フォルクスワーゲン T-Rocのモデルチェンジ

VW T-Rocが2代目へフルモデルチェンジ 2025年8月27日発表 ブランド初フルハイブリッド搭載でディーゼル廃止 日本導入は?

新型T-Rocの日本導入はいつか。初代は2023年に輸入SUV登録台数1位を獲得し、2025年6月には172台限定のブラックスタイルパフォーマンスも登場しました。2代目の中身と現在の状況を整理します。

VW T-Rocが2代目へフルモデルチェンジ 2025年8月27日発表 ブランド初フルハイブリッド搭載でディーゼル廃止 日本導入は?

T-Rocは2025年8月に2代目へフルモデルチェンジ VWブランド初のフルハイブリッドを搭載

フォルクスワーゲンのコンパクトSUV「T-Roc(Tロック)」は、2025年8月27日に第2世代へフルモデルチェンジしました。初代の登場から8年、累計販売は200万台を突破し、2024年には欧州だけで約29万2000台を売り上げたVWの屋台骨です。日本でも2020年7月の導入以降に支持を広げ、2023年には輸入SUVの年間登録台数で1位を獲得しました。

2代目最大のトピックは、VWブランドとして初めてフルハイブリッド(ストロングハイブリッド)を搭載することです。一方でディーゼルは設定されず、パワートレインは全車電動化されました。ここではまず2代目の中身と現在の状況を整理し、そのうえで初代T-Rocが歩んだ道のりを振り返ります。

2代目T-Rocが2025年8月27日にワールドプレミア 全長120mm拡大でディーゼルは廃止

フォルクスワーゲンは2025年8月27日、第2世代となる新型T-Rocを世界初公開しました。ドイツでの市場投入は2025年11月からで、現地価格は30,845ユーロからです。

ボディは初代から全長を120mm伸ばして約4,370mm、ホイールベースも約2,630mmへ拡大し、クーペ風のルーフラインを保ちながら後席の居住性を確保しました。フロントとリヤには連続発光するLEDライトバーと発光式のVWロゴを採用し、上級グレードにはIQ.LIGHTマトリクスLEDが設定されます。プラットフォームは最新世代のMQB evoです。

2代目T-Rocのパワートレイン

  • 1.5 eTSI(48Vマイルドハイブリッド)116PS/220Nm
  • 1.5 eTSI(48Vマイルドハイブリッド)150PS/250Nm
  • 1.5L フルハイブリッド 136PS(VWブランド初)
  • 1.5L フルハイブリッド 170PS(VWブランド初)
  • 2.0 TSI 204PS+4MOTION(2026年に追加予定)
  • ディーゼル(TDI)の設定はなし

初代で人気を支えたディーゼルが姿を消し、マイルドハイブリッドとフルハイブリッドで固めたのが2代目の性格です。トランスミッションは7速DSGで、MTは用意されません。最上位のT-Roc Rについては2027年の投入が見込まれており、現時点ではラインナップされていません。

評価も上々です。2025年11月にはドイツの「ゴールデンステアリングホイール」で新型T-Rocが受賞し、2025年12月にはユーロNCAPで最高評価の5つ星を獲得しました。2026年1月には英国で受注が始まり、マイルドハイブリッドが約665万円からという価格設定になっています。

日本への導入時期については、2026年7月時点でフォルクスワーゲン ジャパンから正式なアナウンスは出ていません。ただし初代が輸入SUV登録台数1位を取った主力車種であること、欧州で2025年11月から納車が始まっていることを踏まえると、遠からず導入されるとみるのが自然でしょう。焦点はむしろ価格です。初代の日本仕様が現在429万円からであることを考えると、電動化とサイズ拡大を受けた2代目は、これを上回る水準からのスタートになる可能性が高いと当編集部では見ています。

T-Rocカブリオレは2代目に設定なし 初代ベースで受注生産が続くとの見方

初代に用意されたオープンモデル、T-Rocカブリオレは、2代目には設定されていません。ビートル カブリオレやゴルフ カブリオレの系譜を継ぐVW唯一のオープンモデルでしたが、2代目の商品構成からは外れました。

一方で、初代ベースのT-Rocカブリオレはオスナブリュック工場で受注生産という形で残り、2027年末まで生産が延長されるという見方が出ています。当初は2025年で打ち切られる予定だったものが、地中海圏を中心とした根強い需要を受けて延命した、というのがその内容です。ただしフォルクスワーゲンが公式に生産終了時期を発表したわけではないため、確定情報として扱うことはできません。
いずれにせよ、日本にはついに導入されないまま終わることになりそうです。

