ランドクルーザー300系のモデルチェンジ情報 GRモデルを初設定した現行フラッグシップの現在地
ランドクルーザーと言えば「陸の王者」と称され、世界中に熱心なファンを持つクロスカントリー四駆です。トヨタの中でも最も長い歴史を刻んできた、日本を代表する一台でもあります。
200系の販売から約10年が経つなかで「そろそろ300系へ」という観測が幾度も飛び交いましたが、2021年にランドクルーザーはついに300系へと世代交代を果たしました。
300系では専用グリルをまとうスポーツグレード「GR」を初めて用意し、ラグジュアリーな出自を保ちながらスポーティな選択肢も併せ持つラインナップへと広がっています。登場から約5年、一度目の一部改良も経た現行フラッグシップSUVについて、エクステリア・インテリア・スペックから最新の動きまで整理してお届けします。
ランドクルーザー300“RALLY RAID”をトヨタ車体が設定 ダカール市販車部門12連覇の記念モデル
かねて取り沙汰されていた特別なモデルは、トヨタ車体による特別架装車という形で結実しました。2025年9月11日、GR SPORT(ディーゼル車)をベースとした「ランドクルーザー“300”RALLY RAID」が発表されています。
ダカールラリー2025で市販車部門12連覇を達成したことを記念した一台で、コンプリート車は連覇の数にちなんで12台のみの限定設定。路面状況を的確に伝えるタイヤ・ホイール、意のままの操縦性を狙ったサスペンションやキャブマウント、姿勢を保持する専用シートなどを備え、ラリーで培った速さと疲れにくさを市販車へ落とし込んでいます。
ボディカラーにはプレシャスホワイトパールが組み合わされ、受付は抽選方式で行われました。台数がごく僅かなため、実質的にはコレクター的な位置づけの一台と言えそうです。
長年噂されたハイブリッドが海外で初公開 ランクル300にも電動化の波
ランドクルーザー300HEV
発売前から「いずれ追加されるのでは」とささやかれ続けてきたハイブリッド仕様が、ついに実車として姿を見せました。2025年6月、トヨタは中東およびオーストラリア向けに、ランドクルーザー300のハイブリッド(HEV)モデルを海外で初公開しています。
3.5LのV6ツインターボへモーターを組み合わせるシステムで、日本でレクサス「LX700h」に搭載されるユニットに近い構成とみられます。日本導入の可否や時期について公式なアナウンスはまだありませんが、2026年内の投入を見込む観測も出ています。
国内はガソリン・ディーゼルの受注消化が優先されている状況だけに、追加のタイミングは慎重に見極められることになりそうです。
ランドクルーザー300初の一部改良を2025年3月24日に実施 法規対応やセキュリティ強化など
ランドクルーザー300は、法規対応や装備の見直し、セキュリティ強化を柱とした初の一部改良を2025年3月24日に実施しました。
法規面では、プリクラッシュセーフティ(対自転車運転者を含む)の機能強化、イベントデータレコーダーの装備、サイバーセキュリティ対応、ディーゼル車のRDE(実路走行時排出ガス)対応などが盛り込まれています。
メーターは全車がインフォメーションディスプレイ内蔵のTFTカラーメーターへ刷新され、GR-S・ZX・VXが12.3インチ、AX・GXが7インチを採用。
ディスプレイオーディオは全グレードに8インチを標準装備し、GX以外には12.3インチのディスプレイオーディオPlus(コネクティッドナビ対応)をオプション設定しています。
盗難防止面も拡充され、My TOYOTAアプリで車両の始動をロックできる機能、スマートキー測距システム、指紋認証スタートスイッチを全グレードへ標準化しました。
もっとも、この一部改良は装備の話題性とは裏腹に、新規受注の再開を伴っていません。ランクル300は2022年7月から注文受付を停止したままで、改良後もトヨタは納車待ちの車両を優先して生産する姿勢を続けています。一部の販売店ではディーゼル車の抽選枠が案内されるなどの動きもみられますが、納期はグレードや仕様によって大きく差が出ているのが実情です。
なお、発売前にささやかれていた「300系初の特別仕様車」は、前述のとおりトヨタ車体の特別架装車「RALLY RAID」という形で2025年9月に登場しました。一方、海外流通のブラックガーニッシュを採用した“ブラックエディション”の国内導入については、現時点で確たる情報は確認できていません。
