ハブリングの設置効果

ハブリングは必要?設置効果や固着を防げる取り付け法も紹介

ハブリングは必要か不要かどうかで議論が分かれるアイテム。社外ホイールを利用した際にハブとの間にできるスペースを埋める以外の設置効果、パッケージに記載される「73/56」などの数字の読み方、固着を防げる取り付け法や樹脂タイプの特徴も紹介。

ハブリングは必要?設置効果や固着を防げる取り付け法も紹介

ハブリングは必要?設置効果や固着を防ぐ取り付け方法をご紹介

純正ホイールから社外ホイールへ交換する際、「必要か不要か」が議論されるパーツの一つがハブリングです。

社外ホイールを装着した時に、ハブとの間にできる隙間を埋める以外の、ハブリングの設置効果をご紹介します。また、ハブとホイールの固着を防ぐ対処法や、ハブリングの商品パッケージに記載されている「73/64」などの数字の読み方や意味についてもご説明します。

ハブリングはホイールとハブとの間にできる隙間を埋めるアイテムです

ハブリングを取り付ける男性ハブリングはホイールとハブの隙間を埋めるパーツです

ハブリングは、社外ホイールをハブに装着する際にできる隙間を埋めるために用いるアイテムです。

車両のハブ径(ハブの中心にある突起部分の直径)は、国産車や欧州車といった違いだけでなく、同一メーカーであっても車種によって異なります。例えば、ホンダのコンパクトSUV・ヴェゼルのハブ径は64mmであるのに対し、コンパクトカーのフィットは56mmです。

社外ホイールを製造するメーカーは、サイズが異なる全ての車両ハブ径に合わせて商品を製造するとコストがかさむため、どの車両ハブ径であっても装着できる汎用性を持たせた、大きめのホイールハブ径(ホイール側の中心穴の直径)に設定しています。

車両ハブ径とホイールハブ径が合わない社外ホイールは、主にナットとホイールとの接触面である取り付け座面に60度の角度を持たせた「テーパー座ナット」を用いて、ホイール装着後の重心のズレを小さくしています

ハブリングの設置効果によって回転軸が安定します

ハブは車軸の中心となる部分で、タイヤはこのハブのセンター部を回転軸としています。純正ホイールであれば、車体側のセンターハブ径と、ホイール側のハブ径がぴったりと合うため、回転軸が安定します。

社外ホイールは、メーカーごと・車種によっても違いが生じる車両ハブ径に対して汎用性を持たせるために、ホイールハブ径のサイズを大きく設定しています。ハブリングを利用せずに社外ホイールを装着すると、ハブとホイールとの接合部にミリ単位の隙間が生じます。

この隙間は、高速走行中にハンドルが振れたり、ブレたりといったシミー現象の原因の一つです。そのため、社外ホイールを装着する際にはハブリングを設置することで、シミー現象を抑制する効果があります

その他にも、ハブリングによって重心と回転軸が安定するため、ナットが緩みにくくなる、ホイールバランスが乱れにくくなるといった効果も挙げられます。

商品パッケージに記載される数字は、左:ホイールハブ径/右:車両ハブ径を表します

ハブリングの商品パッケージには、「73/56」「73/64」「73/67」「67/54」などの数字が記載されています。このうち、左側の大きい方の数字は、社外ホイールメーカーが製造したホイールハブ径を表します。右側の小さい方の数字は、車両ハブ径を表します。

例えば、車両ハブ径が54mmであるトヨタ・プリウスに、ホイールハブ径が73mmの社外ホイールを装着する場合には、「73/54」という2つの数字がパッケージに記載されているハブリングを利用します。

メーカー別・車種別ハブ径
ハブ径
(mm)
メーカー 車種
67 マツダ RX‐8、CX‐3、CX‐5、アクセラ、アテンザなど
三菱 デリカD5、アウトランダー、GTO、など
トヨタ クラウン(130系・140系)、ハイラックス(2WD)
66.5 メルセデスベンツ Aクラス、Cクラス、Eクラス、Sクラスなど
アウディ A5、S5、A6、A7、S4、S6など
66 日産 スカイライン、GT-R、セレナ、リーフ、X‐TRAILなど
65 ボルボ S60、V70、S70、C70、V90など
シトロエン C2、C3、CAピカソ、エグザンティア
64 ホンダ ヴェゼル、オデッセイ、ステップワゴンなど
60 レクサス GS、SC、RX、HS、RC、NXなど
トヨタ アルファード、ハリアー、C-HR、プリウスαなど
スズキ スイフトスポーツ、エスクード、エブリィなど
ルノー カングー、トゥインゴ、メガーヌ、ルテーシアなど
57 VW ポロ、ゴルフ、ティグアン、ニュービートルなど
アウディ A3、S3、RS4、A6、A8、S8など
56 ホンダ フィット、N‐BOX、グレイス、S660など
スバル フォレスター、XV、レヴォーグ、インプレッサなど
トヨタ 86
54 ダイハツ タント、ウエイク、ムーヴ、ハイゼットカーゴなど
マツダ デミオ、ロードスター(NA、NB、ND)など
スズキ スイフト、アルト、スペーシア、ハスラー、イグニスなど
トヨタ アクア、ヴィッツ、プリウス、カローラ、シエンタなど

ハブリングの固着を防ぐためにグリスを使ってサビ止め加工を行いましょう

ハブリングの隙間のサビハブリングを付ける金属面を綺麗にして固着を防ぎます

ハブリングを設置する前には、取り付け面をブラシなどで綺麗にして、グリスを塗布してサビ止め加工をしましょう。そういった加工を施さないと、リングとハブの金属表面に発生したサビの影響を受けて、固着化が起きてしまいます。

ハブリングが固着化して外れなくなると、純正ホイールに戻す際や、テンパータイヤ(応急用タイヤ)を利用する際に問題が生じます。

メンテナンスが面倒な方には樹脂製ハブリングがお勧めです

ハブリングを取り付ける前のサビ対策が面倒な方や、固着化を心配される方には樹脂製ハブリングをお勧めします。樹脂タイプは、耐久性では金属タイプよりも劣ってしまいますが、サビによる固着が起きることはありません。

ハブリングによって社外ホイールを純正同様にジャストフィットさせましょう

ドレスアップなどの目的で純正ホイールから社外ホイールに交換する際には、ホイール径(外寸の直径)やP.C.D.(ボルト穴の中心を結ぶ円の直径)といった数値ほどには、ハブ径は意識されません。

その理由には、社外ホイールメーカーが商品に汎用性を持たせるために、車両ハブ径よりもワイドサイズなホイールハブ径としていることが大きく関わっています。

社外ホイールにハブリングを利用すれば、車両ハブ径とホイールハブ径との間にできる隙間を埋めることができ、純正ホイール同様にハブとホイールをしっかりと連結できます。

ハブリングはリーズナブルな価格設定も魅力的なアイテムです。ハブリングを利用して、ご自分好みの社外ホイールを装着し、車を足元からドレスアップしましょう!