BMW 3シリーズのモデルチェンジ

BMW3シリーズのモデルチェンジ情報:M340i xDriveに特別仕様車「Black Package」を設定、G20の改良と歴代モデルも解説

BMW3シリーズ(G20/G21)の最新動向とモデルチェンジの歩みを解説。2022年・2024年の一部改良から、2026年の特別仕様車「Black Package」、次世代EV「i3」までを、初代E21からの歴代モデルとあわせて紹介します。

BMW3シリーズにM340i xDriveベースの特別仕様車「Black Package」を設定~G20の改良の歩みと歴代モデルも解説

BMWは2026年9月15日、3シリーズのMパフォーマンス・モデル「M340i xDrive」と「M340i xDriveツーリング」をベースにした特別仕様車「Black Package(ブラック・パッケージ)」を発売しました。カーボン素材のトリムや黒で統一したバッジ・ホイールで精悍さを高めたモデルで、日本向けの生産予定台数はセダンとツーリングを合わせて250台です。今回はモデルチェンジや一部改良ではなく、既存ラインナップへの特別仕様車の追加設定にあたります。

現行の第7世代(G20/G21)は、2018年10月のパリモーターショーで世界初公開され、日本では2019年3月に発売されました。2022年と2024年の2度の一部改良で熟成が進む一方、2026年3月には次世代のEV「i3」が発表され、世代交代へのカウントダウンも始まっています。ここでは最新の特別仕様車の内容を中心に、G20のこれまでの改良、そして1975年の初代から続く3シリーズのモデルチェンジ遍歴を見ていきましょう。

M340i xDriveに特別仕様車「Black Package」が登場(2026年9月)

上段左から「M340i xDriveブラックパッケージ」「M440i xDriveグランクーペ ブラックパッケージ」「M340i xDriveツーリング ブラックパッケージ」。下段はM340i xDrive Black Packageの3色のボディカラー

BMWは2026年9月15日、3シリーズのセダン「M340i xDrive」とワゴン「M340i xDriveツーリング」に特別仕様車「Black Package」を設定し、全国のBMW正規ディーラーで販売を始めました。納車は同年9月下旬以降の予定です。なお、同じタイミングで4シリーズの「M440i xDriveグラン クーペ」にも同名の特別仕様車が用意されています(4シリーズの詳細は別ページで扱います)。

BMWのMモデルには2つの系統があります。1つはサーキット走行まで見据えて開発された「Mハイ・パフォーマンス・モデル」(M3など)、もう1つはそこで培った技術を公道での走りに生かした「Mパフォーマンス・モデル」です。M340i xDriveは後者にあたり、3.0L直列6気筒ターボに4輪駆動のxDriveを組み合わせた、M3を除く3シリーズの最上位グレードです。そのM340i xDriveを、黒とカーボンで仕立て直したのが今回のBlack Packageです。

黒とカーボンで統一した専用装備

外観では、19インチのMライト・アロイ・ホイール(ダブルスポーク・スタイリング995M)をMジェット・ブラック仕上げで装着しています。フロントフェンダーのMバッジとリアのモデル名エンブレムもブラックとし、ボディのアクセントを黒に揃えて全体を引き締めています。

室内には、ブルーのステッチを入れたブラックのヴァーネスカ・レザー仕立てのMスポーツ・シートを装備しています。トリムはステアリングのスポーク部分までMカーボン・ファイバーで統一されました。さらに、スイッチ類にシルバーの加飾を加えるガルバニック・フィニッシュと、ステアリング・ホイール・ヒーターも備えます。走りを意識した素材使いと、日常の快適装備をバランスよく組み合わせた内容といえます。

ボディカラーは、アルピン・ホワイト、ブラック・サファイア(メタリック)、Mブルックリン・グレー(メタリック)の3色です。白やグレーを選べば黒いホイールやバッジとのコントラストが際立ちます。ブラック・サファイアなら全身を黒でまとめた迫力のある仕上がりになり、色選びで印象が大きく変わるのも楽しいところです。

M340i xDrive Black Package/ツーリング Black Packageの主な装備
項目 内容
ホイール 19インチMライト・アロイ・ホイール ダブルスポーク・スタイリング995M(Mジェット・ブラック)
シート Mスポーツ・シート(ヴァーネスカ・レザー ブラック、ブルー・ステッチ付)
インテリアトリム Mカーボン・ファイバー・トリム(ステアリング・スポーク含む)
快適装備 ステアリング・ホイール・ヒーター
加飾 ガルバニック・フィニッシュ(スイッチ類にシルバー加飾を追加)
バッジ類 ブラックMバッジ(フロント・フェンダー)、ブラック・モデル・レタリング(リア)
ボディカラー アルピン・ホワイト、ブラック・サファイア(メタリック)、Mブルックリン・グレー(メタリック)