日本仕様の初代T-Rocに特別仕様車ブラックスタイルパフォーマンスを2025年6月20日発売

フォルクスワーゲン ジャパンは2025年6月20日、T-Rocの特別仕様車「Black Style Performance(ブラックスタイルパフォーマンス)」を172台の限定で発売しました。

ベースとなるのは最高出力300PSの2.0TSIエンジンと4MOTIONを組み合わせたハイパフォーマンスモデル「R」で、内外装の各部をブラックで仕立てています。2023年の「Black Style」がスタイル系グレードをベースにしていたのに対し、こちらはRを土台にした点が大きな違いです。初代T-Rocの日本仕様にとって、事実上の集大成にあたる一台といえます。

日本仕様にディーゼル4WDのTDI 4MOTIONを2025年1月7日追加 価格改定も実施

フォルクスワーゲン ジャパンは2025年1月7日、T-Rocに「TDI 4MOTION」を追加設定しました。

搭載されるのは、ツインドージング(デュアルAdBlue噴射)システムを採用した最新世代の2.0L直列4気筒ディーゼルターボで、最高出力110kW(150PS)、最大トルク360Nmを発生します。従来の2WDモデルと最高出力は同じですが、最大トルクは20Nm上乗せされました。組み合わされるのは7速DSGと、油圧多板クラッチを用いたオンデマンド式フルタイム4WDの4MOTIONです。
それまで日本仕様のT-Rocで4MOTIONを積むのは最上位の「R」だけだったため、ディーゼルと4WDの組み合わせを待っていた層には待望の設定でした。あわせて、内外装をブラックで統一した「Black Style」もラインナップに再設定されています。

なお価格面では、2024年8月30日にポロ・ゴルフトゥーランとともに価格改定が発表され、さらに2024年12月20日には2025年1月1日以降の価格改定(平均約2%)が発表されました。原材料費の上昇を受けたもので、T-Roc R、TSI Active、TSI Styleが対象です。

フォルクスワーゲン初のコンパクトSUV「T-Roc」を発売

ヨーロッパ最大の自動車グループであるVW(フォルクスワーゲン)は、2017年にコンパクトSUV「T-Roc」を欧州で発売し、日本市場では2020年7月15日から販売を開始しました。

同車は、2014年のジュネーブモーターショーで発表された「T-Rocコンセプト」の市販モデルです。T-Rocはゴルフをベース車両とし、グループ企業であるアウディQ2と同じモジュラープラットフォーム「MQB」で開発されました。

T-Rocの車名は、フォルクスワーゲン・ブランドのSUV「トゥアレグ」「ティグアン」「テラモント」の頭文字であるTを冠してSUVシリーズとしての統一感を持たせ、Rocは英語のRock(岩)に由来しています。従来のSUVのイメージにとらわれないT-Rocのエクステリアやインテリアの魅力、充実した安全性能などについても特徴を紹介します。

VW T-Rocをブラックパーツでドレスアップした特別仕様車ブラックスタイルを2023年10月17日発売

T-Roc特別仕様車ブラックスタイルのエクステリアブラックパーツで精悍なスタイルに進化したT-Rocの特別仕様車ブラックスタイル

フォルクスワーゲンのT-Roc(Tロック)に特別仕様車Black Style(ブラックスタイル)が2023年10月17日に追加されました。
VWで唯一2トーンカラーを設定するT-Rocに、精悍なイメージのブラックパーツを各所へ配することで、力強い印象に仕上げられています。

T-Roc ブラックスタイルの専用エクステリアとして、フロントグリル下部やルーフレール、ブラックアルミホイールを装備。インテリアはダッシュパッドやエアコンベゼル、センターコンソールなどをブラックアウトしました。販売価格は4,610,000円から6,668,000円です。

フォルクスワーゲン・Tロック カブリオレがドイツで販売スタート

フォルクスワーゲンは2020年3月20日、小型SUV「T-Roc」のオープン仕様である「T-Roc カブリオレ」をドイツ市場で発売しました。

4人乗りオープンのT-Roc カブリオレは、「スタイル」とスポーティーな「R-Line」の2モデルをラインナップ。最大30km/hでの走行中も9秒でオープン・クローズ操作が可能なソフトトップを採用しています。
パワートレインは直列3気筒1.0Lターボと直列4気筒1.5Lターボを搭載。6速MTを組み合わせ、1.5L車にはオプションで7速DCTが用意されました。

