トヨタ コロナの歴代モデル解説!マイカーブームを牽引した日本の代表的なセダンの系譜
トヨタ コロナは、1957(昭和32)年~2001年(平成13)年まで44年、モデル11代の歴史を持つ小型乗用車です。ボディタイプはセダンが基本で、タクシーにも採用されました。時代に応じて、ハードトップやリフトバックなどのスタイルも取り入れ、商用車モデルのバンも存在しています。
コロナはサラリーマンの所得がどんどんあがり、高速道路が整備されたことで訪れた60年代のマイカーブームに爆発的にヒットし、国内販売台数1位を記録したこともあります。その後も大衆車、ファミリーセダンとして安定した人気を博したコロナは、実は海外で初めて販売されたトヨタ車です。
コロナなくして、トヨタの、日本の自動車の歴史は語れません。コロナ歴代モデルの11代特徴、44年の歴史を後継や競合車種、現代の中古車市場での人気モデルを解説します。
コロナの歴代車種一覧!1957年から2001年までの昭和の名車を振り返る
昭和期の名車として人気のコロナ。日産のダットサン ブルーバードと大規模な販売競争を繰り広げた際にはお互いの頭文字をとって「BC戦争」とも呼ばれました。他にも日本車初となる5ドアハッチバックのモデルを追加したり、マークⅡを生み出したりと、44年間11度のフルモデルチェンジの度に進化を続けました。
トヨペット コロナ T10型(1957~1960)初代…タクシー業界から販売を急かされつなぎ販売
正式名はトヨペット コロナ。コロナは初代だけが丸く、ダルマコロナの愛称がある。1955年に販売されたクラウンからの流用部分も多いが、トヨタ初のモノコック構造な点は意欲的。後のマイナーチェンジで5人乗りが可能になった。
車両型式 | T |
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全長 | 3,912mm |
全幅 | 1,470mm |
全高 | 1,518mm |
ホイールベース | 2,400mm |
車両重量 | 960kg |
乗車定員 | 4名/5名 |
エンジン型式 | P |
エンジン種類 | 直列4気筒側弁式 |
総排気量 | 995cc |
最高出力 | 33PS |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 3ドアバン |
トヨペット コロナ T20型(1960~1964) 2代目…本格開発するも自動車メーカー国内2位の屈辱
小型タクシー市場の競争相手だった日産ダットサンに対抗するため本格開発したT20型。販売前にボディの一部分を新聞紙に掲載するなど斬新な広告手法をとった。デザイン性は高く評価されたが、タクシー業界から耐久性や強度不足を指摘され、販売は先細りに。
車両型式 | PT20 |
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全長 | 3,990mm |
全幅 | 1,490mm |
全高 | 1,440mm |
ホイールベース | 2,400mm |
車両重量 | 940kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン型式 | P |
エンジン種類 | 直列4気筒頭上弁式(P) |
総排気量 | 997cc |
最高出力 | 45PS |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 3ドアバン トラック |
トヨペット コロナ T40/T50型(1964~1970)3代目~祝BC戦争初勝利!コロGも登場
アローラインという独特の曲線デザインで、愛称アローラインコロナ。自家用車を所有する人が増加する日本において、日産ダットサン・ブルーバードと「BC戦争」と呼ばれる販売競争を繰り広げ、販売台数1位をついに獲得!日本初の高速・名神高速道路での耐久試験も話題に。
コロナ(T40)系)をベースに作った「トヨタ・1600GT」というスポーツカーはトヨタ・2000GTの弟として親しまれている。2000GTがトヨタが開発したスーパースポーツカーなのに対し、1600GTは大衆向けのスポーツクーペ。「コロG」という可愛い愛称で親しまれた。
車両型式 | RT40-D(RT40-DC) |
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全長 | 4,110mm |
全幅 | 1,550mm |
全高 | 1,420mm |
ホイールベース | 2,420mm |
車両重量 | 945kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン型式 | R |
エンジン種類 | 直列4気筒頭上弁式(P) |
総排気量 | 1490cc |
最高出力 | 70PS |
全ボディタイプ | 4/5ドアセダン 3/5ドアバン ピックアップトラック |
トヨペット コロナ T80型(1970~1973)4代目…高級路線のマークⅡが注目され影が薄くなる
型式が飛んでいるのは、T40型のコロナ上級モデル(初代マーク2)をT60/T70としたため。4代目からはボディサイズが一回り大きくなる。愛称はブラボーコロナだが、初代コロナマーク2やカローラの登場により、人気に陰りが見え始めた。
車両型式 | RT80 |
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全長 | 4,170mm |
全幅 | 1,570mm |
全高 | 1,400mm |
ホイールベース | 2,430mm |
車両重量 | 905kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン型式 | R |
エンジン種類 | 直列4気筒OHV |
総排気量 | 1490cc |
最高出力 | 77PS |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 2ドアハードトップ 5ドアバン |
トヨペット コロナ T100/T110/T120型(1973~1978)5代目…安全性アピールで人気が復活!