ツーリングにも設定 積載性と直6の走りを両立

BMW M340i xDrive ツーリング Black Package(アルピン・ホワイト、ブラック・サファイア、Mブルックリン・グレー)

ツーリングの荷室容量は500Lで、後席を倒せば最大1,510Lまで拡大できます。M3ツーリングのような本格派のMモデルは、価格面でも性格の面でもハードルが高めです。その点、387psの直列6気筒と実用的なワゴンボディを組み合わせたM340i xDriveツーリングは、家族や荷物を載せつつ速さも楽しみたい人にとって現実的な選択肢です。そこに黒の特別装備が加わるBlack Packageは、スポーツワゴン好きには見逃せない存在になりそうです。

Black Packageの価格・生産予定台数と主要諸元

メーカー希望小売価格(消費税込)はセダンが1,032万円、ツーリングが1,067万円です。いずれも右ハンドルの8速AT仕様となります。

3シリーズ Black Packageの価格と生産予定台数(日本向け)
モデル メーカー希望小売価格(税込) 生産予定台数
BMW M340i xDrive Black Package 10,320,000円 150台
BMW M340i xDrive ツーリング Black Package 10,670,000円 100台

生産予定台数は発表時点のものです。受注がこれを上回った場合は追加生産が行われる可能性もあるとされています。厳密な台数限定の「限定車」ではなく、あくまで特別仕様車という扱いです。検討中の人は、早めに販売店で状況を確認しておくと安心です。

BMW M340i xDrive Black Package/ツーリング Black Packageの主要諸元

M340i xDrive Black Package/ツーリング Black Packageの主要諸元
項目 M340i xDrive Black Package M340i xDrive ツーリング Black Package
全長×全幅×全高 4,720×1,825×1,440mm 4,720×1,825×1,450mm
エンジン 3.0L 直列6気筒DOHCガソリンターボ
最高出力 285kW(387ps)/5,800rpm
最大トルク 500Nm/1,800-5,000rpm
トランスミッション 8速AT
駆動方式 4WD(xDrive)
ラゲージルーム容量 480L 500L(後席格納時1,510L)
ホイール 19インチ(ダブルスポーク・スタイリング995M)
ハンドル位置 右
メーカー希望小売価格(税込) 10,320,000円 10,670,000円

Frozen Editionとの違いは? 相次ぐ特別仕様車が示すG20の「最終章」

M340i xDriveには、2026年4月にもマット塗装をまとった特別仕様車「FROZEN EDITION」が設定されたばかりです。19インチの995Mホイールや、ブルーステッチ入りのブラックのヴァーネスカ・レザーなど、Black Packageとの共通点は少なくありません。

ただし性格は異なります。FROZEN EDITIONは、BMW Individualのフローズン・カラーやM Performance Partsのカーボン外装パーツで「見た目の特別感」を前面に出した仕立てでした。これに対し、Black Packageは標準的な3色から選べるようにし、カーボンを室内のトリムに集中させています。価格はFROZEN EDITION(セダン1,109万円、ツーリング1,144万円)より、セダン・ツーリングともに77万円安い設定です。個性の強いマット塗装に抵抗がある人にとっては、Black Packageのほうが手を伸ばしやすいでしょう。

振り返ると、M340i xDriveには2024年7月の特別仕様車「Limited」、2025年8月の「3シリーズ誕生50周年記念特別限定車」、そして2026年のFROZEN EDITIONとBlack Packageと、短い間隔で特別なモデルが送り出されてきました。次世代のEV版「i3」の日本導入が2027年以降に見込まれるなか、完成度の高まったG20の直列6気筒モデルを「今のうちに」手に入れたい層へ向けた、仕上げのラインナップ強化と見ることもできそうです。

G20/G21は2022年・2024年に一部改良 M3・M3ツーリングも登場済み

第7世代3シリーズは、2022年9月に内外装を刷新する一部改良(BMWでいうLCI=ライフ・サイクル・インパルス)を受けました。ダブルバーのキドニーグリルやワイド化したフロントエプロンで顔つきを変え、室内には12.3インチのメーターと14.9インチのコントロール・ディスプレイを一体化したカーブドディスプレイを採用しています。シフトレバーはトグル式のセレクターに改められ、パドルシフトが全モデルに標準装備となりました。あわせてグレード構成も整理され、大半がMスポーツに集約されています。

2024年10月28日には2度目の一部改良が実施され、ステアリングやエアコン吹き出し口のデザインが一新されました。M340i xDriveには、赤いMスポーツ・ブレーキやブラックのキドニーグリルなどを含む「Mスポーツ・プロ」が標準装備となっています。PHEVの330eはサウンド・パッケージやヴァーネスカ・レザー・シートを標準化し、EV走行距離を欧州値で85~101kmまで延ばしました。

