子育てに使いやすいスライドドアを装備した軽自動車まとめ
スライドドアは一昔前まで大型ファミリーカーの専用装備でしたが、現在では軽自動車のスーパーハイトワゴンにも広く採用されています。普通車のミニバンよりもボディサイズが小さくて取り回しやすく、維持費が安くて燃費も良いことから、子育て世代のパパ・ママに特に人気の車種となっています。
メーカー各社から販売されているスライドドア搭載の軽自動車を、燃費・価格・4WDの有無・安全装備などの観点からまとめました。購入前の比較検討にぜひお役立てください。
タント/ダイハツ・シフォン/スバルはBピラーがないのでスライドドアを開けたときに乗り込みやすい
ダイハツが販売するスーパーハイトワゴンのタントは、2003年に初代が発売され、2019年7月には現行の4代目へとフルモデルチェンジしています。最大の特徴は助手席側のBピラー(柱)をスライドドアに内蔵した「ミラクルオープンドア」で、前後ドアを全開にすると開口幅が約1,490mmにまで広がります。小さな子どもが傘を差したまま乗り降りできたり、ベビーカーやチャイルドシートの取り付けがしやすかったりと、子育て世代には特に便利な構造です。実際に開口部の前に立つと、その広さはひと目で実感できます。
4代目タントの燃費は、WLTCモード(国土交通省が採用する現行の燃費測定方式)で以下のとおりです(ダイハツ公式・2019年発売時の値)。
| 2WD | 4WD | |
|---|---|---|
| ターボなし(NA) | 22.7km/L | 20.7km/L |
| ターボあり | 20.7km/L | 19.4km/L |
燃費測定方式がJC08モードからWLTCモードへ移行したため、先代モデルと単純な数値比較はできませんが、軽スーパーハイトワゴンとして標準的な水準の燃費を確保しています。なお、次期モデル(5代目)は2026年後半に向けたフルモデルチェンジが見込まれており、ダイハツ独自のシリーズ式ハイブリッドシステム「e-SMART HYBRID」の搭載も検討されています(2026年3月時点、正式発表は未定)。
スライドドアは予約オープン機能に対応しており、スマートキーを携帯して車に近づくだけでドアが自動で開く仕組みも備わっています。両手が荷物でふさがっているシーンや、子どもを抱っこしているときなど、日常の「ちょっと不便」を解消してくれます。
安全装備は、歩行者・自転車を含む前方障害物への衝突を軽減する「スマートアシスト」を全車標準装備。誤発進抑制制御機能(前方・後方)も備わっており、駐車場での踏み間違い事故対策にも有効です。
タントの他に、スポーティな「タントカスタム」グレードもラインナップされています。また、スバルへOEM供給された「シフォン」という車名でも販売されています(シフォンの現行モデルはタントとほぼ同仕様)。
| 全長 | 3,395mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,475mm |
| 全高 | 1,755mm |
| 室内長 | 2,060mm |
| 室内幅 | 1,350mm |
| 室内高 | 1,370mm |
| 総排気量 | 658cc |
| 車両重量 | 940kg〜 |
| ホイールベース | 2,460mm |
| 最低地上高 | 150mm |
| 駆動方式 | 2WD・FF/4WD |
| 過給機 | ターボ(グレードによる) |
| 最小回転半径 | 4.4m |
| 乗車定員 | 4名 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 乗降性 | 助手席側Bピラーなし(ミラクルオープンドア)で開口幅約1,490mm。ベビーカーやチャイルドシートの着脱がしやすい。 |
| スライドドア機能 | 予約オープン機能付き電動スライドドア搭載。車に近づくだけで自動オープン。 |
| 安全装備 | スマートアシスト(歩行者・自転車対応)、前後誤発進抑制制御機能標準装備。 |
| グレード展開 | タント(標準)・タントカスタム(スポーティ)・タントファンクロス(SUVテイスト)、スバルOEM「シフォン」もあり。 |
ムーヴキャンバス/ダイハツは両側スライドドアを搭載した使い勝手重視の軽自動車
2016年に初代が登場したムーヴキャンバスは、2022年7月に現行の2代目へとフルモデルチェンジしました。ムーヴの派生モデルではなく独自のプラットフォームを採用し、丸みを帯びたレトロポップなデザインが女性を中心に高い支持を集めています。両側スライドドアを採用しており、リアシート下には引き出し式収納があり、倒れやすい観葉植物や背の高い袋物なども安定して積み込めます。
現行型(2代目)の燃費はWLTCモードで以下のとおりです。
ムーヴキャンバス燃費(WLTCモード)
ターボなし2WD:22.9km/L
