オールシーズンタイヤはドライ性能から雪道性能まで備える
突然の降雪や天候の急変に備えて、年間を通じて装着できるオールシーズンタイヤを選ぶドライバーが増えています。別名フォーシーズンタイヤとも呼ばれるこのカテゴリーは、かつてグッドイヤーやミシュラン、ピレリといった欧米ブランドが中心でしたが、現在はヨコハマタイヤの「BluEarth-4S AW21」(ブルーアース フォーエス)、ダンロップの「ALL SEASON MAXX AS1」(オールシーズン マックス エーエスワン)、トーヨータイヤの「CELSIUS」(セルシアス)など国内メーカーの製品も揃い、軽自動車からプレミアムSUVまでサイズを選べる状況になりました。
この数年で世代交代も進んでいます。グッドイヤーは「Vector 4Seasons Hybrid」(ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド)に加えて第3世代の「VECTOR 4SEASONS GEN-3」(ベクター フォーシーズンズ ジェンスリー)を展開し、ミシュランは2025年10月に「CROSSCLIMATE 3」(クロスクライメート スリー)を投入。ピレリは「CINTURATO ALL SEASON SF3」(チントゥラート オールシーズン エスエフスリー)と、2026年8月から順次発売のSUV専用「SCORPION ALL SEASON SF3」(スコーピオン オールシーズン エスエフスリー)へ切り替えました。ダンロップは氷上性能に踏み込んだ「SYNCHRO WEATHER」(シンクロウェザー)を2024年に追加しています。なお、ブリヂストンは国内向けに「WEATHER GRIP」(ウェザーグリップ)を展開してきましたが、欧州で高い評価を得ている「WEATHER CONTROL A005 EVO」(ウェザーコントロール エーゼロゼロゴ エボ)は日本国内での正規販売がなく、並行輸入品として流通しています。
オールシーズンタイヤとは?
オールシーズンタイヤとは、積雪時にも最低限の走行が可能な全天候型のタイヤを指します。サマータイヤ(夏タイヤ)が苦手とする低温域や軽い雪道での走行性能を確保している点が最大の違いです。近年はSUVを中心に新車装着タイヤとして採用される例も増え、認知度が高まりました。
雪道性能を見分ける手がかりは、タイヤ側面(サイドウォール)の刻印です。泥道と雪道への基本対応を示す「M+Sマーク」、国際的な雪上性能基準をクリアした「スリーピークマウンテン・スノーフレークマーク」、そして氷上性能の基準を満たした「アイスグリップシンボル」の3種類を押さえておくと、店頭でも実車でも判断を誤りません。実際に側面に手を当ててみると、これらの刻印はゴムの凹凸として指先で確認できる程度の大きさで、洗車のついでにも見分けがつきます。
「M+S」(マッドアンドスノー)マーク
「M+S」(マッドアンドスノー)マークは、泥道や積雪路に対応できる基本的なトレッドパターンを備えていることを示す表記です。ただし性能試験の合格を証明するものではなく、凍結路面では十分な性能を発揮しません。M+S表記だけのタイヤは冬用タイヤとしては性能が不足しており、高速道路の冬用タイヤ規制時に通行が認められないケースがあります。中古で入手したオールシーズンタイヤにM+S表記しかない場合は、冬の備えとしては数えないほうが安全です。
「スリーピークマウンテン・スノーフレーク」マーク
スリーピークマウンテン・スノーフレークマーク(通称スノーフレークマーク、3PMSF)は、国際的に定められた雪上性能基準をクリアした証で、M+Sマークと併記される場合がほとんどです。この刻印があるタイヤは、高速道路の冬用タイヤ規制時にもチェーンなしで走行できます。一方で、スタッドレスタイヤと同等の氷上性能を保証するものではありません。ミラーバーンのような凍結路面では制動距離が大きく伸びるため、凍結が予想される行程ではタイヤチェーンの携行が前提になります。
「アイスグリップシンボル」とは何か
アイスグリップシンボルは、国連規定で定められた氷上性能の基準をクリアしたタイヤにのみ刻印される新しい指標です。スノーフレークマークが雪上性能を示すのに対し、こちらは氷上ブレーキ性能を評価対象としています。国内のオールシーズンタイヤでは、ダンロップのシンクロウェザーが取得しました。氷上性能まで一定水準を求める場合、カタログの表現よりもこの刻印の有無を先に確認したほうが判断を誤りません。
オールシーズンタイヤの選び方は降雪量と使用シーンで決まる
選ぶ順番を間違えなければ、失敗はかなり減らせます。判断の軸は「住んでいる地域の降雪量」「年間の使い方」「装着サイズと規格」の3つです。
まず降雪量です。年に数回の降雪で、路面が凍る日がほとんどない平野部や太平洋側であれば、オールシーズンタイヤが選択肢になります。内陸の山間部や、朝晩の放射冷却で路面が凍る地域では、スタッドレスタイヤのほうが安全域が広くなります。北海道や東北、北陸などの降雪地帯では、オールシーズンタイヤは冬の主役になりません。購入後に後悔しやすいのは、通勤路に一か所でも日陰の橋やトンネル出口の凍結ポイントがあるケースです。
次に使い方です。街乗り中心なら静粛性と乗り心地、高速道路の利用が多いなら直進安定性と耐摩耗性、降雪への備えを最優先するならスノーフレークマークとトレッドパターンの雪柱せん断性能を見ます。年間走行距離が1万kmを超える使い方では、購入価格よりも寿命の差が総コストに効いてきます。
最後にサイズと規格です。タイヤ側面の「205/60R16 92H」であれば、205がタイヤ幅(ミリ)、60が扁平率(%)、Rがラジアル構造、16がリム径(インチ)、92がロードインデックス(荷重指数)、Hが速度記号を表します。運転席側のドアを開けた内側のステッカーに、純正サイズと指定空気圧が記載されています。ここで見落とされがちなのがロードインデックスです。ミニバンや3列シートのSUVで純正よりロードインデックスの低いタイヤを選ぶと、定員乗車時に許容荷重が足りなくなります。XL(エクストラロード)規格のタイヤは、指定より高い空気圧で本来の荷重性能を発揮する設計のため、標準規格と同じ空気圧で使うと本来の耐荷重に届きません。装着時に規格が変わる場合は、指定空気圧をその場で確認しておくのが確実です。
性能表示の面では、近年になってオールシーズンタイヤでも低燃費タイヤのラベリングを取得する製品が出てきました。クロスクライメート3は転がり抵抗性能「AA」と「A」を、シンクロウェザーは「A」を取得しています。カタログの形容詞よりも、この等級のほうが燃費や経済性の比較には役立ちます。
| 項目 | オールシーズンタイヤ | サマータイヤ | スタッドレスタイヤ |
|---|---|---|---|
| ドライ路面 | 良好 | 最も得意 | やや苦手 |
