Aクラス(W177)は2028年まで生産継続へ 日本ではセダンがファイナルエディションで終幕
2018年10月18日に日本発売された4代目Aクラス(W177/セダンはV177)は、当時のフラッグシップSクラスにも搭載されていなかったAI対話型コネクティビティシステム「MBUX」を先行採用したことで話題を集めました。歴代初のセダンが追加され、ボディもひと回り大きくなったモデルです。
それから8年。Aクラスは当初2025年末での生産終了が予告されていましたが、コンパクトモデルの根強い需要を受けて2028年まで生産が延長される方針へ転換しました。一方で日本市場ではセダンが「ファイナルエディション」を最後に幕を引き、エントリーの主役は新世代の新型CLAへ移ろうとしています。
ここでは最新の動きから順に整理したうえで、W177型Aクラスのエクステリア・インテリア・パワートレイン・価格・モデルチェンジ遍歴を振り返ります。
新型CLAが2026年7月9日に日本発売 598万円から Aクラスに代わる新世代エントリー
メルセデス・ベンツ日本は2026年7月9日、新型「CLA」と「CLA シューティングブレーク」を発売しました。価格はCLA 180が598万円、CLA 220が687万円、CLA 180 シューティングブレークが621万円、CLA 220 シューティングブレークが710万円です。これに先立ち、2026年6月30日にはオンラインショールームでの特別先行予約が始まっていました。
新型CLAが重要なのは、単なる4ドアクーペの世代交代ではないからです。新型CLAは、EVと高効率ハイブリッドの双方に対応する新プラットフォーム「MMA(Mercedes-Benz Modular Architecture)」を採用し、自社開発OS「MB.OS」と第4世代MBUXを搭載した、メルセデスの新世代を代表するモデルです。ナビゲーションにはGoogleの地図・交通情報を統合し、複数の生成AIを束ねたMBUXバーチャルアシスタントを備えます。EVモデルはWLTCモードで792kmという、メルセデスが日本で販売するEVで最長の航続距離を実現しました。
MBUXという「クルマと会話できる体験」でコンパクトメルセデスの価値を塗り替えたのがW177型Aクラスだったことを思えば、その役割はCLAへ受け継がれた、と表現するのが正確でしょう。今後はCLAファミリーがメルセデスのボトムラインを担うと位置づけられています。
Aクラスの生産は2028年まで延長 廃止方針を撤回しハンガリー移管の見通し
メルセデス・ベンツのオラ・ケレニウスCEOは、AクラスとBクラスの生産を2025年末で終了すると繰り返し表明していました。しかし2025年、この方針は撤回されます。コンパクトセグメントの需要が想定以上に強く、A/Bクラスは収益性こそ高くないものの販売台数と工場稼働率、そして新規顧客の入口として無視できない存在だったためです。2024年だけでもメルセデスはこの領域で世界に53万台以上を販売しています。
現行W177型はMFAプラットフォームのまま改良を重ねつつ、少なくとも2028年まで生産が継続される見通しです。実現すれば2018年の登場から10年というロングランになります。生産拠点にも動きがあり、これまでAクラスを造ってきたドイツ・ラシュタット工場は新型CLAおよびCLAシューティングブレークの生産へ切り替わるため、Aクラスはハンガリーのケチケメート工場へ移管されるとみられています。一方、Bクラスは当初の計画どおり2025年末での生産終了が伝えられました。
気になる後継ですが、Aクラスの直接の後継モデルは、現時点で公式に発表されていません。メルセデスは「長期的にはエントリーモデルを用意する」としており、既存SUVのより手頃なバリエーションになるという見方が業界にはあります。CLA、GLA、GLBがMMAベースで刷新され、小型Gクラスの開発も進む——という布陣を見る限り、「ハッチバックのAクラス」という形での後継は望み薄というのが率直な見立てです。
日本仕様は2025年6月に新グレード「アーバンスターズ」を設定 セダンは「ファイナルエディション」で終了へ
日本市場のAクラスも大きく整理されました。2025年6月27日、メルセデス・ベンツ日本はAクラス、CLA、CLAシューティングブレーク、GLAに新グレード「アーバンスターズ」を設定します。
