サクラのモデルチェンジ

サクラは軽自動車初のBEVに 急速充電対応で航続距離は最大180km達成

サクラは100%電気で走るバッテリーEV搭載モデルで、軽自動車で初めてのBEVとして誕生。ミニアリアと称されることもあるサクラの魅力は先進的なエクステリアだけでなく、日本の美を表現した繊細なインテリアにもあります。

サクラは軽自動車初のBEVに 急速充電対応で航続距離は最大180km達成

日産サクラが2022年6月16日に発売 軽自動車初のBEVで日本中が注目

日産サクラは軽自動車のデイズとプラットフォームを共有するまったく新しい新型モデルとして発表。
注目したいのが100%電気で走るバッテリーEV(BEV)という点です。軽自動車のBEVは世界初(三菱のekクロスEVは兄弟車)で、日産ではリーフ、アリアに次ぐ量販モデルに位置します。

バッテリーEVの弱点として、航続距離や充電時間などが挙げられますが、サクラは実用十分な航続距離の180kmを実現、航続距離を伸ばすと充電時間がかかりますが、サクラの場合は普通充電では約8時間で満充電に。
急速充電にも対応しており、約40分で80%まで充電可能です。

車名にもある通り、日本の美を意識したインテリアにも注目で、サクラの花や水引をモチーフにしたデザインも高評価を得ているようです。
軽自動車BEVの日産サクラのエクステリア・インテリア・スペック・価格などを紹介します。

サクラへ日産創立90周年特別仕様車 サクラ 90th Anniversaryを設定

サクラ 90th Anniversaryのエクステリアサクラ 90th Anniversaryはカッパーをアクセントに存在感のある専用ブラックアルミホイールを装備

サクラの20kWh Xグレードをベースにした創立90周年特別仕様車 サクラ 90th Anniversaryを2023年12月19日に発売。カッパーのルーフサイドステッカーや、カッパーストライプのドアミラーなどを装備。
専用14インチブラックホイールや耐久性をナッパレザーのような触感のテーラーフィットを採用するシートを特別装備します。
サクラ 90th Anniversaryの販売価格は2,658,700円です。

サクラのエクステリアはミニアリア風 軽自動車初のプロジェクター式3眼ヘッドライトで先進的に

初の軽自動車BEV新型サクラのエクステリア新型サクラはミニアリアとも言われる独特のVモーションが特徴

サクラのエクステリアは、2022年に発売した兄貴分にあたるアリアをサイズダウンしたような見た目。
日産を象徴する大胆なVモーショングリルに、軽自動車で初めて採用するプロジェクター式のスリムな3眼ヘッドライトはBEVらしい先進的なイメージを与えます。

リヤテールランプは一文字で繋がるワイドデザインで、格子をモチーフにしています。
一文字のテールランプはトヨタのハリアーを始め、レクサスNXなどにも採用されており、軽自動車で採用するモデルはサクラだけです。

  • 日産 サクラ 90周年記念車日産 サクラ 90周年記念車
  • 日産 サクラ 90周年記念車日産 サクラ 90周年記念車
  • 日産 サクラ 90周年記念車日産 サクラ 90周年記念車
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日本の美をコンセプトにするサクラのホイールデザインも他にはないもので、十字に交差する水引をイメージしているそう。
社外ホイールを含めても、あまり見当たらない珍しい意匠になっていると感じます。

新型サクラのスペック
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,655mm
ホイールベース 2,495mm
室内長 2,115mm
室内幅 1,340mm
室内高 1,270mm
最低地上高 145mm
最小回転半径 4.8m
車両重量 1,070kg-1,080kg
駆動用バッテリー種類 リチウムイオン電池
総電圧 350V
総電力量 20kWh
原動機型式 MM48
最高出力 47kW/2,302-10,455rpm
最大トルク 195Nm/0-2,302rpm
WLTCモード電費(交流電力量消費率) 124Wh/km
乗車定員 4名
値段 2,493,700円~3,040,400円

サクラは全15色のカラフルなボディカラーで日本の四季を表現

サクラのボディカラーは日本の四季を想像させる彩鮮やかな15色のボディカラーを設定。
ブロッサムピンクは春、ソルベブルーは夏、サンライズカッパーは秋、ホワイトパールは冬をイメージする2トーンのシーズンカラーでおすすめの色です。

