コンケイブホイールとは何か 立体構造の仕組みと選び方の基本
コンケイブホイール(逆反りホイール)とは、ホイール中心部のディスク面を意図的にへこませ、スポークとの間に高低差を生み出した立体的なデザインのホイールです。ホイール単体の商品名ではなく、ディスク面が内側に落ち込んでいる形状全体を指す呼び名です。
純正ホイールの大径化・デザイン向上が進む中、社外ホイールメーカーがさらなる差別化のために追求した造形がコンケイブ構造です。発祥の地はアメリカで、スポーツカー向けに始まったこのデザインは現在ではセダン・SUV・ミニバンにも幅広く普及しています。
ただし、コンケイブホイールは「見た目が良ければそれでいい」と考えて購入すると失敗しやすいカスタムアイテムでもあります。同じモデルでもサイズによってコンケイブの深さが変わること、インセットの選択を誤ると車検に通らないリスクがあることを、購入前にしっかり理解しておくことが重要です。
コンケイブホイールのディスク面はサイズによって反り具合が変わる
RAYSのコンケイブホイール G025SZ
RAYSのコンケイブホイール HOMURA2X9PLUS
MIDのコンケイブホイール
MIDのコンケイブホイール
MIDのコンケイブホイール
MIDのコンケイブホイール
MIDのコンケイブホイール
MIDのコンケイブホイール
MIDのコンケイブホイール
コンケイブホイールを購入前に必ず押さえておきたい重要なポイントが、同じモデル名でもサイズによってコンケイブの深さが変わるという事実です。リム幅(J数)が大きくなるほど、またはインセットが小さくなるほど、ディスク面の落ち込み量が大きくなる傾向があります。カタログの写真が20インチでのコンケイブが深い仕様であっても、自分の車に合う18インチを選んだ場合にはほとんど反りが出ないケースも起こり得ます。購入前にはメーカーに「自分が選ぶサイズで実際の深さがどうなるか」を確認することを強くおすすめします。
また、コンケイブ構造によってスポーク先端がリムのフランジ(ふち)を越えるほど飛び出す「リムオーバー(オーバーフランジ)」状態になるモデルがあります。このような形状のホイールは、タイヤやホイールがフェンダーからはみ出している場合に車検不適合になるリスクがあるため注意が必要です。
コンケイブホイールを選ぶ前に確認すべき3つのポイント
見た目のインパクトが強いコンケイブホイールですが、購入後に「車に付かなかった」「車検に通らなかった」という失敗は珍しくありません。装着前に以下の3点を確認しましょう。
1. インセット(オフセット)が適正か
インセットとはハブ取り付け面がリム幅の中心線からどの方向にどれだけずれているかを示す数値(単位mm)です。インセットが純正より大幅に小さいとホイールが外側に出すぎ、タイヤがフェンダーからはみ出す原因になります。オートバックス公式の解説によると、9人乗り以下の乗用車でタイヤのはみ出しが10mm未満(ホイール・ナットのはみ出しは不可)という保安基準の範囲を超えると車検不適合になる可能性があります。
2. キャリパークリアランスが確保できるか
コンケイブ構造はブレーキキャリパーとの干渉を避けるために採用されることも多い形状ですが、車種によってはキャリパーとの隙間(クリアランス)が確保できないケースがあります。特に対向ピストン型のビッグキャリパーを装着している車や、純正から大径ブレーキに変更している場合は要注意です。ホイールショップで実車計測を依頼するのが確実です。
3. コンケイブの深さがサイズによって変わることを把握しているか
同じモデルでもリム幅・インセット・インチが異なると深さが変わります。購入前に自分が選ぶサイズでの実物確認か、メーカーへの問い合わせが必須です。
コンケイブホイールの人気モデル
国内外の有名メーカーが製造するコンケイブホイールの代表的なモデルを紹介します。各モデルのスペックは参考値です。最新の仕様・価格・在庫はメーカーまたは正規販売店でご確認ください。
VOSSEN(ヴォッセ) VVS CVT
VVS CVT
アメリカを拠点とする世界的ホイールブランド、VOSSENの「VVS CVT」は、スポーク1本1本が独立した曲面を描き、全体として高い立体感を生み出します。グロスグラファイト・プラチナメタリックシルバー・マットブラックのカラー展開で、国産・輸入を問わずセダン型ラグジュアリーカーとの相性が高い評価を受けています。YouTubeの公式映像でも実車装着時の立体感を確認できます。
| リム径 | 19inch/20inch/22inch |
|---|---|
| カラー | グロスグラファイト/プラチナメタリックシルバー/マットブラック |
| 参考 | VOSSEN[ホイールメーカー一覧] |
VERTINI(ヴェルティニ) マジック
MAGIC
ヴェルティニの「マジック」は5穴(5H)専用設計のモデルで、スポークが織りなす幾何学模様が特徴です。一見すると左右対称に見えながら、よく眺めると非対称になっているデザインで、見る角度によって表情が変わります。19〜22インチのラインナップで、高めの車高のSUVに装着した際には足元の存在感がより際立ちます。
| リム径 | 19inch/20inch/22inch |
|---|---|
| カラー | シルバーマシニング/ブラックマシニング/マットブラック |
| 参考 | VERTINI[ホイールメーカー一覧] |
Rohana(ロハナ) RFX5
RFX5
ロハナの「RFX5」は、ディスク面とスポークとの立体感が計算されたデザインで、対称美を意識した幾何学模様が特徴です。ゴールドカラーが特に人気で、ベンツ・BMW・レクサスなどラグジュアリーモデルとの組み合わせでよく見かけます。装着できる車種の範囲が広く、適合確認を経れば多くの輸入車・国産高級車に対応できます。