| グレード | 乗車人数 | エンジン | 販売価格 |
|---|---|---|---|
| GX | 5人 | ガソリン | 5,252,500円 |
| AX | 7人 | 5,630,900円 | |
| VX | 7人 | 6,436,100円 | |
| ZX | 7人 | 7,436,000円 | |
| 5人 | ディーゼル | 7,736,300円 | |
| GRスポーツ | 7人 | ガソリン | 7,836,400円 |
| 5人 | ディーゼル | 8,136,700円 |
ランドクルーザーのBEVモデルをジャパンモビリティショー2023でワールドプレミア
LAND CRUISER Se(ランドクルーザーSe)がジャパンモビリティショー2023でワールドプレミア
LAND CRUISER Se(ランドクルーザーSe)
LAND CRUISER Se(ランドクルーザーSe)
LAND CRUISER Se(ランドクルーザーSe)
ランドクルーザーのBEVモデル「LAND CRUISER Se(ランドクルーザーSe)」は、ジャパンモビリティショー2023で世界初公開されました。
全長5,150mm、全幅1,990mm、全高1,705mm、ホイールベース3,050mmという堂々たるサイズで、300系より長いボディながら全高は大きく抑えられ、スタイリッシュな低重心フォルムに仕立てられています。骨格は歴代のラダーフレームからモノコックへと大きく設計思想を変えつつ、ラフロードでの走破性も高い次元で確保しているとされます。
展示時点ではあくまでコンセプトカーという位置づけでしたが、そのまま市販化できそうな現実味のある内容だっただけに、その後の展開に関心が集まりました。海外メディアの間では2026年秋頃の登場を見込む声もありますが、2026年前半の時点でトヨタからの正式な発売アナウンスは行われておらず、実際に市販へ進むかどうかはなお不透明です。
パワートレインは100%モーター駆動のBEVが中心とみられ、将来的にエンジンとモーターを組み合わせる外部充電式のPHEVが加わる可能性も取り沙汰されています。
ランクル250の登場で300が海外専売化する噂は実現せず 250と300は併売に
かつては、ランドクルーザープラドの後継として300系に近いサイズの「ランドクルーザー250」が国内フラッグシップの座を引き継ぎ、300系は海外専売へ回るのではないか、という見方がありました。
実際には、ランクル250は2024年4月18日に発売され、300系が海外専売車へ切り替わることはありませんでした。300系は長納期の人気車で受注残も大きく、そもそも250とはねらう客層が異なることもあって、現在は250と300が併売される形に落ち着いています。
原点回帰を掲げた実用志向の250と、ラグジュアリー性を突き詰めた300とで、明確に性格を分けたラインナップになっていると言えるでしょう。
ランクル300へロングホイールベース追加の噂 日本仕様には現時点で未設定
300系に、ホイールベースを延長したロングバージョンを追加するのではないか、という噂が海外を中心に流れたことがありました。
パワートレインは標準車と同じ3.5LのV6ツインターボと、3.3LのV6ツインターボディーゼルの2本立てになるとされていましたが、噂の出どころが海外中心だったこともあり、少なくとも日本仕様には現時点でロングホイールベース車は設定されていません。
また、2030年頃の市販化が語られる水素エンジンについて、その第一号として300系が採用されるのでは、という声も一部にありましたが、こちらも現在までに市販化には至っていません。
ランドクルーザー(300系)が遂にフルモデルチェンジ 最高のオフローダーが全方位で進化
300系ランドクルーザーは新開発GA-Fプラットフォームへ刷新して最強のオフローダーに進化
ランドクルーザーは「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」という理念のもと、70周年の節目にあたる2021年8月2日、300系へとフルモデルチェンジしました。
日本のみならず海外での人気も根強く、先行して発表されたドバイでは花火やパレードが催されるほどの盛り上がりを見せています。