フォルクスワーゲンT-Roc「R」の第一号車がユーザーへ引き渡し

フォルクスワーゲンT-Roc RのエクステリアフォルクスワーゲンT-Roc Rのエクステリア

フォルクスワーゲンは2019年11月22日、T-Rocの高性能モデル「R」の量産第一号車を顧客へ引き渡したと発表しました。
T-Roc Rはエクステリア・インテリアともにR専用のデザインを採用した特別な一台です。ホイールは18インチが標準で、オプションで19インチ(タイヤは235/40R19)を選べます。パワートレインは最大出力300PS、最大トルク40.8kgm(400Nm)の直噴2.0L直列4気筒ガソリンターボ「TSI」で、7速デュアルクラッチ「DSG」を組み合わせ、駆動方式は4MOTION(4WD)です。
このRは、のちに2022年のマイナーチェンジで日本にも導入され、日本仕様T-Rocの頂点として2025年の限定車まで務め上げました。

T-Rocに最強ディーゼル搭載の最上級グレードを設定

欧州のフォルクスワーゲンT-Rocに、強力なディーゼルエンジンを積む最上級グレードが設定されました。
パワートレインは2.0L直列4気筒ターボディーゼル「TDI」に7速「DSG」を組み合わせ、最大出力190PS、最大トルク40.8kgmを発生します。駆動方式は「4MOTION」です。

T-Rocの「ブラックスタイル」デザインパッケージのエクステリアT-Rocの「ブラックスタイル」デザインパッケージのエクステリア

さらに「ブラックスタイル」のデザインパッケージも設定されました。エクステリアパーツから足回りまでブラックで仕上げた、シックで上質な仕立てです。
なお、こうしたディーゼルの展開は初代限りとなり、2025年に登場した2代目T-Rocにはディーゼルが設定されていません。

フォルクスワーゲンT-Rocに「R」モデルが受注スタート 価格はおよそ520万円から

フォルクスワーゲンT-Roc Rがいよいよ受注開始フォルクスワーゲンT-Roc Rがいよいよ受注開始

ジュネーブモーターショー2019で初公開されたフォルクスワーゲンT-Rocのハイパフォーマンスモデル「T-Roc R」が、ヨーロッパで受注を開始しました。ベース価格は43,995ユーロ、当時の為替で日本円にして約520万円です。

スポーティーモデルのT-Roc RはフォルクスワーゲンRが開発を担当。0〜100km/h加速は4.8秒、最高速度は250km/hに達します。最高出力は221kW/300PS、最大トルクは400Nmです。
ローンチコントロールを備え、走行モードで「レースモード」を選んだ際のトラクション性能を大幅に高めています。

フォルクスワーゲンT-Roc R はRモデルならではの専用装備に注目フォルクスワーゲンT-Roc R はRモデルならではの専用装備に注目

エクステリアでは、グリルにRバッジを掲げ、ボディカラーと同色の専用バンパーが目を引きます。フロントバンパーにはデイタイムランニングライトが内蔵されました。ホイールは18インチが標準装備で、オプションでダークグラファイトマットの19インチを選択できます。
ボディカラーにはホワイトやブルーなどRモデル専用色が用意され、全色にブラックルーフを設定可能です。

インテリアにもRならではの装備が多数。ステンレス製ドアシルプレート、クリスタルグレーのパドルシフトレバー、マイクロファイバー「ArtVelours」を用いたシートなどが設定されています。

フォルクスワーゲンT-Rocにカブリオレモデルが登場 フランクフルトモーターショーでデビュー

フォルクスワーゲンT-Rocカブリオレのエクステリア画像フォルクスワーゲンT-Rocカブリオレのエクステリア画像

コンパクトクロスオーバーSUV「T-Roc」に、オープンモデルの「Volkswagen T-Roc Cabriolet(T-Rocカブリオレ)」が加わりました。デビューの舞台は2019年9月のフランクフルトモーターショーです。
T-Roc本体は2020年に日本導入されましたが、カブリオレは結局日本には導入されず、2代目T-Rocでも設定が見送られています

