テスラ・ロードスターの2代目は発表から9年近く未発売 公開は2026年8月以降へ
2017年11月にプロトタイプが公開された2代目テスラ・ロードスターは、2026年7月時点でいまだ正式発表に至っておらず、生産も始まっていません。当初は2020年の生産開始が予定されていましたが、その後8回以上にわたって時期が後ろ倒しされ、生産開始の見通しは2027〜2028年まで下がっています。
公開イベントの実施時期も揺れ続けています。2026年4月1日に予定されていたデモは実施されず、4月下旬、5〜6月と繰り返し先送りされ、現在は8月以降にギガファクトリー・テキサスで開催される見通しです。日本の公式サイトでも予約受付は行われていますが、日本での発売時期・価格はいずれも未定です。
ここでは、2020年以降に何が起きてきたのかを新しい順に整理したうえで、記事後半で2017年に公開されたプロトタイプの内容と、初代からのモデルチェンジ遍歴を振り返ります。
2026年は公開時期が二転三転 SpaceX製スラスターは社内コード「A71」
2026年に入り、2代目ロードスターをめぐる動きは一気に具体性を帯びました。まず2月9日、テスラは新型ロードスター向けに文字商標と車両シルエットの図案を含む商標2件を出願しています。図案に描かれたシルエットは、2017年のプロトタイプよりも角張ったルーフラインと滑らかな側面を持つもので、デザインが当初案から刷新されたことをうかがわせます。同時期には、一体成形の複合材シートに関する特許も出願されました。
3月17日には、マスク氏が公開時期を4月下旬と示すとともに、表現を「デモ」から「アンベール(正式発表)」へと切り替えています。あわせて「これまでお見せしてきたものとは大きく異なる内容になる」とも表明しました。この言い回しの変化は、単なるお披露目ではなく設計そのものをやり直した可能性を示すものとみられ、その分だけ量産開始はさらに遠のく可能性があります。
ところが4月22日の第1四半期決算では「1か月ほどで公開できるかもしれない」と後退。理由として挙げられたのは「デモで問題が起きないようにするための試験と検証」でした。そして6月に入り、公開は8月以降、会場はテキサス州のギガファクトリー・テキサスという見通しへと再び動いています。
「スペースX」パッケージの正体は冷ガススラスター
今回の公開イベントで最大の目玉となるのが、長らく構想が語られてきた「スペースX」オプションパッケージです。その中身は車体周囲に配置された冷ガススラスターで、社内では「A71」というコードで呼ばれています。加速性能を飛躍的に高め、マスク氏がかねて主張してきた「短時間の浮上」を可能にすることを狙った装置です。
2026年4月下旬には、テスラとSpaceXの技術者がマスク氏に初期段階のデモンストレーションを披露したとされます。製品構成としては、このスラスターを備えた限定版と、それより控えめな標準版の2本立てが計画される方向とみられます。
ただし、ロケット由来の推進装置を積んだ車を公開の場で走らせることには相応のリスクがあります。テスラはサイバートラックの発表会で、防弾を謳ったガラスが観客の前で割れた経験を持つメーカーでもあります。公開時期が繰り返し延びている背景には、こうした演出面の慎重さもあるとみられます。
2025年は予約者の離反が表面化 生産開始は2027〜2028年へ後退
2025年10月、2代目ロードスターの長期化した待機期間を象徴する出来事が起こりました。2018年7月に予約していたOpenAIのサム・アルトマン氏が予約のキャンセルを試みたところ、テスラ側のロードスター専用の連絡先メールがすでに停止していたという事実が公になったのです。返金は事態が公になった後に処理されたとされ、プログラムの運用実態に疑問符が付く形となりました。
一方で前向きな発言もありました。同年10月20日、チーフデザイナーのフランツ・フォン・ホルツハウゼン氏がポッドキャストで「新型ロードスターは年内に」と語っています。しかし実際には年内の公開は実現しませんでした。
11月の株主総会では、マスク氏がデモの実施日を2026年4月1日と設定。エイプリルフールという日付について、本人が「冗談だったと言える余地が生まれる」と述べたことも話題になりました。この場で示された生産開始時期はデモから12〜18か月後、すなわち2027〜2028年です。2017年に25万ドルを前払いしたファウンダーズシリーズの予約者は、この時点で8年間待ち続けていることになります。