300系最大のトピックは、新開発のGA-Fプラットフォームを採用したことです。ボンネットやルーフ、フロントドアパネルなどをアルミニウム素材へ置き換え、高張力鋼板も広く用いることで、約200kgもの軽量化を達成しました。
軽量化は走行性能にも燃費にも直結する要素で、この一点だけでも200系からの正常進化がうかがえます。
ランドクルーザー300はボンネットなどにアルミニウム素材を採用することで軽量化
新開発のサスペンションで世界屈指の悪路走破性に
サスペンションも刷新され、フロントにハイマウントダブルウィッシュボーン式、リアにトレーリングリンク車軸式を採用。
タイヤの接地を保つホイールアーティキュレーションも磨かれ、悪路走破性は世界トップクラスへと引き上げられています。
ボディサイズは全長4,950mm(ZXは4,985mm)×全幅1,980mm×全高1,925mm、ホイールベース2,850mm。先代の200系と比べても全長が数十mm伸びた程度で、ほぼ同等のサイズにおさまっています。
大柄なイメージの300系ですが、200系に乗っていた方であればサイズ感を大きく変えずに乗り換えられそうです。
| 全長 | 4,950mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,980mm |
| 全高 | 1,925mm |
| ホイールベース | 2,850mm |
| 最低地上高 | 225mm |
| 室内長 | 2,775mm |
| 室内幅 | 1,635mm |
| 室内高 | 1,215mm |
| 車両重量 | 2,440kg |
| 最小回転半径 | 5.9m |
| 総排気量 | 3.444L |
| 最高出力 | 305kW(415ps)/5200rpm |
| 最大トルク | 650Nm(66.3kgm)/2000-3600rpm |
| 乗車人数 | 7人 |
| WLTCモード燃費 | 7.9km/L |
2021年8月2日の発表前には、最上級グレードで1,000万円を超えるのではないかという観測もありました。ふたを開けてみると予想を大きく下回る価格設定だったこともあり、先行オーダーの段階で納期が1年以上に達する人気となりました。
300系ランドクルーザー VX
300系ランドクルーザー VX
300系ランドクルーザー VX
300系ランドクルーザー VX
300系ランドクルーザー VX
300系ランドクルーザー VX
300系ランドクルーザー VX
300系ランドクルーザー VX
300系ランドクルーザー VX
300系ランドクルーザー GR SPORT
300系ランドクルーザー GR SPORT
300系ランドクルーザー GR SPORT
300系ランドクルーザー GR SPORT
ランクル300のタイヤは265/65R18を装着している
300系ランドクルーザーはZXとGRスポーツ限定でプレシャスホワイトパールを設定
ランクル300のボディカラーには、最上位グレードのZXと、スポーツグレードのGRスポーツ限定で「プレシャスホワイトパール」が用意されています。クラウンなどトヨタのフラッグシップに採用される特別なカラーで、格別の高級感を味わえる仕上がりです。
このほか、ダークレッドマイカメタリックなど、従来のランドクルーザーでもおなじみのカラーも設定されています。
300系ランドクルーザーのボディカラー一覧
- ホワイトパールクリスタルシャイン(33,000円高、ZX・GRスポーツ以外に設定)
- プレシャスホワイトパール(55,000円高、ZX・GRスポーツのみ設定)
- グレーメタリック
- ブラック
- ダークレッドマイカメタリック
- アバンギャルドブロンズメタリック(GRスポーツ以外に設定)
ホワイトパールクリスタルシャイン(33,000円高、ZX・GRスポーツ以外に設定)
プレシャスホワイトパール(55,000円高、ZX・GRスポーツのみ設定)
グレーメタリック
ブラック
ダークレッドマイカメタリック
アバンギャルドブロンズメタリック(GRスポーツ以外に設定)
世界中で長く愛されるランドクルーザーの歴史あるモデルチェンジ遍歴
ランドクルーザーは世界中で支持を集めるクロスカントリー車で、モデルチェンジを重ねながら70年以上にわたり愛され続けてきたモデルです。初代は幌付きのみでしたが、世代を追うごとに高級感を身につけていきました。
トヨタ・初代 ジープBJ型/1951年~1955年