| ウェット路面 | 良好 | 最も得意 | やや苦手 |
| 圧雪・シャーベット | 走行可能 | 走行困難 | 最も得意 |
| 凍結路面(アイスバーン) | 不向き | 不向き | 最も得意 |
| 冬用タイヤ規制 | スノーフレークマーク付きなら通行可 | 通行不可 | 通行可 |
| チェーン規制 | チェーン装着が必須 | チェーン装着が必須 | チェーン装着が必須 |
| 履き替えと保管 | 不要 | 年2回の履き替えが必要 | 年2回の履き替えが必要 |
オールシーズンタイヤのおすすめモデルを用途別に比較
同じオールシーズンタイヤでも、重心の置き方はモデルごとにはっきり違います。用途から絞り込むと候補が3つ程度まで減ります。
| 用途 | 候補になるモデル | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 氷上性能まで妥協したくない | ダンロップ シンクロウェザー | アイスグリップシンボルを取得し、氷上ブレーキ性能の基準をクリア |
| 静粛性と寿命を重視 | ミシュラン クロスクライメート3 | 転がり抵抗と耐摩耗性を強化し、夏タイヤに近い使用感 |
| サイズ展開の広さで選ぶ | グッドイヤー ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド | 13インチから18インチまで揃い、軽自動車からミニバンまで対応 |
| 雨天時の安心感を優先 | ヨコハマタイヤ ブルーアース4S AW21 | V字ダイバージェントグルーブによる排水性とウェット制動 |
| SUV・クロスオーバーに履かせる | トーヨータイヤ セルシアス、ピレリ スコーピオン系 | 高荷重に耐える剛性設計とふらつき抑制 |
| 商用バン・軽バンで使う | ダンロップ オールシーズンマックス VA1、トーヨータイヤ セルシアス カーゴ | 積載状態でも踏ん張る剛性とロングライフ設計 |
オールシーズンタイヤのYOKOHAMA「ブルーアース4S AW21」は方向性トレッドパターンと低温でも弾性が失われないゴムがドライからウエット・スノーまでの路面に対応
ヨコハマタイヤの「BluEarth-4S AW21」(ブルーアース フォーエス エーダブリュー ニーイチ)は、2020年1月9日に発売された乗用車用オールシーズンタイヤです。方向性トレッドパターンと低温でも弾性が失われにくい専用コンパウンドにより、ドライ、ウェット、スノーの各路面に対応します。
間近で見ると、センターから左右に流れるV字溝が想像以上に深く切られており、雪を掻き出す前提の設計であることが一目で分かります。この溝が排水と排雪の両方を担い、スノーフレークマークの取得につながっています。
接地面積を確保する幅広のトレッドと剛性の高いパターンにより、相反する雪上性能とドライ性能を両立しています。ショルダー部の大型ブロックが路面を捉えることで、車線変更時の腰砕け感を抑えます。長く使っているユーザーから聞かれるのは、雨の日のブレーキに不安が少ないという評価です。ヨコハマが得意とするシリカ配合技術が効いており、ゲリラ豪雨の高速道路でも轍に溜まった水を抜きやすい傾向があります。
一方で、静粛性はサマータイヤのコンフォート系には一歩譲ります。速度を上げると「シャー」という高めのパターンノイズが出やすくなるため、静粛性を最優先する使い方には向きません。毎日の通勤と週末の買い物が中心で、年に数回の降雪にだけ備えたい使い方に噛み合うモデルです。なおヨコハマタイヤには、ミドルクラス以上のSUV専用に開発された「GEOLANDAR CV 4S」(ジオランダー シーブイ フォーエス)も用意されており、車重のあるSUVでコーナリング時のふらつきを抑えたい場合はこちらが候補になります。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 14インチ | 175/65R14 |
| 15インチ | 185/55R15、185/60R15、175/65R15、185/65R15、195/65R15 |
| 16インチ | 205/55R16、205/60R16、215/60R16、215/65R16 |
| 17インチ | 225/45R17、225/50R17、215/55R17、215/60R17、225/60R17、225/65R17 |
| 18インチ | 225/55R18、235/55R18 |
| 19インチ | 225/55R19 |
オールシーズンタイヤ DUNLOP「オールシーズン マックス AS1」は夏タイヤと同等の操縦安定性を実現してドライ路面でも雪道でも確かなグリップ力を発揮
ダンロップ(DUNLOP)の「ALL SEASON MAXX AS1」(オールシーズン マックス エーエスワン)は、2019年10月1日に発売された乗用車用オールシーズンタイヤです。ドライ路面でのサマータイヤに匹敵する操縦安定性と、雪道での確かなグリップ力を両立することを目標に開発されました。
常温時にはサマータイヤと同程度の硬さを保ちながら、低温下でも硬くなりにくい「超マルチコンパウンド」を採用しています。このコンパウンド技術により、積雪路面でも柔軟性を保って路面を捉えます。スノーフレークマークの刻印があるため、高速道路の冬用タイヤ規制時でも走行できます。
実際に触れてみると、トレッドブロックが細かく分割されており、ブロック同士の角が数多く並んでいることが分かります。この細分化がエッジ効果と静粛性の両方に効いており、オールシーズンタイヤとしては角の立ったノイズが出にくい部類です。エナセーブシリーズで培った耐摩耗技術も投入されているため、夏タイヤ以上のロングライフを期待できます。
ウェット路面では深溝設計のトレッドパターンが排水性を高め、ハイドロプレーニング現象を抑えます。年に数回しか雪が降らない都市部で、経済性と安心感のバランスを最優先する使い方に噛み合うモデルです。逆に、凍結路面での制動を期待して選ぶと後悔しやすく、その用途では次に紹介するシンクロウェザーかスタッドレスタイヤが正解になります。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 13インチ | 155/70R13 |
| 14インチ | 155/65R14、165/65R14、175/65R14、165/70R14、175/70R14 |
| 15インチ | 185/55R15、185/60R15、175/65R15、185/65R15、195/65R15 |
| 16インチ | 195/55R16、205/55R16、205/60R16、215/60R16、215/65R16 |
| 17インチ | 225/50R17、215/60R17、225/65R17 |
