車の年間維持費ってどのくらい?車を購入する前や車の出費を見直す
新生活がスタートする春は、車の購入を考えたり、車の出費を見直したりする時期です。
- 生活の拠点を新しくかまえる場所で車が必要になった。
- デートカーとして車が欲しくなった。
- 子供の進学を機に、車の出費を見直したい。
- 軽四ってやっぱり普通車よりも維持費の面でお得なの?
などを考え中の方に、車の年間維持費のモデルケースを紹介します。そして、各項目はどう計算するのかを、解りやすく説明しているので参考にしてください!
自動車の年間維持費のモデルケース
自動車の年間維持費はどのくらいかかるのかを比較するために、モデルケースを設定して計算してみました。計算結果は、普通車(5ナンバー)であれば72万円ほど、軽自動車の年間維持費が47万円ほどとなりました。
モデルケースとして、設定したのは、20代後半の方が100万円の軽を購入した場合と、200万円の普通車を購入した場合です。自動車取得税やガソリン代はどう計算したのかについては、各項目で紹介しています。
軽自動車 | 普通車(5ナンバー) | |
---|---|---|
車両費 | 200,000 | 400,000 |
自動車税 | 10,800 | 34,500 |
自動車取得税 | 22,000 | 66,000 |
任意保険 | 50,000 | 70,000 |
車検代(1回目車検) ※年間換算 |
26,700 | 33,300 |
駐車場代 | 120,000 | 120,000 |
ガソリン代 | 40,000 | 100,00 |
合計(円) | 469,500 | 723,800 |
【税金】車の購入時や持っているとかかるお金
車を持っていると必ずかかるお金が「税金」です。
自動車税はナンバー毎にかかる金額が違い、自動車取得税は新しく車を買う場合に新車中古車問わずかかる税金です。車にかかる維持費の一つ、車の税金について詳しく紹介します。
自動車税は毎年払わなければいけない
自動車税とは、車を所有していると支払わなければいけない税金です。4月頃に、納付額をしらせる納税通知書が自宅に送られてきます。支払い金額は、車のタイプによって異なりますが、車検時には納税証明書が必要になりますので、必ず毎年納めましょう。
車の種類 | 金額 |
---|---|
軽自動車 | 10,800円 |
5ナンバー | 34,500円 |
3ナンバー | 39,500円 |
車の車格の違い
車の車格で違いが出るのは、排気量と車体の大きさです。ちなみに、今はやりのコンパクトカーの多くは5ナンバーに含まれます。
車の種類 | 排気量 | 全長 | 全幅 | 全高 |
---|---|---|---|---|
軽自動車 | 660cc | 3,400mm以下 | 1,480mm以下 | 2,000mm以下 |
5ナンバー | 1,000ccを超える2,000cc以下 | 4,700mm以下 | 1,700mm以下 | 2,000mm以下 |
3ナンバー | 2,000ccを超える | 4,700mmを超える | 1,700mmを超える | 2,000mmを超える |
5ナンバーの車と、3ナンバーの車は混合されがちです。適応基準を一つでも満たせば、3ナンバーに分類されます。そのため、排気量が2,000cc以下だけど、全長が4,700mmを越えていれば3ナンバーの車種として分類されます。
トヨタでいえば、
軽自動車 :ピクシス
5ナンバー:ヴィッツ、アクア、シエンタ、カローラフィールダーなど
3ナンバー:プリウス、ランドクルーザー、ハリアーなど
車を購入する際に必要な自動車取得税
自動車取得税とは、新車あるいは中古で車を購入した際に発生する税金です。租税優遇措置としてハイブリッドなどの燃費が優れている車には減免措置を設けています。(車の価値が50万円に達していなければ、課税の対象外です)
自動車所得税の計算法
車の種類 | 計算法 |
---|---|
軽自動車(自家用) | 取得価額×0.02 |
軽以外(自家用) | 取得価額×0.03 |
会社の車 | 取得価額×0.02 |
※取得価額は、資産となりうる物品とその付属アイテム(車で言えばカーナビなど)の合計額を客観的に判断する際に用います。新品であれば、取得価額は購入金額と同値であり、年数が経つほど、下落します。
新車を購入した時の自動車所得税の計算法
100万円の軽自動車を購入し、10万円のカーナービを購入した場合
110 × 0.02 = 2.2(万円)
200万円の普通車を購入し、20万円のカーナービを購入した場合
220 × 0.03 = 6.6(万円)
※中古車は経過年数に応じ、新車価格に残価率を乗じて(掛け算をする)計算が行われます。
※自動車取得税は、消費税が10%に引き上げられた際に廃止(注1)されます。
【自動車車検】車を検査・整備するだけではない、自賠責保険料も含まれます!
