ランドクルーザープラドの燃費

ランドクルーザープラドの燃費を競合車種と比較 プラドの燃費を良くする方法など

プラドのカタログ燃費・実燃費から本当に燃費が悪いのか検証。ライバルになる競合車種との燃費を比較、プラドの燃費が悪いと後悔する事がないよう1年間にかかる燃料費や燃費性能を向上する方法や燃費性能が悪い理由を確認して改善しましょう。

ランドクルーザープラドの燃費を競合車種と比較 プラドの燃費を良くする方法など

ランクルプラドの燃費・実燃費を解説 「プラドは燃費が悪い」は本当か

ランドクルーザープラド(ランクルプラド)は過酷な道を走破するクロスカントリーから、舗装路の多いアーバンユースまで、幅広く対応できるモデルで、大きすぎないサイズ感もありトヨタのSUVラインナップで屈指の人気モデル。

しかし車重が重く排気量も多いため、燃費が悪いという噂も耳にします。インターネットやSNSなどでもプラドは燃費を気にする車ではない、という意見もあることから、プラド=燃費が悪いというイメージが先行しやすい車種でもあります。
プラドは本当に燃費が悪いのか?ガソリンモデル・ディーゼルモデルのカタログ燃費、実燃費、1年間でどれくらいの燃料費がかかるのか、ライバルとの燃費の違いなどを解説。

プラドの歴史は1990年からスタート 派生元の70系とは違いアーバンユースを重視したモデル

150系プラドのエクステリアランドクルーザープラドはクロスカントリーから街乗りまでこなせるSUV

プラドは正式名称でもあるランドクルーザーの派生車種で、その中でもヘビー系と呼ばれる70系から派生したモデル。1990年に初代モデルを発売、サブネームとして「プラド」を与えられました。
派生元の70系は現在でも、車を救助するためのレスキューカーなどで活躍する、働く車として需要のあるモデルです。

プラドはアーバンユースを重視したモデルですが、フレーム構造は一般的なモノコックボディ(ボディとフレームが一体化した構造)ではなくフレーム構造(ボディとフレームが別々になっている構造)を採用することから、舗装路から未舗装の悪路走破性も兼ね備えた万能なクロスカントリーSUVと言えます。

4代目ランドクルーザープラドのパワートレインは2.7L直列4気筒ガソリンエンジン(2TR-FE)と、2.8L直列4気筒ディーゼルターボエンジン(1GD-FTV)の2本立てで、ガソリンエンジンの使用燃料レギュラーガソリンを、ディーゼルターボエンジンの使用燃料は軽油を使用。それぞれのエンジンでカタログ燃費に違いがあります。

4代目ランドクルーザープラド2.7Lガソリンエンジンのカタログ燃費8.3mk/L・2.8Lディーゼルエンジンは11.2kmL

4代目ランクルプラドのカタログ燃費表記には、2017年以降に発売する新型車に記載するWLTCモードを記載。
1973年以前まで使用していた60km/h定地燃費、その後1991年まで使用していた10モード燃費、2011年まで使用していた10・15モード燃費、2017年のWLTCモードに変更される前に使用したJC08モード燃費よりも実燃費に近い現実的な数値を示します。
またWLTCモードには平均燃費以外にも、市街地モード(WLTC-L)、郊外モード(WLTC-M)、高速道路モード(WLTC-H)の3種類があります。

4代目ランドクルーザープラド(150系) のカタログ燃費
燃料消費率 2.7Lガソリン仕様 2.8Lディーゼル仕様
WLTCモード平均燃費 8.3km/L 11.2km/L
市街地モード(WLTC-L) 6.1km/L 8.7km/L
郊外モード(WLTC-M) 8.5km/L 11.3km/L
高速道路モード(WLTC-H) 9.7km/L 12.7km/L

4代目ランドクルーザープラドのパワートレインは2種類ありそれぞれ燃費性能に違いも。
ガソリンエンジン仕様のモデルは2.7L直列4気筒のレギュラーガソリン仕様、最高出力は120kW(163PS)/5,200rpmで最大トルクは246Nm(25.1kgm)/3,900rpmを発揮。
グレード展開はTXの2列5人乗りと3列7人乗り、TX Lパッケージの2列5人乗りと7人乗りをラインナップ。
ガソリンモデルのカタログ燃費はグレードや乗車定員に関係なく、WLTCモードの平均燃費で8.3km/Lです。

