XL6のモデルチェンジ

スズキXL6のモデルチェンジ情報:日本未導入 2026年7月29日公開のXL7が次期型ベースに

XL6は日本で買えるのか、次のモデルチェンジはいつか。答えは日本未導入のままで、次期型は2026年7月29日公開のスズキXL7がベース。インド投入は2026年後半から2027年初頭の見込みです。累計20万台を超えた販売実績とあわせてまとめました。

スズキXL6は2019年にインドで発売 次期型はXL7フェイスリフトがベースに

スズキの3列シートMPV「XL6」は、インド子会社マルチスズキが2019年8月21日に発売した、エルティガの上級版にあたるモデルです。インドを主戦場とする現地専売車で、日本への正規導入は一度も行われておらず、2026年7月時点で導入計画も発表されていません。ここでは、発売から現在までにXL6がどう変わってきたのかを、新しい動きから順に整理します。

XL7のフェイスリフトが2026年7月29日に世界初公開 XL6の改良版として投入へ

XL6にとって最大の関心事は、次のフェイスリフトです。そのベースとなるスズキXL7の改良モデルが、2026年7月29日にインドネシアで開幕するGIIAS 2026(ガイキンド・インドネシア国際オートショー)で世界初公開されます。スズキはすでに公式のティザー画像を公開しており、この世代のXL7にとって初の本格的な中期改良となります。

XL7はインドネシアなどASEAN市場向けのモデルで、XL6と車台やパワートレインを共有する兄弟車です。両車の最大の違いは2列目の座席で、キャプテンシートを備える6人乗りがXL6、ベンチシートの7人乗りがXL7という関係にあります。XL7はインドで販売されたことがありません。

公開されたティザーから読み取れる変更点は、フロントに集中しています。従来の分割式グリルに代えて、ブラックインサートを組み合わせた大型のクロームグリルを採用し、ヘッドライトとフォグランプまわりの造形も刷新。サイドは新デザインのアルミホイール、リヤはブラックアウトしたテールランプへ改められる見込みです。

装備面では、前席ベンチレーション、ヘッドアップディスプレイ、機能を強化した360度カメラ、大型化したインフォテインメントディスプレイ、フルデジタルメーターなどの追加が有力です。パワートレインは現行のまま据え置かれる見込みで、CNG仕様についてはタンクを床下に移す構成が検討されているとみられます。

この内容がインド仕様のXL6にも展開される見込みで、投入時期は2026年後半から2027年初頭が有力です。インドのプレミアムMPV市場ではキア・カレンス クラヴィスが装備と室内空間で攻勢をかけており、XL6にとっては競争力を立て直す改良になりそうです。

2025年7月の改良で6エアバッグを標準化 全長も約40mm延長

直近の大きな中身の変更は、2025年7月23日に実施された改良です。従来4個だったエアバッグにカーテンエアバッグが加わり、Zeta/Alpha/Alpha+の全グレードで6エアバッグが標準装備となりました。マルチスズキが全ラインアップで6エアバッグ標準化を進めた流れに沿ったもので、同時期に改良を受けたエルティガと歩調を合わせています。

装備面では、姉妹車のエルティガと共通の改良が入りました。2列目のエアコン吹き出し口が天井からセンターコンソール後方の床側へ移され、後席の頭上空間が広がっています。3列目には送風量を調整できる専用ベントが新設され、2列目・3列目にはType-Cの急速充電ポートを各2口ずつ配置。PM2.5対応のキャビンフィルターとリヤスポイラーも全グレードに標準化されました。一方で、従来あったクールドカップホルダーは廃止されています。

ボディは後端を約40mm伸ばし、リヤウインドウをより立たせた形状に変更。3列目の居住性がわずかに改善しています。価格の上昇は0.8%、金額にしておよそ1万ルピーにとどまりました。

2022年4月のマイナーチェンジでK15C DualJetと6速ATを採用 同年にCNGも追加

XL6にとって最も大きな節目が、2022年4月21日のマイナーチェンジでした。価格はRs 11.29 lakhからRs 14.55 lakhに設定され、グレードは従来のゼータ/アルファの2段階から、ゼータ/アルファ/アルファ+の3段階へ再編されています。