そして同時に、Aクラス セダンには「ファイナルエディション」が用意されました。車名が示すとおり、これが日本におけるAクラス セダンの最終仕様という位置づけです。2019年7月に「歴代初のセダン」として鳴り物入りで登場したV177型は、日本市場では約6年で役目を終えることになります。セダン需要がCLAへ集約されることを考えれば、必然の整理と言えるでしょう。
| グレード | 価格 |
|---|---|
| A 180 アーバンスターズ | 5,150,000円 |
| A 180 セダン ファイナルエディション | 5,250,000円 |
| A 200 d アーバンスターズ | 5,880,000円 |
| A 200 d セダン ファイナルエディション | 5,980,000円 |
その後2025年12月にも価格が改定され、A 180 アーバンスターズが519万円、A 200 d アーバンスターズが592万円となっています。2018年の発売時にA180が322万円だったことを思うと、7年で200万円近い上昇です。「メルセデスの入門モデル」という表現が、いまや現実に追いつかなくなっているのが正直なところでしょう。596万円のCLA 180との差も、かつてほど大きくはありません。
メルセデス・ベンツが新開発クリーンディーゼルエンジン搭載の「A200dセダン」を発表
2020年2月27日、メルセデス・ベンツは「A200dセダン」を発表し、予約注文の受付を開始しました。納車時期は2020年4月頃、価格は4,200,000円です。
A200dセダンには、新開発の排気ガス浄化システムを採用するクリーンディーゼルエンジン「OM654q」を搭載し、8速デュアルクラッチトランスミッション「8G-DCT」を組み合わせます。最高出力は150PS(110kW)、最大トルクは320N・mです。このディーゼルは現在も日本仕様の主力として残り、最終仕様であるA 200 d セダン ファイナルエディションにも受け継がれました。
新車購入時には、3年間の保証修理やメンテナンスなどのサービスが受けられる「メルセデス・ケア」が付帯。その後は有償の保証プログラムも用意され、期間中はシェアカーサービスも3回まで無料で利用できました。
EV版Aクラス「EQA」は市販化を果たし、次期GLAへ統合される見通し
かつて、Aクラスをベースとした電動モデル「EQA」の開発車両がスカンジナビアで捉えられ、コンセプトEQAよりもリフトアップされていることから5ドアクロスオーバーSUVとして登場するのではないか——と伝えられていました。この見立ては当たりました。
EQAは2021年に市販モデルが発表され、GLAに近いクロスオーバーSUVのスタイルで登場。日本にも導入されています。ハッチバックのAクラスをそのままEV化したモデルではなかった点も、当時の観測どおりでした。
そして現在、そのEQAにも次の動きがあります。メルセデスはコンパクトモデルの再編を進めており、GLAは内燃機関モデルとEV(EQA)を統合したうえで、2026年末にフルモデルチェンジを迎える見通しです。EQBについても新世代GLBへ統合される流れで、「EQ」という別ブランド的な車名を廃し、既存の車名に電動仕様を内包する方向へ舵が切られました。EQAという名前は、その役割を終えつつあります。
「メルセデスAMG A35 4マチック」と特別仕様車「A35 4マチック エディション1」が同時発表
2019年8月27日、メルセデス・ベンツはメルセデスAMG A35 4マチックを追加設定しました。発表記念の特別仕様車「A35 4マチック エディション1」も同時に受注を開始しています。どちらも高性能ホットハッチらしいスポーティなエクステリアが目を引きます。
メルセデスAMGのトップモデル専用「AMGパフォーマンスシート」を標準装備。安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」や対話型インフォテインメントシステム「MBUX」など先進装備も充実しています。
心臓部の2.0L直列4気筒ターボ「M260」とAMGスピードシフトDCT 7Gの組み合わせは、最高出力306ps、最大トルク400N・mを発揮。可変バルブリフトシステム「カムトロニック」とターボチャージャーにより、加速性能を大きく引き上げています。
特別仕様車には、マグマグレー/ブラックのツートーンレザーDINAMICAのAMGパフォーマンスシートを装着。アルミニウムシルバー/ブラックのインテリアトリムがプレミアムな空間を演出します。
価格はMercedes-AMG A 35 4MATICが628万円、Edition 1が743万円で、納車時期は2019年10月以降とされました。AMG A35は2023年4月にマイナーチェンジ版が日本発売されています。