| リム径 | 19inch/20inch/22inch |
|---|---|
| カラー | ブラッシュドチタニウム/マットブラック/ゴールド |
| 参考 | Rohana[ホイールメーカー一覧] |
Work(ワーク) ZEAST ST1
ZEAST ST1
全日本ラリー選手権やスーパーGTにも参戦し、レースフィールドで技術を磨いてきた国産ブランドWORKの「ZEAST ST1」は、6スポークのオーソドックスなデザインながらスポーク断面の仕上げにプレミアム感があります。カラーラインナップが豊富で特殊PCD加工品も選べます。スポーツカーからセダンまで幅広い車種への装着実績があり、インセット設定の種類も多いのが特徴です。
| リム径 | 18inch/19inch/20inch/21inch |
|---|---|
| カラー | トランスグレーポリッシュ/マットブラック/ブラッシュド/インペリアルゴールド |
| 参考 | Work[ホイールメーカー一覧] |
RAYS(レイズ) 57トランセンド
57Transcend
「オールメイド・イン・ジャパン」を貫く国産ホイールの雄、RAYSが展開する「57トランセンド」は、レーシングフィールドで蓄積した技術を市販ホイールに落とし込んだモデルです。三角形の断面を持つ「デルタセクションスポーク」は、シンプルな形状ながら数値計算を繰り返して導き出された構造で、軽量さと高強度を両立しています。15〜19インチと幅広いインチ展開が特徴で、コンパクトカーからスポーツセダンまでカバーします。
| リム径 | 15inch/17inch/18inch/19inch |
|---|---|
| カラー | スーパーダークガンメタ×リムエッジDC |
| 参考 | RAYS[ホイールメーカー一覧] |
BBS(ビービーエス) RI-D
RI-D
ドイツBBSをルーツとするBBSの「RI-D」は、航空機用素材として知られる超超ジュラルミン(A7003アルミ合金)を世界で初めてホイールに製品化したモデルです。この素材の採用により、通常の鋳造ホイールでは実現できない大胆なコンケイブ造形と薄肉スポークが可能になっています。19〜20インチの2サイズ展開で、ポルシェ・アウディ・BMWなど欧州高級車オーナーに選ばれる傾向があります。価格帯は高めですが、素材と加工精度の水準からするとプレミアム品としての価値が理解しやすいモデルです。
| リム径 | 19inch/20inch |
|---|---|
| カラー | ダイヤモンドブラック/ダイヤモンドシルバー/マットブラック |
| 参考 | BBS[ホイールメーカー一覧] |
SSR(タナベ) エグゼキューター CV01
EXECUTOR CV01
SSRの「エグゼキューター CV01」は、コンケイブの深さを2段階から選べる点がユニークです。スタンダードタイプはディスク先端部からセンターパートまでの高低差が40mm、さらに深みを求めるなら高低差65.5mmの「スーパーコンケイブディスク」が車種によって選択可能です。65.5mmという数値は国内のコンケイブホイールとしても深い部類に入ります。ただしスーパーコンケイブはリムオーバー(スポーク先端がリムの外に出る)になりやすく、インセットとフェンダークリアランスの計算が重要です。カスタムに明確なビジョンを持つ上級ユーザー向けのモデルといえます。
| リム径 | 19inch/20inch |
|---|---|
| カラー | フラットチタン/フラットブラック |
| 参考 | SSR[ホイールメーカー一覧] |
VERZ-WHEELS(ヴェルズホイールズ) KCV02
KCV02
ヴェルズホイールズの「KCV02」は、コンケイブの深さをミドルとディープの2パターンから選べます。インセットとリム幅の選択肢が豊富で、ツライチ(タイヤとフェンダーの面を合わせるセッティング)を狙う際の微調整がしやすい構成です。シンプルなスポークデザインながら装着時の迫力は高く、足元のボリュームを出したいミニバンオーナーからの需要があります。ミニバンの場合はローダウンとセットで仕上げるケースが多く、車高との組み合わせも含めて専門店に相談するのが近道です。
| リム径 | 19inch/20inch/21inch |
|---|---|
| カラー | マットブラック/クリスタルブラック/クリスタルシルバー/クリスタルグレー |
| 参考 | VERZ-WHEELS[ホイールメーカー一覧] |
コンケイブホイールを選んで後悔しないために
コンケイブホイールは数万円から数十万円になるカスタムアイテムです。購入後に「イメージと違った」「車に付かなかった」「車検が通らなかった」という事態を防ぐために、以下を実践してください。
- 購入前にサイズでのコンケイブ深さを確認する:カタログ写真は大インチでの深い仕様のことが多い。自分が選ぶサイズでの実物確認か、メーカーへの問い合わせが必須。
- インセットを正確に把握する:インセットの選択を誤るとフェンダーへのはみ出しや足回りへの干渉が起こる。ホイールショップで実車計測を依頼するのが最も確実。
- キャリパークリアランスを確認する:ブレーキキャリパーとホイールの干渉はタイヤ交換の工賃どころか走行不能になる重大問題。特に社外キャリパー装着車は要注意。
- 車検基準を把握しておく:タイヤのはみ出しは10mm未満(ホイール・ナットのはみ出しは不可)が保安基準の許容範囲。コンケイブが深くてリムオーバーになるモデルは特に注意が必要。
「自分の車に適合するか自己判断が難しい」と感じる場合は、ホイールメーカーへの問い合わせか、装着実績が豊富なホイール専門店への相談が最も確実な方法です。適切なインセットとサイズの選択ができれば、コンケイブホイールが持つ圧倒的な立体感は他のカスタムでは得られない満足感をもたらしてくれます。




