ランドクルーザーの初代には、まだその名前はありませんでした。警察予備隊への納入を見据えて1951年に開発が進められ、試作車が完成しています。基本は後輪駆動で、トランスファーの切り替えによって四輪駆動になる仕様でした。エンジンは直列6気筒OHV・3,400ccのB型ガソリンを搭載。B型エンジンを積んだJeep型車から、BJ型と名付けられました。警察予備隊の入札では採用に至りませんでしたが、後に国家地方警察のパトロールカーとして採用され、活躍を見せます。
1954年6月、車名は「ランドクルーザー」へと改められます。当時クロスカントリー車として台頭していた「ランドローバー」を意識し、それを駆逐するという意気込みから、巡洋艦(クルーザー)になぞらえて名付けられたとされ、長い歴史の出発点となりました。
ランドクルーザー20系/1955年~1960年
1955年8月、初のモデルチェンジで20系へと進化します。ホイールベース2,285mmのショートボディと2,430mmのミドルボディが用意され、のちに2,650mmのロングボディも加わりました。
エンジンは初代から続くB型に加え、11月にはF型ガソリンも追加され、選べるようになります。
ボディバリエーションも広がり、ショートとミドルにはソフトトップとハードトップ、ミドルにはピックアップやバン、消防用シャシなどが設定されました。その後にはロングボディをベースにした4ドアステーションワゴンも加わっています。
20系からは輸出が本格化し、北米では当時主流だった4気筒勢に対し、6気筒でパワフルなランドクルーザーが評価を獲得。後の海外人気を切り拓く一台となりました。
ランドクルーザー40系/1960年~1984年
1960年1月、フルモデルチェンジで40系が登場します。30系を飛ばしたのは、20系で「FJ35V」と、すでに30番台を使っていたためです。40系は24年もの長きにわたり生産され、1960年代前半には北米でもトヨタの量販車となっていました。パワフルな40系は発展途上国を中心に世界中で愛され、「ヨンマル」「フォーティー」の愛称で親しまれています。後年、ランドクルーザープラドをベースとした人気車FJクルーザーのデザインモチーフにもなりました。
1960年1月に生産開始された40系に続き、45(B)シリーズも登場し、スーパーロングも追加されます。45は1967年以前を初代、以降を2代目としています。1973年にはランクル初のディーゼルとなる直列6気筒3,576cc OHV・95PSのH型ディーゼルを積むHJ45が追加され、翌1974年には直列4気筒2,977ccのB型ディーゼルも登場しました。
40系は4ナンバーで登録でき経済性が高く、すぐれた性能と高い耐久性から世界的な大ヒットとなり、販売台数を大きく伸ばしていきます。その後も燃料タンクの床下配置による油臭の解消、パーキングブレーキのセンタードラム式から後2輪ドラム式への変更、快適性を重視したインテリアへの見直し、特別仕様車「ザ・マイティ」の設定など改良を重ねつつ、1984年11月に70系へのバトンタッチをもって生産を終えました。
ランドクルーザー55・56型/1967年~1980年
北米で「ヘラジカ」とも呼ばれたフロントまわりや電動昇降式のリヤウインドウなど、それまでのランドクルーザーとは一線を画す独特なスタイルが特徴です。内装も北米の保安基準に適合する作りとされました。55型にはディーゼルの設定がなく、価格も高めだったことから、業務用としての導入実績はあったものの、日本での個人向け販売は伸び悩みました。
本来、50系は2ドアモデルとして「FJ50型」を名乗る予定でしたが、北米で好調だった「FJ40」とのバッティングを避けるため、また販売価格や部品などの生産能力を考慮して、開発途中で2ドア計画は中止に。これに伴い、55型・56型は50「系」ではなく「型」と呼ばれるようになりました。
ランドクルーザー60系/1980年~1990年
ステーションワゴンの56型を受け継ぐ形で、1980年8月に60系が登場します。従来の構成を刷新して本格的なステーションワゴンとし、これを基本にクロームメッキバンパーやドアミラー、サイドステップ、オーバーフェンダーなど、時代のニーズに合わせた変更や追加が加えられていきました。この頃からインテリアが上質になり、上級装備のオプションも増えていきます。発売から年月が経った今でもコアなファンを持ち、運転のしやすさから中古車市場でも高い人気を誇るモデルです。
