アルミホイールの表面についた「汚れ」や「傷」を自分で綺麗に出来る磨き方のコツと手順
アルミホイールの表面に付いた「汚れ」や「傷」を、自分で磨いて綺麗に取り除けるコツと手順を紹介します。
ダメージの大きな傷やクリア層の下にまで入りこんでしまったサビ等は、DIY(Do It Yourself : 自身)するにはハードルが高いため、専門家に依頼するのが望ましいですが、軽い傷や固着化が進んでいない汚れであれば、ご自身でも十分に対応できます。
DIYが可能
- 酸化による白ボケ
- ブレーキダスト
- 軽い擦り傷
専門家に依頼すべき
- ダイヤモンドカット処理されたアルミホイール
- メッキ・アルマイト処理されたアルミホイール
- ダメージの大きな傷
- クリア層の下にまで入り込む白サビ
抜群の光沢感や優れたデザイン性が魅力的でドレスアップ効果の高い「アルミホイール」は、出来れば傷や汚れが目立たない、見栄えの良い状態で装着し続けたいものです。
ここでは、外部環境や走行中に発生する熱、飛び石などの影響を受けて付いてしまった「傷」や「汚れ」を、自分で取り除ける磨き方のコツや手順、アルミホイール本来の輝きを取り戻すのに効果的な鏡面仕上げの際に役立つアイテムも紹介します。
アルミホイールはドレスアップ効果の高いカスタマイズアイテム ~ 表面はデリケートなため汚れなどを取る際には丁寧に磨く必要がある
アルミホイールは国内外の多数のメーカーが製造・販売するドレスアップ効果の高い人気のカスタマイズアイテムです。
ホイールを構成するリム・スポーク・フランジの大部分あるいは全ての素材をアルミニウム合金とする「アルミホイール」は、耐久性・耐候性の備わる成分を含む塗料を用いて被膜層を完成させます。
スチールホイールと比較すれば「アルミホイール」は錆や腐食に強く、ばね下重量は軽量化されるため、走行性や燃費が向上するというメリットがあります。アルミホイールの塗装面はデリケートである事も多くて、汚れなどを取る際にはスチールホイールよりも丁寧に慎重に表面を磨く必要があります。
アルミホイールの「汚れ」「傷」「腐食」の原因は?
アルミホイールに付着した「汚れ」「傷」「白サビ」を、磨いて除去するにはそれらの原因についても確認しておくことが大切です。
アルミホイールの「傷」の原因は縁石との接触・飛び石との衝突
「ガリ傷」とも呼ばれるホイールの傷は、コーナリングする際に縁石と接触する、飛び石と衝突するなどの物理的な刺激が加えられる事で形成されます。与えられる物理的な刺激が大きいほど傷は深まります。
アルミホイールの「汚れ」の原因はブレーキダストと環境物質
車のボディを支え・タイヤを装着するという役割を担うホイールは、走行中には常に外部環境と接しているため、砂埃や泥などの物質が付着しやすくなっています。また、ブレーキをかけた際に金属製の内部パーツである「ディスクローター」と、「ブレーキパッド」が摩擦力によって削られる事で形成されるブレーキダストも、アルミホイールの汚れの主な原因です。
アルミホイールの「白サビ」の原因はクリア塗装の剥がれ・傷口の放置・融雪剤
アルミホイールは、スチールホイールのように酸化作用によって赤サビは発生しませんが、腐食が進めば白い線状のサビは形成されます。
アルミホイールが錆びてしまう原因は、クリア塗装の剥がれ・擦り傷の放置・融雪剤です。アルミが表面に露出されている状況下にあるクリア塗装の剥がれ・擦り傷を放置している状態は、外部環境の影響を受けやすくなるために腐食の進行は早まります。
融雪剤には塩分が含まれているため、アルミホイールに融雪剤を付着したままの状態にしておけば、白サビが発生しやすくなります。
アルミホイールに白カビが発生している場合には、薬剤を用いる・磨くなどの補修を行っても、元の状態に戻すのはプロであっても難しくなってしまいます。そのため、腐食を進行させないためには、メンテナンスチェックや洗浄を定期的に行う事が大切です。
クリア加工されていないアルミホイールについてしまった軽い擦り傷を自分で磨いて修復する作業の流れ
「ガリ傷」は軽度の状態であれば、アルミパテや耐水サンドペーパーなどのアイテムを利用すれば、自分で修復できます。
アルミホイールのガリ傷を修復するのに必要となるアイテム
- マスキングテープ
- タオル
- パテヘラ
- 脱脂剤
- カーシャンプー
- スポンジ
- アルミパテ
- 耐水サンドペーパー
※カラー塗装が施されている、クリアコーティングされているタイプのアルミホイールは浅い傷であっても、DIYには不向きであるためプロに依頼する事をお勧めします。
1. カーシャンプーとスポンジを用いてアルミホイールの表面を洗浄
アルミホイールのガリ傷の修復は天候の良い日に行います。雨の日であれば、アルミパテ等の薬剤が乾燥するにも時間がかかってしまいますので、晴れた日に実施しましょう。