| 18インチ | 225/45R18、225/55R18 |
オールシーズンタイヤ DUNLOP「シンクロウェザー」はアクティブトレッドで氷上性能まで踏み込みアイスグリップシンボルを取得
ダンロップの「SYNCHRO WEATHER」(シンクロウェザー)は、2024年10月に発売された次世代オールシーズンタイヤです。オールシーズンマックス AS1の後継ではなく、まったく別のレンジに位置づけられた製品として開発されました。
中核となるのが「アクティブトレッド」というトレッドゴム技術です。従来のタイヤが接地面の水分を排除する方向で設計されてきたのに対し、この技術は水分と温度に反応してゴムの性質そのものを変化させます。トレッドゴムのポリマー結合の一部を、水分に触れると緩むイオン結合に置き換えることで、ウェット路面ではゴムが柔らかくなって密着性が高まります(水スイッチ)。水分が抜けると結合が戻り、剛性が復活する可逆性を備えている点が肝です。さらに、グリップ成分の一部をポリマーから切り離すことで、低温でもゴムが硬くなりにくい特性を付与しました(温度スイッチ)。
この結果、同社のスタッドレスタイヤ「ウインターマックス02」と同等の氷上ブレーキ性能を実現しています。サイドウォールには、冬用タイヤ規制時の走行を示すスノーフレークマークに加え、国連規定の氷上性能基準をクリアしたタイヤに刻印されるアイスグリップシンボルが並びます。オールシーズンタイヤで両方の刻印が揃うのは、国内では現時点で限られた存在です。
V字溝設計の新トレッドパターンは、形状の異なる2種類のブロックをランダムに配置することでノイズ周波数をコントロールしており、低燃費タイヤ「エナセーブEC204」と同等以上の静粛性と耐摩耗性能を確保しています。オールシーズンタイヤでしばしば指摘される高周波の走行音が抑えられているのは、この設計によるものです。
実測の比較では、アイスバーンでの制動距離がオールシーズンマックス AS1より7〜8%ほど短くなる傾向が出ています。ただしスタッドレスタイヤにはまだ届かず、位置づけとしては従来のオールシーズンタイヤとスタッドレスタイヤの中間です。ダンロップは冬用タイヤとして使える期間の目安を4年としており、プラットホーム露出後も80%摩耗まで夏タイヤとして使い切れる設計になっています。積雪は少ないが朝晩の路面凍結が気になる地域で、履き替えの手間を省きたい使い方に最も刺さるモデルです。
オールシーズンタイヤ TOYO TIRE「セルシアス」は突然の降雪でも安心のスノー性能と優れたドライ・ウエット性能により1年を通してSUVの安定した走りを実現
2019年8月1日に発売されたトーヨータイヤ(TOYO TIRE)の「CELSIUS」(セルシアス)は、2015年から北米と欧州市場に先行投入されていた全天候型オールシーズンタイヤです。日本導入当初はSUV向けとして紹介されていましたが、その後サイズが広がり、現在はSUVからミニバン、セダン、コンパクトカー、軽自動車までが対象になっています。
トレッドコンパウンドには、シリカの分散を向上させるアクティブポリマーを採用。スノーフレークマークを取得する雪上性能を持ちながら、夏タイヤに必要なウェット性能の向上と転がり抵抗の抑制を両立しています。
目の前にすると、他社のオールシーズンタイヤで一般的なV字型の方向性パターンではなく、左右非対称パターンを採用している点がすぐに分かります。IN側(内側)は深溝と高密度サイプで雪を噛み、OUT側(外側)はワイドリブでドライとウェットの横方向グリップを稼ぐという役割分担です。この見た目の違いから、SUVらしい足元の表情を求めて選ぶユーザーもいます。
非対称パターンには実利もあります。方向性パターンは回転方向が決まるため前後ローテーションの自由度が下がりますが、非対称パターンは装着の向きを守れば前後の入れ替えがしやすく、摩耗を均一に保ちやすい傾向があります。走行距離が伸びてくると偏摩耗による騒音が出やすくなるため、ローテーションのしやすさは長期使用で効いてきます。なお商用バン向けには「CELSIUS CARGO」(セルシアス カーゴ)が、タクシー用には専用のセルシアスが設定されています。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 15インチ | 165/60R15 |
| 16インチ | 215/60R16、215/65R16 |
| 17インチ | 215/60R17、225/60R17、225/65R17 |
オールシーズンタイヤ GOODYEAR「ベクター フォーシーズンズ」はあらゆる路面を走破する優れた運動性能とともにドライ路面での偏摩耗を抑制するライフ性能を確保
グッドイヤー(GOODYEAR)の「Vector 4Seasons Hybrid」(ベクター フォーシーズンズ ハイブリッド)は、2016年の日本導入以来、国内のオールシーズンタイヤ市場を牽引してきたロングセラーです。ドライ、ウェット、スノーのさまざまな路面コンディションに対応しながら、ドライ路面での偏摩耗を抑制するロングライフ性能も確保しています。
サイドウォールには、スノーフレークマーク、スノーマーク、M+S(マッドアンドスノー)の3つの表記があります。雪道でのスノー性能に加え、泥濘路などのマッド路面でも走破性を発揮する構成です。トレッドパターンは排石性に優れたセルフクリーニング性能を持っており、走行中の遠心力で溝に挟まった小石を排出します。未舗装の駐車場やキャンプ場に出入りする使い方では、この機能が効いてきます。
13インチから18インチまでをカバーする豊富なサイズ展開は、このタイヤ最大の強みです。軽自動車やコンパクトカーからセダン、ミニバン、ワゴンまで幅広く対応するため、「履きたいサイズが見つからない」という理由で候補から外れにくくなっています。センター部の「3Dワッフルブレード」が剛性を生み、車種を問わず安定した運動性能を発揮します。
現在は第3世代の「VECTOR 4SEASONS GEN-3」(ベクター フォーシーズンズ ジェンスリー)も並行して展開されています。GEN-3はハイブリッドと比較してパターンノイズを36%、ロードノイズを31%低減し、センター付近の剛性強化によってドライ路面でのハンドリング性能を5%向上させました。オールシーズンタイヤ特有の操舵初期の曖昧さが気になる場合は、GEN-3が候補になります。SUV専用に高荷重対応の内部構造を与えた「GEN-3 SUV」も用意されています。静粛性とハンドリングを優先するならGEN-3、サイズの選択肢と価格のバランスを優先するならハイブリッドという住み分けです。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 13インチ | 155/65R13、165/65R13、155/70R13、145/80R13、155/80R13 |
