フロントガラスの撥水コート

フロントガラスの撥水コートを自分で施工DIY!撥水剤の使い方

フロントガラスに撥水コーティングは手間をかけずに行うなら撥水ワイパーで乾拭きだがフッ素系の撥水コート剤を使う場合はフロントガラスを洗浄して水気を拭き取ってから塗りこみ。撥水コートに必要な道具、撥水加工の手順、雨の日に走行した様子、撥水ワイパーの紹介。スプレータイプのお手軽撥水コーティングも。

フロントガラスのDIY撥水コーティングでクリアな視界を手に入れましょう

フロントガラスに撥水コーティングを施すと、雨の日でも水滴が丸くなり、風圧で流れやすくなるため、前方の視界を確保しやすくなります。視界がクリアであることは、運転時の安心感につながり、歩行者や障害物への早期発見に役立つため、安全運転に貢献します。

ここでは、フロントガラスに撥水コーティングを施すために必要な道具、DIYでの施工手順、また撥水コーティングが難しい場合に便利な撥水ワイパーなど、フロントガラスの撥水加工に関する情報をまとめてご紹介します。

フロントガラスへの撥水コーティングは、効果持続期間が短い(1~3か月程度)タイプであれば、洗車後に手軽に撥水剤を塗るだけで十分です。しかし、より長期間の効果を望む場合は、下地となるガラス表面の油膜や汚れをしっかり除去し、耐久性の高いフッ素系撥水剤を使用すること、さらに撥水効果のあるワイパー(撥水ワイパー)に交換する手順がおすすめです。

フロントガラスの撥水コートに必要なものはカーシャンプー・ウエス・撥水剤の3つ

フロントガラスの撥水加工をご自身で行う場合、具体的にどのようなものが必要になるか、順に確認してみましょう。

フロントガラスの撥水コートに必要なもの

  • 撥水剤(必須・ガラコなど)
  • 毛羽立ちにくいウエスまたはマイクロファイバークロス(必須)
  • カーシャンプー・スポンジ(必須)
  • 油膜・水アカ除去剤(必要に応じて)
  • グラファイトワイパーまたは撥水ワイパー(快適性の向上に)

フロントガラスの撥水コーティングに必ず必要なものは、カーシャンプーとスポンジ、毛羽立ちにくいウエス(またはマイクロファイバークロス)、撥水剤です。特に長期間効果を持続させたい場合は、撥水剤を塗布する前に、専用のクリーナーで油膜や水アカを完全に除去すると、より高い定着効果が得られます。

フロントガラスに撥水加工をする手順を確認しましょう

フロントガラスに撥水コーティングを施す手順は、まずガラス表面の汚れや油膜を完全に除去し、水分を拭き取って乾燥させた後、撥水剤を塗布して拭き上げるという流れで行います。特にフッ素系の高耐久撥水コーティング剤は、完全に乾燥させないと撥水層が正しく硬化しないため、しっかりとした拭き取りと乾燥時間が重要になります。

製品によって効果は異なりますが、シリコーン系の撥水剤は効果が1~3か月ほどであるのに対し、「超ガラコ」のようなフッ素系の高耐久撥水剤はメーカー公称値で約1年ほどの耐久性があり、施工の手間を減らすことができます。

また、フッ素系の撥水コート剤を塗布した後は、成分がガラスに定着・硬化するまで一定の乾燥時間が必要です。その間はフロントガラスを濡らさないようにする、ワイパーやウォッシャー液を使用しないなどの制限がありますので、事前に天候などを確認し、注意して施工してください。

フロントガラスに撥水コートをかける手順

  • カーシャンプーや専用クリーナーで汚れ・油膜を落とす
  • 撥水剤を塗りこんで拭き上げる
  • 施工後は成分が硬化するまで水分がつかないように注意する

カーシャンプーでフロントガラスの汚れを落とす

まずはフロントガラスをカーシャンプーで洗浄

まず、フロントガラス表面に付着した砂やほこりを水で洗い流した後、カーシャンプーで全体を洗浄します。この工程を省略すると、撥水剤を塗る際に砂や硬い異物を一緒に擦り込むことになり、ガラスにキズをつけてしまう可能性があるため、丁寧に行ってください。

洗浄後はウエスでしっかり水気を拭き取る

洗浄が終わったら、ウエスなどで水気を完全に拭き取ります。多くの撥水剤は乾いたガラスに塗布することで最大の効果を発揮するため、水分が残っていると効果が十分に得られないことがあります。必ず使用する撥水コート剤の説明書を確認し、指示に従ってください。

