ジュークは3代目でピュアEVへ 2代目は日本未導入のまま欧州で継続販売

ヨーロッパ市場でフルモデルチェンジを果たした2代目ジュークは、結局のところ日本には上陸しませんでした。国内向けは初代限りで幕を下ろし、2020年6月をもって販売を終了。海外専売車だったキックスが、その席を引き継いでいます。
そして2026年4月14日、日産は長期ビジョン発表会の場で3代目にあたる「ジュークEV」を世界初公開しました。パワートレインはピュアEVのみ。欧州発売は2027年春が予定されており、当面は2代目のハイブリッド車と並行して販売されます。日本導入については、現時点で日産から一切のアナウンスがありません。
3代目ジュークEVを世界初公開 CMF-EV採用で2027年春に欧州発売へ
3代目となるジュークEV
日産自動車は2026年4月14日、本社グローバルギャラリーで開催した「長期ビジョン発表会」において、3代目となる新型「ジュークEV」を世界初公開しました。エンジンを一切持たないピュアEVとして開発され、欧州市場における「コアモデル」に位置付けられています。初代の登場から数えて、ジュークが完全電動車になるのはこれが初めてです。
骨格には、3代目リーフやアリアと共通のEV専用プラットフォーム「CMF-EV」を採用。生産は英国サンダーランド工場が担い、発表時点で数週間以内に試作段階へ入るとされていました。同工場はリーフの生産拠点でもあり、日産にとって欧州電動化の中核です。機能面では3代目リーフに続いてV2G(ビークル・トゥ・グリッド)に対応し、車載バッテリーから電力系統へ電気を戻せます。発売は2027年春を予定。バッテリー容量やモーター出力、航続距離、価格はいずれも未公表で、リーフが52kWhと75kWhの2種を持つことから、これに準じるとの見方が広がっています。一部では最高出力215ps級、あるいはe-4ORCE採用といった話もささやかれていますが、公式に確認されたスペックではありません。
エクステリアは、丸みを帯びた従来のフォルムから大胆に舵を切りました。面取りしたような鋭角的なプレスラインをボディ全体へ与え、折り紙のように彫刻的でエッジの立った造形に。フロントには横一文字に伸びるシャープなLEDライトと発光するエンブレムを配し、リヤエンブレムをあえて斜めに置くなど遊び心も見せます。ボディカラーにはブルーパープルのツートーンを採用。メッシュ状の専用ホイールと組み合わせ、EVらしい足元を演出しました。ジャパンモビリティショー2023で披露された「ハイパーパンク」コンセプトの色合いが、そのまま量産デザインへ落とし込まれた格好です。
注目すべきは、3代目の登場後も2代目が姿を消さない点でしょう。当初は置き換えが想定されていたものの、欧州でのEV販売の伸びが計画に届かず、日産は方針を転換。ハイブリッドを積む2代目を改良のうえ継続販売し、EVと二本立てで顧客の選択肢を広げる構えです。改良版の2代目は3代目とデザインの方向性を揃えてくるとみられます。
なお欧州でのジュークの累計販売は約150万台に達し、キャシュカイに次ぐ日産の主力です。それだけに、日本のファンからは再導入を望む声が絶えませんが、日産が示した国内向け商品計画にジュークEVの名前はありませんでした。
2024年2月に大幅な商品改良 12.3インチ画面とN-Sportグレードを追加
2代目ジュークは2024年2月、内容の濃い商品改良を受けました。外観の手直しは最小限にとどめられ、日産自身が「デザインこそが購入理由の第一位」と説明する通り、あえて造形には手を入れていません。目を引く変更は、初代の顔だった鮮烈なイエロー「アイコニックイエロー」の復活と、新デザインのアルミホイール3種の設定くらいです。
刷新の主眼は室内に置かれました。メーターとセンターディスプレイに12.3インチの大型スクリーンを組み合わせ、ソフトウェアを一新。センターコンソールとアームレストを設計し直し、グローブボックスは6.6Lへ拡大され、パーキングブレーキは電動式に改められています。素材の質感も引き上げられ、内装の弱点はひとまず解消されました。
グレード構成も再編されます。従来のN-ConnectaはAcenta Premiumへ改称され、新たに最上級のTekna+と、走りの雰囲気を強調するN-Sportが加わりました。N-Sportはルーフ、フェンダーアーチ、ドアミラー、A・Bピラーをコントラストカラーで塗り分ける専用仕様です。英国価格は改良に伴い全車で約900ポンド上昇し、ハイブリッドのAcenta Premiumが23,485ポンド、N-Sportが28,385ポンドとされました。ハイブリッドの燃費は58.9mpgへ向上(従来55.6mpg/17インチ装着車)しています。