ランドクルーザー70系/1984年~2004年/2014年~2015年/2023年~
ヘビーデューティーで知られる70系は、40系に代わって1984年11月にデビューしました。長く親しまれたモデルでしたが、自動車NOx・PM法の影響を受け、2004年7月に国内販売を終了しています。
2007年にはフロントまわりの意匠を大きく変えた新型が、オーストラリアをはじめとする海外でデビュー。ボンネットの造形が刷新され、よりワイルドな表情になりました。日本でも2014年8月から2015年6月まで、発売30周年記念の復活モデルとして期間限定で販売され、大きな話題を集めます。ランドクルーザーらしいデザインに高い居住性、最大600kgを積めるデッキスペースなどを備え、ピックアップ型も同時に用意されました。
そして2023年、日本市場へ再度の復活を果たします。30周年記念モデルより全長を80mm拡大しつつ、排気量はダウンサイジング。外観に1984年モデルの面影を残しながら、現代のニーズに合う機能性や安全性能を織り込んでいます。
ランドクルーザー80系/1989年~1997年
80系は北米やオーストラリア、中東などを主戦場に見据えたモデルで、高級SUVへと歩みを進める最初の一台となりました。オンロードでの操縦安定性と快適性に、オフロード性能を高い次元で両立しています。
当初は1989年10月の発売を予定していましたが、数多くの新機構への対応に時間を要し、発売は1990年1月へずれ込みました。1992年にはマイナーチェンジでエンジンを4.0Lから4.5Lへ変更し、サスペンションの熟成や安全装備の追加も実施。その後、特別仕様車「メモリアルパッケージ」や「Gパッケージ」などが設定され、1995年のマイナーチェンジで後期型となります。やがて1997年、その高い人気は100系へと受け継がれていきました。
ランドクルーザー100系/1998年~2007年
1998年1月、80系の後継として100系が誕生します。半世紀にわたり世界の悪路を走破してきたランドクルーザーの歴史のなかで、実用一辺倒のタフなモデルから、タフさを保ちつつラグジュアリーなSUVへと大きく舵を切った世代であり、「トップ・オブ・SUV」を掲げたモデルでもありました。ランクル初のV8エンジンや電子制御フルタイム4WDを採用し、変わらぬ悪路走破性に加え、インテリアの上質感にもこだわっています。
複数回の一部改良と2度のマイナーチェンジを経て、2006年には特別仕様車「60thスペシャルエディション」を設定。2007年に平成17年度排出ガス規制への適合が難しくなり生産を終え、後継の200系へと歴史を繋ぎました。
ランドクルーザー200系/2007年~2021年
2007年、フルモデルチェンジで200系が登場します。悪路走破性はそのままに内外装がいっそう豪華になり、上質感が高まりました。世界初のクロールコントロールを搭載し、砂地や岩場など微妙な速度調整が求められる場面で車両を安定させます。2009年と2010年の一部改良を経て、2011年のマイナーチェンジでは全グレードでトラクションやブレーキ制御をスイッチで切り替え、オフロード性能を引き出せるようになりました。2015年のマイナーチェンジではデザインを一新し、フロントまわりが大きく変わっています。2016年にはトヨタ店創立70周年記念の特別仕様車「ZX-FRONTIER」も設定されました。
ランドクルーザー300系/2021年~
2021年8月、フルモデルチェンジで300系が誕生しました。14年ぶりの世代交代とあって予約段階から注文が殺到し、一時は納車が数年待ちという事態にもなっています。フロントグリルは拡大され、水平基調のデザインへ。ボンネットやルーフ、ドアパネルにアルミニウムを採用したことにより、200系比で約200kgの軽量化を果たしました。トヨタ初の指紋認証スタートスイッチや、最新化された「Toyota Safety Sense」など、時代に合わせた装備も充実しています。
ランドクルーザー初のGR SPORTが設定されたのもこの世代で、強化された足まわりや専用装備が特別感を高めています。その後、2025年3月には初の一部改良を実施しました。
| ランドクルーザーのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| トヨタ・ジープBJ型 | 1951年~1955年 |
| ランドクルーザー20系 | 1955年~1960年 |
