国土交通相が「自動運転」の説明を厳格化することを発表!先進安全自動車推進検討会で10月に合意
石井啓一国土交通相が2018年11月2日、「自動運転」の説明を厳格化するという方針を、自動車メーカー各社や専門家が自動運転技術の安全性について検討する「先進安全自動車推進検討会」で2018年10月に合意したことを発表しました。
今後は技術レベルの車の宣伝においては「自動運転」「自動ブレーキ」などの用語は使わず、「運転支援」と言い換えるよう決められ、近日中に国土交通省からも正式に公表されます。
「自動運転」「自動ブレーキ」という表現の厳格化に至った経緯とは?
日進月歩の自動運転技術によって人々の生活がどんどん便利になっている昨今。特に、高齢者が交通事故に遭遇する、または高齢者が交通事故を引き起こす件数が増え続けている高齢化社会の日本において、自動運転の技術の進展はなくてはならないものとなっています。
ところが、その便利さゆえに、ドライバーの中には自動運転技術を過信し、安全運転への意識が低下している人が増えていることが懸念されています。
「自動運転」は技術レベルによって内容が大きく異なる
引用元:国土交通省
システムで監視 | レベル5 | 完全自動運転 |
---|---|---|
レベル4 | 特定条件下で完全自動運転 | |
レベル3 | 条件付き自動運転 | |
ドライバーが監視 | レベル2 | 特定運転下での自動運転機能 |
レベル1 | 運転支援 |
自動運転のレベルは国が定める定義により5つに分類されています。レベル1~2はドライバーによる監視下における運転支援・特定条件下での自動運転機能を備えた車が該当し、最も高いレベル5は常にシステムが全ての運転タスクを実施する車が該当します。
現在市販されている車の自動運転のレベルは1や2がほとんどで、「自動運転」という言葉のくくりは同じでも、技術レベルはまだまだ最高レベルの5には至りません。その反面、宣伝で頻繁に使われる「自動運転」という言葉から、つい運転中にその技術を過信してしまうドライバーが少なくないのも事実です。
自動運転技術に対する過信が運転中のヒヤリ・ハットや交通事故につながる恐れがあるとして、「自動運転」「自動ブレーキ」という表現そのものを見直す考えが車業界において広がり始めたのです。
今後「運転支援」という言葉の普及により安全運転への意識の向上が期待
宣伝での売り文句であった「自動運転」ですが、今後は「運転支援」という言葉に言い換えることが決定され、自動車メーカーは次々と対応を開始しています。
「自動運転」「自動ブレーキ」の説明の厳格化は任意での取り組みということで罰則などは特にありません。そのため「”自動運転”から”運転支援”へ」という内容の周知にはある程度の時間がかかることが予想されますが、この取り組みによって「先進技術を過信せず、ドライバー自身が注意深く安全運転を心掛ける」というドライバーの安全運転に対する意識の向上が強く望まれます。