2022年にジューク ハイブリッドを追加 システム出力143PSでEV走行も可能に
2代目ジューク最大の転機は、2022年2月28日に欧州で発表された「ジューク ハイブリッド」でしょう。ルノーと共同開発したシステムで、1.6L直列4気筒自然吸気ガソリン(最高出力69kW/94PS、最大トルク148Nm)に、駆動用モーター(36kW/49PS、205Nm)と15kWの高電圧スターター・ジェネレーター、1.2kWh水冷バッテリー、マルチモードギアボックスを組み合わせます。システム総合出力は105kW/143PS。発進は必ずEVモードから始まり、EVのみで55km/hまで到達可能で、市街地走行の最大80%をモーターでまかなえるとされました。市街地サイクルの燃費は最大40%改善しています。
外観にもハイブリッド専用の識別が与えられました。フロントドアとテールゲートの「Hybrid」バッジ、開口部を絞ったメッシュデザインの新グリル、空気抵抗を抑えるラジエーターグリルシャッターなどです。発売は2022年夏、英国価格は19,200ポンドから25,850ポンドでした。日産がジュークに用意したのはe-POWERではなくルノー系のマルチモードハイブリッドだった点が、日本の予想を裏切る結果になっています。
この前後、欧州では特別仕様車も続きました。2021年1月5日には19インチブラックホイールとCピラーの専用グラフィックを備えた「ENIGMA」が設定され、欧州日産車として初めてAmazon Alexaを車載化しています。2022年1月24日には、ワーナー・ブラザースの映画「THE BATMAN」とのコラボレーションによる「KIIRO」を発表。イエローのアクセントと専用ロゴをまとい、欧州で5000台限定とされました。2022年にはダットサン240Zのサファリ・ラリー制覇50周年を記念したワンオフ車「ジューク ハイブリッド ラリー トリビュート」も公開されましたが、こちらは競技には出ず、プロモーション用にとどまっています。
初代の後継はキックス 2代目は日本で販売されず欧州専売のまま推移
2020年にジュークの後継として日本市場へ導入されたキックス
日産キックスのリヤ
かつて次期ジュークについては、ピュアEVと純ガソリン、そしてハイブリッドの3種類を揃えるのではないか、との読みがありました。結果としてこの予想は外れ、3代目はEV専用車として登場します。ハイブリッドの需要は、併売される2代目が引き受ける形です。ジャパンモビリティショー2023の「ハイパーパンク」が下敷きになるという点だけは、その通りになりました。
日本市場については、初代が2020年6月30日に販売を終了し、同日発売のP15型キックスが後継となりました。2代目は結局一度も導入されず、キャシュカイ(かつて日本ではデュアリスとして販売)と同様、欧州を主戦場とする海外専売モデルとして歩んでいます。3代目ジュークEVの国内導入も、現時点では発表されていません。
新型ジュークがソフィアモーターショー2019にサプライズで出展
2019年11月から欧州市場で発売された2代目ジュークですが、その直前、10月開催の国際ソフィアモーターショーで一足早くサプライズ出展されていたことが明らかになりました。
当時は日本導入がないとされる一方、メディアへの予告が一切ない完全なサプライズ出展だったこともあり、東京モーターショー2019でのジャパンプレミアを期待する向きもありました。結果としてジャパンプレミアは行われていません。
2代目ジュークのイギリスでの車両価格は1万7395ポンド(日本円で約230万円)から、パワートレインは1.0L直列3気筒ターボを搭載しました。
日産UKが新型ジュークの公式画像を新たに公開
さまざまなカスタマイズの可能性を示唆する2代目ジューク
日産UKが、フルモデルチェンジした2代目ジュークの公式イメージをリリースしました。従来型でも選べた2トーンのボディカラーに加え、ホイールデザインやホイールカラーも好みに合わせて選択できることが読み取れます。
なお当時はe-POWER搭載車の展開を視野に入れているという話もありましたが、実際に2代目へ与えられた電動パワートレインは、2022年追加のルノー系マルチモードハイブリッドでした。e-POWER搭載は最後まで実現していません。
