ポール・ウォーカーが愛した車とは?ワイスピに登場した車をプライベートでも所有!
Paul Walker
生年月日:1973年9月12日
没年月日:2013年11月30日(40歳没)
出生地:カリフォルニア州グレンデール
死没地:カリフォルニア州サンタクラリタ
国籍:アメリカ合衆国
身長:188cm
活動期間:1975年 – 2013年
ポール・ウォーカー(Paul Walker)は、映画『ワイルド・スピード』シリーズなどを代表作に持つアメリカ出身の俳優です。映画の役柄のみに留まらず、子供の頃から父親と車を改造するなど、筋金入りの車好きとして知られていました。
2013年11月30日、ポールは友人のカーレーサーだったロジャー・ロダス氏の運転するポルシェ・カレラGTに同乗していたところ、事故に遭い、40歳の若さで帰らぬ人となります。家族や友人、ファンの悲しみは察するに余りある、悲劇的な出来事でした。
彼の死後、友人でありビジネス・パートナーだったロジャー・ロダス氏とともに所有車を保管していたガレージの様子が公開されました。事故の前年2012年に撮影されたものであり、マニア耽溺のカーコレクションです。
1台1台大切に保管され、美しく磨かれているコレクションは、ポール・ウォーカーがいかに車を愛していたのかを雄弁に語っています。
ポール・ウォーカー愛車「R32スカイライン」などを含めた21台がオークション出品へ
2019年10月、ポール・ウォーカーの愛車が2020年1月11日~1月19日に開催される第49回スコッツデール・オークションに出品されることがわかりました。
車とバイクの所有車21台が出品されますが、特に注目度が高いのが「BMW M3ライトウェイトE36」と「日産R32スカイライン レースカー」です。その他、日産370Zやトヨタ・タンドラも出品リストに名を連ねています。
「オークション」と聞くとファンとしては少し複雑な気持ちになりますが、ポール・ウォーカーが車をガレージに眠らせておくことを望むかというと、やはり違う気もします。
ポール・ウォーカーの車が良き新オーナーに巡り合えることを祈りましょう。
【続報】ポール・ウォーカー所有の「R32スカイライン」や「フェアレディZ」が1000万円以上で落札
以前お伝えした通り、2020年1月17~19日にかけて、ポール・ウォーカーの愛車21台がスコッツデール・オークションに出品されたので、注目車の落札価格を紹介します。
まずは、日本での注目度の高かった日産R32スカイラインGT-Rレースカー。ボディカラーはグレー、助手席などを取り外して約90キロの軽量化を行ったハードチューンモデルで、約1,100万円で最終落札となりました。
少し意外な高額落札となったのは、『ワイルド・スピードMEGA MAX』劇中車にもなっていた日産フェアレディZ(海外車名370Z)の2009年モデルです。約1,170円で落札されましたが、海外メディアは「記録に残る限り、史上もっとも高額な370Z」と報じています。
事前注目度の高かったBMW M3ライトウェイトE36は、日本円で約4,240万円と予想通りの高額落札。従来モデルより約100kgの軽量化がなされており、走行距離7,400kmと状態も非常に良く、「ポール・ウォーカーの愛車」とくれば、納得の落札価格でしょう。
ポール・ウォーカーの車コレクション!日本車・アメ車・欧州車など納得の名車揃い
ロジャー・ロダス氏との共同ガレージに保管されていた車の映像や過去のインタビューなどを参考に、ポール・ウォーカーが愛し、所有していた車を画像つきで紹介します。
※画像はポールが所有していた実車ではなく、同型式と思われるものです。インタビューで購入・所有を公言していたものの、詳しい年式については明らかではないものも含みます。
日産R34スカイラインGT-R Vスペック
1999~2002年に販売。最後のスカイラインGT-R。VスペックはGT-Rの中でも特に走りの性能を高めた上位グレード。ワイスピのブライアン搭乗車としてお馴染みだが、ポール・ウォーカーはGT-Rを本当に愛してくれていた。
日産シルビアS15
7代目にして最後のシルビア。日本販売1999~2002年。不評だった6代目S14の反省から、5ナンバー戻し&ツリ目のエクステリアを復活。ワイスピでは「ドリフト界のモナ・リザ」と呼ばれた日本が誇るドリ車である。
トヨタ スープラMk4(JZA80型)
遺作となったワイスピSKY MISSIONで最後にドミニクのチャージャーと並走している白のスープラこそがポールの所有車。1993~2002年に発売され、アメリカでも若者を中心に人気を博した1台。2019年5月復活販売!