G20は特別仕様車や限定車の多さも特徴で、特に2024年以降はほぼ毎年のように新たなモデルが追加されています。主なものは以下のとおりです。

G20/G21(日本仕様)の主な特別仕様車・限定車
発表時期 モデル名 概要
2020年5月 Edition Sunrise 320d xDrive Mスポーツがベースの限定車(250台)
2021年5月 40th Anniversary Edition BMW Group Japan設立40周年記念の限定車(318iベース、300台)
2022年4月 M Sport Limited 318i/320d xDrive Mスポーツがベースの特別仕様車
2024年2月 Edition Shadow 318i/320d xDrive Mスポーツがベース。ブラックのグリルとテールパイプを装備
2024年7月 Limited M340i xDriveがベース。Mスポーツ・パッケージ・プロなどを装備
2025年8月 3シリーズ誕生50周年記念特別限定車 日本専用の限定車(セダン・ツーリング合計710台)
2026年2月 Edition Shadow 318i/320i/320d xDrive Mスポーツがベース。3シリーズ初の19インチBMW Individualホイールを装着
2026年4月 FROZEN EDITION M340i xDrive/ツーリングがベース。BMW Individualフローズン・カラーを採用
2026年9月 Black Package M340i xDrive/ツーリングがベース。カーボン・トリムとブラックの専用装備

高性能モデルも出そろっています。3シリーズをベースにしたMモデル「M3」(G80)は日本で2021年に登場し、3.0L直列6気筒ツインターボを搭載しています。2024年9月の改良では、4WDの「M3コンペティション M xDrive」の最高出力が530psへ引き上げられました。さらに歴代3シリーズのMモデルとして初めて、ワゴンボディの「M3ツーリング」(G81)も設定されています。限定車としては、M3最後のMT仕様となる「M3 MT Final Edition」(2024年3月、日本150台)や「M3 CS」、日本30台限定・2,098万円の「M3 CSツーリング」(2025年7月)が送り出されました。

そして3シリーズは、次世代で「ノイエクラッセ」と呼ばれる新世代へと踏み出します。BMWは2026年3月18日、ノイエクラッセの第2弾として、3シリーズ初の完全電気自動車となる新型「i3」を発表しました。生産は同年8月から始まり、日本への導入は2027年以降と見られています。内燃機関を積む次期3シリーズもその後に続く見通しで、現行のG20/G21は大きな世代交代を前にした最終章にあたります。

BMW 3シリーズのモデルチェンジ遍歴

3シリーズは、ドイツのBMWが手がけるDセグメントのモデルで、BMW2002の系譜を受け継いでいます。欧州や米国で高い人気を誇り、日本でも輸入車の量販モデルとして長く親しまれてきました。2025年には誕生50周年を迎えています。

BMW・3シリーズ 初代 E21/1975年~1983年

1975年、2002の後継として登場しました。ボディは2ドアセダンのみで、キャブレター仕様の「316」「318」「320」と、燃料噴射仕様の「320i」でスタートしています。運転席側に傾けたダッシュボードなど、ドライバー中心の設計思想はこの初代から始まりました。
1977年には直列6気筒エンジンを積む「320/6」と「323i」を追加しました。1980年に「318」を燃料噴射式の「318i」へ切り替え、1981年には廉価版の「315」を加えています。架装メーカーのバウアによる「トップカブリオレ」も用意されました。日本では1981年にBMWの日本法人が設立され、正規輸入の体制が整えられています。

BMW・3シリーズ 2代目 E30/1982年~1994年

1982年、角張ったスタイルの2代目が登場しました。当初は2ドアセダンのみで、1983年に4ドアセダンを追加しています。1985年には「323i」に代わって「325i」を設定し、BMW自社製のカブリオレや4WDの「325iX」も登場しました。同年秋には初代「M3」が発表され、1986年から販売されています。
1987年のマイナーチェンジでバンパーやテールランプの意匠を変更し、4気筒エンジンを新設計のM40に刷新しました。同時にワゴンボディの「ツーリング」が加わり、1989年には「318is」も設定されています。日本でも大ヒットし、輸入車ブームを象徴する1台となりました。

BMW・3シリーズ 3代目 E36/1990年~2000年

1990年、ボディを拡大して居住性と安全性を高めた3代目が登場しました。リアサスペンションには新たにマルチリンク式(セントラルリンク式、通称Zアクスル)を採用しています。「316i」「318i」「320i」「325i」の4ドアセダンでスタートしました。
1992年に2ドアクーペと2代目「M3」、1993年にカブリオレを追加しています。1994年には3ドアハッチバックの「3シリーズ コンパクト」、1995年にはツーリングが加わりました。6気筒エンジンは1995年以降、アルミブロックのM52へ順次切り替えられています。

