ランドクルーザー ヘリテージ

ランドクルーザー ヘリテージエディションとは?最後のV8ランクル1200台と日本未導入の理由

ランドクルーザー ヘリテージエディションは日本で買えるのか。答えは正規販売なしで、入手するなら並行輸入のみです。2020年と2021年の2年分だけ作られた理由、3列シートが選べるようになった経緯、後継となる300系・250系・FJの現状まで解説します。

ランドクルーザー ヘリテージエディションとは?最後のV8ランクル1200台と日本未導入の理由

ランドクルーザー200のヘリテージエディション(Land Cruiser Heritage Edition)とは?クラシック調エンブレムとBBSホイールをまとった北米限定1,200台の特別仕様車

ランドクルーザー ヘリテージエディションは、シカゴオートショー2019で公開され、2019年夏に米国で発売された限定1,200台の特別仕様車です。ヴィンテージ調のBBS製アルミホイールを履き、ボディカラーはミッドナイトブラックメタリックとブリザードパールの2色から選べました。

この特別仕様車は日本へ正規導入されないまま、2021年モデルを最後に姿を消しています。北米でのランドクルーザー200系そのものが2021年モデルで販売を終え、ヘリテージエディションもその歴史とともに幕を下ろしました。日本で新車として買える機会は最後まで訪れず、現在入手するとしても米国からの並行輸入という選択肢に限られます。

どのようなエクステリアとインテリアを持ち、どんなエンジンを積んでいたのか。そして200系の終了後、ランドクルーザーがどこへ向かったのか。順を追って見ていきましょう。

ランドクルーザー ヘリテージエディションの現在 2021年モデルで終了し新車での入手はできない

結論から整理します。ヘリテージエディションは2020年モデルと2021年モデルの2年分だけ作られ、北米市場での200系ランドクルーザーの終了とともに設定がなくなりました。2024年に米国でランドクルーザーの車名が復活した際も、ヘリテージエディションというグレード名は戻っていません。レトロな意匠を担う役割は、丸型LEDヘッドランプを持つ新グレード「1958」が引き継いだ形です。

日本国内では200系ランドクルーザー自体は販売されていましたが、ヘリテージエディションは北米専売のため正規販売は一度も行われていません。中古市場でも国内流通はごくわずかで、現実的な入手手段は並行輸入となります。米国の中古市場では、2020年モデルの下取り相場が6万ドル台、小売価格は7万ドル台後半が中心で、走行距離の少ない2021年モデルには新車価格を大きく上回る値が付く例もあります。ラダーフレームと5.7L V8を持つ最後の世代という希少性が、価格を下支えしている構図です。

以下、200系の終了から現在のランドクルーザーに至るまでの流れを、新しい順に整理します。

ランドクルーザーFJが日本で発売 2026年5月14日

ランドクルーザーシリーズの4本目の柱として、コンパクトな本格オフローダー「ランドクルーザーFJ」が2026年5月14日に日本で発売されました。「300」「70」「250」に続く新シリーズで、開発コンセプトには「Freedom&Joy」が掲げられています。

価格は5人乗りの「VX」(4WD)1グレードで450万100円。ランドクルーザーシリーズで最も手の届きやすい価格帯です。ボディサイズは全長4575mm×全幅1855mm×全高1960mm、ホイールベース2580mm。250系より350mm短く、最小回転半径は5.5mに収まります。プラットフォームは300系や250系のGA-Fではなく、IMVシリーズのラダーフレームがベースです。

パワートレインは2.7L直列4気筒自然吸気ガソリンに6速ATを組み合わせ、駆動方式はパートタイム4WD。WLTCモード燃費は8.7km/Lです。足まわりはフロントがダブルウィッシュボーン、リヤがコイルスプリングのリジッドアクスルという硬派な構成で、コの字型に光るリヤコンビネーションランプや横開きバックドア、スペアタイヤキャリアなど、ランドクルーザーらしい記号も揃えています。月販基準台数は1,300台と控えめなため、抽選販売や長納期化が見込まれます。

ランドクルーザー250が一部改良、300は追加受注を開始 2026年4月

2026年4月3日、ランドクルーザー250シリーズのガソリン車が一部改良を受けました。人気の高さから、振り分け台数に対して応募が上回った場合は抽選販売となる方式が採られています。