| 14インチ | 155/55R14、165/55R14、155/65R14、165/65R14、175/65R14、185/65R14、165/70R14、175/70R14、185/70R14 |
| 15インチ | 165/50R15、165/55R15、185/55R15、165/60R15、185/60R15、195/60R15、175/65R15、185/65R15、195/65R15、205/65R15、205/70R15 |
| 16インチ | 195/50R16、195/55R16、205/55R16、175/60R16、195/60R16、205/60R16、215/60R16、205/65R16、215/65R16 |
| 17インチ | 215/45R17、225/45R17、215/50R17、215/55R17、225/55R17、215/60R17 |
| 18インチ | 225/40R18、215/45R18、225/45R18、235/50R18 |
オールシーズンタイヤ 都市型SUVへの装着に適したGOODYEAR「アシュアランス ウェザーレディ」は雪上性能だけではなくて静粛性能も備える
グッドイヤー(GOODYEAR)の「Assurance WeatherReady」(アシュアランス ウェザーレディ)は、ミニバンと都市型SUVに照準を合わせたオールシーズンタイヤです。雪上性能だけでなく、日常のオンロード走行で重視される静粛性能とドライ性能も高い水準で備えています。
大豆油をコンパウンドに配合した「ソイビーンオイルテクノロジー」を採用し、低温時にもゴムの柔軟性を保ちます。さらに溝内部に3Dブレードを配置した「3Dトレッドテクノロジー」により、ドライ路面での安定性を高めつつ、降雪時にはエッジ効果で雪を捉えます。
手を当ててみると、ショルダー部のブロックが角ばっており、車重のある車両で外側に荷重が乗ったときの踏ん張りを意識した形状であることが伝わってきます。車高の高いミニバンやSUVでレーンチェンジをしたときのふらつきは、このショルダー剛性で決まります。
泥道に対するマッド性能も確保しており、溝に挟まった石を遠心力で排出するセルフクリーニング機能も備えます。16インチから20インチまでの設定で、大径ホイールを履く都市型SUVでもサイズを見つけやすい点が実用上の利点です。逆に、コンパクトカーや軽自動車には設定がないため、その場合はベクター フォーシーズンズ系が候補になります。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 16インチ | 215/65R16 |
| 17インチ | 215/60R17、225/60R17、225/65R17、235/65R17 |
| 18インチ | 225/55R18、235/55R18、255/55R18、225/60R18、235/60R18、235/65R18 |
| 19インチ | 235/55R19 |
| 20インチ | 235/55R20 |
オールシーズンタイヤ PIRELLI「チントゥラート オールシーズン プラス」は都市に住むドライバーが求める安全性とモビリティに加えて経済性にもしっかり配慮
イタリアのプレミアムタイヤメーカーであるピレリ(PIRELLI)の「CINTURATO ALL SEASON PLUS」(チントゥラート オールシーズン プラス)は、ラジアルタイヤの代名詞ともいえる「チントゥラート」の名を冠したオールシーズンタイヤです。都市部での安全性とモビリティに加え、経済性にも配慮して設計されました。
スノーフレークマークとM+Sの両方の刻印を持ち、ドライ路面とウェット路面での快適性と、偏摩耗を抑制する設計によるライフ性能を確保しています。一部サイズには、釘などの異物が貫通した際にタイヤ内部のシーラント材が穴を塞ぐ「SEALINSIDE」(シールインサイド)を採用。ランフラットタイヤのようにサイドウォールを固める必要がないため、乗り心地への影響が小さいまま、空気圧の急激な低下を抑えられます。夜間や郊外でパンクした際に、その場で作業せず走り続けられる余地があるのは実用面で大きな差になります。
現行の中心は後継の「CINTURATO ALL SEASON SF3」(チントゥラート オールシーズン エスエフスリー)に移りました。SF3は新コンパウンドと3Dサイプの組み合わせでウェット性能と静粛性を高めており、欧州ラベリングのウェットグリップで最高評価「A」を獲得したサイズが揃います。小型車から中型車に対応する35サイズ構成で、シールインサイド採用サイズも継続しています。プラスの在庫品を選ぶ場合は、製造年週(セリアル)を確認したうえで判断すると安心です。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 15インチ | 165/60R15、175/65R15、185/55R15、185/60R15、185/65R15、195/65R15 |
| 16インチ | 185/55R16、195/55R16、205/55R16、205/60R16、215/55R16 |
| 17インチ | 205/50R17、215/55R17、225/45R17、225/50R17 |
オールシーズンタイヤ PIRELLI「スコーピオン ヴェルデオールシーズン」は世界の名立たる自動車メーカーからの承認を受けるクロスオーバー・SUV専用タイヤ
ピレリ(PIRELLI)の「SCORPION VERDE ALL SEASON」(スコーピオン ヴェルデ オールシーズン)は、クロスオーバーSUVや高性能SUV向けに開発された専用オールシーズンタイヤです。アウディ、ベントレー、BMW、ボルボといった自動車メーカーから新車装着タイヤとして承認を受けています。輸入車オーナーにとって、この承認マーク(メーカー指定記号)の有無は選定時の判断材料になります。純正装着と同じ承認タイヤを選ぶと、車両側のセッティングとの相性で悩む場面が減るためです。
トレッドパターンのピッチシーケンスとフェージングを最適化し、タイヤ内側に吸音材を設けることでロードノイズを低減しています。4本のワイドな縦溝(グルーブ)が排水性を確保し、ハイドロプレーニング現象を抑えます。縦サイプと側面サイプの密度を調整したトレッドデザインにより、ドライ路面からウェット路面、多少の積雪路面までをカバーします。
