ヴィッツGRMN

ヴィッツGRMNは150台限定400万円で完売 212PSスーパーチャージャー 系譜はGRMNヤリスへ

ヴィッツGRMNは今も買えるのか。150台はすでに完売し、車名もヴィッツからヤリスへ。GRMNの系譜は2022年の限定500台・731万7000円のGRMNヤリスへ引き継がれました。中古相場と欧州仕様ヤリスGRMNまで整理します。

ヴィッツGRMNは150台限定400万円で完売 212PSスーパーチャージャー 系譜はGRMNヤリスへ

ヴィッツGRMNは2018年に150台限定で販売 212PSのスーパーチャージャー搭載

2013年に限定200台で販売されたヴィッツGRMNの新型モデルが、2018年に限定150台で登場しました。2013年の初代は3代目ヴィッツの前期型がベースでしたが、この2代目は3代目後期型をベースとしています。

1.8Lの「2ZR-FE」型エンジンにスーパーチャージャーを組み合わせ、初代を大きく上回るスペックを獲得。足まわりも徹底的に強化されました。ヴィッツGRMNのエクステリアやインテリア、搭載エンジンとスペック、発売の経緯と価格をチェックしておきましょう。

150台はすでに完売 ヴィッツはヤリスへ GRMNの系譜はGRMNヤリスが継承

ヴィッツGRMNの150台は、抽選を経てすべて売り切れました。新車で手に入れる方法はすでにありません。

そもそもヴィッツという車名自体が、2020年2月のフルモデルチェンジで「ヤリス」へ統一されて消滅しています。1999年から20年続いた名前が、4代目への刷新を機に世界共通名へ切り替わりました。

では、GRMNの系譜はどこへ行ったのか。答えは2022年1月14日に東京オートサロン2022で世界初公開された「GRMNヤリス」です。GRヤリスをベースに、スポット溶接打点を545点追加し、カーボン製のフードやルーフ、リアスポイラーを採用。リアシートを撤去して乗車定員2名とすることで約20kgの軽量化を果たしました。1.6L直3ターボは272PS/390Nmを発生します。

価格はベースグレードが731万7000円、サーキットパッケージが846万7000円、ラリーパッケージのフル装着車で837万8764円。500台限定で、抽選の申込は2022年1月14日から2月28日まで受け付けられました。オートサロン会期中の3日間だけで1,000件を超える申し込みがあったとささやかれ、最終的には限定数の数倍に達したという話も聞こえてきます。400万円のヴィッツGRMNが高いと言われた時代が、遠く感じられます。

ちなみにGRMNは「Gazoo Racing tuned by Meister of Nürburgring」の略。これまで86 GRMN(2016年/100台)、ヴィッツGRMN(2018年/150台)、マークX GRMN(2019年/350台)などが送り出されてきました。いずれも中古市場ではプレミア価格が付いており、ヴィッツGRMNも例外ではありません。

欧州には400台限定の「ヤリスGRMN」が存在した

ヴィッツGRMNには双子がいます。欧州で販売された「ヤリスGRMN」(2018年/限定400台)です。

市販モデルの発表の舞台は、2017年9月のフランクフルトモーターショー。同じ1.8Lスーパーチャージャー付きエンジンと6速MTを積み、3ドアボディをまといました。生産はヤリスを造るフランスのバランシエンヌ工場が担当し、日本仕様は輸送後に元町工場でLFAを手掛けた職人が仕上げるという、手の込んだ工程を経ています。GRシリーズ専用のバンパー類も元町工場で装着されました。

日本の150台と欧州の400台。合わせても550台という希少さが、いまの中古相場を支えています。

ヴィッツGRMNのエクステリアは日本未導入の3ドアモデルを採用したスパルタンなスタイル

ヴィッツGRMNのフロントビュー

ヴィッツGRMNのサイドビュー

ヴィッツGRMNのエクステリアは、日本仕様には設定のない3ドアボディを採用。専用のブレーキやスプリング、ショックアブソーバーなど、足まわりも徹底的にチューニングされています。ボディサイズは全長3,975mm、全幅1,695mm、全高1,510mmの5ナンバーサイズです。

ヴィッツGRMN
ボディサイズ
全長 3,975mm
全幅 1,695mm
全高 1,510mm
ホイールベース 2,510mm
車両重量 1,140kg

ヴィッツGRMNのリアビュー

リアビューには大型のリアスポイラーが装着され、フロントフェンダーとリアゲートには「GRMN」のロゴが与えられています。ロアグリル上部のスモークメッキガーニッシュ右側にも、専用のGRMNエンブレムが配されました。

ヴィッツGRMNのリヤビューヴィッツGRMNのリヤビュー

ロータス エリーゼSのリヤビューロータス エリーゼSのリヤビュー

マフラーエンドは、同じエンジンを積むロータス エリーゼSと同様、右側ではなく中央に配置され、排気口はメッキパーツで加飾されています。コンパクトカーとは思えない、中央一本出しの佇まいです。

