「See You The Beetle」キャンペーンとザ・ビートルはどうなったのか~2019年7月10日に生産終了、マイスターが最後の特別仕様車に
フォルクスワーゲンは、「ザ ビートル」の販売終了にあたり、これまでビートルを支えてきたファンへの敬意をこめて「See You The Beetle」キャンペーンを展開しました。その第4弾として2018年10月23日に発売されたのが、純正ナビ等の人気アイテムを標準装備する特別仕様車「The Beetle Meister(ザ ビートル マイスター)」シリーズです。
結論から書くと、ザ・ビートルはこのマイスターシリーズを最後の車両企画として、2019年7月10日にメキシコ・プエブラ工場で生産を終了しました。日本での販売も2019年に幕を下ろし、後継モデルは設定されていません。2026年7月時点で「ビートル」を名乗る新型車の発売計画は公表されていません。
ここではまず、キャンペーンとビートルがその後どうなったのかを整理したうえで、マイスターシリーズ3グレード「The Beetle Design Meister」「The Beetle R-Line Meister」「The Beetle 2.0 R-Line Meister」の特徴と魅力を紹介します。
ビートル名の復活は2026年7月時点で未発表 VWはゴルフやポロの名をEVへ引き継ぐ方針
ビートルの名がEVとして戻ってくるのかは、生産終了直後から繰り返し話題になってきました。しかしフォルクスワーゲン乗用車部門のトーマス・シェーファーCEOは2023年6月、ビートルの復活は計画していないという趣旨の見解を示しています。過去に「e-Beetle」の商標が押さえられていたこともあり期待は根強いのですが、公式な裏づけは現在まで出ていません。
一方でフォルクスワーゲンは、EVの車名戦略そのものは大きく転換しました。数字だけのID.シリーズから、よく知られたモデル名をEVへ引き継ぐ方向へ舵を切り、ID.2allのコンセプトを市販化した小型EVは「ID.Polo」として2026年に投入されることが発表されています。GTIのバッジも電動モデルで復活します。
ただしこの名前の復権リストにビートルは含まれていません。ゴルフやティグアン、ポロのように現役として存続してきた名前と、一度役目を終えたビートルとでは扱いが分けられている、というのが現時点の整理です。
MEBプラットフォームを使った電動ビートルを想定したレンダリングやコンセプト提案はSNSや海外メディアで途切れなく登場していますが、いずれも公式の企画ではありません。復活があるとしても、量販EVの体制が整った後の話になるとみられます。2026年7月時点では、ビートルの新型車に関する具体的な計画は発表されていません。
ザ・ビートルは2019年7月10日にプエブラ工場で生産終了 日本での販売も2019年に終了
ザ・ビートルの生産は、2019年7月10日、メキシコ中部プエブラのフォルクスワーゲン工場で終了しました。同工場では生産ラインにメディアを集めた記念セレモニーが行われ、最後の1台は紙吹雪に包まれてラインを離れました。この車両はプエブラのフォルクスワーゲン博物館で保存されています。
プエブラ工場は1997年10月にニュービートルの生産を開始して以来、ザ・ビートルまで含めて約170万台を送り出したビートルの本拠地でした。タイプ1から数えれば、ビートルの名を持つ新車の生産はここで80年あまりの歴史に区切りをつけたことになります。
日本では2012年6月1日に販売が始まり、カブリオレを含めて約3万5000台が売られました。販売終了の予告は2018年1月30日、See You The Beetle キャンペーンの開始と同時にアナウンスされたもので、予告どおり2019年に国内販売も終了しています。生産終了後も在庫車の販売はしばらく続き、自動車専門メディアが2.0 R-Line マイスターの試乗記を掲載したのは2019年11月のことでした。
なお、キャンペーンとしての車両企画は第4弾のマイスターが最後となりました。第5弾にあたる新たな限定車が日本で追加されることはなく、マイスターシリーズは名実ともにザ・ビートル最後の特別仕様車として残っています。ロサンゼルスモーターショー2018で世界初公開された「ファイナルエディション」は米国市場向けの設定で、日本には導入されていません。
2024年11月にエアバッグのリコールを届出 マイスターの輸入時期も対象範囲に重なる
中古車でマイスターを手に入れた方に関わる情報として、リコールにも触れておきます。フォルクスワーゲン グループ ジャパンは2024年11月14日、運転席用エアバッグのインフレータ(膨張装置)に不具合があるとして、ザ・ビートル4仕様・9,302台のリコールを国土交通省に届け出ました(届出番号 外-3900)。
内容は、高い湿度の環境下で大きな温度変化が繰り返されるとガス発生剤が劣化し、エアバッグ展開時にインフレータの容器が破損するおそれがある、というものです。対象は2016年8月9日から2018年11月10日までに輸入された車両で、2018年10月23日に発売されたマイスターシリーズの輸入時期とも重なります。届出時点で不具合や事故の発生報告はなく、改善措置として運転席用エアバッグユニットを対策品に交換するとされています。