15インチから22インチまでという幅広いサイズ展開も特徴で、小型クロスオーバーから大型プレミアムSUVまで対応します。現在はSUV専用の後継として「SCORPION ALL SEASON SF3」(スコーピオン オールシーズン エスエフスリー)が2026年8月から順次展開されており、17インチから21インチの17サイズ構成です。SF3は全サイズで欧州ラベリングのウェットグリップ「A」を獲得し、BEVやPHEV向けに最適化された「Elect」マーキング採用サイズや、吸音材でノイズを抑えるピレリ・ノイズ・キャンセリング・システム(PNCS)採用サイズも設定されています。電動SUVは車重が重くトルクの立ち上がりも速いため、専用最適化サイズの有無は摩耗の進み方に影響します。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 15インチ | 205/70R15 |
| 16インチ | 265/70R16、225/70R16、215/65R16 |
| 17インチ | P265/65R17、255/60R17、245/65R17、235/55R17、235/65R17、225/60R17 P225/65R17、215/60R17 |
| 18インチ | 285/60R18、265/60R18、255/55R18、245/60R18、235/50R18、235/60R18 235/65R18、225/60R18 |
| 19インチ | 295/45R19、265/50R19、255/50R19、235/55R19、235/65R19 |
| 20インチ | 295/40R20、295/45ZR20、285/50R20、275/45R20、275/50R20、265/45R20 265/50R20、255/50R20、245/45R20、P245/45R20、235/55R20 |
| 21インチ | 275/40R21、275/45R21 |
| 22インチ | 285/45R22 |
オールシーズンタイヤ PIRELLI「スコーピオンゼロ オールシーズン」はあらゆる季節や路面条件でSUVのUHP(ウルトラハイパフォーマンス)性能を発揮して安全性や快適性にも配慮
ピレリ(PIRELLI)の「SCORPION ZERO ALL SEASON」(スコーピオンゼロ オールシーズン)は、新車装着向けに自動車メーカーと共同開発されたUHP(ウルトラハイパフォーマンス)カテゴリーのオールシーズンタイヤです。オールシーズンとしての快適性と安全性に加え、高性能SUVのスポーティな走りを引き出すことを狙っています。
4本のストレート溝を配した非対称パターンと専用コンパウンドにより、ドライ、ウェット、軽い積雪路面で高いグリップ力と安定性を発揮します。
快適性と安全性を高める技術も組み合わされています。一部サイズには空気圧がゼロになった状態でも一定距離を走行できるランフラットタイヤ(R-F表記)を設定。さらに騒音を低減するPNCS(ピレリ ノイズキャンセリングシステム)の吸音材を採用したサイズも用意されています。
19インチから22インチという設定が示すとおり、対象は大径ホイールを履くパフォーマンスSUVです。扁平率の低いサイズが中心のため、路面の目地や段差を拾いやすく、乗り心地の穏やかさを最優先する使い方には向きません。純正でこのクラスのサイズを履いている車両で、冬にスタッドレスタイヤへ履き替えるコストと保管場所の負担を減らしたい場合に候補になります。19インチ以上のスタッドレスタイヤは保管スペースも重量も大きく、1本あたりの取り回しが負担になるため、履き替え自体をなくす効果は小径サイズより大きくなります。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 19インチ | 235/55R19、255/65R19 |
| 20インチ | 235/50R20、245/45R20、255/60R20、255/55R20、255/50R20、275/50R20、295/45ZR20 |
| 21インチ | 245/45R21、255/40R21、265/45R21、275/45R21、315/40R21 |
| 22インチ | 265/35R22、265/40R22 |
オールシーズンタイヤ FALKEN「ユーロウィンター HS449」は軽自動車からミニバンまで幅広い車種に装着が可能な顧客満足度の高いタイヤ
ファルケン(FALKEN)の「EUROWINTER HS449」(ユーロウィンター エイチエスヨンヨンキュウ)は、高いトレッド剛性でコーナリング時の安定性を確保するオールシーズンタイヤです。欧州で開発されたモデルで、高密度シリカと新ポリマーを配合したコンパウンドを採用しています。
技術的な柱は2つあります。センター部に配置された太い2本の主溝を軸とする「アドバンスド パターン デザイン」がウェット性能と雪上でのブレーキング力を高め、「アドバンスドサイプデザイン」がブロックのヨレを防いで接地面を広げます。
間近で見ると、ブロックが大きめに区切られており、方向性の強いV字パターンを持つ他社製品と比べてオフロードタイヤに近い表情です。この見た目を理由に選ぶユーザーもいます。ユーザーから一般的に聞かれるのは、夏タイヤからの履き替えで乗り心地が滑らかになったという声と、乾燥路でのハンドリングが夏タイヤに近いという評価です。
14インチから18インチまで揃い、軽自動車からコンパクトカー、セダン、ミニバンまで幅広くカバーします。発売から年数が経っているモデルのため、流通するサイズには偏りがあり、冬季シーズン以外は在庫が薄くなる傾向があります。サイズが見つかるなら選択肢として成立しますが、最新世代の静粛性や転がり抵抗を求める場合は他の候補と比較したほうが納得しやすくなります。なおファルケンにはSUV向けの「EUROWINTER SUV HS01」も設定されています。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 14インチ | 165/55R14、155/65R14、175/65R14、165/70R14、175/70R14 |
| 15インチ | 185/60R15、175/65R15、185/65R15、195/65R15 |
| 16インチ | 205/55R16、195/60R16、205/60R16、215/60R16、215/65R16 |
| 17インチ | 225/45R17、215/50R17、225/50R17、225/55R17、215/60R17 |
| 18インチ | 225/45R18、235/50R18 |
オールシーズンタイヤ MICHELIN「クロスクライメートシリーズ」は4つの技術によって夏も冬も走れる性能を向上
ミシュラン(MICHELIN)の「CROSSCLIMATE SERIES」(クロスクライメートシリーズ)は、「雪も走れる夏タイヤ」という考え方で開発されたオールシーズンタイヤです。2015年に欧州で誕生し、国内では2019年にクロスクライメート プラス、2021年にクロスクライメート2とクロスクライメート2 SUVへと進化してきました。