サクラのボディカラー一覧

  • ホワイトパール(33,000円高)
  • ソルベブルー(33,000円高)
  • アッシュブラウン(33,000円高)
  • スパークリングレッド
  • スターリングシルバー
  • ブラック
  • ホワイトパール×ブラック(77,000円高)
  • ソルベブルー×ブラック(77,000円高)
  • フローズンバニラパール×ブラック(66,000円高)
  • チタニウムグレー×ブラック(66,000円高)
  • スパークリングレッド×ブラック(66,000円高)
  • ホワイトパール×チタニウムグレー(93,500円高)
  • 暁-アカツキ-サンライズカッパー×ブラック(93,500円高)
  • ソルベブルー×チタニウムグレー(93,500円高)
  • ブロッサムピンク×ブラック(82,500円高)
  • サクラのホワイトパールホワイトパール(33,000円高)
  • サクラのソルベブルーソルベブルー(33,000円高)
  • サクラのアッシュブラウンアッシュブラウン(33,000円高)
  • サクラのスパークリングレッドスパークリングレッド
  • サクラのスターリングシルバースターリングシルバー
  • サクラのブラックブラック
  • サクラのホワイトパール×ブラックホワイトパール×ブラック(77,000円高)
  • サクラのソルベブルー×ブラックソルベブルー×ブラック(77,000円高)
  • サクラのフローズンバニラパール×ブラックフローズンバニラパール×ブラック(66,000円高)
  • サクラのチタニウムグレー×ブラックチタニウムグレー×ブラック(66,000円高)
  • サクラのスパークリングレッド×ブラックスパークリングレッド×ブラック(66,000円高)
  • サクラのホワイトパール×チタニウムグレーホワイトパール×チタニウムグレー(93,500円高)
  • サクラの暁-アカツキ-サンライズカッパー×ブラック暁-アカツキ-サンライズカッパー×ブラック(93,500円高)
  • サクラのソルベブルー×チタニウムグレーソルベブルー×チタニウムグレー(93,500円高)
  • サクラのブロッサムピンク×ブラックブロッサムピンク×ブラック(82,500円高)

モノトーンカラー、2トーンカラーともにホワイトパールやブラック、スターリングシルバーが人気のようですが、オプションがかからない無償カラーでは珍しいスパークリングレッドもよく選ばれているようです。

2トーンカラーではサクラのテーマであるシーズンカラーが人気で、サンライズカッパー、ソルベブルー、ブロッサムピンクなど個性的なカラーが揃っています。
サクラの雰囲気とも相性抜群で、存在感を際立たせてくれます。

サクラのインテリアは7インチディスプレイメーターと9インチナビゲーションで軽No.1の先進性

新型アリアのインテリアサクラは水平基調の大型ディスプレイとカッパーガーニッシュを配置するBEVらしい先進的なインテリアが魅力

サクラに乗り込むと大画面の7インチインターフェイスが目に入ります。
ナビゲーションも9インチの大画面で、軽自動車ではトップクラスの先進性を感じます。ディスプレイは水平レイアウトで目線の移動が最小限のため視認性も抜群で、日産が「使いやすく見やすい設計にこだわった」秀逸なデザイン。

軽自動車とは思えない丁度いい厚みのシート、高級感のあるカッパー素材を使った水平基調のインパネガーニッシュ、飲み物がこぼれにくい工夫をしたカップホルダーなど、日本のおもてなしの心も感じられるインテリアが魅力です。

サクラのシートカラー

  • トリコット素材のベージュ
  • トリコット素材のブラック
  • 合皮×トリコット素材のベージュ
  • サクラのトリコット素材のベージュシートトリコット素材のベージュ
  • サクラのトリコット素材のブラックのシートトリコット素材のブラック
  • サクラの合皮×トリコット素材のベージュのシート合皮×トリコット素材のベージュ

シート表皮はシックでまとまりのあるブラック、明るく解放感の強いベージュ、合皮とトリコット素材をミックスしたオプションのプレミアムインテリアの3種類を設定。
軽自動車では珍しい後席リクライニング機構を標準装備するのも嬉しいです。

サクラのグレードはS・X・Gの3種類で販売価格は2,333,100円から

サクラのグレードはSとXとGの3種類を設定していますが、Sグレードはビジネス向けのベースグレードになるため、実質中間グレードXと上級グレードGの2つのグレードから選択することになります。
Xは中級グレードですが、Gグレードに設定する殆どの便利な装備をオプション選択できます。

Gグレードはアラウンドビューモニターや、EV専用の9インチナビゲーション搭載ニッサンコネクトなどを標準装備している全部入りグレードなので、全部入りが欲しいのか、必要な機能だけ欲しいのかを考えてグレード選択をしましょう。

XグレードにはないGグレードの主な装備

  • インテリジェントアラウンドビューモニター
  • EV専用ニッサンコネクトシステム(9インチナビ、地デジ内蔵)
  • プロパイロット
  • インテリアカッパー加飾
  • アダプティブLEDヘッドライトシステム
  • 本革巻きステアリングホイールなど