なお同年10月には「Manufacturing Engineer, Roadster」という求人が出ています。ただし職務内容はバッテリー製造設備のコンセプト開発と立ち上げであり、量産直前の体制というより開発初期段階の作業を示す内容でした。
2024年に「生産設計完了」を表明するも納車は始まらず
2024年2月28日、マスク氏は2代目ロードスターの生産設計が完了したと表明し、年末に生産版を公開したうえで2025年初頭から納車を開始する計画を示しました。この発言は久々の具体的なスケジュールとして受け止められましたが、実際には年末の公開も2025年初頭の納車も実現していません。
同年第3四半期の決算説明では、生産開始が2025〜2026年へと再び後退したことが認められています。なおこの時期には、日本のテスラ公式サイトでも2代目ロードスターの予約受付が確認できる状態になっていました。大々的な告知はなく、あくまで受付枠が用意されているという扱いです。
2023年にロードスターは「販売を担うモデル」から外れる
2023年は、テスラ社内における2代目ロードスターの位置づけがはっきりと変わった年です。3月1日の投資家デーで示された将来の電動車ラインナップを表すスライドに、ロードスターは描かれていませんでした。続く4月5日に公表されたマスタープラン3でも、同車は現在および将来のモデル群として扱われていません。
つまりロードスターは、モデル3やモデルYのように販売台数を担う存在ではなく、ブランドの象徴であり技術実証の場という位置づけへ移ったことになります。性能・効率・デザインの限界を試す役割を負う一方で、事業上の優先順位は下がりました。同年5月には、目標時期がさらに2024年へと動いています。
この位置づけの変化は、その後の延期が繰り返される構造的な理由として理解できます。量販モデルやオプティマス、サイバーキャブといった収益・戦略の中核が優先される限り、ロードスターの開発リソースは後回しになりやすいためです。
2022年4月12日に予約受付を再開
2022年4月12日、テスラは一時停止していた2代目ロードスターの予約受付を再開しました。ベースモデルの予約金は5万ドル、1,000台限定のファウンダーズシリーズは25万ドルの全額前払いという設定です。
この予約金は、結果として長期にわたるテスラへの貸し付けに近い性格を帯びることになりました。2017年に申し込んだ予約者は、2026年時点でも実車を手にしていません。テスラは紹介プログラムを通じて約80台の無償提供や数百台規模の値引きも約束していましたが、これらもいずれも履行されていない状態です。
2020年から2021年にかけて当初計画が崩れる
2代目ロードスターは、2017年の発表時点で2020年の生産開始が予定されていました。しかし2020年7月、マスク氏はこの計画を撤回し「今後12〜18か月」へと後ろ倒しします。新型コロナウイルスの流行によるサプライチェーンの混乱が理由として挙げられました。
延期はここで止まりませんでした。2021年1月には2022年へ、同年9月には2023年へと、1年のうちに2度も目標が動いています。この時期テスラが優先していたのはサイバートラック、セミ、そしてオプティマスであり、ロードスターは常に後回しにされる立場に置かれました。
結果として、当初計画からの遅れは7〜8年規模に達しています。プロトタイプの発表からこれほど長く市販に至らない例は、近年の自動車業界を見渡してもきわめて異例です。
| 時期 | 示された目標 |
|---|---|
| 2017年11月 | プロトタイプ公開。生産開始は2020年 |
| 2020年7月 | 「今後12〜18か月」へ後ろ倒し |
| 2021年1月 | 2022年へ延期 |
| 2021年9月 | 2023年へ延期 |
| 2023年5月 | 2024年へ延期 |
| 2024年2月28日 | 生産設計完了を表明。年末公開・2025年初頭納車を予告 |
| 2024年第3四半期 | 生産開始は2025〜2026年へ |
| 2025年11月 | デモを2026年4月1日に設定。生産は2027〜2028年 |
| 2026年3月17日 | 「デモ」から「アンベール」へ。4月下旬を示唆 |
| 2026年4月22日 | 第1四半期決算で「1か月ほどで」へ後退 |
| 2026年6月 | 8月以降・ギガファクトリー・テキサスでの開催へ |
2017年に公開された2代目テスラ・ロードスターのプロトタイプ
2008年に初代モデルが発売された電動スポーツカーの革新的存在であるテスラ・ロードスターは、環境意識の高いハリウッドスターやセレブが購入した事でも話題を集め、世界的な知名度を誇ります。
