ブガッティ シロンは世界最高のエンジンを搭載したキングオブ・スーパーカー
ブガッティ シロンは世界一の速度を誇るヴェイロンの後継車種です。フォルクスワーゲンの子会社であるブガッティは、大衆車を数多く手掛けるフォルクスワーゲンと異なり、世界最高レベルの高価格帯の超高性能な車を製造します。
シロンの販売価格は日本円で3億円以上で、W型16気筒の各バンクにはターボを設置、最高出力1,500馬力を誇るエンジンは市販車に搭載されているものとしては世界最高出力です。
北米に向けて輸出された1号車が納車されただけでもニュースになるのは、ブガッティ シロンだけかもしれません。ブガッティシロンはフェラーリやランボルギーニと比較すると知名度は低いかもしれませんが、知る人ぞ知る超一流の車です。
限定販売される500台のうち、半数近くが既に予約で埋まっているというキングオブ・スーパーカーであるブガッティ シロンのエクステリアやインテリア、エンジンの魅力などについて取り上げます。
ブガッティ・シロンがベースの限定モデル「シロン・ピュアスポーツ」が初公開!
シロン・ピュアスポーツのエクステリア
2020年3月3日、ブガッティはシロンをベース車両とした限定モデルの「シロン・ピュアスポーツ」を初公開しました。シロン・ピュアスポーツの価格は300万ユーロ、日本円でおよそ3億5840万円。世界限定60台が用意されます。
シロン・ピュアスポーツは新デザインでエアロダイナミクス性能を大きく向上。専用デザインのグリルや大きな呼気口、フロントリップスポイラー、リアにはウィングマウントや専用ディフューザー、チタン製エグゾーストパイプが装着されています。
シロン・ピュアスポーツのインテリア
インテリアにはアルカンターラを採用して質感をアップ。ステアリングにもアルカンターラが使用されています。ブルーのアクセントカラーを散りばめたスポーティーでかっこいいデザインです。
ドライブモードは「スポーツ+」をはじめとする5種類から選択可能で、高速コーナーでのドリフト走行も可能となっています。
8.0L W16気筒+4ターボエンジンに7速デュアルクラッチ「DSG」を組み合わせ、駆動方式は4WDとなっています。最大出力は1500hp、最大トルクは6900rpmです。
世界限定30台!シロン・スーパースポーツ300+の公式画像がリリース
シロン・スーパースポーツ300+のエクステリア
シロン・スーパースポーツ300+の印象的なオレンジストライプ
世界限定30台となるブガッティ「シロン・スーパースポーツ300+」の公式画像がリリースされました。
300マイルの壁を打ち破ったことから命名されたシロン・スーパースポーツ300+は、ダラーラ社との共同開発で生まれたモデル。価格はなんと約4.2億円で、現時点での発売時期は未定。ブラックのボディに鮮やかにペイントされたオレンジストライプは「世界最高速」と「直線」をイメージしています。
シロン・スーパースポーツ300+のインテリア
インテリアはエクステリアと同様、黒をベースにオレンジをアクセントカラーとしていて、スポーティーなデザインとなっています。
シロン・スーパースポーツ300+のパワートレインは最高出力1,600psを発生する排気量8.0リッターW型16気筒クワッドターボエンジンです。
ブガッティ・シロンのプロトタイプの最高速計測を実施!490.48km/hを計測
ブガッティ・シロンのプロトタイプのエクステリア
2019年9月2日にブガッティは、ブガッティ・シロンのプロトタイプが最高速計測を実施し、ハイパーカーとして初となる490.48km/hを計測したことを明らかにしました。
8.0L W16気筒と4ターボは2ステージターボ化し、トランスミッションに7速デュアルクラッチ「DSG」を採用。最高出力1500hp/6700rpmに最大トルク163kgm/2000-6000rpmを発生します。シロンの前モデルにあたるヴェイロンからは最高出力は+300hp、最大トルクは+10kgmとなります。
今回、ドイツのエーラ・レッシエンのテストコースで最高速計測を実施したのは、シロンのハイパフォーマンスモデル「シロン・スポーツ」の開発車両。490.48km/hという記録を打ち出したことで、ハイパーカーとして初めて483km/hの壁を破ったモデルということになります。
ブガッティ シロンはヴェイロンの後継車
ブガッティシロンは、フォルクスワーゲンの子会社であるフランスの企業ブガッティ・オトモビルが2016年から販売を開始した限定500台製造のプレミアムカーです。ちなみに車名についている「シロン」とは、かつてブガッティの車に乗って数々のモータレースにて華々しい成績を記録したレーシングドライバーであるルイ・シロンを称えて名付けられました。
