ワーゲンバス

ワーゲンバスに乗ってみたい!人気モデルや中古での購入費はいくら?

ワーゲンバス(フォルクスワーゲン・タイプ2)とはどんな車か、人気モデルやカラー、中古価格を解説。軽自動車をベースにしたワーゲンバス仕様のカスタムカーという選択肢もあり、ATやエアコン完備というメリットは無視できない!新型の復活販売も話題のワーゲンバスの魅力を紹介。

ワーゲンバスに乗ってみたい!人気モデルや中古での購入費はいくら?

ワーゲンバスに乗ってみたい!フォルクスワーゲン・タイプ2の魅力とは?

街を走るワーゲンバスを見て、かわいい、おしゃれ、乗ってみたいと思う人は多いはず。レトロな装いのワーゲンバスは、ミニカーやインテリアとしても人気ですし、移動販売車として見かけることもあります。

「ワーゲンバスが好き。いつか乗ってみたい」という方に向けて、以下の疑問にお答えします。

・ワーゲンってどんな車なの?
・ワーゲンバスはどんな楽しみ方できる?
・ワーゲンバスはいくらで買える?

購入費や維持費などが必要になるのは間違いありませんが、「ワーゲンバスが人生を豊かにしてくれた」と金額以上の価値を感じているオーナーは少なくありません。

ワーゲンバス(フォルクスワーゲン・タイプ2)とはどんな車?

「ワーゲンバス」とは、ドイツの自動車メーカーVOLKSWAGEN社が製造したフォルクスワーゲン・タイプ2と呼ばれるワンボックスタイプの商用車の愛称です。

ワーゲンバスはフォルクスワーゲン製造のワンボックスカーで日本では1953年から販売されていた

フォルクスワーゲン タイプ2 T1モデルフォルクスワーゲン タイプ2の中で最も人気が高いT1モデル

ワーゲンバスは商品名としては「VW Transporter(トランスポルター)」です。このあとに配達バンや小型バスなど細かい仕様による名前がつけられるのですが、数が多いため、世界的に型式である「タイプ2」が呼称として定着しています。

トランスポルターは1950年に販売が始まり、第一世代~第五世代まで存在します(一般的にT1~T5で示される)。このうち、「タイプ2」と呼ばれるのは、RR式を採用したT3(1979~1992)までです。狭義ではT2(1967~1979年)までしか指さないこともあります。
日本ではフォルクスワーゲン販売店であるヤナセがT1を1953年から輸入販売しています。

車名 ワーゲンバス
製造メーカー フォルクスワーゲン
販売開始年(日本) 1953年(ヤナセ経由で輸入販売)
正式商品名 VW Transporter(トランスポルター)
通称 タイプ2(型式呼称として世界的に定着)
世代 第一世代~第五世代(T1~T5)
タイプ2の範囲 狭義ではT2(1967~1979年)までを指すこともある
特徴 RR式を採用したT3までタイプ2と呼ばれる

ワーゲンバス(タイプ2)のベース車両は「ビートル」の愛称で知られたVWのタイプ1

フォルクスワーゲン タイプ1 ビートルワーゲンバスのベースは世界でもっとも売れた自動車ビートル!

フォルクスワーゲン タイプ2のベース車はフォルクスワーゲン タイプ1です。「ビートル」の愛称で知られている世界でもっとも売れた小型乗用車ですので、見覚えがある人も多いでしょう。

車両名 ワーゲンバス(タイプ2)
ベース車両 フォルクスワーゲン タイプ1(ビートル)
ビートルの特徴 世界で最も売れた小型乗用車

ワーゲンバスの最大乗車定員は9人で、キャンピングカー仕様だと5~6人

ワーゲンバスT2a型のキャンプ仕様車ワーゲンバスT2a型のキャンプ仕様車

ワーゲンバスの最大乗車定員は9人で、キャンピングカー仕様だと5~6名、後方部分が荷室になっている純粋な商用車モデルの定員は2~3名です。荷室を改造したり、移動販売車として使いたい場合は定員が少ないタイプがオススメです。

最大乗車定員 9人(標準仕様)
キャンピングカー仕様 5~6人
商用車モデル定員 2~3人(後方が荷室)
用途別のおすすめ 荷室を改造・移動販売車には定員が少ないタイプが向く

ワーゲンバス(フォルクスワーゲン・タイプ2)の人気モデルは?