その2代目として2017年11月16日に公開されたプロトタイプは、ガソリン車のスーパーカーに匹敵する最高速度400km/h超えと、EV史上最長級となる航続距離1,000kmを掲げました。ここからは、発表当時に示された内容を振り返ります。以下のスペックはいずれもプロトタイプ公開時にテスラが公称した数値であり、市販版で変更される可能性があります。
2代目テスラ・ロードスターはF1のレーシングカーに迫る加速力と最高速を掲げた
2代目テスラ・ロードスターは、発表時点でスーパーカーの常識を塗り替える性能値を掲げていました。
2018年9月にスイスで開催された「グランド・バーゼル」で公開された欧州仕様のプロトタイプも、3基の高性能モーターを軸としたパワーユニットを備え、0-60mph(約96.6km/h)加速1.9秒、0-100mph(約161km/h)加速4.2秒、0-400m(1/4マイル)8.8秒、最高速は250mph(約402km/h)超という数値を掲げています。
なお元記事では「0-400km/h加速8.8秒」と記載していましたが、これは0-400m(1/4マイル)のタイムを取り違えたものです。402km/hという最高速と、402mという1/4マイルの距離が混同されやすい点にご注意ください。
高速化にともなって増す危険性への対策として、2代目ロードスターには着脱可能なガラスルーフが与えられます。ルーフを外してオープンで走れる一方、装着時にはクーペとしての剛性と安全性を確保する構造です。同じ着脱という語を使っても、マツダ・ロードスターRFのようにルーフが電動で車体内へ格納されるリトラクタブルハードトップとは仕組みが異なり、テスラのそれは取り外したパネルをトランクに収納するタルガトップ方式です。
| 項目 | 公称値 |
|---|---|
| モーター | 3基(フロント1・リア2) |
| バッテリー容量 | 200kWh |
| 航続距離 | 620マイル(約1,000km) |
| 0-60mph加速 | 1.9秒 |
| 0-100mph加速 | 4.2秒 |
| 0-400m(1/4マイル) | 8.8秒 |
| 最高速度 | 250mph(約402km/h)超 |
| ボディ形式 | 着脱式ガラスルーフを備えたタルガトップ、4シーター |
| 予約金 | ベースモデル5万ドル/ファウンダーズシリーズ25万ドル(1,000台限定・全額前払い) |
2代目テスラ・ロードスターは200kWhのバッテリーを搭載し航続1,000kmを掲げる
2代目テスラ・ロードスターの航続距離はおよそ1,000kmを可能にするとされ、EV(電気自動車)の常識を塗り替える存在として注目を集めた
2代目テスラ・ロードスターは、200kWhもの大容量バッテリーを搭載して、EV史上最長級となる1,000km近い航続距離を達成すると公表されました。
最大容量100kWhのバッテリーを搭載していたテスラのフラッグシップ「モデルS」の航続距離は、アメリカEPA基準で549kmを記録していました。その2倍の容量を積む2代目ロードスターであれば、航続1,000kmという数値には一定の説得力があります。
ただし、200kWhというバッテリーは相応の重量とコストを伴います。発表から9年近くを経ても量産に至っていない背景には、この大容量パックを現実的な重量・価格・生産性で成立させることの難しさがあるとみられます。実際、2025年に出された製造技術者の求人でも、バッテリー製造設備のコンセプト開発が職務として挙げられていました。
2代目テスラ・ロードスターは特殊モード「Augmented Mode」と「スペースX」オプションパッケージを構想
テスラの共同創業者でCEOのイーロン・マスク氏は、2018年6月8日に2代目ロードスターへ「Augmented Mode」と呼ばれる特殊モードを搭載する可能性をSNS上で示しています。なお、テスラを2003年に設立したのはマーティン・エバーハード氏とマーク・ターペニング氏で、マスク氏は2004年に出資者・会長として参画した共同創業者にあたります。
「Augmented Mode」は人間の運転能力を拡張するものになるというマスク氏の発言をふまえれば、同モードは、F1マシンに迫る加速力と最高速を持つロードスターを、一般のドライバーでも扱えるようサポートする機能群になると考えられます。
また2代目ロードスターには、マスク氏が立ち上げた宇宙開発企業のロケット技術を応用した小型推進システムを装備し、加速力・最高速・ブレーキ・コーナリング等の性能を飛躍させる「スペースX」と呼ばれるオプションパッケージが構想されてきました。