新車の購入であれば3年後、その後はどんな車であれ2年毎にやってくる車検の費用は、以下の計算式で概算できます。
- 車検の費用=自賠責保険料+重量税+印紙代+車検基本料(検査代、点検整備代、手数料など)
自賠責保険料、重量税、印紙代は合わせて法定費用とも呼ばれていて、国が法律で定めている費用です。そのため、車の条件に応じて一律でかかってしまいます。
車検基本料とは、車検を行う整備会社が提示する金額で、検査や整備、会社が行ったサービスに対する対価や利益を含んだ金額で、企業ごとに提示する額が異なります。
ちなみに、軽四車の1回目車検(新車購入~初めて迎える車検)は8万円ほど、普通車(5ナンバー)であれば、1回目車検で10万円ほどかかります。
自賠責保険料
自賠責保険とは、車を所有している人が必ず入らなければいけない保険です。運転中に事故を起こした際に、相手側を保護する目的の保険です。そのため、自分が怪我してしまった、自分の車が破損してしまったケース。及び、ガードレールや信号機を壊してしまったなどの物損事故は適応されません。
2017年の1月中旬に開かれた、自動車損害賠償責任保険審議会(注2)において、2017年以降の自賠責保険は全車種平均すると、7%近くもの引き下げが行なわれ自家用自動車の2年契約の保険料は25,830円となりました。
※但し、離島などの保険料は異なります。
自動車重量税
自動車重量税は、車の重さに応じて支払い額が異なります。基本的には車体の重量に比例して負担額が多くなる制度設計ですが、例外事項として低燃費のエコカーを購入した場合には、免税・減免措置が取られます。
また、新車登録を済ませてから、13年以上経過しているケース、18年以上経過しているケースでは、そのタイミングで負担額が高くなります。
【任意保険】万が一の時に安心、自分が受けた被害や物損事故にも対応できる!
任意保険は、自賠責保険ではカバーされない自損事故や物損事故、法定限度額を超える額の対人事故にも対応できるように、各損害保険会社がサービスを展開している商品です。
任意保険では、等級制度を設けています。等級制度とは、加入者が事故を起こすリスクを1~20段階にランク別に分けて、そのリスクに応じて保険の支払い金額を確定させるシステムです。
運転の熟練度(初心者~ゴールド免許継続中)、年齢、年間走行距離などの項目を設けて、加入者の等級を決めます。
例えば、運転歴が長いゴールド免許の40代~50代の男性であれば、事故のリスクは少ないと判断され、保険料は割り引かれます。事故歴がある、年間走行距離が多い、運転経験が浅いなど事故のリスクを高める該当項目が加入者に見当たれば、保険料は割高となります。
運転経験の浅い20代後半の方が、新車を購入した場合をモデルケースとすれば、軽であれば5万円、普通自動車であれば7万円が任意保険の相場となります。
【ガソリン代】もっともお金がかかる維持費
ガソリンは車にとっての燃料です。車はガソリンを補給しなければ、動きません。1年間にどのくらいのガソリン代がかかってしまうのかを見ていきましょう。
年間走行距離を1万kmとすると、燃費が25km/Lの軽自動は、ガソリン代は計算をしやすいように1Lあたり100円とすると、1年間のガソリン代は4万円となります。
燃費が10km/Lの普通自動車の1年間のガソリン代は、同じ条件で計算を行うと10万円となります。
【車両費用】車のローンを完済するまでにかかります
車はローンを組んで購入される方が多いですよね。ローンを完済するまでには、毎年一定の額を支払わなければなりません。
例えば、100万円の軽四を5年ローンで購入した場合には、頭金なし・金利なしの設定で、単純計算を行うと、毎年20万円を支払わなければなりません。
200万円の普通車を、同一条件で、5年ローンで購入したとすれば、毎年40万円の負担となります。
【駐車場代】都会暮らしは負担額が多い、自分の車を置いておくのにかかる費用
自宅に駐車スペースのある持ち家に住んでいる方には、かからない費用ですが、賃貸暮らしをしている方にとっては避けられない費用が駐車場代です。特に、都会暮らしの方にとっては、年間のガソリン代よりも、駐車場代の方が高くつくという事もあります。
お住まいになられている住宅の賃貸借契約書をみると、月極駐車料金:1万円であったら、年間の駐車場代は12万円となります。
【その他費用】車の部品やタイヤは消耗品です。時には修理や交換が必要です
税金や保険の他にも車をもっているとかかるお金があります。例えば消耗品のタイヤなどは数年に一度か溝が減った場合に交換が必要なため、維持費に計算しておくと良いでしょう。
その他の車にかかる費用を詳しく見ていきましょう。
タイヤ交換
冬に車道が雪で覆われてしまう地域では、雪道運転に備えてタイヤをスタッドレスタイヤに交換する必要があります。春になると今度はスタッドレスタイヤからノーマルタイヤへの交換を行います。タイヤ交換を業者に頼めば、1回の費用は3,000円程度です。
また、タイヤの耐用年数が近づけば、新しいタイヤに交換しなければなりません。ノーマルタイヤの耐用年数は5年ほど、スタッドレスタイヤの耐用年数は3年ほどというデータもあります。ノーマルタイヤの1個の金額を1万円とすると、4個であれば4万円です。
5年後にタイヤを新しくするまでには、1年間に8,000円を貯金しておけば、交換の時期がやってきても困りません。
車両の修理代
新車の購入では、故障を心配する必要はほとんどありませんが、中古車の購入には、当たりはずれがあり、納車後すぐに故障をしてしまったというケースもあります。もしも、エンジン系統に不具合が生じていれば、修理代が数十万円を超えてしまうこともあります。
中古車を購入する際には、各自動車メーカーと特約店契約を結んでいる正規ディーラーや信頼のおける販売店で購入することをお勧めします。
車の年間維持費は自分で計算してみよう!
今回、紹介した車の年間維持費の合計額はあくまでもモデルケースです。車を取得し、所有することでかかる税金は確定された金額ですが、その他のガソリン代や駐車場代、車両費用は計算をしやすいように設定した数値です。
ご自身が契約している保険会社の証書、賃貸借契約書の駐車場代を確認してみましょう。
各項目について自分のケースではどうだろうと思って、具体的に考えて計算することで、皆さんの車にかかる年間維持費のより正確な金額を知ることが出来ます。車の購入はこれからの方も、車の維持費を安くしたい方も、数字の部分を入れ変えて計算してみましょう。