メルセデス・ベンツAクラスにPHEVモデル「A250e」が登場
2019年8月19日、欧州でAクラスのプラグインハイブリッド「A250e」が発表されました。新世代PHEVシリーズ「EQ Power」の一員としてラインアップされたモデルです。日本にも2021年5月にA250eおよびA250eセダンが導入されました。
A250eは直噴1.3L直列4気筒ガソリンターボに新開発の「8F-DCT」を組み合わせます。エンジン単体で最大出力160hp/5,500rpm、最大トルク25.5kgm/1,620rpm。モーターは最大出力102hp、最大トルク30.6kgmを発生し、システム全体では最大出力218hp、最大トルク45.9kgmとなります。0-100km/h加速6.6秒、最高速235km/hです。
急速充電を使えば25分で80%まで充電が可能(出力7.4kWの普通充電では1時間45分程度)。メルセデス・ベンツとして初めて電気モーターによるエンジン始動を採用したため、12Vスターターは備わりません。
蓄電容量15.6kWhのリチウムイオンバッテリーにより、EVモードで最大76kmのゼロエミッション走行を実現。電動冷媒圧縮機を積み、スマートフォンから冷暖房を起動できます。なお2023年の改良ではEVモードの航続が81kmへ延伸されました。
充電サービス「Mercedes me Charge」に対応し、充電場所の検索や決済もスムーズに行えます。
AMG「A45 S 4MATIC+」は2019年10月に日本導入された
2019年7月31日、メルセデスAMGは欧州で新型「AMG A45 4MATIC+」の発売を正式にアナウンスしました。当時は日本導入の有無が焦点で、「トップモデルのSのみが2019年末頃に加わる可能性が高い」と見られていました。
結果として、この見立てはほぼ的中しています。日本には2019年10月に「Mercedes-AMG A45 S 4MATIC+」が導入され、同時にセダンの「Mercedes-AMG A35 4MATIC セダン」も追加されました。標準の387hp版は導入されず、421psのSモデルのみという構成も予想どおりです。その後、A45 S 4MATIC+は2022年にAMG創業55周年記念の限定車「Edition 55」(55台)、2023年11月に限定100台の「Street Style Edition」を設定するなど、W177型のトップエンドとして君臨し続けました。
メルセデスAMGが新型Aクラスの「A45 4MATIC+」を発表 最大421馬力を誇る
2019年7月4日〜7日にイギリスで開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、メルセデスAMGは「Mercedes-AMG A45 4MATIC+」を発表しました。Aクラスで最も高性能なグレードにあたります。
フロントグリルには、メルセデス・ベンツ300SLレーシングカーを踏襲したAMGパナメリカーナグリルを採用。AMGサイドスカートとフロントリップスポイラーも備えます。
内装は人工皮革「ARTICO」とマイクロファイバー「DINAMICA」を組み合わせたスポーツシートです。
電子制御の「AMGダイナミックセレクト」では、スリッパリー、コンフォート、スポーツ、スポーツ+、インディビジュアル、レースの6モードから走り味を選択可能。低燃費運転から本格的なスポーツ走行まで幅広く対応します。
新開発の直噴2.0L直列4気筒ターボ「M139型」(排気量1,991cc)は、最大出力387hp/6,500rpm、最大トルク48.9kgm/4,750〜5,000rpm。ブースト圧を高めたSバージョンでは最大出力421hp/6,750rpm、最大トルク51kgm/5,000〜5,250rpmに達し、0-100km/h加速3.9秒、最高速270km/hを記録します。
Aクラスに歴代初のセダンが追加 価格344万円からで特別仕様車も登場
Aクラスといえば、メルセデス・ベンツ最小のエントリーモデルであり、日本の道でも扱いやすいサイズが支持された5ドアハッチバックです。
その常識を変えたのが、2019年7月22日にメルセデス・ベンツ日本が発表した歴代初のセダンでした。
「Aクラス セダン」はAクラスやBクラスと同じ前輪駆動プラットフォームを用い、メルセデス初の「プレミアムコンパクトセダン」として登場します。前述のとおり、この日本仕様セダンは2025年の「ファイナルエディション」をもって役目を終えることになりました。