2代目ジュークのNISMO仕様レンダリングが登場 実車はN-Sportという答えに
日本市場での販売が見送られた2代目ジュークについて、当時はNISMOグレードのレンダリングが作成され、話題を集めました。
レンダリングでは、ニスモらしいレーシーなホワイトのボディにブラックのルーフ・ピラーを組み合わせた2トーンカラー、下回りにレッドのアクセントを効かせた姿が描かれています。ユーザーからの要望も少なくありませんでしたが、結局2代目にNISMOグレードが設定されることはありませんでした。スポーティな見た目を求める層の受け皿となったのは、2024年2月の商品改良で追加されたN-Sportです。専用の2トーン塗装で差別化しつつ、パワートレインは標準車と共通という割り切った内容で、かつてのNISMO RSのようなエンジンチューンは持ちません。
コンパクトSUV日産2代目ジュークの日本市場への国内投入は見送りに
2019年9月3日にフルモデルチェンジした2代目ジュークについて、日産自動車が日本での販売を当分見送ることが判明しました。
エクステリア・インテリアのデザイン、プロパイロット技術の採用など全面的な進化を遂げただけに、国内販売を期待する声も大きかったモデルです。見送りの理由としては、ライバル車種との競合による販売台数の低迷、そしてBセグメント車種が増えすぎることなどが挙げられました。この判断は覆らず、2代目は最後まで日本へ導入されていません。
日産が独自開催するフランクフルトモーターショーで新型ジュークが一般公開
日産ジュークは9月3日にワールドプレミアしたばかりの2代目
日産の欧州部門がフランスで独自に開催した“フランクフルトモーターショー”で、ジュークを一般ユーザー向けに公開しました。
展示された日産ジュークは赤・黒の車両2台
日産自動車は、ドイツで開催されるフランクフルトモーターショー2019には出展していません。代わりに、フランスのシャラント=マリティーム県にあるのどかな「フランクフルト」村で、レッドとブラックの車両2台を展示するという洒落た企画でした。
日産ジュークの第2世代モデルが2019年9月3日に世界初公開
日産ジュークが待望のフルモデルチェンジを迎えた
2019年9月3日、日産ジュークのフルモデルチェンジ版がついに世界初公開されました。発表当時のグレード構成は、エントリーのVISIAから最上級のPREMIERE EDITIONまで全6グレード。価格帯はVISIAで約223万円から、PREMIERE EDITIONで約307万円でした。
2代目は9年ぶりのフルモデルチェンジにより、エクステリア・インテリア・装備の各面で充実が図られています。
フロントマスクはY型のシグネチャーLEDヘッドランプに、日産のアイデンティティであるVモーショングリルを組み合わせ、スタイリッシュな顔つきに。アイコニックな形状のリアLEDランプがリアスタイルを引き締めます。
先進性に満ちた2代目ジュークのコックピットとスポーツシート
スポーティかつ未来感のあるインテリアデザインに仕上がった2代目ジューク。上級のTENKA・TENKA+・PREMIERE EDITIONには、BOSE製のヘッドレストスピーカーを内蔵したスポーツシートが標準装備されました。
荷室容量は最大422Lを確保。初代から約20%増え、実用性も底上げされています(ハイブリッド車はバッテリー搭載により354L)。
ドライバーに多彩な情報を提供するNissanConnectは、CarPlay/Android Auto対応でスマートフォンとの連携も可能。
ProPILOT(プロパイロット)技術を採用し、レーンキープアシストやアダプティブクルーズコントロールも備えるなど、安全装備も充実しました。
この時点では2代目の日本導入に関する情報はなく、以後もモーターショー等で導入が announced されることはありませんでした。日本のジュークは初代で完結した、というのが最終的な答えです。
新型ジュークの発表間近 フロントを中心に全体のエクステリアが動画で公開

フルモデルチェンジを控えた日産ジュークのティーザー動画が公開されました。フロントを中心に、エクステリアの輪郭が確認できる内容です。
大型化したVモーショングリル、その下部に据えられたY字型のヘッドライト、ブラック塗装のCピラー。ツートンカラーの設定も濃厚と見られていましたが、これは実際に量産車で実現しています。