| ランドクルーザー40系 | 1960年~1984年 |
| ランドクルーザー55・56型 | 1967年~1980年 |
| ランドクルーザー60系 | 1980年~1990年 |
| ランドクルーザー70系 | 1984年~2004年/2014年~2015年/2023年~ |
| ランドクルーザー80系 | 1989年~1997年 |
| ランドクルーザー100系 | 1998年~2007年 |
| ランドクルーザー200系 | 2007年~2021年 |
| ランドクルーザー300系 | 2021年~ |
300系ランドクルーザーの先行オーダーが19,000台を超えた当時の熱狂
300系の先行予約は2021年7月から始まり、7月10日時点で19,000台を超えたと伝えられました。
当時の生産計画は月およそ620台前後とされ、計画が調整されない場合、7月10日時点で納車まで2年半待ちという計算になっていました。
約14年ぶりのフルモデルチェンジとあって、日本のみならず海外からも大きな注目が集まりました。とりわけ中東ではプレミア価格で取引されるなど人気が過熱し、日本国内でも転売目的の購入がみられたほどです。
また、販売価格が予想より手ごろだったことも、注文が殺到した一因と考えられます。
先行受注の約19,000台については、複数注文や転売目的のオーダーを精査するとされ、正式発表までに納期が短縮する可能性もあると見られていました。
この勢いが続けば、バックオーダーを多く抱えたジムニーのように増産へ動く展開も想定され、実際に月間生産台数を2,000台まで引き上げる計画も取り沙汰されていました。
なお、正式発表前の7月に行われた先行受注はいったん中止となり、2021年8月2日の発表に合わせて改めて受注が再開されています。
300系ランドクルーザー 正式発表前に飛び交った情報や噂
ランドクルーザーは世界的な人気モデルだけに、300系の正式発表前には、世界中から次期型のエクステリアやインテリア、新機能に関する予想が飛び交いました。
ここでは、当時語られていた予想やハイブリッドの噂など、発表前の情報を振り返ってまとめます。
新型ランドクルーザー300系をワールドプレミア 日本での発表日は2021年8月1日、発売は8月2日
世界初公開された新型ランドクルーザー300の中には噂されたGR仕様のGR-Sの姿も
300系は2021年6月10日、ついに世界初公開されました。14年ぶりのフルモデルチェンジは世界的な注目を集め、トヨタ公式サイトが一時つながりにくくなるほどでした。
ワールドプレミアは中東地域を中心にオンラインで行われ、海外仕様ながら市販車がお披露目されています。

300系はトヨタを象徴するモデルとして送り出され、このフルモデルチェンジではTNGAをベースにした新たなGA-Fプラットフォームが採用されました。
新しいフレーム設計で軽量化と高剛性化を両立し、従来モデルの走破性を進化させつつ、車両重量を約200kg軽くしています。
新設定のGRグレード「GR-S」には、グリルに「TOYOTA」ロゴのエンブレムが与えられ、人気を集める象徴的な仕立てとなりました。
注目の装備が、トヨタ初採用となる指紋認証エンジンスターターです。日本で盗難被害が多いランドクルーザーにとって、頼もしい機能と言えます。
この盗難防止用の指紋認証システムは300系から搭載が始まり、その後レクサスの車種にも展開されていくことになります。
パワートレインには、最高出力415ps・最大トルク650Nmを発揮する新開発3.5LのV型6気筒ツインターボガソリンと、最高出力309ps・最大トルク700Nmを発揮する新開発3.3LのV型6気筒ツインターボディーゼルを採用。
ハイブリッドの追加もささやかれていましたが、発売時点での公式発表はありませんでした。なお、このハイブリッドは後年、海外仕様として2025年6月に初公開されることになります。
発売当初の価格帯は約510万円から約800万円。当時は「後から追加されるのでは」と噂されたハイブリッドについて、乗り出しで1,000万円を超えるのでは、という見方もありました。
日本での発表日は2021年8月1日、発売日は2021年8月2日。新プラットフォームや指紋認証スターターなど、トヨタが初採用する装備を多数盛り込んだフラッグシップのフルモデルチェンジとして、大きな注目を集めました。
新型ランドクルーザー300系のワールドプレミアは2021年6月9日に決定