Aクラスセダンはハッチバックより130mmほど長いボディでエレガントなエクステリアが特徴
Aクラスセダンは、5ドアハッチバックとホイールベースが同寸ながら、全長を130mmほど延長しています。
それでも全長4,549mm×全幅1,796mm×全高1,446mmと十分にコンパクトで、日本でも扱いやすいサイズです。
ハッチバックがスポーティなのに対し、セダンはフォーマルな印象。メルセデスのデザイン哲学「Sensual Purity(官能的な純粋さ)」により、シンプルで美しいエクステリアを実現しています。
そのスタイルは美しいだけでなく、走行性能にも寄与します。空気抵抗係数Cd値0.22は量産車トップクラスの数値で、燃費と走行安定性の両面で効いてきます。
Aクラスセダンのパワートレインは2種類
登場時のAクラスセダンは「A180 Sedan」「A180 Style Sedan」「A 250 4MATIC Sedan」の3グレード構成でした。
| グレード | A180 Sedan | A180 Style Sedan | A 250 4MATIC Sedan |
|---|---|---|---|
| 駆動方式 | FF(2WD) | FF(2WD) | 4WD |
| 全長 | 4,549mm | ||
| 全幅 | 1,796mm | ||
| 全高 | 1,446mm | 1,451mm | |
| ホイールベース | 2,729mm | ||
| 乗車定員 | 5名 | ||
| エンジン型式 | M282型 | M260型 | |
| 排気量 | 1,332cc | 1,991cc | |
| エンジン種類 | 直列4気筒1.4リッター直噴ターボ | 直列4気筒2.0リッター直噴ターボ | |
| 最高出力 | 100kW(136ps)/5,500rpm | 165kW(224ps)/5,500rpm | |
| 最大トルク | 200Nm(20.4kgm)/1,460~4,000rpm | 350Nm(35.7kgm)/1,800 ~4,000rpm |
|
| トランスミッション | 電子制御7速AT | ||
| 価格 | 3,440,000円 | 3,860,000円 | 4,760,000円 |
「A180 Sedan」「A180 Style Sedan」の1.4L直列4気筒直噴ターボは、最高出力136PS、最大トルク200N・mを発生。
「A 250 4MATIC Sedan」は2.0L直列4気筒直噴ターボで最高出力224PS、最大トルク350N・mを発揮し、可変トルク配分型4WDにより高い走行安定性を確保しました。
登場時点ではディーゼルが用意されず「今後の導入に期待」とされていましたが、2020年2月に「A200dセダン」が追加され、この予想は的中しています。さらに2021年5月にはPHEVの「A250eセダン」も加わり、セダンのパワートレインは最終的に大きく広がりました。
AクラスセダンにもMBUXを搭載
セダンにも、ハッチバックと同じAI対話型インフォテインメントシステム「MBUX」を搭載。「Hi, メルセデス」と呼びかけると起動し、目的地までのナビゲーション、エアコンや照明のコントロールなど多彩な機能を音声で操作できます。
後席は40:20:40の分割可倒式で、大人4名が快適に乗車可能。トランク容量は420Lです。参考までに、ハッチバックのラゲッジスペースは370〜1,210L。トランクの拡大でセダンならではの弱点を補っていると言えます。
特別仕様車「A 250 4MATIC セダン Edition 1」は価格582万円
250台限定で発売されたAクラスセダンの特別仕様車「A 250 4MATIC セダン Edition 1」は、セダンの注目機能を凝縮したモデルでした。
ボディカラーはポーラーホワイト、ブラックダイヤモンド入りグリルと19インチAMGスポークアルミホイールを標準装備。
パワートレインは上位グレード「A 250 4MATIC Sedan」と共通の2.0L直列4気筒直噴ターボです。
通常モデルではオプション扱いとなる「レーダーセーフティパッケージ」や「ナビゲーションパッケージ」も標準装備。価格は5,820,000円でした。
Aクラスに最新ディーゼル搭載モデルA200dを追加 販売価格は3,990,000円から
2020年から欧州で実施されるディーゼル規制に対応した最新クリーンディーゼル「OM654q」搭載モデルが、2019年3月25日にハッチバックへ追加されました。