同じ2026年4月には、長らく新規受注を停止していたランドクルーザー300が追加受注を開始しました。中東向けの生産調整により国内枠が確保できたことが背景とみられます。300系は2021年の発売以来、受注残が数年分積み上がる状態が続き、ガソリンモデルは受注停止が常態化していました。現在の価格帯は525万2500円から813万6700円です。

ランドクルーザーFJを世界初公開 2025年10月21日

2025年10月21日、トヨタは新シリーズとなる「ランドクルーザーFJ」を世界初公開しました。同年10月30日から11月9日まで開催されたジャパンモビリティショー2025でも実車が展示され、大きな話題を集めています。

生産はタイのバンポー工場で、2026年1月26日に開始。タイ市場では2026年3月21日に先行発売され、日本での発売は前述のとおり2026年5月14日となりました。2017年に生産を終えた「FJクルーザー」の直接の後継ではなく、ランドクルーザーシリーズに新設されたエントリーモデルという位置づけです。

ランドクルーザー300が一部改良 2025年3月

2025年3月、ランドクルーザー300が一部改良を受け、あわせて価格が改定されました。2021年8月の発売から3年半あまりが経過した時点での商品力向上ですが、この時点でもガソリンモデルの新規受注は停止されたままで、実質的に「買いたくても買えない」状態が続いていました。

ランドクルーザー250が日本で発売、米国でも車名が復活 2024年4月18日

2024年4月18日、日本でランドクルーザー250シリーズが発売されました。価格は520万円から735万円。ボディサイズは全長4925mm×全幅1980mmで、ホイールベースは80系から続く2850mmを継承しています。3列シートの7人乗りを主軸としつつ、ディーゼルのGXには2列5人乗りも設定されました。ランドクルーザープラドの立ち位置を引き継ぎながら、高級志向から「原点回帰」へと舵を切ったモデルです。

米国では同じ車が2024年モデルとして春に発売され、200系の終了から3年ぶりにランドクルーザーの車名が復活しました。グレードは丸型LEDヘッドランプとファブリックシートを持つ「1958」が57,345ドル、中核の「ランドクルーザー」が63,345ドル、装備を充実させた「ファーストエディション」が76,345ドルで、ファーストエディションは北米5,000台限定です。

ここで注目したいのが価格です。2021年モデルの200系が85,515ドルから、ヘリテージエディションが87,845ドルからだったのに対し、新世代の入口は3万ドル近く下がりました。ランドクルーザーが「高級SUV」から「手の届く本格オフローダー」へと役割を移したことが、この数字にはっきり表れています。

ランドクルーザー70が日本で再々販 2023年11月29日

2023年11月29日、ランドクルーザー70が日本で約9年ぶりに再々販されました。価格は480万円の1グレードのみ、月販基準台数は400台です。過去の再販時との最大の違いは安全装備で、現代の基準に合わせた予防安全機能が組み込まれました。

これにより日本のランドクルーザーは「300」「70」の2本立てとなり、翌2024年の250、2026年のFJ追加へとつながっていきます。

ランドクルーザー250を世界初公開、米国復活を発表 2023年8月

2023年8月1日(米国時間、日本では8月2日)、トヨタは次世代のランドクルーザーとなる250シリーズを世界初公開しました。同時に発表されたのが、2024年モデルとして北米市場へランドクルーザーを復帰させるという決定です。

プラットフォームはTNGA-Fグローバルトラックプラットフォーム。米国仕様のパワートレインは、タコマにも積まれる2.4L直列4気筒ターボ+1.87kWhバッテリー+8速ATの「i-FORCE MAX」ハイブリッド専用で、システム出力は326hp、最大トルクは465lb-ft(約630Nm)です。ボディは200系より約4.4インチ狭く、1.2インチ短くなりました。

200系が「壊れない強さと高級装備を兼ね備えたSUV」だったのに対し、新世代は「厳しい環境を生き延びる高品質なオフローダーを、より手の届く価格で」という方向へ振り直されています。ヘリテージエディションがオプションで表現していた質実剛健さを、車全体のコンセプトとして引き受けた、と言い換えることもできそうです。