ワーゲンバス(フォルクスワーゲン・タイプ2)にあたるのは、T1~T3世代までで、人によってはT2までしか「ワーゲンバス(タイプ2)」と呼びません。そのためワーゲンバスの人気は、T1とT2に集中しています。

ワーゲンバスはレトロなT1とT2のツートーンカラーが人気モデル

ワーゲンバスで人気なのは、レトロ感満載のT1(1950~1967年)とT2(1967~1979)モデルです。また、屋根の色がボディと違うツートーンカラーは「これぞワーゲンバス」といった印象で、非常に人気が高くなっています。

人気モデル T1(1950~1967年)、T2(1967~1979年)
特徴 レトロなツートーンカラー(屋根とボディの色が異なる)
人気理由 ツートーンカラーが「ワーゲンバスらしさ」を象徴

VWブラジル製造「Kombi」は製造年が異なるが、レトロな可愛さは健在

ブラジルで製造されたフォルクスワーゲン・タイプ2は、「Kombi」(Combiと表記されることもある)の名前がつきます。本家フォルクスワーゲンがT2を生産中止した1979年以降も、ブラジルでは例外的に2013年までT2の製造を続けていましたので、中古で見かける機会もあるでしょう。

モデル名 Kombi(ブラジル製フォルクスワーゲン・タイプ2)
製造期間 本家T2生産中止後もブラジルで2013年まで製造継続
特徴 レトロな可愛さが維持されている
市場状況 中古車として見かけることがある

ワーゲンバスはアウトドアとの相性が良いクルマだが、雰囲気を楽しむ乗り方がベスト

もちろん乗り方は個人の自由ですが、ワーゲンバスの愛好家はキャンプやサーフィン好きが多いといわれています。ワンボックスタイプの車ですので、荷物がたくさん入って車中泊もできますし、サーフィンもそのまま詰めるのがその理由でしょう。

ただ、4WD仕様車が誕生したのはT3世代からですし、「カリフォルニア」と呼ばれるタイプ2をベースにしたキャンピングカーが人気を博したのもT4世代以降です。

ワーゲンバスらしいレトロ感のあるT1とT2は、既に製造から40年以上経っているものも珍しくないクラシックカーですから、車としての性能は高いとは言えません。ゆっくり走ることを心がけ、悪路走行などの無理はあまりさせずにマイペースに楽しみましょう。

特徴 アウトドアに適したワンボックスタイプで荷物が多く積める
愛好家の傾向 キャンプやサーフィン好きが多い
車中泊 車中泊も可能でサーフィン用具も積載可能
4WD仕様 T3世代から登場
キャンピングカー人気 T4世代以降の「カリフォルニア」が人気
クラシックカーとしての注意点 T1・T2は製造から40年以上経過し性能は高くないため、ゆっくり走行し無理な悪路走行は避ける
乗り方のポイント 雰囲気を楽しむ乗り方がベスト

ワーゲンバスは中古入手のみ!価格は最低250万円は見ておいた方が良い

ワーゲンバスは、人気のT1、T2モデルは当然、それ以外のT3世代も既に生産と中止した絶版車です。そのため、欲しいならすべて中古車ということになります。

T2なら250万円~で選択肢あり

クラシックカー・旧車は、状態により大きく値が変わるものですが、T2なら最低250万円~走れる状態のものが入手できる可能性はあります。ただ、ワーゲンバスは日本でも人気ですから、状態の良いものは店側も簡単には値引きに応じないことは留意しましょう。

明らかに価格が安いものは既に走れる状態ではありませんので、オブジェにするわけではないのなら、大幅なレストアが必要です。かえって高くつく可能性もあります。

モデル T2
価格相場 最低250万円~走行可能な車が入手可能
注意点 状態の良い車は値引きに応じにくい
安価な車のリスク 走行不可の可能性が高く、大幅なレストアが必要。結果的に高コストになる場合あり

T1なら400万円~は覚悟しておく

初代フォルクスワーゲンタイプ2であるT1は、人気の高い希少車ですので、最低400万円は見ておく必要があります。T2に比べるとなかなか状態の良いものが出回らないため、価格が高騰するのは仕方ない面もあります。
あくまで購入費であり、維持費が別途かかることは留意してください。

