車の板金塗装DIY挑戦記:ホワイトパールクリスタルシャインを素人が補修した全工程
この記事は、トヨタ・ランドクルーザープラドのボディカラー「ホワイトパールクリスタルシャイン(カラーコード:070)」を素人がDIYで板金・塗装補修した実録レポートです。3コートパール(スリーコートパール)はプロでも難しいとされる塗装ですが、YouTube動画やネット情報をもとに挑戦しました。カラーコードの調べ方・使用道具・失敗した原因・リベンジ後の仕上がりまで、全工程を詳しく解説します。これから板金塗装DIYに挑戦したい方の参考にしてください。
傷の発見とDIY板金塗装に挑戦した経緯
走行中に対向車を避けようとして路肩に寄ったところ、「ドスン」という鈍い音がしました。帰宅後に車体下を確認した時点では傷を見つけられず、翌日の洗車中にフェンダーアーチ下部の塗装剥げを発見しました。鉄の棒が跳ね上がってぶつかった衝撃で、塗装が剥がれていたのです。
タッチペンで補修できる程度の傷でしたが、「せっかくならDIYで本格的な板金塗装に挑戦してみよう」と考え、失敗してもその時にプロに依頼すればいいと割り切って作業を開始しました。
カラーコードの調べ方とホワイトパールクリスタルシャイン用塗料の選び方
ホワイトパールだけでも複数の種類があるため、正確な色番号(カラーコード)の確認が重要です。カラーコードが記載されたコーションプレートの位置は車種によって異なり、運転席・助手席のセンターピラー、エンジンルーム内、カーペットの下などに設置されています。メーカー公式サイトのボディカラー紹介ページでも確認できます。
今回のランドクルーザープラドのカラーコードは070(ホワイトパールクリスタルシャイン)でした。なお、「ホワイトパールマイカ」と混同されることがあるため、コーションプレートで正確に確認することをおすすめします。
安価なタッチペンでは色の再現性が低いため、今回はホルツのMINIMIX(特注色スプレー)カラーコード070を選びました。その他に用意した塗料・道具は以下のとおりです。
- シリコンリムーバー(脱脂剤)
- プラサフスプレー(プライマーサーフェイサー)
- ぼかし剤
- クリアスプレー
- ラッカーうすめ液(飛散塗料の拭き取り用)
YouTube動画を参考にした初めての板金作業(ハンマリング)
凹みがあったのはフェンダーアーチの爪部分です。専用の「アングルプライヤー」という工具もありますが、1本約6,000円するため、今回はドリー(当盤)とゴムハンマーのセットを使ったハンマリングで対応しました。
ハンマーを短めに持ち、叩きすぎないよう感覚を確かめながら少しずつ整形します。この程度の小さな凹みであれば、YouTube動画を参考にした見よう見まねでも初心者が十分対応できる作業です。
フェンダーアーチのシーラー破断補修手順
フェンダーアーチ下部には軟質素材のシーラー(シーリング材)が貼られており、衝撃で一部が破断していました。放置しても機能上の問題は少ないですが、せっかくなのでしっかり補修します。
補修の手順は以下のとおりです。
- 薄めた中性洗剤と歯ブラシで補修箇所の汚れ・ほこりを洗浄する
- シリコンリムーバーで脱脂し、油分を除去する
- 剥がれた箇所を100均ボンドで接着する
- 10分後にサンドペーパー320番で研磨し、表面を滑らかに整える
- マスキングテープで保護してからシーリング材をつまようじで塗布する
- マスキングを剥がし、1日以上乾燥させる(シーリング材は乾燥後に縮むため多めに盛ると仕上がりがきれい)
パテ塗り・研磨・プラサフ処理の手順
パテ塗りと整形
シリコンリムーバーで脱脂・拭き取りを行ってから、ホルツの穴埋めパテを使用しました。主剤と硬化剤を説明書記載の比率で混ぜ合わせ、凹みや傷にヘラで均一に盛り付けます。気温が高いと硬化が早まるため、作業は日陰や曇天時に行うのがおすすめです。
800番サンドペーパーで研磨して平滑化
