原因となることがあります。子どもによる大きな音や動きに注意し、運転に集中することで事故を防ぐことができます。

軽自動車の定員オーバーの罰則・罰金は1点の減点と6,000円の罰則

後ろ向きで車に乗る子ども

軽自動車の定員オーバーは定員外乗車違反となり、罰則として1点の減点と6,000円の罰金が科せられます。
また大人の膝の上に子どもを乗せて運転した場合も乗車積載方法違反となり、罰則として1点の減点と6,000円の罰金が科せられます。ペットを膝の上に乗せて運転することも同様に乗車積載方法違反となるので注意しましょう。

軽自動車は規格内で出来るだけ広い居住性を持たせている構造を取り、外と中の距離が短くなっています。近年は安全装備が充実してきたとはいえ、衝突事故が起きた時は普通自動車よりも安全性は劣ります。
例えば正面衝突した場合、普通乗用車であれば衝突事故を起こしてもボンネットと運転席の距離があるため大事には至らないケースがあります。
しかし軽自動車の場合はボンネットが短いため大きな事故に繋がる可能性が普通乗用車に比べ高くなっています

仮に事故を起こした場合も定員オーバーの違反を犯していたことが発覚すると任意保険の対象とならないこともあります。罰則、罰金、事故を起こした車両の弁償など、定員オーバーの違反にはデメリットしかないので絶対に止めましょう

安全のためにはゆとりのある定員数が大切

軽自動車

今まで軽自動車に乗っていた方も家族が増えた場合には買い替えの検討をしましょう。
軽自動車では大人1人+子ども4人、または大人2人+子ども3人で最大5人まで乗車できます。しかし前述した安全面を考慮すると5人以上の乗車は危険を伴う可能性があることを覚えていてください。
家族の安全を守るため、ゆとりのある定員数を心がけましょう。