この構想はその後も生きています。2026年時点で明らかになっているのは、この装置が車体周囲に配置される冷ガススラスターであり、社内コードは「A71」だということです。同年4月下旬にはマスク氏へ初期デモが披露されており、8月以降に予定される公開イベントの主役になる見通しです。
レーシングカーや大型バイクと同等、あるいはそれ以上の加速を狙うこのパッケージについて、マスク氏は「クルマではあるが、まるで飛行するメタルスーツのような体験ができるもの」と表現していました。構想の発表から8年を経て、ようやく実機が姿を見せる段階に入りつつあります。
2代目テスラ・ロードスターはオリジナルデザインを採用しタルガトップの4シーターを導入
2代目テスラ・ロードスターは、ロータスのシャシーを土台とした初代とは異なり、テスラ独自のデザインを採用しました。ガラスルーフが着脱可能なタルガトップとし、2シーターではなく後部座席も設ける4シーターとされています。
ブラックアウトされたヘッドライトが印象的で宇宙人のようにも見えるフロントマスクが特徴
株主に対して公開された2代目テスラ・ロードスターのプロトタイプは、フロントワイパーの取り付け位置が特徴的で、若干ロングノーズ化されていることがうかがえます。
初代からボディ形状をさらに磨き上げた2代目テスラ・ロードスターのプロトタイプ
プロトタイプのサイドビューからは、流線形がさらにエレガントさを増し、リヤエンドに向かうにつれて傾斜が強まるファストバックスタイルによって空力効率を最大化していることが読み取れます。
もっとも、このデザインがそのまま市販されるとは限りません。2026年2月に出願された商標の図案では、2017年のプロトタイプより角張ったルーフラインと滑らかな側面が描かれており、マスク氏自身も「これまで見せてきたものとは大きく異なる」と述べています。市販版は、ここで紹介したプロトタイプから相応に変化した姿で登場する可能性が高いとみられます。
2代目テスラ・ロードスターは四角形のステアリングホイールとワイドディスプレイを予告
四角形のステアリングはコンセプトモデルで見られる手法だが、市販モデルでの採用例は少なく、ロードスターの量産版にどう反映されるのかが注目される
2代目テスラ・ロードスターのインテリアについて、プロトタイプで示されたのは四角形のステアリングホイールと、デザイン・性能の両面を強化したワイドディスプレイでした。
この四角形ステアリングという発想は、その後テスラの量産車で現実のものとなっています。2021年に改良されたモデルSとモデルXでは操縦桿型のヨークステアリングが採用され、賛否を呼びながらも市販されました。ロードスターの量産版がどの形に落ち着くかは、公開イベントで確認したいポイントの一つです。
なお2026年2月には、一体成形の複合材シートに関する特許も出願されています。軽量化と生産性を両立させる狙いとみられ、インテリアの構成そのものがプロトタイプから見直されている可能性があります。
販売予定価格2,000万円台という当時の評価は現在では成立しにくい
2代目テスラ・ロードスターのベースモデルは20万ドル、1,000台限定のファウンダーズシリーズは25万ドルという価格で予約が始まりました。発表当時の為替でおよそ2,270万円および2,840万円に相当します。
当時の比較対象を挙げると、最高速度約370km/hのランボルギーニ「アヴェンタドール」がおよそ4,200万円、最高速度420km/h超のブガッティ「シロン」が3億円以上、そして最高速度415km/hを目指すEVハイパーカーとして開発中だったリマック「C_Two」が2億円以上という水準でした。
この比較をもとに、本記事はかつて「最高速度402km/hを目指しながら2,000万円台に収める2代目ロードスターはコストパフォーマンスが高い」と評価していました。しかしこの見立ては、現時点では成立しにくくなっています。理由は3つあります。
第一に、8年以上経っても発売されておらず、比較の前提そのものが失われたこと。第二に、円換算した価格が為替の変動で当時とは大きく異なること。第三に、比較対象だったリマックC_Twoが2021年に「ネヴェーラ」として市販化され、1,914馬力・0-100km/h加速1.81秒・最高速412km/hという実測値を伴う実車として登場したことです。図面上の数値で優位を語れた時代は終わり、実際に走る車との比較にさらされる段階へ移りました。
それでも、2代目ロードスターが持つ価格対性能の潜在力そのものが否定されたわけではありません。ネヴェーラの価格が2億円規模であることを踏まえれば、仮に公称値どおりの性能で20万ドル台に収まるのなら、依然として際立った存在になります。問題は、その「仮に」がいつ現実になるかという点に尽きます。