心臓部は、発売以来のK15B型から新開発のK15C型1.5L DualJetエンジンへ換装されました。1気筒あたり2本のインジェクター、デュアルVVT、高められた圧縮比を組み合わせた仕様で、最高出力103PS/6,000rpm、最大トルク137Nm/4,400rpmを発生します。数値上は従来より2PS/1Nm下がりましたが、燃費はMTで20.97km/L、ATで20.27km/Lへ改善しました。マイルドハイブリッドも継続され、二次電池の容量アップにより加速時のアシスト時間と回生量が増えています。

トランスミッションは、長らく使われてきた4速ATに代えてアイシン製の6速トルクコンバーターATを採用。パドルシフトも備わりました。5速MTは継続です。

安全装備も強化され、全グレードに4エアバッグ、ABS+EBD、ESP、ヒルホールドアシストが標準化。上位グレードには360度カメラとベンチレーテッド前席が加わりました。インフォテインメントは「スマートプレイプロ」に刷新され、Suzuki Connectによる40超のコネクテッド機能に対応しています。外観では横一文字のクロームを通したフロントグリルと、16インチのデュアルトーンアルミホイールが目を引きます。

さらに2022年10月末には、工場装着のCNG仕様「XL6 S-CNG」が追加されました。価格はRs 12.24 lakhで、設定はエントリーのゼータ(5速MT)のみ。CNGモードでの出力は87PS/5,500rpm、トルクは121.5Nm/4,200rpmで、公称燃費は30.61km/kgとされました。荷室に60Lのタンクを積むため、ラゲッジ容量はガソリン車よりやや狭くなります。バレーノとともに、NEXAブランドで初となる工場装着CNGモデルでした。

2023年にE20燃料へ対応 競合にはトヨタ・ルミオンが加わる

2023年第1四半期以降に生産されたXL6は、エタノール20%混合燃料(E20)に対応しています。マルチスズキは2023年4月までに全ラインアップをE20対応とする方針を掲げており、XL6もこれに沿って対応が図られました。同時にBS6フェーズ2(実路走行排出ガス試験=RDE、OBD-IIへの対応)もクリアしています。

競合環境も動きました。2023年8月28日、トヨタがエルティガのOEMモデル「ルミオン」をRs 10.29 lakhから投入。XL6と同じ車台・同じエンジンを持つ7人乗りが、より安い価格でトヨタの販売網に並ぶことになり、6人乗りかつNEXAの上質な販売体験という付加価値でどこまで差別化できるかが問われる展開になっています。

発売から66か月で累計20万台 価格はGST改正で上下

XL6の販売は堅調に推移してきました。2025年2月末までの累計出荷は202,602台に達し、発売から66か月でNEXAのUVとして3番目に20万台を突破しています。首位のフロンクス(287,282台)、2位のグランドビターラ(286,012台)に次ぐ数字で、販売を終えたSクロスを上回りました。

年度別ではFY2024(2023年4月〜2024年3月)の45,130台が最高で、前年比24%増。FY2025は4月から2月までの11か月で34,006台と前年同期比16%減となりましたが、それでもMGヘクター、ヒュンダイ・アルカザール、タタ・ハリアーやサファリより多く売れています。2025年12月の月間販売は2,744台で、前年同月比10.3%増でした。

価格は税制の影響で上下しています。2025年2月に全グレードで1万ルピー(最大0.86%)引き上げられた後、2025年9月22日に施行されたGST 2.0で41,200ルピーから51,400ルピーの値下げとなりました。MPVに課されていた28%のGSTと17%のセスが40%の一律GSTに置き換わったためで、下げ幅は最大3.51%。その後2026年1月中旬に値引き分の巻き戻しがあり、現在の価格はRs 11.57 lakhからRs 14.37 lakhとなっています。

2019年にインドで発売されたスズキのクロスオーバーMPV「XL6」の内外装やパワートレイン

マルチスズキは2019年8月21日、3列シートのプレミアムクロスオーバーMPVである「XL6」をインドで発売しました。発売時の価格はRs 9.80 lakhからで、グレードはゼータとアルファの2種類でした。

日本で言えばミニバンに該当する同車は、MPV(Multi-Purpose Vehicle)にSUVのような走行性能やエクステリアの力強さを加えた、エルティガの上級モデルとして位置付けられています。

ここからは、XL6が採用する内外装の特徴や、搭載するパワートレインの魅力などについて紹介していきます。

XL6のエクステリアはワイルド&スタイリッシュで機能性の高いパーツによって構成

XL6のフロントマスクはワイルドかつスタイリッシュで魅力的

XL6は、シグネチャー形状のLEDヘッドランプや、メッキ加飾を施すフロントグリルを採用します。同車はLEDのデイタイムランニングライトも装備して機能性も向上させます。