最高出力150PS・最大トルク320N・mを発揮するOM654qは、すでにCクラスやEクラスにも搭載されていたエンジンですが、SCR触媒を増設して欧州の厳しい規制をクリアする環境性能を備えます。
A200dの納車は2019年6月から開始され、販売価格は3,990,000円でした。このディーゼルこそが、その後の日本仕様Aクラスの屋台骨となります。現在も日本ではA 200 dが上位に位置づけられ、最終仕様のファイナルエディションにも設定されました。
メルセデス・ベンツAクラス「Hi, メルセデス」はエクステリアもインテリアもすごい
メルセデスのデザイン思考「Sensual Purity(官能的純粋性)」の一歩先をいく「新しい時代に、新しい相棒。」をコンセプトに掲げたW177型Aクラス。
ボンネットは低く、LEDヘッドライトはフラットでクロームがあしらわれます。スリーポインテッドスターを据えたフロントグリルにはシルバーのルーバーを配し、スポーティさを主張します。
ホイールベースの延長とキャラクターラインの効果で全長が長く見える演出も施され、リヤエンドは安定感のある低重心を印象づけます。
なにより目を引くのがインテリアです。インストルメントクラスター上部のカウルをなくし、流れるようなデザインを実現。ワイドスクリーンディスプレイは音声と指先で操作でき、操作履歴だけでなくドライバーの好みまで学習して運転をサポートします。
W177型Aクラスにはセダンタイプも登場 日本では当初ハッチバックのみ導入された
W177型Aクラスは、セダンとハッチバックの2種類のボディタイプを展開しました。日本には当初ハッチバックのみが導入され、「セダンは中国市場向け」と見られていましたが、実際には2019年7月に日本にもセダンが正式導入されています。
ハッチバックのボディサイズは3代目よりひと回り大きくなり、全長4,419mm・全幅1,796mm・全高1,423mm、ホイールベース2,729mmです。
| 4代目(W177) | 3代目(A180) | |
|---|---|---|
| 全長 | 4,419mm | 4,300mm |
| 全幅 | 1,796mm | 1,780mm |
| 全高 | 1,423mm | 1,435mm |
| ホイールベース | 2,729mm | 2,700mm |
ホイールは標準モデルで16〜17インチ、上級モデルでは18〜19インチの大径ホイールを装備。サスペンションは標準モデルがストラット、A250などの上級モデルはマルチリンクを採用します。
日本導入記念の特別仕様車「A180エディション1」を限定500台で設定
日本導入を記念し、イエローグリーンのアクセントを取り入れた特別仕様車「A180エディション1」が限定500台で設定されました。ボディカラー別の限定数は「ポーラーホワイト」150台、「マウンテングレー」250台、専用色「designoマウンテングレーマグノ」100台です。
イエローグリーンは内外装の各所に配置され、エクステリアでは19インチアルミホイール、フロントスポイラー、リヤスカート、サイドスカートに、インテリアではドアパネル、アームレスト、シートに用いられます。内装色「レザーダイナミックブラック」とのコントラストとAMGスタイリングが、格別の特別感を生みます。
「A180エディション1」の特別装備
- グリーンアクセントのAMGスタイリングパッケージ
・フロントスポイラー
・サイドスカート
・リアスカート - ナイトパッケージ
・ブラックダイヤモンドグリル
・ブラックドアミラー
・ハイグロスブラックウインドウライントリム
・ブラックエグゾーストエンド - グリーンアクセントのブラックペイント19インチAMGマルチスポークホイール
- 特別仕様車エンブレム
- グリーンステッチのレザーARTICOシート
- グリーンステッチのドアパネル
- グリーンステッチのセンターアームレスト
- ロゴ入りグリーンアクセント入り専用ダッシュボード
- ロゴ入りアルミニウムインテリアトリム
- ロゴ入りグリーンアクセント付き専用フロアマット
- ラバースタッド付きステンレスアクセル&ブレーキペダル
- ナッパレザーの本革巻スポーツステアリング
- レーダーセーフティパッケージ
- トラフィックサインアシスト
- マルチビームLEDヘッドライト
- アダプティブハイビームアシスト・プラス
- 360°カメラシステム
- ヘッドアップディスプレイ
- 64色アンビエントライト
- アドバンスドサウンドシステム
- ナビゲーション&ナビゲーションサービス