先ずはカーシャンプーとスポンジを用いて、表面に付着している砂や泥などの汚れを綺麗に洗い流します。
2. 使用する薬剤がタイヤに付着しないようにマスキング処理を行う
ホイール表面に付いた水分などをタオルで拭き取った後に、使用する薬剤がタイヤに付着しないようにマスキング処理を行います。ホイールの曲率に対応しやすい「曲面用マスキングテープ」を利用すれば、作業効率は上がります。
3. 耐水サンドペーパーを用いてガリ傷を磨いていく
マスキングテープを貼り終わったら、目の粗い150番程度の耐水サンドペーパーを用いてガリ傷の表面を磨いていきます。傷口を滑らかにしながら、ささくれや錆びがあれば同時にあれば磨いて落としていきます。傷口を必要以上に磨いてしまえば、全体的な見栄えが悪くなってしまう恐れもあるため、力は抑えながら磨いていくのがコツです。
4. 脱脂剤を用いて修復箇所の油分を完全に落とす
ガリ傷が滑らかになったら、脱脂剤を用いて修復箇所に付着している油分を完全に落とします。脱脂剤を利用しなければ、アルミパテの乗り具合が悪くなってしまいます。
5. アルミパテでガリ傷を埋める
「アルミバテ」はアルミホイール専用の補修バテです。同商品の主剤と硬化剤を混ぜた後に、パテヘラを用いてガリ傷を埋めていきます。周辺部よりも多少高くなるようにして埋めていくのがポイントです。
6. ホイール全体の見栄えをよくするために仕上げ磨きを行う
ガリ傷を埋めるために利用したアルミバテが硬化するまでには大体4~5時間かかります。アルミバテが硬化したら、全体的な見栄えを良くするために、最初は400番程度の耐水サンドペーパーを用いて、少しずつ目を細かくしていきながら、最終的には2000番程度の耐水サンドペーパーを用いて、表面が滑らかになるまでに仕上げ磨きを行います。
修復箇所と周辺部との色調の違いが気になれば、ホイールペイントを利用すれば全体的な色味も調整できます。
アルミホイールに付着したブレーキダスト等の汚れを綺麗に落とせる磨き方のコツと手順
外部環境と常に接しているホイールには、ブレーキを掛けた際に発生する「ブレーキダスト」等の汚れが付着しやすいです。
ホイールに付着した汚れは、固着化が進行する前の早期段階であればDIYでも十分に落とせます。放置する状態が続いて汚れ物質の固着化が進行してしまえば、場合によっては専門業者に依頼しなければなりません。
このセクションでは、ホイールクリーナー等のアイテムを用いて、初期段階の汚れを綺麗に落とせる磨き方のコツと手順を紹介します。
アルミホイールの汚れを落とすのに役立つアイテム
- カーシャンプー
- スポンジ
- ホイールクリーナー
- 鉄粉除去剤
- コーティング剤
1. カーシャンプーとスポンジを用いて表面に付着する泥や砂を落とす
熱が伝わりやすいホイールは、清掃作業を行う前には軍手などを利用して高温状態となっていないかを確認してから作業を開始します。アルミホイールに表面に付着している砂や泥などの粒子を落とすために、先ずはカーシャンプーとスポンジを用いて洗浄します。
表面に付着している粒子をそのままの状態にして作業を実施するのは、塗装面を傷つけてしまう要因です。カーシャンプーをスポンジに含ませて、表面を優しく磨いていきましょう。カーシャンプーを水で洗い流す際に、勢いよく吹きかけてしまえば、水しぶきに混じった汚れ成分がホイールに付着してしまう場合もあります。
2. ホイールクリーナーでブレーキダストやしつこい油汚れを落とす
カーシャンプーでは、落ちないブレーキダストやしつこい油汚れは「ホイールクリーナー」や「鉄粉除去剤」を利用して落とします。ホイール表面に付着するブレーキダストの放置が長引けば、白サビの発生リスクは高まります。
鉄粉除去成分が含まれる「ホイールクリーナー」を表面に噴射して、スポンジで優しく磨いていけば、固着化が進行していないブレーキダストであれば除去可能です。表面に塗布された、ホイールクリーナーは水をかけて洗い流します。
ブレーキダストを除去するために用いる「ホイールクリーナー」には、弱アルカリ性・酸性マルチクリーナー等の様々な種類があります。ご自身の車に装着されているアルミホイールと使用するクリーナーとの相性が悪ければ、ホイール自体にダメージを与えてしまう事も考えられるため、購入する前にはお店のスタッフなどの詳しい方へ相談してみましょう。
ここでは、利用してもホイールにダメージを与えにくいなどに理由から、ユーザー評価の高い2タイプの商品を紹介します。
SONAX「エクストリーム ホイールクリーナー」はホイールにダメージを与えずにブレーキダスト等の汚れを強力分解
ドイツの老舗カーケミカルブランドであるSONAX(ソナックス)の「エクストリーム ホイールクリーナー」は、アルミ・メッキ・スチール素材のホイールに対しても利用できる商品です。