フッ素系の撥水コート剤を塗ってウエスで拭く

撥水コートでおなじみのソフト99のガラコ。メーカー公称値で約1年間の長寿命を持つ超ガラコ(フッ素系)を使用してみます

パッケージから取り出したところ。通常のガラコより少し大きめです。

ウエスで水気を拭き取ったら、撥水コーティング剤を塗布します。なお、撥水剤の種類(フッ素系、シリコーン系、スプレータイプなど)によって施工方法が大きく異なるため、必ず製品の説明書に従って作業してください。

ガラコのフタを開けるとフェルト面が見えます

ガラコのフェルトをフロントガラスに押し付け、軽く力を入れて液剤を塗布します

塗布する際は、フロントガラスを運転席側と助手席側の2つのブロックに分け、奥側(ボンネットから遠い側)から塗り始めると塗り残しが少なくなります。また、運転支援システム(自動ブレーキシステムなど)のカメラやレインセンサーが設置されている窓の内側付近は、視界の確保やセンサーの誤作動防止のため、撥水剤を塗布しないか、もし付着した場合は必ずきれいに拭き取ってください。

運転席側にも塗布。奥から塗ると服が汚れにくくおすすめです。

フロントガラスを半分に分けて塗る際、奥側から塗布することで、作業中に身体が触れて均等に塗った液剤を拭き取ってしまうことを防げます。手前から塗ると服が汚れたり、塗布ムラが発生したりすることがありますので注意が必要です。

ある程度乾いたらマイクロファイバークロスで乾拭きします

塗布後は、指示された時間放置し、その後ウエスやマイクロファイバークロスで乾拭きまたは固く絞った状態で拭き取ります。拭き取り方法は商品によって異なるため、必ず説明書を確認してください。

拭き取りに使用するクロスは、撥水剤の成分が残っている可能性を考慮し、普段の洗車用とは別の、新たに用意したものを使うと他の箇所への付着を防げて安心です。

この例では、マイクロファイバークロスで超ガラコを均等に伸ばしたら完了です。パッケージには施工後12時間以上の乾燥が必要と記載されているため、雨が降りそうな日やウォッシャー液の使用には十分注意してください。

フッ素系撥水コートを塗って雨の日に走行した後の様子

雨天走行後に駐車して少し経過した様子

超ガラコを施工し12時間以上乾燥させた後、初めて雨の日に走行して駐車した時の様子です。時速50km程度で走行しても、フロントガラスの雨粒がサーッと後方に流れ、高い撥水効果を実感できました。レインセンサー部分には塗布しなかったため、オートワイパーも正常に作動しました。

新車装備の標準ワイパー(夏用)を使用しましたが、撥水コーティング後に懸念されるワイパーのビビり(振動や異音)は見られませんでした。超ガラコのパッケージにはワイパーによる摩擦にも強いと記載されているため、長期間の耐久性にも期待が持てます。

項目 内容
施工条件 超ガラコを塗布後、12時間以上乾燥させた状態
走行状況 雨の日に初めて走行、時速50kmで運転
撥水効果 フロントガラスの雨粒がサーッと後方に流れ、効果を実感
レインセンサー 非塗布部分があるため、オートワイパーは正常作動
ワイパーの状態 新車装備の標準ワイパーを使用、撥水コート後のビビりはなし
耐久性への期待 ワイパー摩擦にも強い製品のため、長期的な耐久性に期待

撥水コートをかけたらグラファイトワイパーに交換しよう

撥水コーティングを施したガラス面でワイパーを作動させると、「ガガガ…」といったビビり音や振動が発生することがあります。これは、ガラス表面が撥水剤で滑りにくくなり、ワイパーのゴムが引っかかることが原因の一つです。

このような場合、ゴム表面に炭素微粒子(グラファイト)を塗布したグラファイトワイパーに交換すると、乾き気味のガラス表面や、撥水コートによって水滴が細かくなったガラス表面でも滑りやすくなり、引っかかりが軽減され、ビビり音を抑える効果が期待できます。

また、同じワイパーを長期間(一般的に1年以上)使用している場合は、グラファイトコーティングが剥がれたりゴムが劣化したりして摩擦が大きくなっている可能性があるため、撥水コートの有無にかかわらず、交換をおすすめします。