- USBオンデマンド地図更新(新車購入から3年間)
販売価格は4,790,000円。ベースグレードA180が3,220,000円だったため、価格差は1,570,000円になります。
360°カメラシステムやアドバンスドサウンドシステムなど、A180ではオプションとなる装備がほぼ標準化されており、この価格差でも十分な割安感がありました。
W177型AクラスのインテリアはCクラスやEクラス並みの質感
W177型のインテリアは、従来のメーターに代わってディスプレイを配置。ステアリング前からセンターエアコンルーバーまで、10.25インチディスプレイが2枚並びます。ステアリング前は速度計などメーター機能を、もう一方はインフォメーションディスプレイの役割を担います。
搭載されるMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)は、使うほどにオーナー好みへと育っていく仕組み。音楽や室内温度、習慣に合わせた設定項目の並び替えなど、頼りがいのある秘書のような存在になります。
エアコンルーバー周辺のイルミネーションは、ブルーのほかピンクやレッドなど全64色を用意しています。
W177型Aクラス最大のポイントはクルマと会話できること
W177型Aクラス最大の魅力は、MBUXによってクルマと会話ができることでした。「Hi, メルセデス」と呼びかけて用件を伝えれば、指先で操作せずとも天気を教えてくれたり、近くの飲食店を探してくれます。
使い込むほどにオーナーがよく通る道や好みの店を記憶し、渋滞回避ルートの案内や、長距離ドライブでの休憩提案までこなすようになります。
全64色のイルミネーションも音声で色を変更可能。気分に応じたカラーチェンジで、カーライフを彩ります。この体験こそがコンパクトメルセデスの価値を再定義したものであり、その系譜はMB.OSと第4世代MBUXを積む新型CLAへと引き継がれました。
パワートレインは3種類 安全装備はSクラス並みの安心感
W177型に用意されたパワートレインは、1.4Lガソリンターボ・2.0Lガソリンターボ・1.5Lディーゼルターボの3種類。日本仕様は当初1.4Lガソリンターボのみでしたが、その後2.0Lディーゼル(A200d)、PHEV(A250e)、AMGモデルが加わり、ラインアップは大きく広がりました。そして現在の日本仕様は、1.3Lガソリンの「A 180」と2.0Lディーゼルの「A 200 d」という2本立てに整理されています。
| A200 | A250 | A180d | |
|---|---|---|---|
| 気筒数 | 直列4気筒 | 直列4気筒 | 直列4気筒 |
| 種類 | ガソリンターボ | ガソリンターボ | ディーゼルターボ |
| 排気量 | 1,400cc | 2,000cc | 1,500cc |
| 最高出力 | 162PS | 224PS | 115PS |
| 最大トルク | 250Nm | 350Nm | 260Nm |
| 型式 | 270 | 270M20 |
|---|---|---|
| 種類 | 直列4気筒ターボ | 直列4気筒ターボ |
| 排気量 | 1,595cc | 1,991cc |
| 最高出力 | 90kW/5,000rpm | 160kW/5,500rpm |
| 最大トルク | 200Nm/1,250~4,000rpm | 350Nm/1,200~4,000rpm |
| 使用燃料 | ハイオク | ハイオク |
| 燃費 | 17.8km/L | 13.8km/L |
安全装備も充実しています。先行車に追従する「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」は停止・再発進に加えステアリング操作も支援。歩行者回避支援やブラインドスポットアシストを備え、Sクラスに搭載されたアクティブレーンチェンジングアシストもパッケージオプションで用意されました。
参考までに、3代目W176型に搭載されていた装備は次のとおりです。
W176型Aクラスに搭載されていた装備
- LEDハイパフォーマンスヘッドライト
- アクティブブレーキアシスト
- アテンションアシスト
- パーキングアシストカメラ
- パーキングパイロット(縦列・並列)
- ディスタンスパイロット・ディストロニック
- PRE-SAFE
- レーンキーピングアシスト
- ブラインドスポットアシスト
W177型Aクラスの発売時価格は3,220,000円から