日産370Z
車名は排気量3.7Lが由来。日本でいうZ34型フェアレディZ(日本2008年~、北米2009年~)。世界120か国で販売され、日産ブランドとしては初の7速ATを投入。ホイールベースをZ33より100mm短縮している。
シボレーコルベット C1
1954~1962年製造。初代C1前期型は注目の車だったが、販売後は大きな批判を受けることに。後期型マイナーチェンジで4.3L水冷V8OHVエンジンを搭載したところ評価が一転。米国を代表するスポーツカーとなる。
日産R32スカイライン
歴代スカイラインの中でも特に名車として名高いR32。米国25年ルールにより、右ハンドルにもかかわらず、近年輸出が急増中。ポールの愛車は1989年製でGT-Rではないとのことだが、詳細は不明(画像はGTS-t)。2020年1月競売出品。
トヨタ・タンドラ(初代)
開発は日野自動車が担当。北米で販売されていたフルサイズトラックだが、大人の事情によりボディサイズや排気量は米国ビックスリーを上回らないように慎重に設計された。逆輸入したい日本のSUVファン多数。
ロールス・ロイス ゴースト
2010年販売開始。2014年マイナーチェンジ後のモデルはシリーズⅡと呼ばれる。車両本体価格約3000万円で、ロールス・ロイスとしては一応お値打ち価格。愛称は「ベビー・ロールス」だが全長は約5.4m。
サリーンS7
2000年販売。元はフォードのチューニングを手掛けていたサリーンが初めて開発したオリジナルスーパーカー。フォード製のエンジンを参考に、7リットルV8OHV(オールアルミ製)を搭載したMR。当時の販売価格は約9000万円。
シボレー・シェベル SSコンバーチブル
1964~1977年製造のアメリカの中型自動車。GMで最もヒットしたアメ車の代表格であり、高性能モデルのシェベルSSはV8エンジン搭載のマッスルカーとして有名。ワイルドスピードシリーズではドミニクが搭乗している。
リンカーン コンチネンタル・コンバーチル(4代目)
1939年から製造されている高級車だが、第四世代の製造は1961~69年までで、セダンとハードトップ、4ドアのコンバーチブルが存在。流行のフラットデッキスタイルを取り入れ、ハリウッド映画での登場も多い。
フォード・ブロンコII
1984~1990年製造。フォードのSUVのブロンコ(1978~1996年/2020年復活予定)が大型化したため、クラスを埋める目的で導入された小型SUV。ピックアップトラックのレンジャーとの共通設計も多い。
フォード GT(初代)
1500台限定のフォード100周年記念車であり、60年代にル・マン24で4連覇したGT40(全高約40インチ=1016mmが由来)のリメイク。全高は1125mmとやや高いが、5.4Lスーパーチャージャー付V8DOHCエンジンのスーパーカー!