トヨタUAE公式が公開したティザーには新型ランクル300系のL字ヘッドライトと水平に伸びたフロントグリルが見えた
300系のワールドプレミアは、2021年6月9日21時30分(日本時間は6月10日2時30分)からYouTubeライブで実施することが、トヨタUAE公式アカウントで告知されました。
日本仕様の公開も6月10日に行われるのでは、との観測もあり、期待が高まっていました。
ランクル200のオーダーをストップするディーラーも 300系の投入は2021年で確定か
ランクル200のオーダーを止める販売店が現れ、2021年の発売がささやかれていた300系の投入が、いよいよ現実味を帯びてきました。
一部の販売店ではすでにランクル300の生産開始や販売スケジュールの連絡を受けていたとされ、2021年発売の期待が高まっていました。
300系ランドクルーザーの発表スケジュール予想(当時)
- 6月中旬:スタッフマニュアル配信
- 7月上旬:生産開始(ガソリン以外は半月遅れで生産)
- 8月上旬:記者発表
- 8月下旬:店頭発表会
パワートレインには3.3Lのディーゼルターボ、3.5LのV型6気筒ガソリンターボに加え、THSとは異なる新開発ハイブリッドを発売から遅れて採用するのでは、との噂があり、エクステリアはオンロード仕様とオフロード仕様の2グレード構成になるとの情報もありました。
300系には世界初の盗難防止システムとして指紋認証エンジンスターターが載るとされ、盗難被害の多いランクルには嬉しい装備と受け止められました。あわせて12インチのワイドディスプレイなどでユーザビリティ向上も期待されていました。
当時は、200系が終売し、300系の発売は2021年8月頃になるとの情報が流れていました。
スポーツグレードのGRスポーツ(グレード名はGR-S)が設定されるとの噂もあり、大きな注目を集めていました。
次期型ランクルに新開発ハイブリッド「I-Force Max」を搭載か<POINT>
トヨタが「自動車とその構造部品」として「I-Force Max」を商標登録したことが明らかになりました。
I-Force Maxは「I-Force」の後継にあたるエンジンで、タンドラやセコイアなどに搭載。もともとは4.7L V型8気筒でしたが、2007年に5.7L V型8気筒へと拡大し、最高出力381ps・最大トルク544Nmに達しています。
I-Force Maxは3.5L V型6気筒ツインターボに電気モーターを組み合わせたハイブリッドである可能性が高く、次期型タンドラやランドクルーザーに採用されるのでは、と見られていました。
新型ランドクルーザーはTNGAのラダーフレームを採用か<POINT>
新型ランドクルーザーは、ラダーフレーム構造こそ踏襲するものの、トヨタの新設計思想「TNGA」に基づくGA-Fプラットフォームで、剛性を保ちながら軽量化したラダーフレームを歴代初採用するのでは、と見られていました。あわせて、予防安全技術「トヨタセーフティセンス」の最新版が搭載される可能性も指摘されていました。
次期型ランドクルーザーにディーゼルハイブリッドを設定か<POINT>
次期型への移行にあたり、ディーゼルハイブリッドを導入するのでは、という説も語られていました。オーストラリア市場では大型SUVのディーゼル需要が高く、トヨタオーストラリアの幹部もその可能性に触れていたとされます。
当時のトヨタは電動車両の普及目標を掲げており、ランドクルーザーだけでなく、プラドやフォーチュナー、ハイラックスなどにもハイブリッド設定が広がるとの情報がありました。
新型ランドクルーザー300系と予想されたエクステリア
当時の予想エクステリアでは、販売中だった200系を踏襲した、オフロード感の強いスタイルが描かれていました。
特徴はフロントまわりで、ヘッドライトの端に角度がつき、ランドクルーザープラドを思わせる造形へ。
直線基調のグリルは200系を引き継ぎつつ、予想デザインでは幅が狭められ、スッキリした印象に変化していました。
また、ドアハンドルはレンジローバー ヴェラールやテスラ モデルXのようなフラッシュハンドル(格納式)とされ、先進性を感じさせる内容でした。
予想スペックも紹介しておくと、全長・全幅は当時の200系と同等ながら全高が高くなると見られ、200系ZX比でJC08モード燃費が2.2km/L改善するとの予想もありました。
1998年に登場したランドクルーザー100系