フルモデルチェンジ時、Sクラス並みの安全装備とAI搭載のMBUXを備えることから「A200のエントリーでも398万円からになるのでは」と予想されていましたが、実際の日本での発売価格は3,220,000円からと、想定よりリーズナブルな設定になりました。
W177型Aクラスの発売時価格(2018年10月)
- A180:3,220,000円
- A180 スタイル:3,690,000円
- A180 エディション1:4,790,000円
| A180 Style(FF) | 2,980,000円 |
|---|---|
| A180 AMG Style(FF) | 3,510,000円 |
| A250 SPORT 4MATIC(4WD) | 5,010,000円 |
| AMG A45 4MATIC(4WD) | 7,200,000円 |
メルセデスの入口を担うAクラスだけに価格上昇が懸念されましたが、旧モデルから24万円の上昇にとどめたのは「入門モデル」として評価できる着地でした。ただし、その後の展開は容赦ありません。装備の充実と円安、原材料費の高騰が重なり、2025年12月時点の日本仕様はA 180 アーバンスターズが519万円、A 200 d アーバンスターズが592万円。エントリーの意味合いは、事実上CLAへ移行したと見るべきでしょう。
メルセデス・ベンツのエントリーモデルAクラスのモデルチェンジ遍歴
メルセデス・ベンツ・Aクラスは、ドイツのメルセデス・ベンツが展開するハッチバック型とセダン型の高級乗用車です。メルセデスの中ではコンパクトで、比較的手の届きやすいモデルにあたります。
メルセデス・ベンツ・Aクラス 初代 W168型(1997年~2005年)
初代Aクラスは1997年に販売開始。日本では1998年に「A160」の販売が始まりました。新開発の1.6L直列4気筒エンジンを搭載します。
1999年に1.9Lエンジンの「A190 アバンギャルド」、2001年には「A160 エレガンス」「A160 エレガンス ロング」が追加されました。
2001年のマイナーチェンジではインテリアの質感が向上しています。
期間限定の特別仕様車として「A210L エボリューション」「A160 ピカデリーロング リミテッド」も発売されました。
メルセデス・ベンツ・Aクラス 2代目 W169型(2004年~2013年)
2004年にフルモデルチェンジしてサイズを拡大。トランスミッションにメルセデス初のCVTを採用しました。
2005年2月、日本で右ハンドルの「A170」「A170 エレガンス」「A200」を販売開始。11月には「A200 ターボ アバンギャルド」を追加します。
2008年8月の一部改良でグレードが「A170」「A170 エレガンス」に整理され、翌2009年8月には「A170」を「A180」へ変更。同時に限定300台の「A180 アバンギャルド プレイリスト」を発売しました。
メルセデス・ベンツ・Aクラス 3代目 W176型(2012年~2018年)
2012年秋、欧州で3代目を発売。ボディサイズがCセグメント級となり全長が延長され、「エフィシェンシー」「シュポルト」がラインアップされました。日本では先行販売限定車の「A180 エフィシェンシー エディション ネクスト」「A180 エフィシェンシー スポーツエディション ネクスト」を設定。
2013年1月に日本での販売を開始。すべて右ハンドルのガソリンモデルで、「A180ブルーエフィシェンシー」「A180ブルーエフィシェンシースポーツ」「A250シュポルト」の3グレードを用意しました。7月にはハイパフォーマンスモデル「A45 AMG 4MATIC」を追加し、限定600台の「A45 AMG 4MATIC Edition 1」も発売。
2014年1月には特別仕様車「A45 AMG 4MATIC PETRONAS Green Edition」「A180 Edition Style」「A250 SPORT Edition Night」を、4月には限定100台の「A45 4MATIC Edition II」を発売し、「A250 SPORT 4MATIC」を追加しました。
2015年4月に特別仕様車「A180 Style Plus」、6月に「Mercedes-AMG A45 4MATIC Yellow Color Line」を発表。11月にはマイナーチェンジと同時に「A180 Customized Version」「A180 Edition Green」「A250 SPORT 4MATIC Motorsport Edition」を設定しました。