当時は、1.0Lと1.3Lのガソリン、1.5Lディーゼル、1.6Lターボ+モーターのPHVを含む4種類のパワートレイン展開が取り沙汰されていました。ふたを開けてみれば、2代目のデビュー時は1.0L直列3気筒ターボ(HR10DDT)の1本のみ。ディーゼルもPHVも設定されず、電動化は2022年のハイブリッド追加まで待つことになります。
日産ジュークがフランクフルトモーターショー2019に出展決定 ティーザー画像でも正式に「ジューク」と表記
公式が正式に日産ジュークと表記した3枚目のティーザー画像
公式サイトで3枚のティーザーイメージを公開してきた日産は、3枚目の更新に際して「NEW JUKE IS COMING/03.09.2019」の表記を追加しました。これにより、この新型が正式にジュークであることが確定します。
フルモデルチェンジ版の日産ジュークは、9月12日からのフランクフルトモーターショー2019にも正式出展されました。
フルモデルチェンジではプラットフォームを一新し、高強度鋼を用いた剛性・軽量性の高い「CMF-Bプラットフォーム」を採用しています。全長は4,210mm、全幅1,800mm、ホイールベースは2,636mm。ボディサイズを拡大しながら初代より約23kg軽量化し、後席にもゆとりが確保されました。
日産ジュークの2020年モデルのプロトタイプ
エクステリアはクーペのようなルーフラインが目をひくデザインで、室内は質感にこだわった仕立てに。最上級のTekna Plusには、よりラグジュアリーなインテリアがオプション設定されました。
2代目の価格は初代からおよそ5~10%上昇すると見込まれ、欧州での発売は2019年11月下旬に実施されています。
2代目日産ジュークの3枚目となるサイドビューからのイメージが公開
公開されたティーザー画像は事前に目撃されていた開発車両と一致していた
2019年9月3日の公開を控えていた2代目日産ジューク。ティーザーとして2枚のイメージが発表済みでしたが、続いて3枚目が公開されました。サイドからのショットとなる今回の画像からは、緩やかに張り出したフロントフード、シャープなヘッドライト、2本ラインのテールランプが読み取れます。
この画像でも足回りのデザインは確認できませんでしたが、量産車では17〜19インチのアルミホイールが用意され、上級グレードほど大径化する構成となりました。
2019年9月3日発表 新型ジュークの更なるティーザーイメージが発表

2019年7月22日、日産の欧州部門が2代目ジュークのティーザーイメージを1点配信しました。それまでは片目のみのショットでしたが、この回は「Keep your eyes open」の文言とともにフロントからの画像が公開されています。
シュッと伸びるLEDポジショニングライトと、独特な形状のヘッドライトが暗闇に浮かび上がる構図。初代に劣らず個性の強いフロントマスクを予感させました。
日産新型ジュークは2019年9月3日に正式発表 エクステリアの一部が明らかに
2代目ジュークのヘッドライトデザインが明らかに
日産自動車は、新型ジュークを2019年9月3日に発表すると告知し、ヘッドライトが写ったティーザーイメージを公開しました。実際の欧州発売は同年11月です。
3方向のLEDヘッドライトの上部にLEDデイタイムランニングライトがすっと切れ上がるように配置され、メッキフレームが精悍な印象を与えます。初代とはフロントフェイスが大きく変わり、より攻撃的でスポーツテイストの強いデザインに。サイドミラーの位置もピラーからドアへ移されました。
日産新型「ジューク」はPHEVだけではなくマイルドハイブリッドもラインナップか
2020年にフルモデルチェンジすると言われていた次期型「ジューク」ですが、当時は2019年秋になるのではないかという噂も流れていました。結果は後者が正解で、発表は2019年9月3日です。もっとも注目を集めていたのはパワートレインでした。
プラットフォームについては、ルノーの「クリオ」や「キャプチャー」と共有する「CMF-B」の採用が有力視され、ホイールベース延長による室内空間の拡大が見込まれていました。この点は的中しています。
一方、当時出回っていた情報では、1.6L直列4気筒+電気モーターのPHEV(9.8kWhバッテリー、EV走行30km)に加え、1.0L直列3気筒ターボ、1.5L dCiディーゼルのマイルドハイブリッド、ハイエンドグレードへの四輪駆動設定が予想されていました。