ハリウッド俳優もこぞって購入したテスラ・ロードスターのモデルチェンジ遍歴
ロードスターはアメリカのテスラが販売した2シーターのスポーツカータイプの電気自動車で、オープンカースタイルです。CFRPのボディで軽量化されており、シャシー開発はイギリスのロータスからの援助を受けて行われました。
テスラ・ロードスター 初代/2008年〜2012年
2008年3月17日、テスラ初の量産車としてロードスターの最初のデリバリーが行われました。それに先立つ2月1日には、「P1」と呼ばれる市販第1号車がイーロン・マスク氏の手に渡っています。
ロータス・エリーゼのシャシーを土台に、最高出力215kWのモーターをミッドシップに搭載。パナソニック製のPC用リチウムイオンセルを大量に敷き詰めることで総容量約53kWhを確保し、0-100km/h加速4秒以下、満充電での航続距離約390kmという性能を実現しました。98,000ドルという高値にもかかわらず、当初の受注生産枠650台を超える注文が殺到しています。
発売後は著名人の購入が相次ぎ、レオナルド・ディカプリオ氏がトヨタ・プリウスから乗り換えたことをはじめ、ジョージ・クルーニー氏、ブラッド・ピット氏、アーノルド・シュワルツェネッガー氏らが名を連ねました。2009年夏からはヨーロッパへのデリバリーも始まっています。
2010年からは右ハンドル仕様の生産が始まり、同年4月21日にテスラが日本での発売開始を発表。ロサンゼルス郊外の港で日本向け12台が報道関係者に公開されました。日本仕様は国内の安全基準に適合させ、一部意匠にも手が入っています。初出荷分は売約済みで、価格は1,810万円でした。同年11月12日には、マスク氏からトヨタ自動車の豊田章男社長(当時)へ右ハンドルの日本仕様車が贈られています。
2012年1月にはモーターとインバーターの性能向上を含む改良が実施され、キセノンヘッドランプやリアスノーカバーが加わりました。そして同年6月、テスラの第2弾となる4ドアセダン「モデルS」の発売にともない、ロードスターは生産を終了します。累計生産台数は約2,450台でした。
なお2018年2月には、マスク氏の私物であった初代ロードスターがSpaceXのファルコン・ヘビー試験打ち上げのペイロードとして宇宙へ送り出され、大きな話題を呼びました。
テスラ・ロードスター 2代目/2017年プロトタイプ公開
2017年11月16日、テスラ・セミの発表イベントにあわせて2代目ロードスターのプロトタイプが公開されました。3モーター、200kWhのバッテリー、4シーターのタルガトップという構成で、同時に予約受付も開始されています。2022年4月12日には一時停止していた予約が再開され、2026年2月9日には新デザインを示す商標2件が出願されました。生産は開始されていません。
| テスラ・ロードスターのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 | 2008年~2012年(累計約2,450台) |
| 2代目 | 2017年11月にプロトタイプ公開。生産は未開始 |
2代目テスラ・ロードスターの誕生によって自動車業界は新時代を迎えるのか

テスラのCEOイーロン・マスク氏は「テスラ・ロードスターの目標はガソリン車に打ち勝つこと、ガソリンスポーツカーを運転することは、蒸気機関車のように過去のものとなる」との発言をしてきました。
テスラ初の量産EVとして電気自動車の実力を世に示したロードスターの登場以降、従来はガソリン車を主力としてきた老舗自動車メーカーも、急ピッチでEVへの転換を進めてきました。この点において、初代ロードスターが果たした役割は疑いようがありません。
一方、2代目が掲げた最高速度400km/h超と航続距離1,000kmという数値は、いまだ図面上のものにとどまっています。プロトタイプの公開から9年近くが経ち、その間にEVを取り巻く環境は大きく変わりました。ライバルと目されたリマックはネヴェーラを市販化し、テスラ自身もロードスターを販売台数の柱ではなくブランドの象徴として位置づけ直しています。
それでも、この車が持つ意味が薄れたわけではありません。冷ガススラスターという常識外の装備を積んだ量産車が本当に世に出るのなら、それは性能競争の物差しそのものを変える出来事になります。8月以降に予定される公開イベントで実車がどこまでの姿を見せるのか、そして2027〜2028年とされる生産開始が今度こそ守られるのか。テスラ・ロードスターの物語は、まだ決着していません。





