プラドのもう1つのパワートレイン2.8L直列4気筒ディーゼルターボエンジン仕様の最高出力は150kW(204PS)/3,000rpm~3,400rpm、最大トルクは500Nm(51kgm)/1,600rpm~2,800rpmを発揮。
ディーゼルエンジンの特徴でもある、低回転から発生する力強いトルクで、ぬかるんだ道路や雪道などでスタックしたときも力強く脱出できます。
グレード展開はTXの2列5人乗りと3列7人乗り、TX Lパッケージの2列5人乗りと7人乗り、ランクルプラドの最上級グレードのTZ-Gをラインナップ。
。ディーゼルモデルのカタログ燃費もガソリンモデルと同様にグレードや乗車定員に関係なく、WLTCモードの平均燃費で11.2km/Lを達成、ガソリンモデルよりも2.9km/L向上します。

4代目ランドクルーザープラドの実燃費はガソリンエンジンが7.44km/L・ディーゼルターボエンジンが10.93m/L

150系プラドのカタログ燃費は8.3km/Lから11.2km/Lですが、プラドを愛車に持つユーザーの実燃費はどれくらいなのでしょうか。

実燃費はガソリンエンジンが7.44km/Lで、カタログ燃費の8.3km/Lとの差が-0.86km/L。
ディーゼルターボエンジンの実燃費は10.93km/Lで、カタログ燃費の11.2km/Lとの差が-0.27km/L。
カタログ燃費の表記が実燃費に近いWLCTモード燃費になっているため、カタログ燃費と実燃費に大きな開きはないように感じます。

4代目プラド(150系)のカタログ燃費と実燃費の差
エンジン種類 カタログ燃費 実燃費 燃費差
ガソリンエンジン 8.3km/L 7.44km/L -0.86km/L
ディーゼルターボエンジン 11.2km/L 10.93km/L -0.27km/L

プラドは高い走破性を持つモデルなので、山道や河川などを走破するクロスカントリーを楽しむユーザーも存在します。
実燃費はプラドユーザーの平均のため、街乗りなどアーバンユースをメインにプラドを運転する場合はさらにカタログ燃費に近い数値になると考えます。

ランドクルーザープラドの燃費は悪すぎる?燃費悪化の理由は車両重量の重さや駆動方式

ランドクルーザープラドが採用するラダー状のフレーム構造は、一般的なモノコック構造の車と比較すると車両重量が重いため、燃費が悪化します。
最も車両重量のあるディーゼルターボエンジン搭載のTZ-Gグレードが2,330kg、最も軽量なガソリンエンジン搭載のTX 5人乗りグレードでさえ2,050kgと2トンを超える重量があります。
車両重量が重ければ重いほど、車を動かす力が必要になるため、燃料消費も多くなります。

プラドの駆動方式は、2WD(FFやFRなどの二輪駆動)と比較すると燃料消費の多いフルタイム4WD(四輪駆動)を採用します。
フルタイム4WDとは、常に4輪駆動で走行する駆動方式で、同じトヨタのランドクルーザー300やスバルのアウトバック・フォレスターなどで採用される駆動方式。フルタイム4WDは全ての駆動輪に力を必要とするため、パートタイム4WD(手動で2WDと4WDを変更できる駆動方式)やスタンバイ式4WD(通常2WDで走行し必要な場面で4WDになる駆動方式)と比較すると燃費が悪化します。

プラドの燃費を向上するにはチョイ乗りよりも長距離が良い

プラドのような大型SUVは、どうしても燃費が悪化する要素が多いため、カタログ燃費が良くありません。少しでも燃費性能を向上するためにはどうすればよいでしょうか。
まず発進するときは、アクセルをじわっと踏み込みながらゆっくり進みます。急発進をするとエンジンの回転数があがり燃料消費が増えるためです。
アイドリングも燃費悪化に繋がり、軽油の場合は10分あたり2トン車の場合で0.08Lから0.12Lの消費、エアコン付けているとさらに3割程度消費量が増えるというデータがあります。

プラドの荷室容量は3列7人乗り仕様で553L、2列5人乗り仕様で621Lの広大なラッジルームを持ちます。
キャンプやアウトドアでも人気の車種のため、重い荷物を載せっぱなしにするケースも多いかもしれませんが、車両重量と燃費の悪化は比例しているため、重い荷物はなるべく積みっぱなしにせず下ろすようにすることで、少しでも車両重量を軽くします。
ホイールの材質をスチールからアルミに、鋳造ホイールから鍛造ホイールに変更することでバネ下重量(サスペンションから下の重量)も軽くできるため、燃費も向上します。

最も効果的なのはプラドの使い方で、プラドのカタログ燃費にはWLTCモードの平均燃費のほか、市街地、郊外、高速道路で使用した場合のWLTCモード燃費も記載されています。
この数字をみると、ストップ&ゴーの多い市街地モードがカタログ平均燃費を下回る6.1km/Lから8.7km/L、最もカタログ燃費が良いのは一定の速度で走行できる高速道路モードで平均燃費を上回る9.7km/Lから12.7km/L。
プラドの燃費向上を狙うのであれば市街地のチョイ乗りより、ストップ&ゴーの少ない長距離の高速道路を走ると良いのが解ります。