幅広い温度域に対応するコンパウンドが低温から高温まで接地性を確保し、面取り加工を施したトレッドブロックがドライ路面でのブレーキ性能を高めます。3次元構造の高性能サイプは、ドライ、ウェット、スノーそれぞれのグリップ力に貢献します。M+Sマークとスリーピークマウンテン・スノーフレークマークの両方を取得しており、高速道路の冬用タイヤ規制にも対応します。
目の前にすると、V字型のトレッドパターンが鋭角に切られており、スタッドレスタイヤよりもサマータイヤに近い剛性感のあるブロック形状であることが分かります。このシリーズが長く支持されてきた理由は、摩耗が進んでも性能が落ちにくい点にあります。摩耗によって新しい溝が現れる設計により、寿命の終盤まで安全性能が続きます。
現行の最新世代は、2025年10月に発売された「CROSSCLIMATE 3」(クロスクライメート スリー)です。16インチから20インチの全35サイズで、タイヤラベリング制度でシリーズ初の転がり抵抗性能「AA」を10サイズ、「A」を25サイズで獲得しました。オールシーズンタイヤで燃費性能を気にする場合、この等級は判断材料になります。接地面を安定させる「マックスタッチ コンストラクション」で耐摩耗性を高め、「ピアノアコースティックテクノロジー」で走行中の不快な周波数を抑えています。同時に、高速安定性とハンドリング性能を高めた「CROSSCLIMATE 3 SPORT」(クロスクライメート スリー スポーツ)も18インチから21インチの27サイズで登場しました。年間走行距離が長く、雪道も夏場の高速巡航もストレスなく走りたい使い方に噛み合うシリーズです。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 14インチ | 175/65R14、165/70R14、175/70R14 |
| 15インチ | 185/55R15、185/60R15、175/65R15、185/65R15、195/65R15 |
| 16インチ | 195/65R16、195/55R16、205/55R16、215/55R16、225/55R16、195/60R16 205/60R16、215/60R16、215/65R16 |
| 17インチ | 215/45R17、225/45R17、215/55R17、215/60R17、225/65R17 |
オールシーズンタイヤ NANKANG「AW-6」はコストパフォーマンスの優れたタイヤ
アジアンタイヤを代表するメーカーのひとつ、ナンカン(NANKANG)の「AW-6」は、セダンやSUVへの装着に適した静粛性とコストパフォーマンスが持ち味のオールシーズンタイヤです。スノーフレークマークの認定を受けているため、冬用タイヤ規制時の走行にも対応します。
ロードノイズの低減には5パターンのピッチをランダムに配置する手法を採用し、走行中に発生するノイズを分散させています。センターグルーブ(主溝)には特殊構造を用い、ウェット路面での排水性能を高めてハイドロプレーニング現象を抑えます。さらにトレッド幅の接地面積を増やし、3D立体設計サイプによって滑りやすい路面での操縦安定性を確保しています。
13インチから18インチまでと設定が広く、軽自動車からSUVまでカバーします。長期使用で指摘されやすいのは、プレミアムブランドと比べたときの摩耗の進み方と、走行距離が伸びたあとのノイズ変化です。年間走行距離が短く、次の車検までの数年で履き替える前提であれば、価格差が効いてくる選択肢になります。逆に、年間1万km以上を走る使い方では、寿命まで含めた総額で国産やプレミアムブランドと比較したほうが納得しやすくなります。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 13インチ | 175/70R13、155/70R13 |
| 14インチ | 185/65R14、185/60R14、175/65R14、165/70R14、165/65R14 |
| 15インチ | 205/65R15、205/60R15、195/65R15、195/60R15、195/55R15、195/50R15 185/65R15、185/60R15、185/55R15、175/65R15 |
| 16インチ | 225/55R16、215/65R16、215/60R16、215/55R16、205/60R16、205/55R16 195/55R16 |
| 17インチ | 235/65R17、235/55R17、235/45R17、225/60R17、225/55R17、225/50R17 225/45ZR17、215/60R17、215/50R17、215/45R17、205/50R17、205/45R17 |
| 18インチ | 255/55R18、245/45ZR18、235/60R18、225/40ZR18、225/40R18 |
オールシーズンタイヤ NEXEN「エヌブルー 4シーズン」はV-Typeグループ等の技術力が認められASTMからスノーフレークマークの刻印を許されるタイヤ
韓国の大手タイヤメーカーであるネクセン(NEXEN)の「N blue 4season」(エヌブルー 4シーズン)は、ヨーロピアンスタイルの設計思想を持つオールシーズンタイヤです。ドライ、ウェット、スノーの各路面に対応します。
「V-Typeグルーブ」「3Dサイプ」「マルチシーズンサイプ」という3つの技術を組み合わせている点が特徴です。ブロック剛性のバランスを調整する3Dサイプがスノートラクション(雪上での駆動性)とドライ路面でのグリップ力を強化し、センター部とショルダー部を組み合わせたマルチシーズンサイプが全天候での安定性を支えます。M+Sマークに加え、アメリカのASTM規格に基づくスノーフレークマークの認定も受けているため、冬用タイヤ規制時の走行に対応します。
ネクセンは欧州の自動車メーカーへ新車装着タイヤを供給してきた実績があり、価格帯に対して基本性能のバランスが整っている点が支持されています。14インチから17インチまでの設定で、コンパクトカーからミニバンまでが対象です。試乗レポートでも、圧雪路での発進と制動に不安が少ないという評価が出ています。ただし凍結路面での限界はほかのオールシーズンタイヤと変わらず、アイスバーンを前提にした地域では選択肢になりません。
| リム径 | タイヤサイズ |
|---|---|
| 13インチ | 155/70R13 |
| 14インチ | 185/65R14、175/65R14、165/70R14、165/65R14、155/65R14、175/70R14 |
| 15インチ | 185/55R15、185/60R15、195/65R15、185/65R15、175/65R15 |