実際の2代目は1.0L直列3気筒ターボのみでスタートし、PHEVもディーゼルも設定されず、四輪駆動車も用意されていません。駆動方式は最後までFFのみです。電動化は2022年のハイブリッド追加という形で、予想とは異なる着地となりました。
装備面では、最新世代インフォテインメントへのApple CarPlay/Android Auto対応、安全面でのプロパイロット追加が見込まれ、こちらはいずれも量産車で実現しています。
元祖コンパクトSUVのジュークが待望のフルモデルチェンジ 三菱RVRの兄弟車になるとの噂も
ジュネーブモーターショー2019で公開されたRVR 一時は次期ジュークのベースになるとの見方もあった
2010年の発売から10年の節目にあたる時期、ジュークのフルモデルチェンジが待望されていました。各社から新型SUVが登場するなか「設計が古い」とまで言われた初代でしたが、当時は三菱RVRの兄弟車になるのではないか、という見方も一部にありました。
兄弟車化が取り沙汰されたRVRは、ジュネーブモーターショー2019で改良モデルを発表。エンジンは2.0Lで5速MTと6速CVTを採用し、コネクティビティを強化した8インチディスプレイを備え、エクステリアはエクリプスクロスに似たダイナミックシールドとされました。

結論から言えば、この兄弟車説は実現しませんでした。2代目ジュークが用いたのはルノー・日産のCMF-Bプラットフォームであり、三菱RVRとは無関係です。
もうひとつ関心を集めたのが、ノートやセレナに積まれるシリーズ式ハイブリッドe-POWERの搭載でした。ガソリンエンジンを発電に徹し、走行はモーターのみで行うため、静粛性と力強い出足、低燃費が魅力です。しかしジュークにe-POWERが載ることはなく、2代目にはルノーと共同開発したマルチモードハイブリッドが与えられました。
2代目ジュークのプラットフォームはルノーと共同開発した「CMF-B」を採用
フルモデルチェンジにあたって注目されたプラットフォームは、事前の予想どおりCMF-Bでした。ルノーのルーテシアなどにも使われる、ルノーと日産が共同開発した次世代アーキテクチャです。
先行採用したルーテシアが高い剛性で評価を得ていた通り、2代目ジュークもボディ剛性を高めながら約23kgの軽量化を達成。トヨタのTNGAを用いるC-HRや、スバルのSGPを用いるXVといったライバルと真正面から渡り合える素性を手にしました。実際、2024年の欧州市場でジュークは販売4位につけるなど、息の長い商品力を示しています。
2代目ジュークに盛り込まれると予想された日産の最新技術
2代目ジュークにどのような最新技術が搭載されるのか、当時はノートやセレナのe-POWER、運転支援技術のプロパイロットが候補として語られていました。結果として、プロパイロットは搭載され、e-POWERは搭載されませんでした。以下は当時の予想として振り返ります。
e-powerはエンジンで発電してモーターのみで走行する技術
「e-POWER」は、エンジンを発電に使い、駆動はモーターが担うシステムです。給油して走る点は従来のガソリン車と変わりません。
2016年11月にマイナーチェンジされた「ノート」に初搭載され、燃費は34.0km~37.2km/Lを記録。ジュークのボディサイズでも、C-HRハイブリッドに迫る30.2km/L以上が期待されていました。ただし前述の通り、ジュークへの搭載は実現していません。

e-POWERのパワートレインはリーフのモーター「EM57」を用い、最大トルク254Nmを発揮します。加速性能は申し分ありません。
日産の同一車線自動運転技術「プロパイロット」を設定
「プロパイロット」は高速道路での同一車線運転支援技術で、加速・減速・ハンドリングをクルマ側が受け持ちます。アウトドアにも似合うコンパクトSUVだけに、往復の高速走行を支えてくれる価値は小さくありません。
当時はセレナ・エクストレイル・リーフに搭載されていた技術ですが、予想どおり2代目ジュークにも展開されました。欧州仕様ではDCT車を中心にProPILOT Assistとして設定されています。
欧州市場でジュークがマイナーチェンジ(特別仕様車の追加)して発売開始
初代ジュークの特別仕様車BOSEパーソナルエディション 欧州市場で発売され日本へは未導入
BOSEパーソナルエディションは内外装のカラーを自分好みに選べるパーソナライズに対応