ランドクルーザープラドの競合するライバル車種を紹介

ランドクルーザープラドはラダーフレーム構造を持つ質実剛健な走りが魅力。
パワートレインにはディーゼルターボを採用するグレードを設定し、2列5人乗りだけでなく3列シートを搭載した7人乗りモデルを設定するのも大きな特徴です。
プラドに似た性格の競合モデルを4種紹介します。

マツダ CX-8はプラドと同じ3列7人乗りでディーゼルエンジン搭載モデルを設定

CX-8のエクステリアCX-8のカタログ燃費は15.4km/Lから15.8km/L

マツダのCX-8は、2018年に生産終了したMPVプレマシーの代替モデルとして登場した、3列6人-7人乗りのクロスオーバーSUV。
プラドとほぼ同じサイズ感ですが、ディーゼルエンジンを搭載するため、多人数乗車でも力強く車体を引っ張ってくれます。
CX-8はモノコックボディなので、悪路走破性はプラドにかないませんが、1,710kg~の軽量な車両重量を活かし、ディーゼルエンジンのカタログ燃費は15.4km/Lから15.8km/Lと優秀です。
ガソリンエンジン搭載グレードはコストパフォーマンス抜群で、3列シートSUVを探している方の第一候補として存在感を示します。

マツダ 2024年CX-8のカタログ燃費(WLTCモード)
グレード 2WD 4WD
25S 12.4km/L
25S PROACTIVE 12.4km/L 11.6km/L
25S L Package 12.4km/L 11.6km/L
XD 15.4km/L
XD PROACTIVE 15.8km/L 15.4km/L
XD L Package 15.8km/L 15.4km/L

三菱 アウトランダー PHEVは3列シートを搭載するプラグインハイブリッド

アウトランダー PHEVのエクステリアアウトランダー PHEVのカタログ燃費は16.2km/Lから16.6km/L

三菱のアウトランダー PHEVは3列シート搭載で全グレード4WD駆動のミドルサイズSUVで、プラドと比較すると少し小さなサイズ感に。
そのため取り回しやすさはアウトランダー PHEVのほうが上で、乗り心地や装備面もプラドより優位です。また最大の利点とも言えるのがプラグインハイブリッドシステムで、満充電で最大87km走行可能、充電が無い状態でもエンジン+モーターで走行できカタログ燃費は16.2km/Lから16.6km/Lを達成。
7人乗りの3列シートを搭載しているため、乗員が多くなりがちな方にも人気のSUVです。

三菱 2024年アウトランダーPHEVのカタログ燃費(WLTCモード)
グレード 4WD
M 16.6km/L
G 16.2km/L
P
BLACK Edition

三菱 デリカD:5はミニバン随一の悪路走破性とディーゼルエンジンの力強いトルクが自慢

デリカD:5のエクステリアデリカD:5のカタログ燃費は12.6km/L

三菱のデリカD:5はミニバンでありながらリブボーンフレーム構造+4WD駆動を採用する唯一無二の存在感を放つモデル。
走破性はモノコックボディを持つSUVを凌駕するとも言われていて、アウトドアやクロスカントリーを好むユーザーに人気のモデルです。
ボディサイズはプラドと近いですが、ミニバンなので全高は高く両側スライドドアを搭載することから、車両重量は最も軽いMグレードでも1,930kgあります。
パワートレインはディーゼルエンジンで、WLCTモード燃費は全グレード共通の12.6km/L。

三菱 2024年デリカD:5のカタログ燃費(WLTCモード)
グレード 4WD
M 12.6km/L
G
G-Power Package
P

日産 エクストレイルはエンジンを発電に使いモーターのみで走るe-POWER搭載

エクストレイルのエクステリアエクストレイルのカタログ燃費は18.3km/Lから19.7km/L

日産のエクストレイルはプラドよりコンパクトなクロスオーバーSUVで、アウトドアユースに最適な水に強いシートなどを採用することから、アクティブなユーザーに好まれるモデルです。
パワートレインは、ガソリンエンジンで発電してモーターのみで駆動するe-POWERを搭載、悪路走破性はプラドに劣りますが、カタログ燃費は18.3km/Lから19.7km/Lと圧倒。
また3列シート仕様も設定しているため、多人数乗車が必要な場面でも活躍します。

日産 2024年エクストレイルのカタログ燃費(WLTCモード)
グレード 2WD 4WD
S 19.7km/L 18.4km/L
X
G
X 3列シート
18.3km/L