ターボなし4WD:21.2km/L
ターボあり2WD:22.4km/L
全高はタントより約100mm低い1,655mm(現行型)で、ひと回りコンパクトな印象です。立体駐車場を利用することが多い方にとっては、この全高の差が駐車場の選択肢の広さにつながります。グレードは「セオリー」と「ストライプ」の2系統があり、カジュアルな雰囲気のストライプとシンプルな上質感のセオリーでキャラクターが大きく異なります。安全装備は現行型でスマートアシストを全車標準装備し、前後誤発進抑制制御機能も備えています。
| 全長 | 3,395mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,475mm |
| 全高 | 1,655mm |
| 室内長 | 2,115mm |
| 室内幅 | 1,345mm |
| 室内高 | 1,270mm |
| 総排気量 | 658cc |
| 車両重量 | 880〜930kg |
| ホイールベース | 2,455mm |
| 最低地上高 | 150mm |
| 駆動方式 | 2WD・FF/4WD |
| 過給機 | ターボ(グレードによる) |
| 最小回転半径 | 4.4m |
| 乗車定員 | 4名 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 乗降性・使い勝手 | 両側スライドドア採用。リアシート下に引き出し式収納があり、背の高い荷物も安定して運べる。 |
| 車体サイズ | 全高1,655mmでタントより約100mm低い。立体駐車場の利用がしやすい。 |
| グレード展開 | 「セオリー」(シンプル上質)と「ストライプ」(カジュアルポップ)の2系統展開。 |
| 安全装備 | スマートアシスト標準装備、前後誤発進抑制制御機能搭載。 |
ウェイク/ダイハツ・ピクシスメガ/トヨタ(販売・生産終了済み)
ウェイクは、2014年11月に発売されたダイハツのスーパーハイトールワゴンです。全高1,835mm・室内高1,455mmというクラス最大級の室内空間が特徴で、キャンプや釣りなどアウトドア用途を重視したユーザーから支持されていました。しかし2022年8月11日に生産を終了しており、現在は新車での購入はできません。トヨタへOEM供給していた「ピクシスメガ」も同様に販売を終了しています。現在は中古車市場での流通のみとなっています。
ウェイクの後継にあたるアクティブモデルとして、現行タントのSUVテイストグレード「タントファンクロス」が設定されています。レジャー用途での広い室内空間を求める方は、タントファンクロスや中古のウェイクを検討されることをおすすめします。
| 全長 | 3,395mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,475mm |
| 全高 | 1,835mm |
| 室内長 | 2,215mm |
| 室内幅 | 1,345mm |
| 室内高 | 1,455mm |
| 総排気量 | 658cc |
| 車両重量 | 990kg〜 |
| ホイールベース | 2,455mm |
| 最低地上高 | 140mm |
| 駆動方式 | 2WD・FF/4WD |
| 過給機 | ターボ(グレードによる) |
| 最小回転半径 | 4.4m |
| 乗車定員 | 4名 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売状況 | 2022年8月に生産終了。現在は中古車のみ流通。トヨタOEM「ピクシスメガ」も販売終了済み。 |
| 特徴 | 軽自動車クラス最大級の室内高1,455mmを実現。アウトドア志向のユーザーに人気があった。 |
| 後継モデル | ウェイクの用途を受け継ぐ車種として、タントのSUVテイストグレード「タントファンクロス」が設定された。 |
スペーシア・スペーシアカスタム/スズキはマイルドハイブリッド搭載でクラストップ水準の燃費を誇る両側スライドドアの軽自動車
スズキが販売するスペーシアは、パレットの後継モデルとして2013年に初代が登場。2023年11月には3代目となる現行モデルがフルモデルチェンジされました。最大のポイントは全車に「マイルドハイブリッドシステム」を標準搭載していることで、減速時のエネルギーを回収してモーターでエンジンをアシストする低燃費技術により、軽スーパーハイトワゴンクラストップ水準の低燃費を実現しています(2023年11月時点、スズキ調べ)。
現行型(3代目)の燃費はWLTCモードで以下のとおりです。
| 2WD | 4WD | |
|---|---|---|
| スペーシア(NA) | 23.9〜25.1km/L | 22.4km/L |
| スペーシアカスタム(ターボ) | 21.9km/L | 19.8km/L |