2018年9月、欧州で初代ジュークの特別仕様車「BOSE Personal Edition」が発表されました。上位グレードにBOSEのプレミアムサウンドシステムとヘッドレストスピーカーを備えた豪華仕様で、内外装を2トーンカラーに仕立てられるパーソナライズを設定。同時にグレード体系も整理されています。なお、この特別仕様車の投入に合わせる形で、初代のジュークNISMOとNISMO RSは生産を終えました。
2018年8月29日にスタイルニスモグレード(15RX VセレクションStyle NISMO)が追加
初代ジュークは2018年中のフルモデルチェンジも囁かれましたが、実際に2代目が姿を見せたのは2019年9月でした。その間をつなぐ形で、2018年にニスモ専用パーツをまとった「スタイルニスモ」がグレードに追加されています。
すでに「ジュークニスモ」が存在していましたが、「スタイルニスモ」は価格を抑えたライトスポーツモデルという位置付けです。出力は標準車と同じで、サスペンションの変更と内外装のニスモ専用エアロパーツが与えられました。
特別仕様車ジューク スタイルニスモの専用装備
- 専用LEDハイパーデイライト
- 専用サイドターンランプ付電動格納式リモコンブラックドアミラー
- 専用フロントバンパー+フロントグリル
- 専用オーバーフェンダー
- 専用サイドシルプロテクター
- 専用リヤバンパー+ルーフスポイラー
- 専用エキゾーストフィニッシャー
- 215/55R17 94Vラジアルタイヤ&ブラック17インチアルミホイール
特別仕様車「15RX Vセレクション スタイルニスモ(Style NISMO)」の販売価格は2,247,480円から、アラウンドビューモニターパッケージ装着車は2,312,280円から(いずれも当時)。街乗り主体の方や、走りよりもスタイルを重んじる方に向いた一台でした。
日産ジュークの各モデルを一挙紹介
ジュークには販売当初からさまざまなモデルが存在しました。一般的な市販車から、カスタマイズされたチューニングカー、世界のスポーツカーにも引けを取らない特別モデルまで。ここで取り上げるのは、いずれも日本で販売された初代(F15型系)のグレードです。
15RXはジュークのベースになる1.5Lのグレード
JUKE 15RX
ジューク15RXは、1,500ccNAエンジンを積んだベースグレードです。エレクトロニックCVTとアイドリングストップを組み合わせ、燃費は18.0km/L(JC08モード)でした。
インテリジェントキーやフォグランプなどの快適装備を追加した「V selection」、専用ブラックアルミホイールを備える「15RX V Urban Selection」も用意されています。
| 型式 | HR15DE |
|---|---|
| 排気量 | 1,498cc |
| 最高出力 | 114ps |
| 燃費 | 18.0km/L |
| 価格 | 2,011,900円 |
16GT・FOURはジュークの上級グレードで2トーンカラーも選べる
JUKE 16GT
ジューク16GTは1,600ccターボエンジンを積む上級グレードで、燃費は14.2km/L。2トーンカラーを選べる「ドレスアップ」も設定され、個性を出しやすい一台でした。
ドアミラーやドアハンドルを黄・赤・白・黒に、シートやステアリングステッチ、センターコンソールを黄・赤・白に個別塗装できる「パーソナライゼーション」も選択可能。4WDには「16GT FOUR」が用意されました。
| 型式 | MR16DDT |
|---|---|
| 排気量 | 1,618cc |
| 最高出力 | 190ps |
| 燃費 | 14.2km/L |
| 価格 | 2,493,700円 |
NISMO(RS)は内外装に専用装備を採用した特別モデル
JUKE NISMO
赤いラインが目印の「ジュークNISMO」は、専用エクステリアに225/45R18タイヤと専用18インチアルミホイール、スエードシート(RSはチューンレカロシート)を組み合わせた特別モデルです。
とりわけRSはエンジンとトランスミッションにも手が入り、最高出力は214PSに達しました。前述の通り、2018年のBOSE Personal Edition投入に合わせて生産を終了しています。2代目にNISMOは設定されていません。
| 型式 | MR16DDT(RSは専用チューン) |
|---|---|
| 排気量 | 1,618cc |
| 最高出力 | 190ps RSは214ps |