同商品には鉄粉除去成分が配合され、利用してもホイールの素材にダメージを与えないなどの特徴や、頑固なブレーキダストを洗い流せる洗浄力も備えます。
「フクピカ ホイール専用拭くだけシート」はスプレータイプよりも照準しやすい手にも優しい中性タイプ
ソフト99コーポレーションの「フクピカ ホイール専用拭くだけシート」は、洗浄成分をしみこませた使い切りタイプのシートで利用して、ブレーキダストや油汚れが目立つ箇所を磨いて綺麗にしていく商品です。
同商品は、スプレータイプよりも照準しやすく、アルミ・スチール・ホイールカバーなどのあらゆる素材に使用することができます。また、中性素材である事もユーザーからの支持を集めている理由です。
3.汚れを付着しにくくする・撥水効果を高めるために「コーティング剤」を塗る
ブレーキダストに対する洗浄が終わり、乾いたタオルで水分を拭き取ったら、汚れ物質を付着しにくくする・撥水効果を高めるために「コーティング剤」を塗ります。コーティング剤を塗布すれば、水洗いによる洗浄力が強化されます。
クリーナー用いても取れない固着化した汚れはホイール専用粘土を利用すれば取り除ける
ホイールクリーナーを用いても取れない汚れは、ホイール専用粘土「ホイールクレイ」を使って、物理的な刺激を加える事で、綺麗に取り除ける場合もあります。
ホイールは走行時の熱が伝わりやすいため、高温の影響によって汚れ物質が固着化してしまうケースが多々あります。固着化が進んでいなければ、溶剤の化学作用によって溶かす事も可能ですが、固着化が一定レベルを超えていれば、クリーナーの効力だけでは不十分であるために「ホイールクレイ」等の商品を用いて、物理的な刺激を与えて除去しなければなりません。
同商品は、固着化してしまったブレーキダスト等の汚れを除去するには便利ですが、物理的な刺激を与える時に、表面に微細なスクラッチキズが形成される・すすぎは時間を掛けて行わなければならないという特徴も備えます。
鏡面仕上げをサポートするアイテムを利用すれば「アルミホイール」本来の光沢感は取り戻せる
研磨剤を用いて金属や塗装面の表面を滑らかにして、鏡のような光沢感を与える加工処理は「鏡面仕上げ」と呼ばれています。各メーカーが販売している、酸化被膜を除去する研磨剤を利用してアルミホイールの表面を磨いていけば、本来の光沢感を取り戻すことが出来ます。
研磨剤の種類によっては、ホイールにダメージを与えてしまう恐れもあるため、購入する前には自分が利用しているホイールに適合する商品であるかを、お店のスタッフに確認する事をお勧めします。ここでは研磨剤としてユーザー評価の高い「グラスターゾルオート」や「青棒」の特徴を紹介します。
日本磨料工業の「ピカール」は含有する微粒子の効力によってアルミホイールを新品時のように輝かせる
日本磨料工業の「ピカール」は、含有させる微粒子の効力によって、アルミホイールの表面を削る事によって滑らかな状態として、光沢感を取り戻すサポートをするユーザー評価の高い商品です。
アルミ以外にも、銅や鉄などの素材に対しての鏡面仕上げも可能とする「ピカール」を利用する際には、フタを開ける前によく振れば作業後のムラは形成されにくくなります。
「ピカール」は、柔らかい布やポリッシャーの先端部に付けて、アルミホイールの表面を磨いていきます。表面を磨いた後には、用意していた別の布で濡れ残りがないよう丁寧にふきとっていきます。
固形油性研磨剤「青棒」と灯油を1:3の割合でブレンドして完成する「青汁」も鏡面仕上げには効果的
固形油性研磨剤の「青棒」もアルミホイールの鏡面仕上げに適している商品です。ただ「青棒」はそのままの状態では利用できないため、大根おろしなどアイテムを使って細分化したモノを、灯油と1:3の割合でブレンドさせて、液状化させた「青汁」へと状態変化させる必要があります。
完成した「青汁」を目の細かいタオルなどに塗布して、自分の手の力やポリッシャーを用いてアルミホイールの表面を磨いていきます。仕上げはマイクロファイバーを用いて磨いていきます。
「汚れ」が固着化する前・「傷」が浅い時にアルミホイールを磨いていけばドレスアップ効果は持続
アルミホイールに付着する「汚れ」が固着化する前・「傷」が浅い場合には、ご自身のホイールに適した便利アイテムを利用してDIYで磨いていけば、ドレスアップ効果は持続されます。
走行中に飛び石と衝突する機会も多く、ダメージを受けやすいアルミホイールは、エンジン等のパーツと同様に定期的に整備・メンテナンスを行えば、トラブルを未然に防げて良好な状態をキープ出来ます。
抜群のドレスアップ効果を期待できるだけではなくて、低燃費を実現して走りの質も向上させる「アルミホイール」は、日頃から汚れや傷はないかを確認して、それらを発見したらご自身の手で磨いてあげれば、本来の輝きや美しさは持続されたままでの長期間の利用が可能となります。