2007年に登場した先代のランドクルーザー200系
以上はあくまで発表前の予想デザインで、実際の300系がどう仕上がるのか、200系からの進化とあわせて続報が待たれていました。
ランクル300系のパワートレインはV8を廃止しディーゼルも追加との予想

200系はガソリンのみのラインナップでしたが、300系への移行を機にパワートレインを一新し、ディーゼルを追加するのでは、との見方がありました。
海外向けランドクルーザーには4.5L V型8気筒DOHC32のディーゼルが設定されているため、いつか日本でも、という声は以前からありました。
結局その形での国内導入はないまま300系を迎え、代わりに新開発のV6ディーゼルが用意されることになります。
このほか、北米向けの5.7L V型8気筒DOHC32ガソリンの追加もささやかれるなど、パワートレインは大きく変わるとの予想が広がっていました。
また、200系のV8を廃止し、レクサスLSに積む「3.5L V6DOHCツインターボ」と10速AT、さらに同エンジンにハイブリッドを組み合わせたマルチステージハイブリッドの2本立てになるとの情報もありました。
実際には、300系の発売時点でハイブリッドは導入されませんでした。なお後年、ハイブリッドは海外仕様として設定されています。
フルモデルチェンジ後の300系はラダーフレームが独自進化を遂げるとの予想

200系には伝統的なラダーフレーム構造が採用されていました。これはボディとはしご状のフレームを分けた構造で、路面から強い衝撃を受けてもボディのゆがみを抑えられ、本格的なオフロード走行に適しています。
ラダーフレームを採用する乗用車は今も限られており、国内ではランドクルーザー系やスズキ・ジムニーなどが代表格です。
300系では、このラダーフレームを独自に進化させ、軽量化と衝突安全性を高い次元で両立する次世代構造を採用するのでは、と予想されていました。
トヨタは新設計思想TNGAを広く展開すると表明しており、ランドクルーザーにもTNGAを踏まえた新しいフレームが用いられるのでは、と見られていました。
新型ランドクルーザーは2019年10月の東京モーターショーでの登場が期待されたが実現せず
2019年の東京モーターショーで新型ランドクルーザーは発表されなかった
300系がV8を廃してV6ツインターボを積むとの情報が流れるなか、2019年10月の東京モーターショーでの世界初公開も噂されましたが、発表は行われませんでした。
V8からV6ツインターボへのダウンサイジングで環境規制に対応しつつ、軽量化やエンジン効率の向上を図り、トランスミッションは当時と同じ6速ATになる、との見方がありました。
V型6気筒や、V型6気筒ディーゼルターボに電気モーターを組み合わせたハイブリッドの登場も取り沙汰され、力強い走りへの期待が寄せられていました。
300系ランドクルーザーの登場が噂されたフランクフルトモーターショー2017
2015年のフランクフルトモーターショー
2年に1度、ドイツで開催される世界最大級のモーターショーがフランクフルトモーターショーです。1897年から続く伝統あるイベントで、ここに待望の300系が登場するとの噂がありました。
噂の出どころは欧州トヨタの発表でした。ドイツで「ランドクルーザー」と言えばプラドを指すため、プラドのマイナーチェンジ発表を300系の発表と取り違えた誤解だった、というのが実際のところです。
このショーはメルセデス・ベンツやアウディ、BMWなどがフラッグシップを披露する場でもあり、トヨタの最上級SUVである300系もお披露目されるのでは、との期待が高まっていました。
結果として自動車の本場ドイツでの発表は見送られましたが、その後の動向をめぐり、メーカーや世界中のファンから熱い視線が注がれ続けました。
ランドクルーザー200系(後期)
ランドクルーザー200系
ランドクルーザー200系
ランドクルーザー200系
ランドクルーザー200系
LAND-CRUISER AX Gセレクション
補助ミラー(キノコミラー)が付いていないが、純正ナビでフロント・サイドにカメラを搭載するとミラーが不要になる
LAND-CRUISER AX Gセレクション
LAND-CRUISER AX Gセレクション
LAND-CRUISER AX Gセレクション
LAND-CRUISER AX Gセレクション




