フォルクスワーゲンT-Rocカブリオレのリヤビュー画像フォルクスワーゲンT-Rocカブリオレのリヤビュー画像

スポーティーなエクステリアデザインをまとうT-Rocカブリオレ。折りたたみ式のソフトトップは30km/h走行中でも約9秒で開閉が完了します。
プラットフォームはクローズドボディと共通で、ボディサイズは以下のとおり。ティグアンよりも一回り小さいサイズです。

フォルクスワーゲンT-Rocカブリオレとティグアンのボディサイズ比較
  T-Rocカブリオレ ティグアン
全長 4,268 mm 4,500mm
全高 1,522 mm 1,675mm
全幅 1,811 mm 1,840~1,860mm
ホイールベース 2,630 mm 2,675mm

フォルクスワーゲンT-Rocカブリオレのコックピット・シートデザインフォルクスワーゲンT-Rocカブリオレのコックピット・シートデザイン

フォルクスワーゲンT-RocカブリオレのラゲッジルームフォルクスワーゲンT-Rocカブリオレのラゲッジルーム

2019年8月14日に公開されたイメージによると、T-Rocカブリオレのインテリアカラーはスポーティーなブラック。シートはダイヤカットデザインにホワイトのステッチをあしらっています。
後部座席後方には横転時の保護を目的としたロールオーバープロテクションを搭載し、各部の構造改良によっても安全性を高めています。

フォルクスワーゲンがジュネーブモーターショー2019で「T-Roc R」をワールドプレミア

フォルクスワーゲン「T-Roc R」のエクステリアジュネーブモーターショー2019でフォルクスワーゲン「T-Roc R」が初披露された

フォルクスワーゲンは、2019年3月にスイスで開催されたジュネーブモーターショーで「T-Roc R」を世界初公開しました。コンパクトSUV「T-Roc」の高性能版という位置づけです。

エクステリアとインテリアはR専用のデザインを採用し、パワートレインと足回りも強化されました。発表当初はイメージスケッチのみの公開でしたが、ショーで実車が披露され、その後ヨーロッパで受注が始まっています。

Tロック(T-Roc)のエクステリアはVW初の2トーンカラーを採用した鮮やかさが特徴

T-Rocのエクステリア

T-Rocでは、VWブランドのSUVとして初めてツートンカラーが採用されました。フロントおよびサイドボディのカラーとルーフのカラーを塗り分けることで、街中で映える個性が生まれます。ルーフだけでなくAピラーとドアミラー上部にもツートンを施せるため、トータルデザインに深みが増します。

フロントグリルは上部と下部をクローム加飾のパーツで仕切り、上部は水平基調、下部はハニカム構造のデザインを採用。多面的な魅力が備わりました。
バンパー左右にはデイタイムランニングランプなど、特徴的なフロントグリルと呼応するデザインが取り入れられています。

T-Rocのサイドビュー

各ピラー上部にメタル調パーツを配することでルーフが一層引き立ちます。ホイールの立体構造とサイドボディの凹凸面が相まって、躍動感のあるスタイルです。

T-Rocのリヤビュー

リヤはSUVにありがちな単調さがなく、テールランプやブレーキランプといった構成パーツの一つひとつが洗練されています。

ラゲッジルームは445Lを確保し、リヤシートをアレンジすれば1,290L近くまで拡大可能。コンパクトSUVでは最大クラスの積載能力です。

Tロック(T-Roc)のインテリアはセンターコンソールを中心にした統一性のある室内空間が魅力

T-Rocの内装

T-Rocの室内で目を引くのは、ボディカラーと色調を合わせたインパネ周辺やセンターコンソールを彩る鮮やかなブルーです。

システム面も充実し、デジタルメーターとワイドサイズ液晶パネルを備えるインフォテインメントシステムを導入。デジタル世代の若い層の購買意欲を刺激しました。

インフォテインメントシステムはActive Info Display(アクティブインフォディスプレイ)と連携することで、クルマと対話しているような臨場感のあるコックピットを体感できます。

また、ネット接続によりフォルクスワーゲンカーネットとつながり、多様なオンラインサービスを利用できます。
なお、この初代のインテリアは硬質プラスチックの多用が弱点とされ、2022年のマイナーチェンジで大幅に改良されました。2代目ではダッシュボードがファブリック仕上げとなり、質感の課題に正面から手が入っています。