この案件は2022年1月28日と2023年2月2日にも届け出られており、2024年の届出は対象車両を追加したものです。中古で購入した個体は前オーナーの段階で作業が済んでいるとは限らないため、車台番号での実施状況の確認をおすすめします。
「See You The Beetle」キャンペーン第4弾~特別仕様車「The Beetle Meister」シリーズが2018年10月23日に発売をスタート
ここからは、2018年10月23日より全国のフォルクスワーゲン正規ディーラーを通じて販売がスタートした特別仕様車の3グレード「The Beetle Design Meister」「The Beetle R-Line Meister」「The Beetle 2.0 R-Line Meister」の特徴と魅力を紹介します。
あわせて整理しておくと、See You The Beetle キャンペーンの流れは次のとおりでした。第1弾が2018年1月30日発売の限定車「The Beetle SOUND」(294万円/300台)、第2弾が購入時に使えるオプションサポートクーポンを進呈する「ザ・ビートル オプションサポートWebチャンス」、第3弾が2018年5月29日発売の限定車「The Beetle Exclusive」(333万円/500台)、そして第4弾がこのマイスターシリーズです。車両の企画としては3度目にして最後の一手にあたります。
「The Beetle Meister(ザ ビートル マイスター)」シリーズは人気オプションであるバイキセノンヘッドライトを標準装備する完成度の高い特別仕様車
ザ ビートルの特別仕様車「The Beetle Meister」シリーズは、ドイツ語で職人・名人を意味する単語である「Meister」が付けられているその名が示す通りに、1台1台丹念に情熱を込めて作り込まれている完成度の高い車です。
人気オプションのバイキセノンヘッドライトを標準装備
特別仕様車の3グレード「The Beetle Design Meister」「The Beetle R-Line Meister」「The Beetle 2.0 R-Line Meister」はいずれも、人気オプションであるデザイン面も魅力的なバイキセノンヘッドライト(ハイトコントロール機能付)と、操作性に優れるVolkswagen純正ナビゲーションシステム 716SDCWを標準装備させます。
エンブレム内蔵リヤビューカメラも標準装備
また、以前は限定車のみに採用されていたリヤエンブレム内蔵型リヤビューカメラを標準装備させて、安全性を強化してユーザーの期待に応えます。
| グレード | ベース車 | エンジン | 最高出力 | トランスミッション | 価格(消費税8%込み) |
|---|---|---|---|---|---|
| ザ・ビートル Design マイスター | The Beetle Design | 1.2L 直4 TSI ターボ | 77kW(105ps) | 7速DSG | 303万円 |
| ザ・ビートル R-Line マイスター | The Beetle R-Line | 1.4L 直4 TSI ターボ | 110kW(150ps) | 7速DSG | 348万円 |
| ザ・ビートル 2.0 R-Line マイスター | The Beetle 2.0 R-Line | 2.0L 直4 TSI ターボ | 155kW(211ps) | 6速DSG | 397万円 |
価格はいずれも発売時のもので、消費税8%込みの表示です。2019年10月の消費税率改定にあわせて表示価格は各グレードとも数万円引き上げられました。
「The Beetle Design Meister」はオーナーのスポーツマインドを刺激する専用デザインを採用する17インチアルミホイールを標準装備
ビートルの特別仕様車マイスターは「The Beetle Design」がベースになっている
オレンジやブルーなどのカラフルなコックピットを特徴とするThe Beetle Designをベースとする特別仕様車「The Beetle Design Meister」は、マニュアル車のような操作性を体感できる「パドルシフト付レザーマルチファンクションステアリングホイール」を標準装備しています。
同車はその他に、運転席・助手席独立調整機能や自動内気循環機能が備わる「2ゾーンフルオートエアコンディショナー」や、花粉及びダスト除去率に優れる「アレルゲン除去機能付フレッシュエアフィルター」も標準装備させて、空調をエリア別に整えて室内のクリーンな状態を保ちます。
マイスター専用にデザインされた17インチアルミホイール
「The Beetle Design Meister」は、オーナーのスポーツマインドを刺激して足回りを更に魅力的とするために、10スポークタイプの専用デザインを採用する17インチアルミホイールを装備させます。タイヤサイズは215/55R17です。
なお、Design マイスターには専用のレザーシートパッケージも用意されました。運転席・助手席にシートヒーターが備わる内容で、上位2グレードに標準装備されるレザーシートの質感を、エントリーにあたるDesign マイスターでも選べるようにした設定です。
The Beetle Design Meisterの主な標準装備
- バイキセノンヘッドライト(ハイトコントロール機能付)
- Volkswagen純正ナビゲーションシステム 716SDCW