ターボエンジン搭載のカスタムグレードでもWLTCモード21.9km/L(2WD)と、ライバル車のNA(自然吸気)エンジン並みの燃費性能を誇ります。内装面では現行モデルから後席に「マルチユースフラップ」が新採用され、レッグレスト・オットマン・荷物ストッパーの3機能を使い分けられるなど、長距離移動での快適性が向上しています。安全装備は「デュアルセンサーブレーキサポートII」を採用し、右左折時の対向車や横断歩行者の検知にも対応しています。間近に展示車を見ると、コンテナをモチーフにしたボディサイドのビード形状が存在感を与えつつも、嫌みのない仕上がりに感じられます。
グレード体系は標準の「スペーシア(HYBRID G・HYBRID X)」と、スポーティな「スペーシアカスタム」の2本立てです。なお、従来あったSUVテイストグレードの「スペーシアギア」は2023年の新型発売当初は廃止されていましたが、2024年9月に新型スペーシアギアとして復活しています。
| 全長 | 3,395mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,475mm |
| 全高 | 1,785mm |
| 室内長 | 2,155mm |
| 室内幅 | 1,350mm |
| 室内高 | 1,410mm |
| 総排気量 | 658cc |
| 車両重量 | 870〜950kg |
| ホイールベース | 2,460mm |
| 最低地上高 | 150mm |
| 駆動方式 | 2WD・FF/4WD |
| 過給機 | ターボ(カスタムグレードのみ) |
| 最小回転半径 | 4.4m |
| 乗車定員 | 4名 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 燃費・パワートレイン | 全車マイルドハイブリッド搭載。NA・2WDでWLTCモード最大25.1km/Lを達成。クラストップ水準(2023年11月時点、スズキ調べ)。 |
| 快適装備 | 後席に「マルチユースフラップ」を新採用(上位グレード)。レッグレスト・オットマン・荷物ストッパーの3機能を持つ。 |
| 安全装備 | デュアルセンサーブレーキサポートII搭載。右左折時の歩行者・自転車も検知可能。 |
| グレード展開 | スペーシア(HYBRID G/HYBRID X)とスペーシアカスタム(ターボあり)の2本立て。2024年9月にスペーシアギアも復活。 |
日産ルークス/三菱eKスペースは高速道路走行時の負担を軽減する先進機能を備えた軽自動車
かつて日産が販売していた「デイズルークス」は、2020年3月のフルモデルチェンジで「ルークス」へ車名を変更しました。三菱との合弁会社NMKVが開発した姉妹車「eKスペース」も同時にフルモデルチェンジし、SUVテイストの「eKクロススペース」が新設定されています。
現行のルークスとeKスペースの大きな特徴が、高速道路走行時のストレスを軽減する運転支援技術です。日産では「プロパイロット」、三菱では「マイパイロット」と呼ばれ、先行車との車間距離を自動で維持し、白線を検知して車線逸脱を防ぐ機能などを備えています。ロングドライブが多いファミリーにとっては特に頼れる装備です。その他にも「SOSコール」「踏み間違い衝突防止アシスト」「エマージェンシーストップシグナル」といった先進装備も充実しています。
また、クルマを上から見下ろすような映像を車載モニターに表示して駐車操作をアシストする「インテリジェント・アラウンドビューモニター」もグレード別で設定。スライドドアを備えるのはもちろん、軽自動車の中でも特に先進安全装備が充実したモデルと言えます。なお、2023年6月にはマイナーチェンジが行われ、内外装の質感や装備が一部刷新されています。
| 全長 | 3,395mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,475mm |
| 全高 | 1,780mm(FF車) 1,800mm(4WD車) |
| 室内長 | 2,200mm |
| 室内幅 | 1,335mm |
| 室内高 | 1,400mm (リヤシーリングファン装着時:1,390mm) |
| 総排気量 | 658cc |
| 車両重量 | 940〜1,060kg |
| ホイールベース | 2,495mm |
| 最低地上高 | 150〜155mm |
| 駆動方式 | 2WD/4WD |
| 過給機 | ターボ(グレードによる) |
| 最小回転半径 | 4.5m(ターボ車:4.8m) |
| 乗車定員 | 4名 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル展開 | 日産ルークスは標準仕様とハイウェイスターモデル、eKスペースは通常仕様とSUVテイストのeKクロススペースをラインナップ。2023年6月にマイナーチェンジを実施。 |
