新車購入オプションのフロアマットの必要性と選び方
新車購入時、ディーラーの営業担当者から必ず提案されるオプションの一つが「フロアマット」です。以前は標準装備されている車種も多くありましたが、現在では車両価格を抑えるため、オプション装備として販売されることが一般的になりました。
純正フロアマットの価格は車種によって異なり、軽自動車やコンパクトカーで1万円台後半~3万円程度、高級車や大型ミニバンでは5万円を超えることもあります。決して安価ではないため、「純正フロアマットは本当に必要なのだろうか?」と疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。
今回は、フロアマットの安全性を含めた必要性、純正品と社外品の車種専用設計マットの違い、そして主な種類や選び方について詳しくご紹介します。
フロアマットは安全性と快適性を高める必須アイテム
シートカラーにフロアマットの色調を合わせれば室内の清潔感や高級感がアップします
フロアマットは単なる装飾品ではなく、車内の快適性と安全性を保つために「必要」な装備です。特に、運転席のマットはペダル操作に直結するため、非常に重要な役割を果たします。
1. 安全性の確保(ペダル操作の妨げ防止)
フロアマットの最も重要な機能は、ペダル操作の妨げを防ぐことです。運転席のマットがずれたりめくれたりすると、アクセルペダルやブレーキペダルに引っかかり、重大な事故につながる危険性があります。
この危険を防ぐため、純正品や高品質な車種専用設計マットには、フロアにしっかりと固定するための専用フックや留め具が備わっています。サイズが車種にぴったり合うこと、そして確実に固定できることが、安全運転のための必須条件です。
2. 車内が汚れにくくなり清潔に保てる
フロアマットは掃除しやすく交換もしやすいため車内の清潔さは維持されます
靴を履いたまま乗り込む車内は、泥や砂、ホコリ、雨水などで汚れることが避けられません。フロアマットを敷いていれば、汚れが直接フロアカーペットに染み込むのを防ぐことができます。
汚れた部分だけを車外に取り出して掃除できるため、車内をいつでも清潔な状態に保てます。万が一、飲み物などをこぼしてシミになった場合でも、マットだけを交換すれば済むため、フロアカーペット本体の劣化を防げます。
3. 質感や高級感が向上する
フロアマットを置くと車内の雰囲気が洗練されて質感や高級感がアップします
フロアマットは、車内の視覚的な質感向上に大きく貢献します。厚みや色、デザインを工夫することで、足元に高級感や洗練された雰囲気を与えることができます。
純正フロアマットの多くは、車名やメーカーロゴのプレートが付いており、統一された高級感があります。社外品でも、デザイン性の高い素材を選ぶことで、車内の雰囲気を個性的に演出できます。
4. 振動や騒音を抑え乗り心地が良くなる
フロアマットは、路面からの振動や騒音が車内に伝わるのを軽減する役割も果たします。特に厚みのある高級なマットは、フレームと足の中間に位置することでクッションとなり、小さな振動やロードノイズを吸収してくれます。
これにより、運転中の足への振動の伝わりが減り、長時間のドライブでも快適性が向上します。
フロアマットの種類は大きく分けて2つ
フロアマットは、素材や機能によって「起毛(カーペット)タイプ」と「ラバー(防水)タイプ」に大きく分けられます。どちらを選ぶかは、求める機能や用途によって決まります。
起毛(カーペット)タイプのフロアマット
起毛タイプのフロアマットのクッション性や肌触りは良く、足を置いた時の感触も優れています
毛足の長い絨毯のような高級感のある素材や、しっかりとした織りのカーペット素材が使われています。純正品のほとんどがこのタイプです。厚みがあるためクッション性に優れ、乗り心地の改善にも役立ちます。
デザインのバリエーションが豊富で、高級感を重視したい方や、車内の雰囲気をカスタマイズしたい方におすすめです。
ラバー(防水)タイプのフロアマット
実用性と手入れのしやすさを最優先したい方におすすめなのが、ゴムやTPE(熱可塑性エラストマー)素材のラバータイプです。汚れてもすぐに水洗いが可能で、速乾性に優れています。
水や泥をこぼしてもフロアに染み込まず、特にアウトドアやウィンタースポーツが趣味の方、小さなお子様やペットを乗せる機会が多い方に非常に人気があります。
純正品と社外品の車種専用設計マットの違い
純正フロアマットは車内の床下スペースにピッタリと合うようなサイズで作られています
新車購入時に提案される純正フロアマットと、市販されている社外品の車種専用設計マットの大きな違いは、価格とデザインの自由度です。
純正フロアマットの特徴
純正品は、購入した車に合わせてメーカーが車体寸法通りにフルオーダーで設計しているため、サイズと固定具のフィット感、そして安全性が完璧に確保されています。また、車名の刺繍や高級感のあるプレートなどが入り、ブランド統一の質感が高いのが特徴です。その分、開発コストやブランド料が上乗せされるため、価格は高くなります。
社外品の車種専用設計マットの特徴
汎用品とは異なり、車種専用設計マットは純正品と同等かそれ以上に車のフロア形状にぴったり合うように作られています。これにより、安全性が確保されつつも、純正品よりも安価に購入できる製品が多く、人気を集めています。
純正品はブラックやグレーなどシンプルなカラーが多いのに対し、社外品はレッド、オレンジ、ベージュなどカラフルなカラーや、チェック柄、千鳥格子柄といったデザイン性の高いパターンを自由に選ぶことができるため、コストパフォーマンスと個性の両方を重視したい方におすすめです。
社外品の車種専用設計マットの例
社外品の車種専用設計マットの中でも、特に人気が高く、品質とデザインで評価されているメーカーをいくつかご紹介します。
高級感のある車種専用フロアマットならクラッツィオ(Clazzio)
シートカバーで知られるクラッツィオの車種専用フロアマットは、幅広いラインナップと、カラーや素材を自由に組み合わせて1,000通り以上のオリジナルコーディネートができるのが特徴です。
開発から生産まで全ての工程を日本で行う徹底した品質管理と、毛足の長さ12mm前後の厚くふかふかな仕上がりは、高級感に優れています。販売価格は、車種によりますが、一般的な2列シートの1台分セットで3万円台、3列シート車では4万円台から提供されており、純正品に匹敵する品質と個性を両立しています。
おしゃれな車種専用フロアマットならホットフィールド(HOTFIELD)
デザイン性の高い千鳥格子柄やカジュアルチェック柄など、豊富なパターンを用意しているのがホットフィールドの車種専用フロアマットです。人気車種はほぼ全てをカバーしており、好きな柄とカラーを選択できます。
販売価格は、車種や素材により異なりますが、例えばトヨタのアクアのフロアマットとラゲッジマットのセットで1万5千円~2万円程度から購入できるため、純正フロアマットよりも安く、かつデザイン性の高い製品を探している方に人気があります。
車種専用設計マットなら上質ながら純正より安価に購入可能
車のフロアマットは、安全性の確保と車内の保護のために必須の装備ですが、必ずしも純正オプションのフロアマットを選ぶ必要はありません。純正品と同等のフィット感と安全性を持ちながら、より安価に、そしてデザインの自由度高く購入できる社外品の車種専用設計マットが豊富にあります。
予算や求める質感、デザインのセンスに合わせて、純正品、社外品の車種専用設計マットを幅広く比較検討されることをおすすめします。