項目 内容
ビビりの原因 撥水コートで滑りにくくなったガラスに、ワイパーゴムが引っかかること
対策 炭素微粒子を塗布したグラファイトワイパーに交換すると滑りやすくなる
効果 水分の少ないガラスや水滴が細かくなったガラスでも引っかかりにくくなり、ビビり音が軽減
使用年数の注意 1年以上使用したワイパーはゴムが劣化し摩擦が増えている可能性があるため交換が推奨されます

撥水コートの手間を省きたいときは撥水ワイパーも便利

撥水ワイパーは、ワイパーのゴム自体に撥水成分が練り込まれた、またはコーティングされた製品です。洗車後にウエスで水気を拭き取り、乾いたガラス上でワイパーを数分間作動させるだけで、ゴムから撥水成分が溶け出し、ガラス面に撥水効果を付与することができます。

撥水ワイパーの施工方法

  1. ワイパーを撥水ワイパーに交換します
  2. カーシャンプーでフロントガラスを洗浄します
  3. 泡を流した後、ウエスで水気を完全に拭き取ります
  4. 乾いたガラスの状態で撥水ワイパーを数分間動かします

洗車後にワイパーを動かすだけで手軽に撥水コーティングが可能ですが、効果は主にワイパーの作動範囲に限られます。このワイパーは、ゴムに撥水成分が含まれているため、塗布タイプの撥水剤(ガラコなど)と併用しても相性がよく、ワイパーのビビり音も軽減される傾向があります。

初心者には手軽なスプレータイプの撥水コートがおすすめ

手軽に使えるスプレータイプのガラス用撥水コート

スプレータイプの「ミストガラコ」のように、塗り込みや乾燥作業が不要で、急な雨にも対応できる手軽さから人気を集めている商品もあります。このような製品は、カー用品店やホームセンター、コストコなどで比較的簡単に入手できます。
基本的な使用方法は簡単で、水洗いで汚れを落とした後、スプレーして拭き取るだけです。

フロントガラスにスプレーして拭くだけで撥水コート完了

フロントガラス用の撥水剤には、大きく分けて「フッ素系」と「シリコーン系」の2種類があります。塗り込みタイプの超ガラコなどフッ素系は高耐久ですが施工に手間がかかります。一方、ミストガラコなどのシリコーン系は施工が簡単ですが、耐久性はフッ素系に比べてやや劣るという特徴があります。

急な雨に備え、車に常備しておくと便利です

スプレータイプは、ガラス面が濡れている場合は固く絞った濡れタオルで、乾いた場合は乾いたタオルで拭き上げるだけで撥水コーティングが完了するものが多いです。
「時速45~60kmであればノーワイパー走行も可能」といった説明がされている製品もあり、手軽さと一定の効果を両立しています。
急な雨で撥水効果が切れていることに気づいた場合でも、数回スプレーして拭き取るだけで、十分に雨を弾く効果を得ることができます。

項目 内容
商品例 スプレータイプの「ミストガラコ」など、手軽に入手可能
使用方法 水洗いで汚れを落とした後、スプレーして拭き取るだけで完了
主な種類 フロントガラス用は「フッ素系」(高耐久、手間がかかる)と「シリコーン系」(施工簡単、耐久性やや劣る)の2種類
特徴・耐久性 シリコーン系(スプレータイプに多い)は施工簡単で、耐久性はフッ素系に劣ります
拭き上げ方法 ガラスが濡れていても乾いていても対応できる製品が多い
走行効果 時速45~60kmでノーワイパー走行可能と謳う製品もあり、急な雨でも効果的
利便性 急な雨に備え車に常備しておくと手軽に撥水コート可能

フロントガラスの撥水コートで雨の日も安心して運転

雨の高速道路で威力を発揮する撥水コート

フロントガラスの撥水コーティングは、ディーラーやカーケア専門店、カー用品店などでプロに施工を依頼することも可能です。また、洗車機の撥水洗車を利用する方法もあります。ただし、プロに依頼する場合は工賃が高くなること、洗車機での撥水は持続時間が短いことが多いという点にご留意ください。

フロントガラスの撥水コーティングは、洗車のついでにDIYで比較的簡単にできるメンテナンスの一つです。視界をクリアに保つことは、雨天時の運転をより安全なものにしてくれます。ぜひ、撥水コート剤を使ってフロントガラスのDIY施工に挑戦し、安全で快適なドライブを楽しんでください。