| 16インチ | 205/55R16、195/55R16、215/60R16、205/60R16、215/65R16 |
| 17インチ | 225/45R17、215/60R17 |
商用バン・軽バン向けのオールシーズンタイヤという選択肢
乗用車用ばかりが注目されますが、仕事で使うバンや軽バンにもオールシーズンタイヤが設定されています。配送や現場移動では、降雪のたびに履き替えを待つ余裕がなく、履き替え不要であること自体が稼働率に直結します。
ダンロップの「ALL SEASON MAXX VA1」(オールシーズン マックス ブイエーワン)は、ライトバンやロングバン、小型トラック向けに設計されたモデルです。荷物を積んだ状態でも踏ん張る剛性を確保し、ふらつきを抑えます。トーヨータイヤは「CELSIUS CARGO」(セルシアス カーゴ)をビジネスバン向けに用意しており、グッドイヤーもバン・ライトトラック用のオールシーズンタイヤを設定しています。
商用車用タイヤを選ぶときに見落とされがちなのが、LT規格やバン用規格の指定空気圧です。乗用車用と同じサイズ表記でも、荷重指数と指定空気圧が異なります。純正で装着されているタイヤの規格と、車両側の指定空気圧ステッカーを両方確認したうえで選ぶと、装着後に空気圧の判断で迷いません。積載時と空荷で指定値が分かれている車種もあるため、日常的にどちらの状態で走るかを踏まえて管理する必要があります。
オールシーズンタイヤのメリットとデメリット
オールシーズンタイヤは、日本国内ではまだ普及の途上にありますが、購入を検討する人は着実に増えています。メリットがある一方で、他のタイヤにはないデメリットもあるため、事前に両方を把握しておくと選択を誤りません。
オールシーズンタイヤのメリット
- 突然の降雪に対応できる
- タイヤ交換の必要がない
- タイヤの保管場所が不要
- 夏タイヤと冬タイヤを購入するよりも経済的
- 余分にホイールを購入する必要はない
- スノーフレークマーク付きなら冬用タイヤ規制時も走行できる
オールシーズンタイヤのデメリット
- 過酷な積雪路面や凍結路面に対応していない
- チェーンが必要となる場合がある
- 夏タイヤほど低燃費性能や静粛性能が高くない
- 商品のラインアップが夏タイヤより少ない
- 4本同時に寿命を迎えるため交換時の負担がまとまる
オールシーズンタイヤのメリット
最大のメリットは、一年中装着したままで済む点です。季節ごとの履き替え作業が不要になり、交換工賃、タイヤ保管場所の確保、スタッドレスタイヤ用ホイールの購入費用がまとめて不要になります。年2回の履き替えを店舗に依頼している場合、その予約と待ち時間も消えます。降雪シーズン前の店舗は予約が埋まりやすく、「雪が降る前に間に合わない」という事態を避けられる点は、都市部ほど効いてきます。
保管場所の問題も見逃せません。集合住宅ではタイヤ4本を置く場所の確保自体が難しく、預かりサービスを使えば年間の保管料が継続的に発生します。オールシーズンタイヤに一本化すると、この費用と手間の両方がなくなります。
オールシーズンタイヤのデメリット
最大のデメリットは、凍結路面(アイスバーン)での制動力がスタッドレスタイヤに及ばない点です。降雪時の山道や坂道は新雪ばかりではなく、圧雪が磨かれてアイスバーン化している区間が必ず混ざります。登坂はこなせても、下りで制動が効かずに滑走する状況は起こり得ます。寒冷地や降雪量の多い地域に住んでいる場合、あるいは冬に頻繁にそうした地域へ出向く場合は、スタッドレスタイヤへの交換かタイヤチェーンの装着が前提になります。
もうひとつ、購入前には意識されにくい点があります。夏タイヤとスタッドレスタイヤを使い分けていると摩耗が2セットに分散しますが、オールシーズンタイヤは1セットに集中するため、4本が同時に寿命を迎えます。交換費用がまとまって発生するため、年間の維持費で均すと想定ほど安くならない場合があります。年間走行距離が多い使い方では、この点を織り込んで比較したほうが実態に近づきます。
スタッドレスタイヤとの雪上・氷上性能の差はどれくらいか
カタログの表現だけでは差の大きさがつかめないため、公的なテスト結果を見ておくと判断が具体的になります。JAFが実施した制動距離の比較テストでは、時速40kmからの急ブレーキで、圧雪路の停止距離がスタッドレスタイヤ17.3m、オールシーズンタイヤ22.7m、ノーマルタイヤ29.9mという結果が出ています。圧雪路では、オールシーズンタイヤはノーマルタイヤより明確に短い距離で止まれます。
差が大きく開くのは氷盤路です。同じテストでの停止距離は、スタッドレスタイヤ78.5m、オールシーズンタイヤ101.1m、ノーマルタイヤ105.4mでした。氷上ではオールシーズンタイヤの数値がノーマルタイヤに近づき、スタッドレスタイヤとは20m以上の差がつきます。20mは普通車およそ4台分の長さで、交差点1つ分の差になります。
登坂テストでも傾向は同じです。圧雪路の勾配12%の坂道で途中から発進する条件では、スタッドレスタイヤやチェーンを装着した車両が登坂できたのに対し、オールシーズンタイヤは空転して登れないケースが確認されています。この数字が示すのは、オールシーズンタイヤが「雪が降り始めたときに慌てずに帰宅できる」ための備えであり、雪道を日常的に走るための装備ではないということです。なおJAFのテストはすべて新品タイヤで実施されており、摩耗が進んだ状態ではさらに差が開きます。
冬用タイヤ規制とチェーン規制はどう違うのか
混同されやすい2つの規制は、性質がまったく異なります。
冬用タイヤ規制は、スタッドレスタイヤやスノーフレークマーク付きのオールシーズンタイヤであれば、チェーンなしで通行できる規制です。夏タイヤのままでは通行できません。
一方のチェーン規制は、2018年12月14日に施行された制度で、全国の高速道路と直轄国道の一部区間が指定されています。大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が出るような集中的な降雪時に、全面通行止めの代わりとして発動され、タイヤチェーンを装着した車両だけが通行できます。スタッドレスタイヤを履いていてもチェーンがなければ通行できないため、オールシーズンタイヤも当然に対象です。規制区間の手前では検査員によるチェーン装着確認が行われます。
これとは別に、各都道府県の公安委員会が定める滑り止め措置の義務もあります。道路が積雪または凍結しているときに冬用タイヤやチェーンを装着せずに走行した場合、反則金の対象になります。金額は普通車6,000円、大型車7,000円です。冬に雪の予報が出ている地域へ出向く予定があるなら、車載工具と一緒に緊急用チェーンを積んでおくことが、オールシーズンタイヤを選んだ場合の実質的な必須装備になります。
オールシーズンタイヤはうるさい?