ジープ ラングラーはプラドに勝るとも劣らない圧倒的な走破性が魅力

ラングラーのエクステリアラングラーのカタログ燃費は9.4km/Lから10.0km/L

ジープのラングラーは元々軍用車両として開発された経緯があるため、走破性はプラドにも匹敵、海外モデルで屈指のクロスカントリーモデルです。
乗車定員は5名で、車両重量は5ドアの最軽量モデルで2,020kg、カタログ燃費は9.4km/Lから10.0km/Lとプラドより燃費性能は低いです。
ラングラーはその独特の見た目や走破性から、海外だけでなく日本でも人気のモデルで、カタログ燃費の悪さが気にならないほど所有満足度の高い車としても有名です。

ジープ 2024年ラングラーのカタログ燃費(WLTCモード)
グレード 4WD
Unlimited Sahara 2.0L 10.0km/L
Unlimited Rubicon 2.0L 9.4km/L

ランドクルーザープラド(150系)の年間ガソリン代をカタログ燃費から計算・競合車種と比較

150系ランドクルーザープラドのカタログ燃費は、2.7Lガソリンモデルが8.3km/L、2.8Lディーゼルモデルが11.2km/L。
レギュラーガソリン価格は2024年3月1日の実売価格平均の161.1円/Lで計算し、ディーゼルエンジンに使用する軽油価格も同日の実売価格平均の137.6円/Lで計算。
年間走行距離は3,000km、5,000km、10,000kmに設定。

競合車種にはプラドと同じ3列シートとディーゼルエンジンを持つ、CX-8 XD 4WD、ディーゼルエンジンのデリカD:5 P、悪路走破性の高いジープ ラングラー Unlimited Sahara 2.0Lで比較。
パワートレインにPHEVやハイブリッドシステム搭載モデルは除外しています。

ランドクルーザー プラド(150系)と競合車種の1年間にかかる走行距離別の燃料費
グレード カタログ燃費 3,000km 5,000km 10,000km
プラド 2.7Lガソリン 8.3km/L 約58,228円 約97,048円 約194,096円
プラド 2.8Lディーゼル 11.2km/L 約36,857円 約61,428円 約122,857円
CX-8 XD 15.4km/L 約26,805円 約44,675円 約89,350円
デリカD:5 P 12.6km/L 約32,761円 約54,603円 約109,206円
ラングラー Unlimited Sahara 2.0L 10.0km/L 約48,330円 約80,550円 約161,100円

年間走行距離3,000kmは普段車に乗らず、週末だけ近場で車を使う場合の距離に該当。
プラドの場合はガソリンとディーゼル2種類の燃料を使うエンジンをラインナップしますが、燃料費の低いディーゼルが年間の燃料費も少なく済みます。
3,000kmではプラド 2.7Lガソリンで約58,228円、プラド 2.8Lディーゼルで約36,857円、その差は21,371円でディーゼルモデルの方が年間燃料費はお得です。
最も燃費の良い競合車種のCX-8 XDディーゼルが約26,805円なので、プラド 2.8Lディーゼルよりも10,052円燃料費は安く済みます。

年間走行距離5,000kmはお買い物など生活に必要な足として、近場で日常的に使用する場合の距離に該当。
プラド 2.7Lガソリンで約97,048円、プラド 2.8Lディーゼルで約61,428円、最も燃費性能の高いCX-8が約44,675円、ガソリンを燃料とするラングラーは約80,550円。
使用燃料がガソリン同士のラングラーとプラド 2.7Lガソリンを比較すると、16,498円ラングラーのほうが燃料費を抑えられます。

年間走行距離10,000kmは普段のお買い物やお出かけに加え、レジャーなどで遠出する場合の距離に該当。
年間走行距離が10,000kmを超えると燃料費も大台の10万円を超えてきて、プラド 2.7Lガソリンで約194,096円、プラド 2.8Lディーゼルで約122,857円に。
デリカD:5 P ディーゼルでも約109,206円で、CX-8でようやく10万円を切る約89,350円の燃料費になります。
車両重量のあるプラドでも燃料の高い無鉛レギュラーガソリンを燃料にするグレードでなく、ディーゼルを燃料にするグレードを選択すると年間燃料費を抑えることができます。

ランドクルーザー プラドの燃料費はディーゼルエンジン搭載グレードで抑える

ランドクルーザー プラドは車両重量もあり、排気量も多いため燃費が良くない傾向にあるモデルです。
プラドは購入してからの維持費が高額になるため、泣く泣く手放すケースもありますが、燃料費だけを見るとレギュラーガソリンを燃料にする2.7Lガソリンモデルよりも、ディーゼルを燃料にする2.8Lディーゼルモデルのほうが燃料費を抑えることが可能です。
なるべく重量のある荷物を載せっぱなしにせず、エコなアクセルワークを心がけることで燃費向上にも繋がります。