ホイールアーチとブラックアルミホイールの組み合わせは迫力がある

XL6はブラックのアルミホイールを採用。ホイールアーチには大胆な立体加工を施してサイドビューにオフロード感を与えます。なお2022年のマイナーチェンジでは、ホイールが16インチのデュアルトーンアルミへと大径化されました。

XL6が採用するルーフレールはドレスアップ効果が高い

ボンネットフードを隆起させる・ルーフレールを設置する・サイドクラッディングパネルに特徴を持たせている「XL6」は、ベース車とする「エルティガ(Ertiga)」よりも、ダイナミックかつ筋肉質なボディを完成させています。

XL6のリヤ部は機能性の高いパーツによって構成されている

XL6のリヤ部は、ライトガイド付きLEDテールランプやリヤスキッドプレート等のパーツによって構成されています。

XL6 は発売時にタイヤサイズ185/65R15を採用していた

XL6のタイヤ・リムサイズ(2019年発売時)
タイヤサイズ 185/65R15
リムサイズ 15×5 1/2J
XL6のボディサイズ(2019年発売時)
全長 4,445mm
全幅 1,775mm
全高 1,700mm
ホイールベース 2,740mm

この寸法は発売時のもので、2025年7月の改良では後端が約40mm伸ばされています。全幅と全高、ホイールベースは変わっていません。

XL6の内装は各シートに着座する乗客を満足させるために快適装備を充実

XL6のコックピットは運転をサポートする装備を最適配置している

XL6のコックピットは、革巻きフラットボトムステアリングホイール、各種メーターや、カスタマイズも可能とする車載コネクティビティである「スマートプレイスタジオ」等のパーツによって構成されています。この7インチのシステムは2022年のマイナーチェンジで「スマートプレイプロ」へ刷新されました。

XL6が搭載する「スマートプレイスタジオ」はスマホアプリなどと連携する

タッチスクリーン式のモニターで燃費などの車両情報を確認する「スマートプレイスタジオ」では、Apple CarPlayやAndroid Autoなどのスマートフォンのアプリや、クラウドサービスへのアクセスも可能としてサービスの質を向上させます。

XL6のインテリアは高級感があって着座時の快適性は高い

XL6のインテリアはブラックを基調として統一感を持たせながらも、各部にシルバー加飾などの装飾を施して華やかさを加えます。ベースのエルティガがベージュ基調であるのに対し、XL6は全グレードでオールブラックとする差別化が図られています。

シートの素材はレザーを採用、一人一人が快適に座れるように2列目はキャプテンシートを選択して、3列目シートにはリクライニング機能を付与させます。

リヤシート用のエアコンは後部座席に着座する方達が車内で過ごしやすいように空調を整える

XL6は操作性の優れたオーバーヘッドコントロール、アクセサリーソケット、後部座席用のエアコンを装備して、各シートに着座する一人ひとりの満足度を高めます。この後席空調は2025年の改良で配置が見直され、2列目は床側の吹き出し口に、3列目は送風量を調整できる専用ベントに改められました。

XL6の2列目シートと3列目シートを倒せば荷室容量は3倍以上も拡張される

2列目シートと3列目シートは、ワンタッチ操作で簡単にスライドでき、シートアレンジを楽しめ、乗降性を高める事ができます。2列目シートと3列目シートをフロント側に折り畳めば、通常時は209Lの荷室容量を最大で692Lへと拡張できます。3列目のみを畳んだ状態でも550L程度が確保されます。

スズキの「XL6」はインドの排ガス規制BS6をクリアする環境性能の優れたパワートレインを採用

XL6が導入するスマートハイブリッドシステムは排ガス規制「BS6」をクリアする

XL6は発売時から、K15B型1.5L直列4気筒ガソリンエンジンにリチウムイオンバッテリーを組み合わせるプログレッシブ・スマートハイブリッドシステムを搭載し、2020年4月にインド国内で施行された厳格な排ガス規制「バーラト・ステージ6(BS6)」に先んじて適合していました。発売時のスペックは最大出力105hp/6,000rpm、最大トルク14kgm(138Nm)/4,400rpmです。