市販車として世界最高速を記録したヴェイロンの後継モデルにあたるシロンが世界初公開されたのは2016年2月29日で、同年3月1日から始まるジュネーブ・モーターショーの前日にサプライズ発表するという、誰もが予想していなかったタイミングだったため、自動車業界へ大きなインパクトを与えました。
販売価格はヴェイロンの倍となる260万ユーロで、1ユーロ130円換算で計算すると、338,000,000円という超が付くほどプレミアムな価格です。
ブガッティ シロンのエクステリアはクラシックと現代のテクノロジーが融合
ブガッティ シロンは、贅沢にもカーボンファイバー製の素材にこだわってボディフレームを形成しています。
エクステリアの目立つ位置にあるフロントグリルは、欧州で格式の高い馬蹄型のデザインをセンター部分に設けて、両サイドには調和のとれた長方形のグリルを採用してクールさを表現しています。
フロントスポイラー・リアスポイラー・サイドスポイラーが全体的に連なっているような印象で、ブガッティシロンでしか表現できない唯一無二の洗練されたスタイリングになっています。
ルーフからリアエンドにかける美しきセンターラインは、戦前の名車「T57アトランティック」をインスパイアする形で取り入れています。
導入目的は決して復古主義によるものではなくて、現代的な車の構造力学的にも理にかなっていて、高速時に車にかかる揚力を調節し走行中に車が左右にブレる事を防ぐことが出来るからです。一直線上の細長いテールランプには、現代のテクノロジーの進化を感じます。
空気による冷却効果を高めるため、ボディサイドに大型エアインテークを導入しています。
シロンが搭載する世界最高レベルのエンジンを作動させると大量の熱が発生します。その熱によってエンジンをオーバヒート状態にさせないために、
- サイドボディに大型エアインテークを設置
- ヘッドライトの横に穴を設ける
- リアエンド(車両の後端)に乱気流を発生させるデザインを採用
など、空調効果によってエンジンを冷やす仕組みをエクステリアにも積極的に取り入れているのも特徴です。
ブガッティ シロンのインテリアは格別な上質空間
ブガッティ シロンのインテリアは、高級感・格別・上質など多数の褒め言葉で賛美を与えても足りないほどに魅力的です。馬蹄型のフロントグリルのデザインを採用した事で最大源に活かさるベージュ柄の革の内装、ハンドルなどの各部にさりげなく使われているアルミニウム素材は光沢感を抑える事で気品を漂わせる事に成功しています。
シャープな形状をしているシフトバーなどが連なったセンターコンソールは、キャビンの奥行とボディ下の剛性の強化の目的も兼ねています。
シートには当然ながら電動調整機構も備わっていて、シートの間を仕切るのは美しき光を放つ世界最長のルームランプです。サイドブレーキは電気式で、エンジンの始動はボタンを押すプッシュスタート方式というハイテク性でドライバーの満足度を高めます。
センターメーターはアナログで表示しつつも、その周囲をデジタル化することで一般の市販車では考えられないほどの表示域を誇る速度メーターがリアリティーを増してきます。
ブガッティ シロンは市販車で世界最高出力のエンジンを搭載
ブガッティ シロンは市販車としては唯一無二の世界最高出力を発揮するW型16気筒8L Quad Turboエンジンを搭載しています。世界最高速度を記録した前モデルのヴェイロンが1,200馬力であるのに対してシロンは1,500馬力で、最大トルクもヴェイロンより数値を大幅に向上させています。
世界一のパワー出力を誇るシロンが搭載するエンジンを作動した時に発生する熱量は性能に比例して大きくなってしまいます。ブガッティシロンが搭載するエンジンは、内部パーツであるラジエーターと呼ばれる冷却装置などの性能面においても世界最高レベルです。
シロンは気温50度を超えるような悪天候の中でも故障せずにアメリカの砂漠地帯を完走
シロンは、世界一苛酷とも言われる道のりであるアメリカのデスバレーの砂漠地帯を1ヶ月弱、走行距離にして35,000kmものテスト走行を無事に完走する事が出来ました。日によっては気温50度を超えるような暑さに見舞われながらも、故障することなく走り抜けました。
シロンは最高速度や加速力がモンスター級である事が脚光を浴びがちですが、単に直線のスピードが速いだけではなくて、コーナリングでのボディコントロール・強固なボディラインなどにおいても世界トップレベルに位置する車であることがテスト走行で実証されました。
