ヘッドライト曇りの原因と対処法

ヘッドライト曇りの原因と自分でも出来る結露を防ぐ対処法

ヘッドライトに曇りが発生する3つの原因を紹介。コーキング剤が劣化して接合力が弱まった・通気口が詰まって熱などの循環がスムーズではない・バルブがしっかりと挿入されていないため隙間がある。確認作業を徹底するなどの結露防止法や、曇りが起きていても車検は通るのかも取り上げ。

ヘッドライト曇りの原因と自分でも出来る結露を防ぐ対処法

ヘッドライトが曇る原因と、結露を防ぐための対処法

晴れた日でも、車の顔であるフロントマスクの重要なパーツ、ヘッドライトが曇っていることはありませんか?

ヘッドライトはエクステリアの印象を左右するだけでなく、夜間走行時の安全を確保する重要な部品です。ヘッドライトの曇りが気になる場合は、その原因を知り、適切な対策を講じたいものです。
この記事では、ヘッドライトが曇ってしまう3つの主な原因と、ご自身でもできる結露を防ぐ対処法をご紹介します。

ヘッドライト曇りの正体は「結露」、主な原因は内側と外側の温湿度の差

車の曇ったヘッドライトヘッドライトが曇る原因は温度差による結露です

ヘッドライトカバーの内側に少量の、あるいは大量の水分が付着して曇りが生じているのは、「結露」が発生しているからです。

結露は、ヘッドライトカバーなどの境界を隔てた内側の温度や湿度と、外側の空気の温度や湿度の差が大きい場合に発生します。この温度差により、空気中の水蒸気が飽和水蒸気量を超え、水滴となってカバーの表面に付着するメカニズムです。

ヘッドライトは、バルブなどが光源であると同時に熱源となるため、点灯時には内部の温度が上昇します。
ヘッドライトユニットには、ライト点灯時に内部の空気が膨張して圧力が強まり、構成パーツが破損しないように、通気口(ベンチレーション)が設けられています。

湿度の高い日や雨天時には、この通気口から水気を含んだ空気が侵入することも、ヘッドライトが曇る原因の一つです。
梅雨などがあり年間を通して湿度が高い日本では、もともとヘッドライト内に結露が発生することを想定して車が開発されているため、結露が発生しても内部配線がショートしないような設計が施されています。

ただし、ヘッドライトの曇りが一時的ではなく頻繁に起きていたり、水分量が多くて照射の明るさに影響が出ている場合には、その原因を探り、速やかに対策を講じる必要があります。

ヘッドライトが曇ってしまう3つの原因と対処法

なぜ車のヘッドライトは曇るのでしょうか。考えられる3つの原因と、それに対する対処法をご紹介します。愛車の状態をしっかり確認し、トラブルを未然に防ぎましょう。

原因1:バルブの交換時などに不備があり隙間が生じている

ヘッドライトのバルブを交換した際、取り付け部に対してバルブが真っ直ぐ・しっかりと挿入されていないと、隙間が生じてしまいます。この隙間は走行時の振動によって広がり、最悪のケースではバルブが外れてしまうことも想定されます。

バルブと取り付けホール部の間の隙間が広がり、密着度が弱まるほど、ヘッドライト内部には水分が入りやすくなります。

バルブ交換時の不備がヘッドライトの曇りの原因とならないためには、バルブがしっかりと挿入され、密着しているかを確認することが大切です。

LED光源を利用すれば結露しにくくなる可能性があります

ハロゲンなどのバルブを使用しているドライバーは、LEDへと交換することで、点灯時に発生する熱量が少なくなるため、ヘッドライトの内側と外側との間の温度差が小さくなり、結露の発生を抑えることができる場合があります。

原因2:通気口が詰まっていて熱や水分の循環がうまく行われていない

ヘッドライトユニットには、内部にとどまった熱や水分を外へ逃がすための通気口が設けられています。通気口につまりがなければ、一時的にヘッドライトが曇っていたとしても、熱や水分はスムーズに循環していき、自然乾燥によって結露は解消されます。

もしも、ホコリなどによって通気口が詰まっていれば、内と外との熱や空気の循環がスムーズに行われないために温湿度の差が広がり、結露が生じやすくなります。

通気口の詰まりが曇りの原因であれば、ホコリなどを除去する、またはフィルター自体を交換する事で、結露は発生しなくなります

原因3:コーキング剤の劣化によってレンズと本体との密着度が弱まった

ヘッドライトは、レンズとハウジング(本体)を、ブチルゴムと呼ばれる防水アイテムと、コーキング剤によって固定されています。

レンズ固定に用いるコーキング剤は、時間の経過とともに劣化し、接着力が弱まっていきます。ブチルゴムの弾力性も時間経過とともに失われ、徐々に硬化していきます。
これらの劣化の影響で、固定部分にひび割れや隙間ができることも、ヘッドライトが曇ってしまう原因の一つです。

ヘッドライトの殻割りに自信のない方は、専門業者に依頼しましょう

ヘッドライトの殻割を行おうとする男性ヘッドライトの曇りを防止するためにはヘッドライトユニットを開ける殻割を行う必要がある場合があります

コーキング剤の劣化が原因である場合など、根本的な曇り防止の対策には、ヘッドライトユニットを開けてレンズやカバーを分解する作業である「殻割り(からわり)」を行わなければならないケースもあります。

殻割りを行う際には、シーリング剤を熱分解できる車種であるかの確認や、専用工具が必要となる場合があります。そのため、殻割りに自信のない方や、作業に不安のある方は、ヘッドライトの曇り止め防止作業をディーラーや専門業者などに依頼することをお勧めします。

ヘッドライトの曇りを解消してエクステリアの魅力をアップさせましょう

ヘッドライトの曇りは、紫外線などの影響を受けて発生するヘッドライトの黄ばみと並び、フロントマスクの魅力をダウンさせてしまう要因です。

ヘッドライトの曇りは、一定期間放置していても直ちに大きなトラブルにはつながりにくいですが、放置期間が長引くほど、カバー内部にも影響が及び、光量が制限され、夜間走行時の視界が確保されにくくなります。

夜間走行時の安全性に関わるヘッドライトの光量が足りないと判断されれば、車検は通りません。そのため、ヘッドライトの曇りが解消されなければ、早いタイミングで原因を特定して、結露防止策を講じる必要があります。

ヘッドライトの結露対策チェックポイント

           
  1. ヘッドライトのバルブがしっかりとはまっているか
  2.        
  3. ヘッドライトユニットの通気口がつまっていないか
  4.        
  5. 固定のためのコーキング剤が劣化でひび割れていないか
  6.  

ヘッドライトの曇りの対処法をご自身で行える方は、ぜひ挑戦してみてください。作業に不安のある方は、ディーラーなどに依頼して、ヘッドライトの曇りをスッキリさせ、フロントマスクのカッコ良さを維持し続けましょう。