愛称は安全コロナ。当時としては珍しく、車の予防安全性をPRし、OKモニターという異常を知らせる警告灯を配置して話題に。現代でも昭和らしい内装で旧車の人気車種。2000GTモデルはDOHCを搭載し、145馬力を実現。5代目以降はホイールキャップのないデザインが特徴。
車両型式 | RT104-MQFG |
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全長 | 4,250mm |
全幅 | 1,610mm |
全高 | 1,390mm |
ホイールベース | 2,500mm |
車両重量 | 1,090kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン型式 | 18R-G |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC |
総排気量 | 1968cc |
最高出力 | 145PS |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 2ドアハードトップ 3 / 5ドアバン |
コロナ T130型(1978~1982)6代目…流行デザインやスタイルを取り入れスタイリッシュに変身
トヨペットの名称を廃止しトヨタへ。前期型は『太陽にほえろ』に登場し、殿下コロナの愛称もある。2ドアセダンは消滅し、セダンより車高が25mm低い5ドアのリフトバックを新設、角形4灯ヘッドライトを採用など当時流行していたスタイルやデザインを採用している。
車両型式 | E-RT132-TEMOF |
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全長 | 4,445mm |
全幅 | 1,655mm |
全高 | 1,405mm |
ホイールベース | 2,525mm |
車両重量 | 1,120kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン型式 | 18R-GEU |
エンジン種類 | 直列4気筒 |
総排気量 | 1968cc |
最高出力 | 135PS |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 2ドアハードトップ 5ドアリフトバック 5ドアバン |
コロナ T140型(1982~1998)7代目…ファミリカーからスポーティーに本格イメチェン!
リフトバックの採用は見送ったものの、プラットフォームはカリーナやセリカと共通のため、車高が低く、スポーティーになったT140型。イメチェン背景には、人気を盛り返していた日産ブルーバード910型への対抗意識がある。ツインカムターボ搭載モデルGT-TとGT-TRが人気。
車両型式 | E-RT141-TEMQF |
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全長 | 4,570mm |
全幅 | 1,660mm |
全高 | 1,395mm |
ホイールベース | 2,500mm |
車両重量 | 1,160kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン型式 | 18R-GEU |
エンジン種類 | 4気筒DOHC-EFI |
総排気量 | 1968cc |
最高出力 | 135PS |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 2ドアハードトップ 5ドアバン |
コロナ T150/160型(1983~1987)8代目…T140型と並行販売されたコロナ初の前輪駆動車
T140型の1年後に販売された8代目T150/160型。コロナ初のFF式であり、ユーザーの心理的抵抗を考えて併売となった。スポーティーなT140に対し、T150系はあくまでファミリカーの地位を守る役割もあり、5ドアハッチバックを基本モデルとした。
車両型式 | E-ST150-TLMNL |
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全長 | 4,330mm |
全幅 | 1,670mm |
全高 | 1,395mm |
ホイールベース | 2,515mm |
車両重量 | 990kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン型式 | 1S-iLU |
エンジン種類 | 水冷直列4気筒OHC |
総排気量 | 1832cc |
最高出力 | 105PS |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 5ドアリフトバック |
コロナ T170型(1987~1992)9代目…「SF」というサブネームを付けFF式が基本に!
