トゥアレグ3代目は日本未導入のまま 2026年に生産終了へ
フォルクスワーゲンの高級SUVトゥアレグは、2018年3月に欧州で3代目へフルモデルチェンジしました。当時は「日本導入未定」とされていましたが、結論から言えば、この3代目は日本にも北米にも導入されないまま推移しました。日本ではミドルクラスのティグアンが実質的にその立ち位置を代替する形となり、トゥアレグは正規のラインナップから姿を消したままとなっています。
日本導入は実現せず ファイナルエディションで24年の歴史に幕
3代目トゥアレグは、姉妹車のポルシェ・カイエン、アウディQ7と同じMLB(L7)プラットフォームを採用し、軽量化と質感向上を実現。2020年にはフラッグシップとしてプラグインハイブリッドの「トゥアレグR(R eハイブリッド)」が加わりました。3.0L V6ガソリンターボと電動モーターを組み合わせ、システム最高出力462ps(340kW)、最大トルク700Nmを誇る強力なモデルで、最大3.5トンの牽引能力も備えます。2023年には大型改良を受け、IQ.LIGHT HDマトリクスLEDヘッドライトや15インチの「イノビジョンコックピット」などを採用しました。
しかし、その歴史も終わりを迎えます。フォルクスワーゲンは内燃機関を積む大型SUVとしてのトゥアレグの生産を2026年3月末で終了する方針で、2025年には特別限定車「トゥアレグ ファイナルエディション」(欧州で75,025ユーロ〜、日本円で約1,315万円)を設定しました。3世代・約24年で累計120万台以上を販売した高級SUVは、ここで一区切りとなります。
直接の後継車は計画されておらず、ティグアンとトゥアレグの中間を埋める新型「タイロン(Tayron)」が最大SUVとしてその役割の多くを引き継ぎます。トゥアレグが担ってきた価値は、将来的にはSSPプラットフォームをベースとする電気自動車へと受け継がれていく見通しです。結局、日本のファンが正規で3代目トゥアレグを手にする機会は訪れないまま、その名は静かに幕を下ろすことになりました。
トゥアレグのモデルチェンジは2018年3月23日に欧州で行われた(日本未導入)
ここからは、3代目トゥアレグの内容と、当時語られていた情報を振り返ります。フォルクスワーゲンのトゥアレグは、2002年に初代が発売され、ポルシェのカイエン、アウディのQ7とプラットフォームを共有するクロスオーバーSUVです。2010年に2代目へ、そして2018年3月23日に欧州で3代目へモデルチェンジしました。ただし、前述のとおり日本へは導入されませんでした。
8年ぶりに一新された3代目トゥアレグが、どのようなエクステリアで、どんなエンジンを積み、どの程度の価格帯だったのか、当時の情報とあわせて見ていきます。
VWトゥアレグの特別仕様車「ONE Million」が総販売台数100万台超えを記念し発売
ラグジュアリーSUVのトゥアレグに、累計販売100万台突破を記念した特別仕様車「ONE Million(ワンミリオン)」が設定されました。価格はおよそ975万円で、欧州で販売されたものです。
Bピラーに「ONE Million」のロゴバッジを配し、足回りには20インチまたは21インチのアルミホイールをオプションで選択可能。R-Line Black Styleエクステリアパッケージもオプション設定されました。
ワンミリオンのシートは、ブラックにブラウン系のステッチをあしらったデザイン。長く乗っても飽きのこないスポーティーなインテリアで、ロゴ入りのスカッフプレートも備え、乗り降りのたびに特別感を味わえる仕立てでした。
トゥアレグ 3代目のエクステリア
3代目トゥアレグのエクステリアは、基本コンセプトを継承しつつフロントマスクを刷新し、グリル開口部が大きくなりました。フォグランプがあった位置にはLEDのホワイトラインが走り、デイライトの役割も果たしています。
ホイールは2代目よりコンケイブが深く、迫力あるデザインに。3代目もアウディQ7と基本を共有する姉妹車で、Q7と同じMLB系のプラットフォームを用いています。
ボディサイズは、当時の予想では全長4,950mm・全幅1,950mm・全高1,730mm程度とされていました。実車は全長およそ4,878〜4,900mm、全幅1,984mmと、予想よりやや幅広に仕上がっています。以下は当時の予想値です。
| 3代目 | 2代目 | |
|---|---|---|
| 全長 | 4,950mm | 4,815mm |
| 全幅 | 1,950mm | 1,945mm |
| 全高 | 1,730mm | 1,745mm |
トゥアレグ 3代目の搭載エンジン
日本仕様の2代目トゥアレグは3.6LのV6でしたが、3代目は日本へ導入されませんでした。本国のパワートレインは、3.0L V6ガソリン、3.0L V6ディーゼルに加え、上位に4.0L V8ディーゼルを設定し、2020年からはPHEVの「トゥアレグR」も加わっています。以下は当時公開されていたV6の内容です。
| 種類 | V型6気筒ガソリン | V型6気筒ディーゼル |