T-Rocの後席

シートのセンター部には差し色となるブルーがステッチ加工されています。クッション性もアクティブユーザーの期待に応える出来です。

Tロック(T-Roc)のボディサイズやパワートレインの種類やスペック

初代T-Rocのボディサイズと、ガソリン/ディーゼルのパワートレインを紹介します(欧州仕様の数値です)。

ボディサイズ(初代)
全長 4,235mm
全幅 1,820mm
全高 1,575mm
ホイールベース 2,600mm
ガソリンエンジン
1.0 TSI 1.5 TSI
エンジン 直列3気筒DOHCターボ 直列4気筒DOHCターボ
排気量 1.0L 1.5L
最高出力 85kW/5,000-5,500rpm 110kW/5,000-6,000rpm
最大トルク 200Nm/2,000-3,500rpm 250Nm/1,500-3,500rpm
トランスミッション 7速DSG 7速DSG
駆動方式 FF 4WD
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン(ハイオク) 無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)
ディーゼルエンジン
1.6TDI 2.0TDI(上級グレード)
エンジン 直列4気筒ディーゼルターボ 直列4気筒ディーゼルターボ
排気量 1.6L 2.0L
最高出力 85kW/3,250-4,000rpm 135kW
最大トルク 250Nm/1,500-3,200rpm 380Nm/1,750-3,250rpm
トランスミッション 7速DSG 7速DSG
駆動方式 FF 4WD
使用燃料 軽油 軽油

なお日本仕様のディーゼルは、2025年1月に最新世代へ更新され、2.0L TDIで最高出力110kW(150PS)、最大トルク360Nmという数値になっています。

Tロック(T-Roc)もオールイン・セーフティの考えのもと安全面が充実

フォルクスワーゲンは、自社のクルマの安全性を高めるためにオールイン・セーフティをコンセプトに掲げています。「予防安全」「衝突安全」「二次被害防止」につながる安全システムとして、衝突回避ブレーキ、レーンキープアシスト、アダプティブクルーズコントロールなどを装備します。

T-Rocではこれらに加えて、オプションでブレーキ機能付きパークアシストやリアビューリバーシングカメラなどを追加でき、安全性をさらに高められます。
2代目ではこの領域が大きく前進し、Travel Assistが高速道路での支援付き車線変更に対応。2025年12月にはユーロNCAPで5つ星を獲得しています。

Tロック(T-Roc)の日本での販売価格は300万円をきると予想していたが、実際は400万円台からのスタートに

導入前、T-Rocの欧州価格がおよそ2万ユーロだったことから、日本での販売価格は300万円をきると予想していました。ティグアンが360万円からだったため価格面で差別化する必要があり、同じプラットフォームのアウディQ2が300万円を下回っていたことが根拠です。

結論から言えば、この予想は外れました。2022年7月のマイナーチェンジ時点で日本仕様は3,943,000円から6,266,000円という設定になり、その後の価格改定を経て、現在は429万円からとなっています。

外れた理由は3つあると考えます。第一に、日本仕様がエントリー価格の安い1.0Lガソリンではなく、2.0Lディーゼルを主力に据えて導入されたこと。第二に、安全装備やインフォテインメントを標準化する方向で商品企画が組まれたこと。第三に、導入後に進んだ円安と原材料費の高騰です。2024年8月と2025年1月にも価格改定が実施されており、輸入車全体に共通する構造的な値上がりの波を、T-Rocも受け続けました。
もっとも、価格が上がってもなお2023年に輸入SUV登録台数1位を獲得したのですから、日本のユーザーはT-Rocの中身に見合う価値を認めた、ということでしょう。

Tロック(T-Roc)のスポーツグレード「R-Line」は人気グレード

T-Rocのフロントビュー

2017年9月のフランクフルトモーターショーでは、T-Rocのスポーツグレード「R-Line」が世界初披露されました。

T-Rocをベースにステアリングやペダルをスポーツ仕様とし、スポーティーな魅力を高めた「R-Line」はアクティブユーザーの購買意欲を刺激する内容で、実際に人気グレードとして定着しました。2代目でもR-Lineは早期に設定され、2025年9月のドイツでの予約開始時からラインナップされています。

フォルクスワーゲン初のコンパクトSUV T-Rocのモデルチェンジ遍歴

T-Rocはドイツのフォルクスワーゲンが販売するコンパクトクロスオーバーSUVで、VWブランドとしては4番目に登場したSUVです。日本市場には2020年7月から導入されました。

フォルクスワーゲン・T-Roc 初代(2017年~2025年)

