フォークリフト免許とは

フォークリフトの免許取得は合格率が100%に近い人気の国家資格

フォークリフト免許は、合格率が100%に近い最短2日で取得できる履歴書に記入できる国家資格。リーズナブルに受講できる教育訓練給付制度が適用される条件や、食品業界などニーズの高い業界、取得までの流れや、目安となる日数や費用、公道を走行できる条件も紹介。

フォークリフトの免許取得は合格率が100%に近い人気の国家資格

フォークリフト免許は合格率が100%に近いニーズが高まる国家資格

フォークリフトの免許取得は、最短2日で取得でき、合格率は100%に近く、ネット通販の台頭もありニーズが高まる国家資格です。

フォークリフトは、車両前部に取り付けたフォーク状のアーム2本を使って、人の力では移動するのが困難な荷物を楽に安全に運搬します。

どんな種類のフォークリフトであっても運転が認められる「フォークリフト運転技能修了書」の取得までの流れや、目安となる日数、かかる費用を中心とした情報をお届けします。

フォークリフト免許は最大荷重1トン以上と1トン未満で合否のハードルが上がる

トヨタ製のフォークリフト

フォークリフトは最大荷重(載せて移動できる最大の重さ)が1トン以上であるか、1トン未満であるかで運転するために必要となる資格取得の難易度が変わってきます。

最大荷重1トン未満のフォークリフト免許は特別教育を受講すれば運転可能

最大荷重1トン未満の小型フォークリフト免許は、「フォークリフト特別教育」を受講すれば、自動的に運転が認められます。

フォークリフト特別教育は、労働局に登録されている事業者や教習機関で受講可能です。特別教育では、学科講習を6時間(関係法令、荷役・走行に関する知識)、実技講習は6時間(走行・荷役操作)が課されます。
※普通免許などを取得する方であれば、学科・実技講習の一部が免除されます。

最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するには試験が必要

最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するには、教習所に通って講習を受け、試験に合格する事で発行される「フォークリフト運転技能修了書」を取得しなければなりません。

「フォークリフト運転技能修了書」を持っていれば、どんなタイプのフォークリフトも操縦可能となり、履歴書の資格欄に記入できます。

フォークリフト免許を取得までに要する日数は2日~5日間

フォークリフトの筆記試験

フォークリフト免許取得にかかる日数は、普通自動車免許を保有している等の各自の状況によって変わってきます。

ここでは、大型特殊免許を取得しているなどのケース別で必要となる講習時間と、取得までに要する日数の目安を紹介します。保有する免許の種類以外でも、1トン未満のフォークリフト操作を行っている実務経験者ほど、早く取得できる優遇措置が設けられています。

フォークリフト講習での必需品

  • 筆記用具
  • 運動靴
  • 手袋
  • 印鑑(最終日)
  • 雨対策グッズ(雨ガッパなど)

大型特殊自動車免許取得者は最短2日で取得可能

クレーン車やブルドーザー、あるいはショベルカーなどの工事現場で大活躍する車の運転を可能とする、大型特殊自動車運転免許の取得者は最短2日でフォークリフト免許を取得可能です。

  • 講習時間:11時間(学科 7時間、実技4時間)

普通・大型免許を所有/1トン未満フォークリフトの運転経験者は最短2日

大型自動車免許あるいは普通自動車免許を取得し、実務で3ヶ月以上の1トン未満フォークリフトの経験を積んでいる方は、証明書類を提示すれば、最短2日で資格を取得できます。

  • 講習時間:11時間(学科 7時間、実技4時間)

運転免許なし/1トン未満のフォークリフトを6ヶ月以上運転経験有は最短3日

普通自動車等の免許は取得していないけれども、1トン未満のフォークリフトの実務経験を6ヶ月以上も積んでいる方は、証明書類を提示すれば、最短3日で取得可能です。

  • 講習時間:15時間(学科 11時間、実技4時間)