約30分でパテが硬化したら、800番のサンドペーパーで形を整えます。サンドペーパーホルダーを使うと均一に研磨しやすくなります。
プラサフ塗布と1200番研磨
塗装が不要な箇所をマスキングし、プラサフスプレーを10分間隔で4〜5回薄く重ね塗りします。プラサフは後でサンドペーパーで研磨するので、多少の仕上がりは気にせず下地を均一に覆うことが目的です。30分乾燥後、マスキングを外して1200番のサンドペーパーで境目を丁寧に研磨します。その後コンパウンド細目でプラサフ部分と周辺を全体的に研磨すれば、塗装前の下地処理が完成します。
初めての塗装で失敗した原因と3つのミス
結論からいうと、最初の塗装は失敗でした。経験が少ない状態でマニュアル通りに作業しても、スプレー塗装には技術が必要で、初心者がいきなりきれいに仕上げるのは難しいといえます。
具体的な失敗の内容は次の3点です。
- ミス1(ぼかし塗装の意識不足):ベースカラー塗布時に、グラデーションを意識したぼかし塗装の手順を事前に理解できていなかった
- ミス2(色味の確認不足):日が暮れた状態でパールコートを塗布したため、色味をじっくり確認できなかった
- ミス3(クリア塗装の塗布量不足):液だれを恐れすぎてクリアスプレーを遠めから吹いたため、光沢が出なかった
結果として、色が明らかに周囲と異なる、部分的な色ムラがある、クリアの光沢がほとんど出ないという三重の失敗となりました。
塗装失敗のリベンジ:改善したクリア塗装の手順
原因を調べ直した結果、ぼかし剤の使用量の少なさとクリアスプレーの塗布方法が主な失敗要因だとわかりました。サンドペーパーとコンパウンドで失敗した塗装を大半落とし、以下の改善手順で再チャレンジしました。
- クリア塗装は10〜20分間隔で、ぼかし剤を軽く混ぜながら複数回塗布する
- 半乾き状態で厚塗りを繰り返し、後半は塗布範囲を徐々に広げる
- 液だれしてもサンドペーパーで修正できるため、過度に恐れなくてよい
- 5回ほど塗布後に半乾きまで待ち、クリアより広い範囲にぼかし剤を面全体に散布する
- 3日以上乾燥させてからコンパウンドで鏡面仕上げを行う
この手順でぼかし剤を多めに使用したことで、ツルツル感が8割程度回復しました。ただし「ゆず肌」(塗装面がゆずの皮状に細かくざらつく状態)は残るため、コンパウンドで研磨して目立たなくします。
コンパウンドによる鏡面仕上げの手順
数日乾燥後、洗車と鉄粉除去を行ってからコンパウンド研磨を開始します。ゴミが残ったまま研磨すると傷の原因になるため、事前の洗浄は丁寧に行いましょう。
研磨は以下の順序で進めます。
- 1200番サンドペーパー:ブツ取りと液だれ部分の研磨。表面の突起部分だけを削るイメージで慎重に作業する
- 2000番サンドペーパー(水研ぎ):ゆず肌の緩和と1200番の研磨傷消し。プレスライン(角部分)は研ぎすぎに注意する
- コンパウンド細目→極細目→鏡面用の順に手磨き:スポンジを粒子ごとに分けて使用し、縦・横方向に繰り返し研磨する
コンパウンド後はガラス系コーティング剤(バリアスコート)でコーティングして仕上げます。スプレーしてタオルで拭くだけの簡単施工で、繰り返すほど輝きが増します。
仕上がりを人に見てもらったところ、塗り直したとは気づかれないレベルまで改善できました。じっくり見るとゆず肌が残っていますが、初めてのDIY板金塗装としては十分合格ラインの仕上がりです。
DIY板金塗装は難易度が高いが経験を重ねるとコツがつかめる
スプレー塗装は慣れるまで難しく、特にぼかし塗装とクリア塗装の塗布量・タイミングが仕上がりを左右します。一度で完璧な鏡面を目指すより、クリアを削りすぎない範囲でコンパウンドを繰り返しながら感覚を掴むことが上達の近道です。
ポリッシャーを使うとさらに美しい仕上がりが期待できます。ポリッシャーを使った鏡面仕上げにも挑戦することで、DIY板金塗装のクオリティはさらに高まります。今回の作業で一旦完了としましたが、同様の補修に挑戦する方の参考になれば幸いです。