|---|---|---|
| 排気量 | 3,000cc | 3,000cc |
| 最高出力 | 330hp | 300hp |
2代目のエンジンは3,598ccのV6ガソリンで最高出力280PS・最大トルク360Nm。3代目は排気量を3.0Lへダウンサイジングしながら出力を高めています。当時噂されたPHEVは、のちに「トゥアレグR」(システム最高出力462ps)として実現しました。なお「燃費37.0km/L」という数値は、このPHEV系のカタログ値とみられます。
トゥアレグ 3代目の搭載装備
トゥアレグには総合安全装備「Volkswagenオールイン・セーフティ」が搭載され、車間を保つアダプティブクルーズコントロールや、車線逸脱防止・車線変更支援など、多彩な運転支援機能が備わっていました。
トゥアレグ搭載の安全装備
- アダプティブクルーズコントロール(ACC)
- レーンデパーチャーワーニングシステム
- レーンチェンジアシストシステム
- プリクラッシュブレーキシステム(フロントアシスト)
- アラウンドビューカメラ
- ダイナミックコーナリングライト
- リアビューカメラ
- パークディスタンスコントロール(フロント・リヤ)
- ドライバー疲労検知システム
- ESC
- ABSプラス
レーンデパーチャーワーニングやドライバー疲労検知は、ふらつきを防ぎつつ、家族を乗せた長距離移動でも安心して走れる装備です。
このほか、9つのエアバッグやロールオーバーセンサー、ポストコリジョンブレーキシステムなど、事故時の二次被害を抑え、乗員を守る装備も充実していました。
トゥアレグ 3代目の価格帯(欧州)
3代目トゥアレグは日本には導入されませんでした。欧州でのスタート価格は、最廉価グレードで53,000ユーロ程度とされ、当時のレート(1ユーロ130円)換算で約689万円でした。
2代目の日本での価格帯はV6モデルで649万円、アップグレードパッケージで699万円だったため、これと比べると約40万円ほど高い水準感でした。
遊牧民トゥアレグ族が名前の由来 トゥアレグのモデルチェンジ遍歴
トゥアレグは、ポルシェ・カイエンとプラットフォームを共有するフォルクスワーゲンの高級SUVです。ブランドの高級化を担うモデルで、日本で販売されるフォルクスワーゲン車として初めて1,000万円を超えるグレードが登場した車でもあります。
トゥアレグ 初代/2002年~2010年
2002年に初代が販売を開始。ガソリンの3.2L V6と4.2L V8、ディーゼルの2.5L直5 TDIと3.0L V6 TDIなどを揃え、日本にはガソリンモデルが導入されました。
2005年には世界限定500台(日本割り当て100台)で、6.0L W12を積む「W12 SPORT」を発売。これが日本のフォルクスワーゲン車として初の1,000万円超えとなりました。
2007年にマイナーチェンジを実施し、ガソリンエンジンの変更や安全装備の向上を図りました。
2009年には、プロトタイプの「トゥアレグ V6 TSI ハイブリッド」を発表しています。
トゥアレグ 2代目/2010年~2018年
2010年3月のジュネーブ国際モーターショーで初公開された2代目は、日本では2011年2月に販売を開始。日本でのグレードは「ハイブリッド」「V6」の2本立てで、フォルクスワーゲン初のハイブリッド車を含んでいました。
2012年には安全面の強化が図られました。
2015年2月にはビッグマイナーチェンジを実施。内外装を刷新し、安全・快適装備を高め、上級の「V6 Upgrade Package」を追加しました。
トゥアレグ 3代目/2018年~
2018年、軽量化された3代目が登場。ただし日本と北米では販売が見送られました。
2020年2月にはPHEVの「トゥアレグR」を発表(システム最高出力462ps)。2023年に大型改良を受け、2025年には最終特別車「ファイナルエディション」を設定。内燃機関モデルの生産は2026年3月末で終了する予定で、直接の後継はなく、新型「タイロン」が役割を引き継ぎます。
| フォルクスワーゲン・トゥアレグのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 | 2002年~2010年 |
| 2代目 | 2010年~2018年 |
| 3代目 | 2018年~2026年(予定) |
トゥアレグはダウンサイジングとPHEV化を経て、EV時代へ
2代目が3.6L V6を積んでいたのに対し、3代目では3.0L V6へとダウンサイジングしつつ出力を高め、さらにPHEVの「トゥアレグR」を頂点に据えました。当時「エコな方向へ進化する」と紹介したとおり、電動化を取り込みながら性能も引き上げられたわけです。
もっとも、日本のファンにとっては、この3代目を正規で手にする機会は最後まで訪れませんでした。そして2026年3月末、内燃機関を積むトゥアレグは生産を終え、24年の歴史に区切りをつけます。頼もしい大型SUVとしての価値は、後継のタイロンや、いずれ登場するEVへと引き継がれていくことになります。