普通自動車免許所持者は最短4日で取得可能

普通自動車運転免許を取得いている方で、1トン未満フォークリフトの実務経験の乏しい方は、最短4日でフォークリフト免許を取得できます。

  • 講習時間:31時間(学科 7時間、実技 24時間)

運転免許を取得せず、1トン未満のフォークリフトも未経験であれば最短5日

自動車に関する免許を一切取得せず、1トンフォークリフトに関しても十分な運転経験のない方のケースでは、最短5日で取得できます。

  • 講習時間:35時間(学科 11時間、実技 24時間)

フォークリフト免許取得までの流れ

フォークリフトで荷物を運ぶ男性

教育所に申し込むことから始まるフォークリフト免許取得までの流れを紹介します。

1.教習所に申し込む

国家資格であるフォークリフトの免許は、教習所で取得できます。

教習所は、自宅あるいは職場から通いやすい距離あるいは、知り合いが紹介してくれた施設等の中から選びましょう。申込は、電話やFAX・郵送、あるいは見学も兼ねて訪問した際にも行えます

手続きに際しては、住民票原本が必要となるため、事前に用意しておけば流れがスムーズとなります。

申し込みで必要となる書類等

  • 申込書
  • 住民票原本
  • 講習料金

2.学科講習・試験

学科講習の主な講義内容は、「法令」「荷重」「油圧装置」に関する事柄です。講義が終われば、選択問題式の試験を受けます。

試験では「フォークリフトの運転に必要な力学に関する知識」「フォークリフトの走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識」など、項目別で10問が出題されます。学科試験は、荷役に関する項目では、6割以上の正答率、それ以外の項目では4割以上の正答率で合格となります。

3.実技講習・試験

実技講習は35時間コースであれば、24時間。大型特殊免許の保有者、あるいは1トン以下のフォークリフト実務経験を一定期間積んでいる方であれば、4時間にまで短縮されます。

実技講習では、車体の点検・乗車方法、発進・周回走行など基本的操作を学びます。

実技試験は減点方式を採用し、試験終了時に持ち点が70点以上であれば合格となります。試験官は、荷物を安全に運べているかを重点的にチェックします。

フォークリフト免許は合格率の高い試験ですが、実技試験において以下のような運転行為を行えば、即失格となってしまうので注意しましょう!

実技試験で即失格となる運転行為

  • シートベルトの未着用
  • パレットへのフォーク差し込みが不十分
  • フォークの先端部で荷物をついてしまう
  • 荷物を高く上げたままで移動
  • 指定されるエリアへ駐車できない
  • 制限時間を超える

4.修了証の発行

学科・実技試験をパスすれば、フォークリフト免許を取得した事を証明する修了書が発行されます。フォークリフトを運転する際には、修了書が免許証的な意味合いを果たすため、フォークリフト修了書の携帯が義務付けられます。

フォークリフト講習にかかる諸費用は最大でも5万円ほど

フォークリフトの教科書

フォークリフト講習・コース別受講料の目安

フォークリフト免許取得に際して、教習所は大型特殊免許を保有している方が受ける11時間コースや、普通自動車免許を有する方を対象とする31時間コースなど時間別コースを設けます。

地域や、各講習所によって金額にバラつきはありますが、コース別受講料の目安を紹介します。

時間コース 受講料の目安
11時間コース 2万円
15時間コース 2万2千円
31時間コース 4万5千円
35時間コース 5万円

学科講習で用いるテキスト代は2,000円ほど

学科講習で使用するテキスト代は2,000円ほどです。テキスト代を、受講料に含める教習所もありますが、含まれないケースであれば、2,000円ほどの料金が別途で請求されます。

追試が必要となる場合には別途料金がかかる

講習が終了し、資格認定試験をパスできない場合には、再検定が必要です。その際には、各教習場で金額にバラつきがありますが、学科試験では2,100円、実技試験では5,000円ほどが別途料金としてかかります。