フォード マスタング コブラ
1993年から2004年まで製造されたマスタングの高性能バージョン。最上級モデルにはコブラRの名前がつく。日本へは1996~1999年まで輸入された。クーペとコンバーチブルあわせて年間生産台数は5000~1万台。
ボス302マスタング(第一世代)
1969~70年製造のマスタングの高性能モデル。他に429というモデルも存在し、両車レースで活躍。GMでコルベットを担当したカーデザイナーのラリー・シノダがフォード移籍後に開発に携わった。2012年に復刻版が限定発売。
フォード マスタング シェルビーGT500
マスタングのレース向けチューニングカー・高性能モデル。ポール・ウォーカーは2012式と2013式の2台を所有。2013年式は6代目マスタングのモデル末期のため、完成度が高く、中古でも安定した人気。
サリーン S281
1996~2009年までサリーンが販売していたフォード・マスタングのチューニングコンプリートカー。第5・第6世代をベース車としている。S281の警察車両は映画『トランスフォーマー』の劇中車としても登場。
シボレー カマロZ28
初代シボレー・カマロの発売は1967年。3年前に登場していたフォード・マスタングとともにマッスルカーよりやや小柄な「ポニーカー」というジャンルを築き、以後しのぎを削る。ポール・ウォーカーはマスタングの愛好家でもある。
ボルボP1800
1960~74年製造(P1800,1800S,1800E,1800ESなど全シリーズ含む)されたスポーツカー。66年にこの車を購入したアーヴ・ゴートン氏が約50年かけて走行距離約524万kmを達成し、「世界一走った車」としてギネス記録に認定。
ポルシェ911 997型 GT3RS
911の6代目にあたる997モデル(2004~2011年)。先代996型の涙目ヘッドライトからおしゃれな丸目に変身!ポール・ウォーカーはGT3RSをはじめ、グレードや年式、カラーの違うクルマ計3台を所有。
ポルシェ911ターボ(930型)
1975~89年まで販売された911ターボ。当時の最高級モデルであり、ドイツの量産車としては最速の車だった。トランスミッションは4速MTだが、1989年式のみ5速MT。ポール・ウォーカーは計2台を所有。
アウディS4(B5系)
S4はA4をベース車とするスポーツモデルだが、2代目にあたるB5系はエレガントなフォルムが特徴。製造は1997~2002年で、セダンとワゴンが存在。縦置き2.7L V6 DOHCツインターボを搭載。
BMW M1
1978~81年BMW製造のスポーツカー。ボディはイタルデザイン。開発当初はランボルギーニにシャシを委託するも、後に「生産スピード遅すぎ」と業を煮やし買収を試みる。結局は失敗し、提携解消(これによりランボルギーニは倒産へ真っ逆さま)。
BMW M3 E30型
BMWのレース部門担当Mが開発したスポーツセダン。E30型は1985年にツーリングカーレースやラリー選手権への参戦を目指して開発された初代モデル。ポール・ウォーカーはE30型を2台、E36型3台を所有するほど気に入っていた。
BMW M3 Lightweight E36
BMWの高性能スポーツモデル、2代目M3(E36型)の特別モデル。ラジオやエアコンなども搭載されていないレーシングモデルで、ノーマルより100kgほど軽い。製造台数は約120台だが、ポール・ウォーカーは3台も所有。
フェラーリ360チャレンジストラデール
フェラーリ360といえば、V8エンジンを搭載のMR「モデナ」(1999~2005)が有名だが、チャレンジストラダーレは2003~05年に製造された公道走行可能なレース仕様車。新車価格2,300万円だったが、中古価格もほぼ同じ。
フェラーリ400i
フェラーリ400シリーズは、2+2座席の「グランツーリスモ」フェラーリとも呼べる車種。400i(1979~85年は)は日本へはAT車のみが輸入。4.8LのV12エンジン搭載、最高出力310ps。エレガントなスタイルが特徴。
フェラーリF355スパイダー
F355は1990年代に製造されたリアミッドシップエンジン搭載のスモールフェラーリ。フルオープンのスパイダーの他、クーペのベルリネッタ、タルガトップのGTSが存在。車名は3.5Lエンジン、5バルブのパワーユニットから。
フェラーリ テスタロッサ
1984~1992年製造。512BBの後継として12気筒エンジン搭載し、バブル期の日本でも外国車として絶大な人気を誇ったフラグシップモデル。テスタロッサは「赤い頭」を意味するイタリア語で、エンジンの赤いカムカバーが由来。
マセラティ クアトロポルテ(第5世代)
マセラティのフラグシップにあたるラジュリアリーサルーン。2004~12年販売。当時はフィアット傘下のフェラーリの傘下だったため(現在はフィアット直轄)、フェラーリF430開発時の技術が取り入れられ、市場でも高評価。
メルセデス・ベンツ SLクラス 3代目560SL
ベンツの高級スポーツカーであり、初代は1954年製造と歴代車種の中で最も長い歴史を持つ。560SLは3代目SLクラスの米国仕様の最上級モデル(1986~89年)。5.5LのV8SOHCエンジンを搭載。
ランボルギーニ・ガヤルド
2003~2013年販売。フラグシップはV12という伝統を持つランボルギーニが、アウディ傘下で久々に復活させたV10エンジン搭載の通称「ベビー・ランボルギーニ」。販売台数は過去最高を記録。後継はウラカン。
シボレー・ノヴァ(シェビー2・ノヴァ)
1961~1988年まで製造されたシボレーの小型車。3代目にフルモデルチェンジ以前は「シェビー2」が車名であり、「ノヴァ」は最上級グレードの意味だった。ポールウォーカーは初代モデルのワゴンと2代目モデルを所有。
愛車コレクションから見えるポール・ウォーカーの「車好き」として心意気
アメリカ車も、欧州車も、日本車も、古い車も、新しい車も、多数の名車を愛したポール・ウォーカー。愛車コレクションから、特にどんな車が好きだったのか、どのように車と付き合っていたかを考察します。
速いクルマや走っていて楽しいクルマが好きで、オフのときはサーキットへ!