| 燃費 | 13.4km/L RSは12.6km/L |
| 価格 | 2,971,080円 3,468,960円 |
ジュークRはGT-Rのエンジンを移植したパフォーマンスモデル
「ジュークR」は、GT-Rのエンジン「VR38DETT」を移植したモデルで、V6ツインターボを搭載します。市販モデルの最高出力は553PS、0-100km/h加速3.7秒という驚異的なスペックでした。当初は17台前後の生産が計画されたと言われますが、実際に完成したのは5台で、うち販売されたのは3台にとどまります。
2015年6月には「GT-R NISMO」のエンジンを積み、最高出力を600PSへ引き上げた「ジュークR 2.0コンセプト」がグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで披露されました。こちらも計画台数を下回る生産だったとみられています。
ジュークのライバル「ホンダ ヴェゼル」と「トヨタ C-HR」を徹底比較
初代ジュークが日本で販売されていた当時、ライバルに挙げられたのがホンダ「ヴェゼル」とトヨタ「C-HR」でした。以下は当時(初代最終期)の数値による比較です。
※ホンダのヴェゼルハイブリッド
※トヨタのC-HRモデリスタ
| 初代ジューク15RX | ヴェゼルハイブリッド | C-HRハイブリッド | |
|---|---|---|---|
| 全長 | 4,135mm | 4,295mm | 4,360mm |
| 全幅 | 1,765mm | 1,770mm | 1,795mm |
| 全高 | 1,565mm | 1,665mm | 1,550mm |
| ホイールベース | 2,530mm | 2,610mm | 2,640mm |
| 最低地上高 | 170mm | 185mm | 140mm |
| 定員 | 5人 | 5人 | 5人 |
| 室内長 | 1,835mm | 1,930mm | 1,800mm |
| 室内幅 | 1,470mm | 1,485mm | 1,455mm |
| 室内高 | 1,215mm | 1,265mm | 1,210mm |
| 車両総重量 | 1,475kg | 1,270kg | 1,715kg |
| 排気量 | 1,498cc | 1,496cc | 1,797cc |
| 燃費 | 18.0km/L | 27.0km/L | 30.2km/L |
| 価格 | 2,011,900円~ | 2,505,555円~ | 2,730,000円~ |
ボディサイズや室内の広さに大差はないものの、初代ジュークにはヴェゼル・C-HRのようなハイブリッドが用意されず、燃費差がそのまま商品力の差になりました。初代ジュークとC-HRでは約1.6倍もの開きがあります。日本で電動ジュークを味わえないまま初代が姿を消したことを思うと、この一覧は後年の展開を予言していたようにも見えます。
次期ジュークか?日産のコンセプトカー「グリップスコンセプト」


日産が2015年のフランクフルトモーターショーで発表した「グリップスコンセプト」は、当時、次世代ジュークの手がかりと目されていました。

| 全長 | 4,100mm |
|---|---|
| 全幅 | 1,890mm |
| 全高 | 1,500mm |
| ホイールベース | 2,580mm |
ボディサイズは初代ジュークに近く、パワートレインはハイブリッドEVシステムを採用していました。
グリップスコンセプトの運転席
初代ジュークの運転席
観音開きのドアや、前席から後席まで貫くセンターコンソールは確かに未来的でした。ただ、実際の2代目ジュークはグリップスの意匠をほとんど引き継いでいません。デザインの水源となったのは、それから8年後に登場するコンセプトカー「ハイパーパンク」であり、その血を受け継いだのが3代目ジュークEVです。振り返れば、グリップスはジュークの未来ではなく、日産デザインの一過性の実験だったと言えるでしょう。
ジュークのモデルチェンジ遍歴
ジュークは日産が販売するコンパクトクロスオーバーSUVです。日本と北米では初代限りで販売を終え、2代目以降は欧州やオーストラリアを主戦場とする海外専売車となりました。2027年春には、EV専用車となる3代目が欧州でデビューします。
ジューク 初代 F15/NF15/YF15型(2010年~2019年)
2010年6月、初代ジュークがデビューしました。「15RS」「15RX」のグレード展開です。