FF式が基本となり、5ドアハッチバックには「SF(センセーショナル・フィーリング)」というサブネームを付けた。1988年からはセダンに4WDモデルも追加。コロナ人気は下火だったが、累計1000万台を達成し、記念車コロナスーパールーミーを販売。
車両型式 | E-ST171-AEMGK |
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全長 | 4,440mm |
全幅 | 1,690mm |
全高 | 1,370mm |
ホイールベース | 2,525mm |
車両重量 | 1,100kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン型式 | 3S-FE |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC |
総排気量 | 1,998cc |
最高出力 | 120PS |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 5ドアリフトバック バン |
コロナ スーパールーミー(1990)限定車…ファミリカーコロナをリムジンに仕立てた謎車
T170型をベースに作ったトヨペット店コロナ累計1000万台を記念して作った限定車。見た目はコロナなのにホイールベースを210mmも延長して作った5ナンバーの謎リムジン。500台限定だったのに、今も中古市場で安い。バブルカーらしい迷車。
コロナ T190型(1992~1996)10代目~完成形にほぼ近づきスポーツグレードは廃止
ホイールベースを延長し、室内空間は広く、低床で乗り降りしやすく改善。トランクはクラス最大容量。4WD仕様あり。モデル末期だけあってファミリカーとしての用途はほぼ満たし、完成形に近づいたコロナ。一方でGTなどのスポーツグレードは消滅した。
車両型式 | E-ST191-AEPGK |
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全長 | 4,520mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,410mm |
ホイールベース | 2,580mm |
車両重量 | 1,210kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン型式 | 3S-FE |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC 16バルブ |
総排気量 | 1,998cc |
最高出力 | 140PS |
全ボディタイプ | 4ドアセダン 5ドアリフトバック |
コロナ T210型(1996~2001)11代目~44年の歴史に幕を下ろし、今後は「プレミオ」に託す
「コロナ プレミオ」とサブネームが与えられている。これ以降、プレミオとして独立するので、コロナの名前がついた最後の車。4ドアセダンのみで、安全装備を充実。40年記念の特別仕様車を販売し、2001年に44年の歴史に一度ピリオドを打つ。
車両型式 | E-ST210-AEPGK |
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全長 | 4,520mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,410mm |
ホイールベース | 2,580mm |
車両重量 | 1,210kg |
乗車定員 | 5名 |
エンジン型式 | 3S-FE |
エンジン種類 | 直列4気筒DOHC 16バルブ |
総排気量 | 1,998cc |
最高出力 | 140PS |
全ボディタイプ | 4ドアセダン |
歴代コロナのなかで中古市場で人気のモデルやグレードは?
コロナはトヨタの伝統であり、「懐かしい!」と感じるファンも多い人気車種です。外車クラシックカーのように高額な値が付くことは少ないものの、中古車市場では比較的安定して需要があるクルマです。
人気があるのは、国内販売台数1位を記録し、BC戦争で初勝利をあげた3代目コロナT40/50型。特に上級モデルのDX(デラックス)モデルは値が付きやすいです。
また、それ以前のトヨタ初の本格開発だったT20型は希少性が高く、クラシックカーとして人気です。
それ以降は、5代目の最上級モデル2000GT。OKモニターといった当時としては最先端の設備、現代では昭和らしいレトロなインテリアにファンが多くいます。馬力も高く、中期コロナらしいホイールキャップのないデザインが魅力です。
7代目コロナ140型GT-TとGT-TRツインカムターボ搭載モデルも人気があります。
今も受け継がれる歴代コロナの系譜…コロナなしにトヨタ車は語れない!
1957年に初登場したコロナ。昭和期の多くのモデルには、ダルマコロナ、アローラインコロナ、ブラボーコロナ、安全コロナ、殿下コロナなど多くの愛称が付けられたことからも、いかに人々に愛された親しみやすい自動車だったかが伺えます。
バブル期にハイソカーとして爆発的にヒットするマークⅡも、もとはコロナ(T40)の上級モデル「コロナ マーク2」から独立分離した派生車種です。現在は実質的な後継マークXが現行車種となっています。
コロナの後継プレミオは、セダン人気の下落に伴い苦戦していますが、それでも企業や官公庁などに安定して納車は続けています。コロナはトヨタはもちろん、日本の自動車業界全体にとって、欠かすことのできなかった愛すべき名車といえるでしょう。