その後、2022年4月のマイナーチェンジでエンジンはK15C型1.5L DualJetへ切り替わり、現在の出力は103PS/137Nmとなっています。2023年にはE20燃料への対応も済ませました。数値上のピークは発売時よりわずかに下がったものの、燃費と排出ガス性能では明確に前進しています。

XL6は軽量高剛性の「HEARTECT」をプラットフォームに採用

XL6は、高剛性と軽量化を両立させるスズキのプラットフォームである「HEARTECT」を採用しています。

安全装備は、ABS+EBD、ブレーキアシスト、ESP(横滑り防止装置)とヒルホールドアシスト、リバースパーキングセンサー、ISOFIXチャイルドシート固定機構などが全グレード標準。上位グレードには360度カメラとタイヤ空気圧監視システムが加わります。エアバッグは2022年に4個が全グレード標準となり、2025年7月には6個へ増やされました。一方で、カメラやレーダーを用いた運転支援システム(ADAS)は設定されていません。

また、クラウドに接続する「Suzuki Connect」を搭載し、車両位置の確認や盗難追跡、ジオフェンス、故障通知、緊急通報など40を超える機能に対応して利便性を追求しています。

「XL6」のボディカラーは発売時に全6色で2グレードが展開

  • ネクサブルー
  • オーバーンレッド
  • プレミアムシルバー
  • ブレイブカーキ
  • マグマグレー
  • アークテックホワイト

発売時のXL6のボディカラーは「Nexa Blue」「Prime Auburn Red」「Metallic Premium Silver」「Pearl Brave Khaki」「Metallic Magma Grey」「Pearl Arctic White」の全6色ラインナップ。2022年のマイナーチェンジではスプレンディッドシルバーやグランジャーグレーなどへ入れ替わり、デュアルトーンも設定されました。

XL6は発売時、スズキのスマートハイブリッドシステムに5速MTあるいは4速ATを組み合わせた「ゼータ(MT)」「ゼータ(AT)」「アルファ(MT)」「アルファ(AT)」の4タイプを展開していました。現在はゼータ/アルファ/アルファ+の3トリムに5速MTと6速ATを組み合わせ、これにゼータのみのCNG(5速MT)を加えた構成となっています。

XL6の販売はマルチスズキの高級ショールーム「NEXA」で行われる

クロスオーバーMPV「XL6」の販売は、マルチスズキが2015年7月に立ち上げた高級ショールームであるNEXAにて行われます。ベース車のエルティガが一般販売網の「アリーナ」で売られるのに対し、XL6はNEXA専売とすることで一段上の位置づけが与えられています。

NEXAはXL6の発売当時でインド国内200都市・300店舗超の規模に達しており、その後も拡大を続けています。当時同じ店頭に並んでいた「Sクロス」はすでに販売を終えており、現在はフロンクス、グランドビターラ、ジムニー、インヴィクトといったUVや、バレーノ、イグニスなどがXL6とともに扱われています。

スズキ「XL6」の現在地と日本市場との関係

スズキの3列シートクロスオーバーMPV「XL6」は、ワイルドかつスタイリッシュなエクステリアを特徴とし、各シートに着座する乗客の満足度を高める快適装備を充実させています。

2019年8月の発売から、XL6は着実に台数を積み上げてきました。2025年2月末までの累計は202,602台で、NEXAが扱うUVとしては3番目に20万台を突破。2022年のマイナーチェンジでK15C DualJetと6速ATを手に入れ、CNG仕様の追加とE20対応、そして2025年の6エアバッグ標準化とボディ延長を経て、いまも現役のプレミアムMPVとして販売が続いています。

次の一手は、2026年7月29日にGIIAS 2026で公開されるスズキXL7のフェイスリフトです。ここで示される新しい顔と装備が、そのままインド仕様XL6の改良版につながる見込みで、投入は2026年後半から2027年初頭とみられます。キア・カレンス クラヴィスやトヨタ・ルミオンとの競争が厳しさを増すなか、装備面での底上げが焦点になりそうです。

一方、日本市場との関係は明確です。XL6はインドを中心とする現地専売車で、日本には一度も正規導入されていません。日本のスズキが扱う3列シート車はソリオやランディといった別系統であり、XL6の日本導入について発表されたこともありません。日本で近い体験を求めるなら、同じ思想を持つ国内向けのミニバンやコンパクトSUVが現実的な選択肢となります。