ボディカラーはツートンカラーが美しい8タイプ・オーダーメイドも可能
ブガッティのHPでは、シロンのボディカラーとしてツートンカラーの組み合わせが美しい8つのタイプを確認することができます。
シロンは、北米市場に納車された一号車にあたるイエローとブラックカラーが目立つカラーリングのようにオーナーの要望に応えたオーダーメイドのボディカラーにする事もリクエストにより可能です。
ブガッティ シロンのスペックをヴェイロンと比較して紹介
ブガッティ シロンのボディサイズやトランスミッションなどのスペックを紹介します。車両重量は、ヴェイロンよりも155kgほど重量化がされ1,995kgとなりました。ヴェイロンが1,300馬力であったのに対してシロンでは1,500馬力とよりパワフルなエンジンとなりました。
最高速度は420km/hとなっておりますが、リミッターを外せばそれ以上の速度が出るとの噂が流れました。その説を否定するような発表もなされるなど、シロンはそういった面でも話題を提供してくれる車です。
全長 | 4,544mm |
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全幅 | 2,038mm |
全高 | 1,212mm |
ホイールベース | 2,711mm |
燃費 | 4.4km/L |
燃料 | 無鉛プレミアムガソリン |
乗車定員 | 2名 |
車両重量 | 1,995kg |
エンジン | W型16気筒8L Quad Turbo |
最高出力 | 1,500ps/6,700rpm |
最大トルク | 163.1kgm/2,000-6,000rpm |
トランスミッション | 7速デュアルクラッチ |
駆動方式 | 4WD |
0-100km/h加速時間 | 2.5秒未満 |
0-200km/h加速時間 | 6.5秒未満 |
0-300km/h加速時間 | 13.6秒未満 |
最高速度 | 420km/h |
総排気量 | 7,993cc |
価格 | 2,518,000ユーロ |
シロンの販売価格は日本円で3億円ほどの超プレミアム価格!維持費も相当かかる
シロンの販売価格は日本円に換算すれば3億円以上の超プレミアム価格です。一般の人にとっては、宝くじで1等を当てなければ手の届かないほどの金額です。
販売台数はシリーズ合計で500台の限定生産です。
製造はフランスのモルスアイム工場で行われ、販売はブガッティの顧客からスタートします。日本での販売は2015年11月に南青山に設立されたブガッティジャパン株式会社が行います。
2016年に予約を受け入れてから、現在250台以上のバックオーダーを抱えていると言われています。ブガッティシロンは完全オーダーメイド体制で、顧客の求めに応じて丁寧に細部にまでわたって完成させていく車です。そのため、1台が完成するまでに半年以上を費やすという徹底ぶりです。
ブガッティ シロンの維持費はやはり高い
ブガッティ シロンの維持費はイメージ通りやはり高いです。その理由には、ブガッティシロンは車を構成する全てのパーツが特注品である事が関係します。日本にもブガッティ車専用の保守点検を受け持つ施設が出来た事で、以前と比べればリーズナブルになったと言われています。
日本に保守点検が出来る施設が無かった時代にはフランスに空輸していたので、タイヤの交換費用は1式450万円とそれなりの高級車を変えるほどのプライスでした。
それでも尚、車の維持費は高くてシロンのタイヤ交換は4,000kmごとで1セット300万円以上、メーカー点検は200万円程です。
オプションの費用設定もゴージャスで、内装のカーボンを仕上げるのに数千万円。コンフォートシートに仕上げるのは300万円ほどで、オプションにかかる料金でスーパーカーを購入できる額に達します。
世界一速い市販車・ブガッティ シロンを見かける事が出来たらラッキー
シロンの前モデルであるヴェイロンは日本でも10台ほど納車されたために見る機会に恵まれた人もいるはずです。世界限定500台のプレミアムなスーパーカー・ブガッティ シロンの希少価値は高く、日本では恐らく10数台ほどしか納車されない事を考えると街中で遭遇できたらラッキーです。
もしかしたら、シロンを運転しているのはTVや新聞で見た事のある有名な方かもしれません。そういった意味においてもシロンを見かける事が出来たらラッキーです!
ブガッティは、今後1,500馬力以上の更なるハイパフォーマンスを発揮する車の開発のためにハイブリッドの導入も検討しています。価格面や最高速度などにおいて、他車の追随を許さないブガッティの車の動向には注目が集まります。