| 先進運転支援 | 高速道路走行時の負担軽減「プロパイロット(日産)/マイパイロット(三菱)」を搭載。車間維持・車線逸脱防止・SOSコール・踏み間違い衝突防止アシスト・エマージェンシーストップシグナルを備える。 |
| 駐車支援 | グレード別でインテリジェント・アラウンドビューモニター搭載。上空からの映像で駐車操作をサポート。 |
| スライドドア | 両側スライドドア装備で利便性を確保。 |
N-BOX/ホンダは日本で最も売れている軽自動車で子育て世代にも嬉しいスライドドアを完備
2011年の発売以来、軽自動車販売台数で長期にわたりトップを維持しているホンダのN-BOX。2023年10月6日には3代目へとフルモデルチェンジされました。「ハッピー・リズム・ボックス」をコンセプトに、広い室内空間はそのままに視界のすっきりした開放感のある空間へと刷新されています。
現行型(3代目)の燃費はWLTCモードで以下のとおりです。
| 2WD | 4WD | |
|---|---|---|
| ターボなし(NA) | 21.5〜21.6km/L | 19.4km/L |
| ターボあり | 20.3km/L | 18.4km/L |
WLTCモードの数値はJC08モードよりも実走行に近い値になるため、燃費の感覚がつかみやすくなっています。実際の街乗りでは20km/L前後が出ているというオーナーレポートも多く見られます。現行モデルはNシリーズとして初めて新世代コネクテッド技術「Honda CONNECT」を搭載し、スマートフォンからエアコンやドアロックの操作が可能です。
安全装備は「Honda SENSING」が全車標準装備で、衝突軽減ブレーキ(歩行者・夜間対応)、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援システムなど充実した内容になっています。また後続車へブレーキランプだけでなく、ハザードランプを高速で点滅させる「エマージェンシーストップシグナル」も搭載しています。
グレードは「ベースグレード」「ファッションスタイル」、エアロ装備の「カスタム」系、そして2024年9月に追加されたアウトドア・道具感を強調した「N-BOXジョイ(JOY)」があります。それぞれの個性がはっきりしているため、ライフスタイルに合わせた1台を選びやすいラインナップです。
| 全長 | 3,395mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,475mm |
| 全高 | 1,790mm(FF車) 1,815mm(4WD車) |
| 室内長 | 2,240mm |
| 室内幅 | 1,350mm |
| 室内高 | 1,400mm |
| 総排気量 | 658cc |
| 車両重量 | 910〜1,010kg |
| ホイールベース | 2,520mm |
| 最低地上高 | 150mm |
| 駆動方式 | 2WD・FF/4WD |
| 過給機 | ターボ(カスタム系グレードのみ) |
| 最小回転半径 | 4.5m |
| 乗車定員 | 4名 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 販売台数・特徴 | 2011年発売以来、軽自動車販売台数で長期トップクラスを維持。2023年10月に3代目へFMC。 |
| 安全装備 | Honda SENSING全車標準装備。衝突軽減ブレーキ(歩行者・夜間対応)、渋滞追従機能付ACC、車線維持支援システム、エマージェンシーストップシグナルを搭載。 |
| コネクテッド機能 | Honda CONNECT搭載(Nシリーズ初)。スマートフォンからエアコン・ドアロック操作が可能。 |
| グレード展開 | ベースグレード、ファッションスタイル、カスタム系(エアロ装備)、N-BOXジョイ(2024年9月追加)の4系統。 |
スライドドアを採用した軽自動車はファミリーカーにピッタリ
スライドドアを採用したスーパーハイトワゴンの軽自動車は、小回りが利いて燃費も良く、ママと子ども1人でも2人でも楽々お出かけできます。チャイルドシートの着脱や、子どもの乗り降りのしやすさは、日々の積み重ねでストレスの差として実感できる部分です。子どものいない夫婦や一人乗りにとっても、軽自動車とは思えない広々とした室内空間は快適で、将来の家族の変化にも対応できる1台です。
各モデルの特徴を整理すると、Bピラーレスの圧倒的な開口幅を求めるならタント、燃費最重視ならマイルドハイブリッド搭載のスペーシア、高速運転支援を重視するならルークス、連続売上トップの安心感と充実した安全装備ならN-BOX、コンパクトなサイズ感と個性的なデザインならムーヴキャンバスが候補になります。実際に複数のディーラーで試乗しながら、自分のライフスタイルに合った1台を見つけてみてください。