静粛性の高いコンフォートタイヤと比較すると、トレッドパターンの構造上ロードノイズが出やすく、「うるさい」と感じる場面はあります。雪を掻くための溝とサイプが多いほど、走行音は増えやすくなります。
ただし近年の製品は騒音対策が進みました。ピッチ配列の最適化や吸音材の導入により、静粛性は世代を追うごとに向上しています。グッドイヤーのベクター フォーシーズンズ GEN-3は前世代比でパターンノイズを36%、ロードノイズを31%低減し、ミシュランのクロスクライメート3は不快な周波数を抑える技術を採用しました。ダンロップのシンクロウェザーも、低燃費タイヤと同等以上の静粛性を目標に開発されています。
新車装着のコンフォートタイヤから履き替えると、速度域によっては音質の違いを感じます。特に舗装の粗い路面で「シャー」という高めの音が出やすくなる傾向があります。日常走行で許容できるかどうかは、普段の走行速度と路面によって変わるため、静粛性を最優先するなら最新世代のモデルから選ぶと納得しやすくなります。
オールシーズンタイヤの寿命
オールシーズンタイヤの寿命は、春夏秋冬の4シーズンを通して使うため、サマータイヤとスタッドレスタイヤを分けて使う場合より溝の摩耗が早く進みます。
ここで重要なのは、寿命の判断基準が2つあるという点です。スタッドレスタイヤは、法律上の使用限界である溝の深さ1.6mmまで減らなくても、溝が半分程度減った段階のプラットホーム(残溝規制線)の突起とブロックの高さが同じになった時点で雪上性能の寿命を迎えます。
オールシーズンタイヤも同じです。低温でも柔軟性を保つゴムコンパウンドとトレッドパターンの排雪効果が雪上性能を支えているため、プラットホームが露出した段階で冬用タイヤとしての寿命になります。冬に雪道を走る可能性があるなら、残溝を基準に判断する必要があります。
交換時期の目安と摩耗が進んだあとの使い方
交換のタイミングは、次の5点で判断します。
- 総走行距離がおおむね30,000kmに達した
- 使用年数が3年から5年経過した
- サイドウォールやトレッド面にひび割れがある
- 膨らみ(ピンチカット)や変形がある
- 残溝がプラットホームまたはスリップサインに達した
スリップサインは溝の深さが1.6mm以下になったことを示す突起で、この状態は整備不良にあたります。プラットホームはそれより手前、溝が半分程度に減った位置にあり、冬性能の限界を示します。溝の底を指でなぞると、この2種類の突起の高さの違いが確認できます。
ここで押さえておきたいのが、摩耗後の運用です。プラットホームが露出したタイヤは冬用タイヤとしては使えませんが、スリップサインに達するまではサマータイヤとして使い続けられます。ダンロップはシンクロウェザーについて、冬用タイヤとして使える期間の目安を4年とし、その後も80%摩耗まで夏タイヤとして使用できるとしています。つまり、冬を迎えるたびに残溝を確認し、プラットホームが出たら「これから先は夏タイヤ」と割り切る運用が現実的です。この判断を先送りして冬に突入するのが、オールシーズンタイヤで最も起きやすい失敗です。
タイヤは溝が残っていてもゴムが硬化します。走行距離が伸びていなくても、製造から年数が経つとひび割れや性能低下が進むため、年数と残溝の両方で判断してください。製造年週はサイドウォールの4桁の数字で確認できます。
オールシーズンタイヤが向く人と後悔しやすい人
ここまでの内容を、購入判断の形に整理します。
噛み合うのは、年に数回程度しか降雪がない平野部や太平洋側で、路面凍結がほとんどない地域に住んでいる場合です。集合住宅でタイヤの保管場所がない、年2回の履き替え予約が負担になっている、突然の降雪でも通勤や送迎を止めたくない、といった条件が重なるほど効果が大きくなります。大径ホイールを履くSUVで、スタッドレスタイヤ4本の購入と保管が重荷になっている場合も同様です。
後悔しやすいのは、次のような期待で選んだ場合です。スタッドレスタイヤと同等の氷上性能を想定していた、豪雪地帯やスキー場への往復に使うつもりだった、夏タイヤと同じ静粛性と燃費を期待していた、という3つが代表的です。とくに冬にスキーやスノーボードで山間部へ向かう頻度が高い使い方では、オールシーズンタイヤ1本での運用は無理が出ます。
判断に迷ったときは、通勤路と日常の行動範囲に「凍結する場所」があるかどうかを先に確認してください。橋の上、トンネルの出口、日陰の下り坂、立体駐車場のスロープといった凍りやすいポイントが日常のルートに含まれているなら、オールシーズンタイヤではなくスタッドレスタイヤを基準に検討したほうが安全です。逆に、そうした地点がなく、雪が積もるのは年に1日か2日という環境であれば、履き替えの手間と保管の負担から解放される効果のほうが大きくなります。