モデル T1(初代タイプ2)
価格相場 最低400万円~
特徴 人気が高く希少。状態良好な車は少ないため価格高騰傾向
注意点 購入費以外に維持費も必要

ワーゲンバスが無理ならワーゲンバス風!軽自動車をベースにしたカスタムカーも存在

ワーゲンバス(フォルクスワーゲン・タイプ2)に乗りたいけれど、購入費や維持費の問題をクリアできないなら、「ワーゲンバス仕様のカスタムカー」という選択肢もあります。ワーゲンバス仕様の軽自動車を販売する専門店も存在します。

ワーゲンバス仕様のカスタムカーは1950年代から存在し、元祖は軽自動車スバル・サンバー

スバル・サンバーベースのワーゲンバス仕様カスタムカー軽バン「サンバー」をベースにしたワーゲンバス仕様のカスタムカー

フォルクスワーゲン・タイプ2が輸入された当時、バンタイプの軽商用車スバル・サンバーをベースにしたワーゲンバス仕様のカスタムカーが流行しました。サンバーは当時としても珍しい、フォルクスワーゲン・タイプ2と同じRR式の商用車だったため、ベースにしやすかったのです。

スバル・サンバーは現在は絶版車ですので、現代では中古車ベースのカスタムになります。サンバー以外だとスズキ・エブリイが用いられることが多いです。軽自動車にこだわらないのであれば、トヨタ・ハイエースや三菱デリカもベースになった事例があります。

カスタムカーの起源 1950年代から存在
元祖ベース車 軽自動車スバル・サンバー(RR式商用車)
特徴 ワーゲンバス仕様のカスタムカーとして流行。サンバーはタイプ2と同じRR式でベースにしやすい
現代のベース車 絶版のサンバー中古車が主。その他スズキ・エブリイ、トヨタ・ハイエース、三菱デリカも使用例あり

ワーゲンバス仕様のカスタムカーだからこそ安価に、実用的に乗れるメリットがある

カスタムカーは、カスタムするための費用はかかりますが、エンジン等は現代の日本車なのでとても高性能。ベースにAT車を選ぶこともでき、エアコンも完備しており、軽自動車なら維持費も安く、なにより故障の心配が少なく実用的に乗れるのが大きなメリットです。

メリット 安価で実用的に乗れる
性能 現代の日本車のエンジンを搭載し高性能
仕様 AT車選択可能。エアコン完備
維持費 軽自動車なら維持費が安い
信頼性 故障の心配が少なく実用的に乗れる

新型ワーゲンバスがID Buzzとして2023年に復活!日本での販売も開始

VWブラジルの「コンビ」が2013年に中止して以降、中古車としてしか見かけなくなったワーゲンバス。しかし、フォルクスワーゲン社は2023年に欧州市場でEV式の新型ワーゲンバスを販売することをアナウンスしています。

新型ワーゲンバスは、EV式でレトロというより近未来的なデザインが特徴ですが、タイプ2らしいツートーンカラーは健在。

販売予定地域は当初、欧州と北米、そして中国でしたが、日本でも2025年6月20日に発売されました。

新型モデル名 ID Buzz
発売年 2023年(欧州)、2025年6月20日(日本)
特徴 EV式で近未来的なデザイン。タイプ2のツートーンカラーを継承
販売地域 欧州、北米、中国、日本
背景 ブラジル製「コンビ」は2013年に生産終了。以後、中古車での流通のみ

ワーゲンバスは人生を楽しむためのクルマ

ワーゲンバス

ワーゲンバスは今でこそ中古市場での価格も高騰していますが、1960年代後半にはアメリカの若者が中古のワーゲンバスを改装したり、自由にペインティングして楽しみました。
ヒッピームーブメントが盛り上がった時代には、ワーゲンバスに乗ってフェスやキャンプに行く若者が大勢いて、「自由の象徴」と言われた時代もあります。

今はワーゲンバスを見て、カウンターカルチャーを思い起こす人は少なくなりました。代わりにおしゃれでレトロなワーゲンバスは「人生を謳歌する人」をイメージさせる車です。
購入費や維持費は間違いなくかかりますし、故障してしまうこともあります。しかし、「それすら楽しい」と思えるだけの魅力があるからこそ、名車として人気を集めているのです。