ポール・ウォーカーの愛車コレクションは、速いクルマ、スポーティーな車が大半です。フェラーリやランボルギーニなどの高級スポーツカーブランドの車はもちろん、多くの車種で「スポーツモデル」を購入していることからも、彼の走りへの情熱がうかがえます。
インタビューでは、よくサーキットへ走りに行くことや『ワイルド・スピード』の撮影のために運転のトレーニングプログラムを受講したことなども語っていました。
日本車の愛車コレクションからは特に「日産好き」なのがわかる
ポール・ウォーカーの所有車の中には、スカイラインGT-Rやシルビア、フェアレディZなど、日産の車が多くそろえられています。
代表作である映画『ワイルド・スピード』シリーズでも、ポール・ウォーカーはブライアン・オコナーという役柄で、スカイラインGT-Rや日産GT-Rによく乗っていました。
来日時のインタビューでも「日産スカイラインを運転している」と公言しており、公私において好きなクルマの1つだったことは間違いないでしょう。
フォード・マスタングが特にお気に入り!サリーンなどのコンプリートカーも多数所持
ポール・ウォーカーの愛車コレクションの中でも、とりわけ目をひくのがフォード・マスタングの多さです。
1964年に初代がデビューしたマスタングですが、ポール・ウォーカーは、シェルビー・マスタング(マスタングをチューニングしたレース向け上位モデル)やサリーンのチューニングコンプリートカーを多数所有していました。
「スターだから高級車」というのは趣味じゃない!「好きだから乗る」という純粋な気持ち
「見栄を乗るために高級車に乗るのではなく、自分が好きだと思えるクルマを楽しむ」というのがポール・ウォーカーの車好きとしての基本姿勢です。
マスタングがアメリカを代表する車であることは間違いありませんが、大衆車のイメージが強く、ポルシェやフェラーリに比べて、「スターっぽくないクルマ」でもあります。
所有していた日本車のスープラやフェアレディZも、素晴らしい車ではありますが、「セレブ御用達」では決してありません。
しかし、ポール・ウォーカーは、オフのときはサーフィンなどのスポーツやアウトドアを楽しみ、寝袋を持って旅に行くのを好むなど、とても気さくな性格で知られていました。保健所から引き取った雑種犬を引き取り、ロケに同行させるなど、ブランドにこだわる「セレブリティ」とはまさに真逆。
俳優という枠を超えた1人の車好きとして、ポール・ウォーカーが世界のカーマニアたちに尊敬され、愛されているのは、こうした心意気ゆえでしょう。
ポール・ウォーカーの遺作となった『ワイルド・スピードSKY MISSION』
真のクルマ好きとして知られたポール・ウォーカー。インタビュアーが車の話題をふると、話がとまらなくなるなど、情熱的でチャーミングな人物でした。
ポール・ウォーカーの遺作となったのは2015年公開の『ワイルド・スピード SKY MISSION(原題Fast & Furious 7)』です。作中では、ポール演じるブライアンは、子供が生まれたため、家族のために危険なミッションからは手を引く「引退」という形がとられました。
映画のラストシーンは、ポール・ウォーカー演じるブライアンのトヨタ・スープラと、ドミニク演じるヴィン・ディーゼルのダッジ・チャージャーが並走した後に、2人の道が分かれていきます。
現実を知っていると涙なしには見られないシーンですが、これによりブライアン(ポール・ウォーカー)は物語の中で今も生き続けているのです。