2017年8月、T-Rocが世界初公開されました。ゴルフと同じMQBプラットフォームを用いたクロスオーバーSUVで、FFを基本に4MOTION(4WD)も設定されています。同年11月から欧州で販売が始まりました。

2019年3月、ジュネーブモーターショーで高性能モデル「R」を世界初公開。同年9月のフランクフルトモーターショーでカブリオレを発表し、2019年11月22日にはRの量産第一号車が顧客へ引き渡されました。
2020年3月20日、T-Rocカブリオレがドイツで発売。
2020年7月15日、日本での販売を開始。2.0L TDIエンジンを搭載するモデルで、「TDI Style」「TDI Style Design Package」「TDI Sport」「TDI R-Line」がラインナップされました。同年12月には日本仕様の仕様変更を実施し、エンブレムの意匠を変更、「TDI Style」を除く全車に「Discover Media」を標準装備しています。

2021年5月、1.5L TSIエンジンを搭載する「TSI Style」「TSI Style Design Package」を日本仕様に追加設定。同年11月には特別仕様車「Black Style」を発売しました。

2022年7月、日本仕様がマイナーチェンジ。エクステリアデザインの刷新とインテリアの大幅な質感向上が図られ、最新の運転支援システムが全グレード標準装備となりました。グレード体系は「TSI Style」「TDI Style」「TDI R-Line」に整理され、エントリーグレードとして「TSI Active」を追加。さらにハイパフォーマンスモデル「R」が日本初導入され、全5グレード、3,943,000円から6,266,000円という構成になっています。

2023年10月17日、日本仕様に特別仕様車「Black Style」を発売(4,610,000円~6,668,000円)。この年、T-Rocは輸入SUVの年間登録台数で1位を獲得しました。
2024年8月30日、日本仕様の価格改定を発表。

2024年12月20日、2025年1月1日以降の価格改定(平均約2%)を発表。
2025年1月7日、日本仕様に「TDI 4MOTION」(2.0L TDI/150PS/360Nm、7速DSG)を追加設定し、「Black Style」を再設定。
2025年6月20日、「R」をベースとする特別仕様車「Black Style Performance」を172台限定で発売しました。

フォルクスワーゲン・T-Roc 2代目(2025年~)

2025年8月27日、第2世代となる新型T-Rocを世界初公開。全長を初代から120mm延長し、MQB evoプラットフォームを採用しました。
パワートレインは1.5L eTSI(48Vマイルドハイブリッド、116PS/150PS)を軸に、VWブランド初となるフルハイブリッド(136PS/170PS)を設定。ディーゼルは廃止されました。2026年には2.0 TSI 204PSと4MOTIONの追加が予定され、最上位の「R」は2027年の投入が見込まれています。

2025年9月、ドイツで予約受付を開始し「R-Line」も設定。同年11月から欧州で市場投入され、価格は30,845ユーロからです。11月にはドイツの「ゴールデンステアリングホイール」を受賞し、12月にはユーロNCAPで5つ星を獲得。2026年1月には英国で受注が始まりました。
日本への導入時期は、2026年7月時点で正式に発表されていません。

フォルクスワーゲン・T-Rocのモデルチェンジ遍歴
フォルクスワーゲン・T-Rocのモデル 販売年表
初代 2017年~2025年
2代目 2025年~

Tロック(T-Roc)の発売により世界のSUV市場はさらに拡大

T-Roc

T-Rocが登場した2017年当時、世界で販売される新車のうちSUVはおよそ3割を占めるまでに拡大していました。この流れを見据えて、それまで消極的だったロールスロイスやランボルギーニまでもがSUVをラインナップしています。

なかでも各メーカーが力を入れたのがコンパクトSUVでした。当時、T-Rocはメルセデス・ベンツGLAなどを脅かす存在になると見ていましたが、その読みは的中したといえます。T-Rocは累計販売200万台を突破し、2024年には欧州だけで約29万2000台を販売。2025年時点でも欧州SUV市場のトップに立つ存在へと成長しました。日本でも2023年に輸入SUV登録台数1位を獲得しています。

優れた機動性、ツートンカラーの映えるデザイン、スポーツグレード「R-Line」など、購買意欲を刺激する要素が満載だったT-Roc。その成功を土台に、2代目はディーゼルを捨ててフルハイブリッドへ踏み出しました。VWの電動化がどこまで受け入れられるのか、その答えを最初に示すのもまた、T-Rocということになりそうです。