修了書の発行手数料は1,000円程度

学科試験と実技試験に合格すれば「フォークリフト運転技能講習修了書」が発行されます。修了書に貼る、証明写真の撮影費用等を含めた発行手数料は1,000円程度です。

フォークリフト免許取得には教育訓練給付制度が適用

フォークリフト免許取得に際しては、一定の要件を満たす方であれば、教育訓練給付金制度が適用されます。

教育訓練給付金制度は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講する・修了した者が対象となり、受講料の一部がハローワークを通じて支給されます。対象条件を満たし、フォークリフト免許の取得を希望する方は、同制度を利用すれば、リーズナブルな金額で資格を取得できます

教育訓練給付金制度の対象条件

  • 在職者:雇用保険の被保険者期間が3年以上
  • 求職者:離職日を期日として、受講開始日までが1年以内、雇用期間が3年以上

講習は土日も受講可能・連続しない日程での調整も可能

各教習所は、フォークリフト免許を取得するに際して、平日の仕事に影響を与えたくないという方のニーズに応えて、土日も受講できるコースを設けます。

フォークリフト講習は、4日間あるいは5日間連続したスケジュールではなく、翌週の土日も合わせて「4日間」、「平日と土日を合わせて5日間」と、自己都合に合わせる事が可能です。

フォークリフト免許の資格が有利に働くのは食品業界や運送業など

巨大な物流倉庫

フォークリフト免許の資格を有していれば、就職あるいは転職が有利となる業界は、鉄工業や運送業や、食品業界などです。

それらの業界では、日常業務において人の力では移動を困難とする資材などや荷物の運搬を頻繁に行うため、フォークリフト免許の取得を履歴書に記入すれば、就職が有利となります。

近年は、ネット通販の台頭もあり、フォークリフトの資格ニーズはさらに高まっています。

フォークリフトは私有地であっても無資格運転は違法です

会社の敷地内、私有地であれば、フォークリフトの免許は取得していなくとも運転は許されるという誤解されている方もおりますが、公道に限らず、無資格の運転は違法行為です。

無資格での運転が発覚した場合には、厳しい罰則を受けることになります。

無資格運転の罰則規定は運転者だけではなく会社にも及びます

フォークリフトの無資格運転が発覚した場合には、労働安全衛生法の61条と122条などが適用され、無資格での運転行為をはたらいた者には、6ヶ月以下の懲役あるいは罰金刑が、管理会社の代表に対しても罰金刑が科されます。

フォークリフト無資格運転の罰則対象

  • 無資格運転行為をはたらいた者
  • 監督不行き届けが認められる管理会社
  • 管理会社の代表

フォークリフトの無資格運転の罰則は、違反者個人だけではなく、監督責任のある会社やその代表者にも及びます。

フォークリフトで公道を走行するには特殊免許が必要

フォークリフトのミニチュア

職種によっては、フォークリフトで公道を走行する事も想定されます。その際には、フォークリフトの排気量に応じた免許を持っていなければ、公道での走行は認められず、法律違反となります。

保有していれば、フォークリフトの公道走行が許される免許を紹介します。

総排気量 必要となる免許
1,500cc未満 大型特殊自動車免許
小型特殊自動車免許
大型自動車免許
普通自動車免許
1,500cc以上 大型特殊自動車免許

フォークリフトの免許は簡単に取得でき履歴書に記入できる役立つ国家資格

フォークリフト

フォークリフトは、車の免許を持っていなくとも、最短5日で取得可能、履歴書に記入できる就職に役立つ国家資格です。

フォークリフトの資格を持っていれば、パレットに載せた荷物をトラックに楽々積み込めるなど、その能力を仕事に役立たせる事ができます。

加速するネット通販など時代の流れを考えると、フォークリフト免許のニーズはさらに高まると予想されます。受講費用がリーズナブルで、簡単に取得可能なフォークリフトは、費用対効果の大きい資格です。興味のある方は、積極的に取得しましょう!