- リヤビューカメラ Rear Assist
- 2ゾーンフルオートエアコンディショナー
- アレルゲン除去機能付フレッシュエアフィルター
- パドルシフト
- レザーマルチファンクションステアリングホイール
- Meister専用7J×17アルミホイール
| グレード | 価格 |
|---|---|
| The Beetle Design Meister | 3,030,000円 |
「The Beetle R‐Line Meister」はレザーシートを標準装備させて、走りの魅力に室内空間の特別感も加える
The Beetle R-LineをベースにしたRラインマイスターはフットワークの軽い走りが魅力
「The Beetle R-Line Meister」は、滑らかなギアチェンジを可能とする7速DSGトランスミッションと1.4リットルTSIエンジン(110kW/150ps)等をパワーユニットで組み合わせる事で、低速域からフットワークの軽い走りを実現するThe Beetle R-Lineをベースとします。
標準装備のレザーシートは「ブラック×レッド」と「ブラック」を選択
「The Beetle R-Line Meister」は、室内空間の特別感を高めるためにレザーシートを標準装備させます。レザーシートのカラーは、ブラックのみのモノトーンと、ブラック×レッドのツートンの2タイプ設定です。
同車はレザーシートを標準装備することで、ベース車で好評を得ていたブラックを基調とするクールでスポーティな室内空間に、ワンランク上の上質感を加えます。
The Beetle R‐Line Meisterの主な標準装備
- バイキセノンヘッドライト(ハイトコントロール機能付)
- Volkswagen純正ナビゲーションシステム 716SDCW
- リヤビューカメラ Rear Assist
- レザーシート
- シートヒーター(運転席/助手席)
| グレード | 価格 |
|---|---|
| The Beetle R‐Line Meister | 3,480,000円 |
電動パノラマスライディングルーフを標準装備する「The Beetle 2.0R‐Line Meister」はドライブしながらダイナミックに映り変わる景色の変化を楽しめる
2.0Rラインマイスターは見た目も走りもパワフルな特別仕様車
スポーツ走行も楽しめるパワフルな2.0L TSIエンジン(155kW/211ps)を搭載し、空力特性も考慮したアグレッシブなエクステリアを特徴とするThe Beetle 2.0R‐Lineをベースとする特別仕様車「The Beetle 2.0R‐Line Meister」は、肌寒くなる季節に利便性が高まるシートヒーターを運転席と助手席に標準装備させます。トランスミッションは6速DSG、タイヤは235/40R19という組み合わせで、シリーズ中もっとも走りに振った一台です。
電動パノラマスライディングルーフを標準装備しているので開放的なドライブが楽しめる
「The Beetle 2.0R‐Line Meister」は、UVカット機能が備わる電動パノラマスライディングルーフを標準装備させて、室内空間に開放感を与えて、ドライブ中にダイナミックに映り変わる景色の変化を乗車する人達が楽しめます。ボディカラーには、ザ・ビートルらしい鮮烈な有償色ハバネロオレンジメタリック(3万2400円高)も用意されました。
The Beetle 2.0R‐Line Meisterの主な標準装備
- バイキセノンヘッドライト(ハイトコントロール機能付)
- Volkswagen純正ナビゲーションシステム 716SDCW
- リヤビューカメラ Rear Assist
- 電動パノラマスライディングルーフ
- レザーシート
- シートヒーター(運転席/助手席)
| グレード | 価格 |
|---|---|
| The Beetle 2.0 R‐Line Meister | 3,970,000円 |
特別仕様車「The Beetle Meister」はビートルシリーズの固定ファンだけではなくて新ユーザーも満足できる車だった

カブトムシのようなユニークなフォルムが特徴的な「ザ ビートル」は、2019年をもって日本市場での販売を終えました。日本市場には2012年6月に導入され、フォルクスワーゲンのアイコンとして一時代を築いたザ ビートルは、そのルーツとも言える「フォルクスワーゲン・タイプ1」から数えると約80年の歴史を誇ります。
フォルクスワーゲンは誕生以来、同車を支えてきたファンへの感謝を込めて「See You The Beetle」キャンペーンを実施しました。2018年1月30日には限定車「SOUND」が発売され、続く第2弾ではオプションサポートクーポンを進呈する企画が行われ、同年5月29日には限定車「Exclusive」が発売されています。
2018年10月23日に発売をスタートした特別仕様車「The Beetle Meister」シリーズは、その第4弾となりました。結果としてマイスターは、ザ・ビートルにとって最後の特別仕様車となり、長い歴史を誇るビートルシリーズのファンだけではなくて、新たなユーザーをも刺激する締めくくりの一台になりました。キャンペーン名が「Good-bye」ではなく「See You」であったことにファンが託した期待は、2026年時点ではまだ形になっていません。





