BMW・3シリーズ 4代目 E46/1998年~2006年

1998年、4代目のセダンが登場しました。1999年にクーペとツーリング、2000年にカブリオレと、高回転型の直6を積む3代目「M3」を追加しています。同じ2000年には6気筒エンジンを新世代のM54に刷新し、2001年には3ドアハッチバックの「コンパクト」も加わりました。マイナーチェンジは、セダン/ツーリングが2001年、クーペ/カブリオレが2003年に行われています。

BMW・3シリーズ 5代目 E90/2005年~2012年

2005年、さらにボディを拡大して5代目になりました。日本では同年4月にセダンが発売され、「320i」「325i」「330i」でスタートしています。エクステリアデザインは日本人デザイナーの永島譲二氏が担当しました。後席が広がって居住性が向上し、ランフラットタイヤの採用でスペアタイヤは非装備となっています。
2005年にツーリング(E91)、2006年にクーペ(E92)、2007年に電動格納式ハードトップを持つカブリオレ(E93)を追加しました。M3はこの世代で4.0L V8エンジンを搭載しています。2008年秋のマイナーチェンジでグリルやバンパー、ライト類を刷新し、日本向けはドアハンドルを専用設計として全幅を1,800mmに抑えました。クーペ/カブリオレは2010年にマイナーチェンジを受けています。

BMW・3シリーズ 6代目 F30/2012年~2019年

2011年10月に本国で発表され、日本では2012年1月に発表されました。E90に続いて日本専用のドアハンドルを採用し、全幅を機械式立体駐車場に収まる1,800mmとしています。標準仕様のほか「Sport」「Modern」「Luxury」のデザインラインを設定し、後に「M Sport」も追加されました。日本仕様は「328i」を皮切りに、「320i」やハイブリッドの「アクティブハイブリッド3」などを順次投入しています。
2012年9月にツーリング(F31)、2013年6月に5ドアハッチバックの「グランツーリスモ」(F34)が日本に導入されました。クーペとカブリオレはこの世代から「4シリーズ」として独立し、2014年登場のM3(F80)はセダンのみとなっています。2015年8月にマイナーチェンジモデルが発表され、新開発エンジンを積む「320i」「330i」「340i」を設定しました。2016年にはPHEVの「330e」と、直列3気筒の「318i」も追加されています。

BMW・3シリーズ 7代目 G20/G21(2019年~)

2018年10月のパリモーターショーで7代目が世界初公開されました。全長・全幅を拡大し、日本仕様の全幅は1,825mmとなっています。BMWオペレーティングシステム7.0を採用したフルデジタルのコクピットや、日本で初めて認可された高速道路渋滞時のハンズ・オフ機能付き運転支援機能も話題となりました。
日本ではセダン(G20)が2019年1月に発表され、3月に発売されました。当初は「320i」「330i」でスタートし、同年5月に「320d xDrive」、PHEVの「330e」、Mパフォーマンスの「M340i xDrive」を追加発表しています。9月にはツーリング(G21)が登場しました。同年には先代に続き、日本カー・オブ・ザ・イヤーのインポート部門を受賞しています。2020年には2.0L直4を積む「318i」を追加し、2021年には高性能モデルの「M3」(G80)が日本に上陸しました。
2022年9月の一部改良でカーブドディスプレイなどを採用し、2024年10月にも一部改良を実施しています。さらに初のワゴン版Mモデル「M3ツーリング」(G81)や数多くの特別仕様車が展開されました。2026年9月には、M340i xDrive/ツーリングに特別仕様車「Black Package」が設定されています。

次世代 新型i3(ノイエクラッセ)/2026年~

2026年3月、ノイエクラッセ第2弾として、3シリーズ初の完全電気自動車となる新型「i3」が発表されました。ミュンヘン工場で同年8月から生産が始まり、日本導入は2027年以降と見込まれています。内燃機関を積む次期3シリーズもこれに続く見通しで、50年を超える3シリーズの歴史は大きな転換点を迎えようとしています。

BMW3シリーズのモデルチェンジ遍歴
BMW3シリーズのモデル 販売年表
初代 E21 1975年~1983年
2代目 E30 1982年~1994年
3代目 E36 1990年~2000年
4代目 E46 1998年~2006年
5代目 E90 2005年~2012年
6代目 F30 2012年~2019年
7代目 G20/G21 2019年~
次世代 新型i3(BEV) 2026年~(日本導入は2027年以降の見込み)