Xグレードにはインテリアのカッパー加飾はなく、ボディカラーも10色からしか選べないため、内外装に拘るときは上位グレードのGを選択すると間違いありません。
販売価格はビジネスグレードのSが2,493,700円~、Xが2,548,700円~、Gが3,040,400円~で、4WDの設定はなく全て2WDのFF駆動です。

新型サクラの値段
グレード 駆動方式 値段
S 2WD(FF) 2,493,700円~
X 2,548,700円~
G 3,040,400円~

サクラは最短40分で80%まで充電可能 最大航続距離180km日常使いで十分な性能をもつコンパクトEV

電気自動車(EV)の弱点として挙げられるのが航続距離や充電時間で、サクラはコンパクトEVのため、日産アリアやトヨタbZ4X、レクサスRZ450eなど大容量バッテリーを搭載するEVと比較すると満充電に対する航続距離が少なめの最大180kmです。

これはデメリットでもあり、最大のメリットでもあり、航続距離が少な目な分、充電時間が短く済むことからEVをガソリン車と同じ感覚で使うことができます。
具体的な充電時間は、普通充電でバッテリー警告から8時間で100%まで充電可能。
急速充電を使うと、バッテリー警告から40分で80%まで充電することができます。

レジャーなどで遠くへ出かける場合は不安な航続距離ですが、セカンドカーとして日常域で使う場合は十分な航続距離と言えます。
充電忘れでバッテリー警告灯がついている場合でも自宅に急速充電設備がある場合は速やかにバッテリー残量を増やすこともできます。

サクラ発表後3週間で11,000台を超える受注を獲得 上質な内外装と購入しやすい価格帯が魅力

サクラが発表された3週間後に、受注数が11,000台を超えたことを日産がニュースリリース。
軽自動車初のBEV(100%電気で走るピュアEV)というインパクトもありながら、スターティングプライスが2,333,100円からというのはとてもインパクトが強かったです。

コスト面はもちろんパフォーマンスも秀逸で、水引からインスピレーションしたホイールデザインや四季をイメージしたカラーパターンなど日本の美を追求した内外装と、上位グレードには安全装備のプロパイロットやプロパイロットパーキングを装備するパッケージングもユーザーに支持されたようです。

サクラはBEVの量産モデルでは初めての軽自動車規格なので、今後発売する軽BEVにも影響を与えることは確実で、競合他社からよりよい電気自動車の登場が期待できるでしょう。

軽自動車初のBEV サクラのモデルチェンジ遍歴

サクラは日産の軽トールワゴン型の、軽自動車初となる量産化BEVです。正式名称は「SAKURA」。東京モーターショー2019に出品された軽EVのコンセプトカー「IMkコンセプト」をベースとした市販車です。日産ではリーフとアリアに続くバッテリーEV車で、サクラはミニアリアと呼ばれることもあります。

サクラ 初代 B6AW(KE0)型/2022年~

2022年6月、日産から軽自動車初のバッテリーEV車、サクラが誕生しました。グレードは標準仕様の「X」と、上級仕様の「G」の2タイプ。「2022年度グッドデザイン賞」と共に、審査委員セレクションの「私の選んだ一品」にも選出。「2022~2023日本自動車殿堂 カーオブイヤー」「2023年次RJCカーオブイヤー」、サクラに搭載される「軽EVの電動化技術」が「RJCテクノロジーオブイヤー」を、さらには「2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞すると共に、部門賞の「K CARオブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、数多くの賞を獲得しています。

2023年12月14日には、「X」をベースとした日産の90周年を記念した記念車「90th Anniversary」が発表され、同19日に発売されています。

サクラのモデルチェンジ遍歴
サクラのモデル 販売年表
初代 B6AW(KE0)型 2022年~

サクラは電気自動車のゲームチェンジャーになりうるモデル

サクラ

電気自動車に指摘される問題として、充電時間や航続距離があります。
大容量バッテリーを搭載すると最大航続距離は伸びますが、車両重量が増え充電時間が増えるデメリットがあります。バッテリー分の価格が上乗せされ車両価格も高額になり、電気自動車購入のハードルは高くなるでしょう。

サクラは電気自動車の弱点を逆手にとったモデルで、軽自動車規格に必要十分なバッテリーを積んだ「用途を限定した実用的なモデル」として登場しました。
サクラのような用途特化型の電気自動車が登場したことで、ガソリンエンジン搭載車をメインカーに、電気自動車をセカンドカーにする新しい選択肢が出来たのかもしれません。