2016年7月、限定100台の「Mercedes-AMG A45 4MATIC Racing Edition」を発表。
2017年7月の一部改良では「A180」「A180 sport」を廃止し、「A180 AMG Style」を新グレードとして追加しました。
メルセデス・ベンツ・Aクラス 4代目 W177/V177型(2018年~)
2018年4月、4代目が欧州で販売開始。ボディサイズをさらに拡大し、広い室内空間を実現しました。日本では10月にフルモデルチェンジ版が発売され、「A180」「A180 Style」に加えて、発売記念の特別仕様車「A180 Edition 1」が限定500台で設定されました。
2019年3月、ディーゼルの「A200 d」を追加。7月にはセダンが発表され、記念の特別仕様車「A250 4MATIC セダン Edition 1」も同時に発売されました。8月にはハッチバックに「Mercedes-AMG A35 4MATIC」と特別仕様車「A35 4MATIC Edition 1」を追加。10月にはAMGモデルを拡大し、「Mercedes-AMG A45 S 4MATIC+」と「Mercedes-AMG A35 4MATIC セダン」がそれぞれ加わりました。
2020年2月、セダンにもクリーンディーゼルの「A200 d セダン」を追加。
2021年5月にはPHEVの「A250e」「A250e セダン」を追加し、9月には一部仕様変更を実施しています。
2022年10月、AMG創業55周年記念の特別仕様車「Mercedes-AMG A45 S 4MATIC+ Edition 55」を限定55台で発売。
2023年2月、ハッチバックとセダンがともにマイナーチェンジを受け、スポーティなスタイルへ刷新(価格は498万円から)。4月には「Mercedes-AMG A35 4MATIC」「Mercedes-AMG A45 S 4MATIC+」「Mercedes-AMG A35 4MATIC セダン」の改良モデルを発売しました。11月には限定100台の「Mercedes-AMG A45 S 4MATIC+ Street Style Edition」を設定しています。
2025年6月27日、Aクラス/CLA/CLAシューティングブレーク/GLAに新グレード「アーバンスターズ」を設定。同時にAクラス セダンには「ファイナルエディション」が用意され、日本におけるセダンの終了が事実上示されました。2025年12月には価格改定が実施されています。
そして2025年、メルセデスはAクラスの生産終了計画を見直し、少なくとも2028年まで生産を継続する方針へ転換。生産はハンガリーのケチケメート工場へ移管される見通しです。後継モデルの計画は現時点で公表されていません。
| メルセデス・ベンツ・Aクラスのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| 初代 W168型 | 1997年~2005年 |
| 2代目 W169型 | 2004年~2013年 |
| 3代目 W176型 | 2012年~2018年 |
| 4代目 W177/V177型 | 2018年~(2028年まで生産継続の見通し) |
Aクラスは「最後のコンパクトメルセデス」として静かに走り続ける
2013年のW176型はエクステリアを一新して近代的な姿となりましたが、W177型ではキープコンセプトを採りつつ、中身を根本から刷新しました。AI搭載のインフォテインメント「MBUX」と64色のアンビエントライトが生む空間は、当時のコンパクトカーの常識を超えていたと言えます。日本発売は2018年10月18日、価格は旧型から24万円上昇した3,220,000円からでした。
それから8年。Aクラスは2025年末で消えるはずでしたが、需要に押される形で2028年まで生き延びることになりました。日本ではセダンがファイナルエディションで幕を引き、ハッチバックはアーバンスターズという単一路線へ集約。一方で、2026年7月9日に発売された新型CLAがMB.OSと第4世代MBUXを引っ提げ、598万円からという価格でエントリーの座を引き継ぎます。
皮肉なことに、Aクラスが証明した「コンパクトでもメルセデスであることに妥協しない」という価値は、そのままAクラス自身の延命理由になりました。W177型は、内燃機関時代のコンパクトメルセデスを締めくくる最後の1台として、あと数年その役目を果たすことになります。後継の姿が見えないいまだからこそ、この世代の存在価値はむしろ増していると考えます。