2011年5月、特別仕様車「15RS Type V」「15RX Type V」と、オーテックジャパン扱いの特別仕様車「アーバンセレクション」を発売。9月には欧州で発売1周年記念の限定車「KURO」を2,800台限定で発売。
2012年1月、欧州で特別仕様車「SHIRO」を発売。6月、仕様向上と特別仕様車「プレミアムホワイトパッケージ」を発売。10月、オーテックジャパン扱いの特別仕様車「15RX アーバンセレクション スタイリッシュブラックパッケージ」を発売。
2013年8月、マイナーチェンジを実施。一部グレードにアイドリングストップを搭載。同時に特別仕様車「15RX パーソナライズパッケージ」を発売。12月、特別仕様車「プレミアムパーソナライズパッケージ」を発表。
2014年7月、マイナーチェンジでグレード体系を「15RS」「15RX」「16GT」「16GT FOUR」に整理。日産創立80周年記念の特別仕様車「80th Special Color Limited」を設定。
2015年11月、仕様向上とともに特別仕様車「15RX Vセレクション」「ドレスアップ」を、12月には特別仕様車「15RX AAA エディション」を30台限定で発売。
2018年3月、北米向けの販売を終了。8月、「15RX Vセレクション Style NISMO」を追加。9月、欧州で特別仕様車「BOSE Personal Edition」を発表し、これに合わせてジュークNISMO/NISMO RSが生産終了。
2019年9月、2代目と入れ替わる形で欧州向けの販売を終了。日本向けは2019年末に生産を終了。
2020年6月30日、日本での販売を終了。同日発売のP15型キックスが後継となりました。
ジューク 2代目 F16型(2019年~)
2019年9月3日、欧州5都市で2代目ジュークが同時発表されました。プラットフォームはCMF-Bへ刷新。ボディサイズを拡大しながら約23kg軽量化し、剛性を高めています。「プロパイロット」を搭載し、安全性能も強化されました。日本市場への導入は見送られています。
2019年11月、欧州で発売。
2020年6月、オーストラリアでの販売を開始。グレード体系は「ST」「ST+」「ST-L」「Ti」の4グレード。
2021年1月5日、欧州で特別仕様車「ENIGMA」を設定。19インチブラックアルミホイールと専用グラフィックを採用し、欧州日産車として初めてAmazon Alexaを車載化。
2022年1月24日、映画「THE BATMAN」とのコラボによる特別仕様車「KIIRO」を欧州で5,000台限定発売。
2022年2月28日、パワートレインを大きく拡充する「ジューク ハイブリッド」を発表(同年夏発売)。1.6L直4+モーターのマルチモードHVでシステム出力143PS、EVモードで55km/hまで走行可能。英国価格は19,200~25,850ポンド。
2022年、ダットサン240Zのサファリ・ラリー制覇50周年を記念したワンオフ車「ジューク ハイブリッド ラリー トリビュート」を公開。
2024年2月、大幅な商品改良を実施。12.3インチのデュアルスクリーン、電動パーキングブレーキ、内装質感の向上を図り、新グレード「N-Sport」「Tekna+」を追加。N-ConnectaはAcenta Premiumへ改称され、ボディカラーに「アイコニックイエロー」が復活しました。
2026年4月、3代目の登場後も改良を受けたうえで併売を継続する方針が示されました。
ジューク 3代目 ジュークEV(2027年~予定)
2026年4月14日、日産の長期ビジョン発表会で3代目「ジュークEV」を世界初公開。EV専用プラットフォーム「CMF-EV」を採用し、3代目リーフと基本構造を共有します。生産は英国サンダーランド工場。V2G(ビークル・トゥ・グリッド)に対応し、欧州発売は2027年春を予定しています。バッテリー容量・モーター出力・航続距離・価格は未公表です。日本市場への導入は現時点で発表されていません。
| ジュークのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 F15/NF15/YF15型 | 2010年~2020年(日本/欧州は2019年まで) |
| 2代目 F16型 | 2019年~(欧州などで継続販売) |
| 3代目 ジュークEV | 2027年春~(欧州発売予定) |




