ヴィッツGRMNのインテリアはレッドカラーの加飾でスポーティな印象

ヴィッツGRMNのインパネ

ヴィッツGRMNのインテリアは、レッドの加飾が効いたスポーティな空間です。フロアにシフトノブが立っていることから、マニュアルトランスミッションであることが一目でわかります。ペダルはスポーティなアルミ製で、黒い部分が滑り止めの役割を果たします。

ヴィッツGRMNのシート

シートは身体をしっかり支えるバケットタイプ。ヘッドレストにGRロゴが入り、ひと目でGRMNとわかります。ステッチにはホワイトとレッドが使われました。

ヴィッツGRMNのメーター

メーターは中央にインフォメーションディスプレイ、左にタコメーターと水温計、右にスピードメーターとガソリン残量計という配置。シンプルで視認性が高く、過給機がスーパーチャージャーであるためブースト計は備わりません。260km/hスケールのスピードメーターとGRロゴ付きタコメーターという専用品です。

ヴィッツGRMNのステアリングホイール

ステアリングは本革巻きで手に馴染む素材。3本スポークのデザインで、下部にGRロゴが入ります。中央にホーン、スポーク部にオーディオコントロールのスイッチが並びます。

ヴィッツGRMNの搭載エンジン・スペック

ヴィッツGRMNに搭載されたエンジン

ヴィッツGRMNのエンジンは、ロータスにも供給されている1.8Lの「2ZR-FE」型にスーパーチャージャーを組み合わせたユニットです。エンジン上部には「GRMN LIMITED EDITION」のプレートが備わり、指定燃料は無鉛プレミアムガソリンとなります。

2ZR-FE+スーパーチャージャー諸元
種類 直列4気筒DOHC
過給機 スーパーチャージャー
排気量 1,797cc
最高出力 156kW(212PS)/6,800rpm
最大トルク 250Nm(25.5kgm)/4,800rpm
使用燃料 無鉛プレミアムガソリン(42L)

トランスミッションは専用の6速マニュアル(ショートストロークシフトレバー)で、駆動方式はFF。ホイールは初代GRMNと同様にBBS製17インチ鍛造で、タイヤは205/45R17を組み合わせます。前後の駆動をまとめるトルセンLSD、電動パワーステアリングの専用チューニングも与えられました。

ヴィッツGRMNのザックス製ダンパー

足まわりにはSACHS(ザックス)製アブソーバーを用いた専用チューニングサスペンションと、対向4ポットキャリパー+スリット入りローターのブレーキを装備。街乗りだけでなくサーキット走行にも対応し、6速トップからのフルブレーキングを繰り返してもタレることなく性能を発揮します。「コンビニからニュルブルクリンクまで、この一台で」というコピーは伊達ではありませんでした。

ヴィッツGRMNは限定150台 価格は400万円で商談は抽選に

モーターショーに展示されるヴィッツGRMN

販売の流れは通常のトヨタ車とまったく異なりました。2018年4月9日から5月13日まで、全国のGR Garageと専用WEBサイトで商談申込を受付。150台の枠を超える申し込みがあったため、2018年5月21日に抽選が実施されました。納車が始まったのは同年6月ごろです。

市販モデルの世界初公開は2017年9月のフランクフルトモーターショー、日本仕様は2018年1月の東京オートサロンで披露されています。当然ながら、現在は申し込みも販売も終了しています。

気になる価格は400万円(税込)。初代ヴィッツGRMNが270万円だったことを思えば、かなりの跳ね上がりです。ボディタイプは初代と同じ3ドアハッチバック、乗車定員は5名。ベースとなるヴィッツが120万円台から買えた当時、その3倍以上という値付けは強気に映りましたが、150台は問題なく捌けました。

ヴィッツGRMNは伝説となったホットハッチ

ヴィッツGRMNのフロントビュー

ヴィッツGRMNは、ビッグマイナーチェンジを受けた3代目ヴィッツ後期型をベースに開発されました。価格は400万円、150台限定で、全国のGR Garageとインターネットで商談申込を受け付け、抽選によって購入者が決まっています。

ヴィッツGRMN

ボディサイズこそ3代目ヴィッツと大きく変わりませんが、搭載エンジンはロータスにも供給される「2ZR-FE」に1.8Lスーパーチャージャーを組み合わせたもので、最高出力212PS、最大トルク250Nm。出力・トルクともに初代ヴィッツGRMNを上回ります。
専用エアロパーツはもちろん、ブレーキやスプリング、ショックアブソーバーまで強化され、速いだけでなく、グッと曲がりピタッと止まる一台に仕上げられました。

ヴィッツという車名が2020年に消え、GRMNの座もGRMNヤリスへ譲られた今、この150台は明確に「歴史」の側へ移りました。中古市場では新車価格を上回る個体も見かけます。1.8Lスーパーチャージャーに6速MT、そして3ドアという組み合わせは、もう二度と量産されないでしょう。手に入れる機会があるなら、迷う理由は少ないはずです。