ランドクルーザー200系と5.7L V8が終了、ヘリテージエディションも2021年モデルが最後に

ヘリテージエディションは2021年モデルをもって設定を終了しました。ベースとなる200系ランドクルーザーが北米市場から退いたためで、2021年モデルは200系そのものにとっても最後の年式となりました。米国市場では、その役割をレクサスLXが引き継ぐ形になります。

日本国内でも200系は2021年前半に受注を終了しています。販売店によって終了時期に差はあったものの、300系の登場を前に受け付けは締め切られました。

そして見逃せないのが5.7L V8「3UR-FE」の終焉です。ヘリテージエディションを含む200系の最終型は、このV8を積んだ最後のランドクルーザーとなりました。市街地13mpg・高速17mpg・複合14mpgという燃費は、当時すでに厳しい数字でした。後継の300系は3.5L V6ツインターボと3.3L V6ディーゼルへ移行し、ランドクルーザーのV8時代はここで完全に終わっています。ヘリテージエディションの希少性が語られるとき、限定1,200台という数字と同じくらい「最後のV8ランクル」という文脈が持ち出されるのは、このためです。

ランドクルーザー300へフルモデルチェンジ 2021年8月2日

2021年8月2日、200系の後継となるランドクルーザー300が日本で発売されました。14年ぶりの全面刷新で、トヨタの車両開発手法TNGAに基づくフレーム車向けプラットフォーム「GA-F」を初めて採用しています。価格は510万円からでした。

技術面で最も大きかったのは軽量化です。最上位のZX同士で比較すると先代より約200kg軽くなりました。新型フレームに加え、ボンネットやルーフ、フロントドアパネルをアルミ合金化し、高張力鋼板の適用範囲も広げたことが効いています。専用グリルを備えるスポーツグレード「GR SPORT」が初めて設定されたのもこの世代からです。

発売直後から受注が殺到し、納車待ちが数年規模に及ぶ状況が長く続きました。ヘリテージエディションが北米で静かに幕を下ろした年に、ランドクルーザーは日本で最も入手困難なSUVのひとつになっていた、という対比になります。

米国での販売終了を表明 2020年11月〜12月

2020年11月下旬、トヨタは販売店に対して「ランドクルーザーは2021年モデルをもって米国での販売を終了する」という内容を通知し、12月に対外的にも表明しました。「大型SUVセグメントには引き続き注力し、ランドクルーザーの豊かなオフロードの歴史を受け継ぐ将来の製品を模索していく」「熱心なファンには今後の展開に注目してほしい」という言葉が添えられています。

背景にあったのは販売台数です。米国でのランドクルーザーは2006年以降、年間4,000台を超えたことがなく、2020年も3,536台にとどまっていました。ほぼ同じ中身のレクサスLXがより高い価格帯で毎年上回る台数を売っていたことも、判断を後押ししたとみられます。この「今後の展開に注目してほしい」という一節が、2023年8月の車名復活につながっていきました。

2021年モデルのヘリテージエディションを発表、3列シートをオプション設定 2020年11月30日

2020年11月30日、トヨタは2021年モデルのランドクルーザー ヘリテージエディションを発表しました。最大の変更点は、初代(2020年モデル)で廃止されていた3列シートがオプションとして選べるようになったことです。

ボディカラーには従来のミッドナイトブラックメタリックとブリザードパールに加え、クラシックシルバーメタリックとマグネティックグレーメタリックが加わりました。ブラックアクセントのフロントグリル、18インチのブロンズBBS製鍛造アルミホイール、ヴィンテージ調のランドクルーザーエンブレムといった専用装備は継続されています。

価格は2列モデルが87,845ドル(輸送費込みで89,240ドル)で、標準のランドクルーザー85,515ドルに対して2,330ドル高。2020年モデルからは170ドルの値上げでした。3列モデルの価格は同年9月の生産開始に合わせて公表されています。生産は2020年8月3日から始まり、8月中旬から下旬にかけて店頭に並びました。

結果的にこの2021年モデルが、ヘリテージエディションの最終型となります。

ランドクルーザー ヘリテージエディションのエクステリアはレトロ調エンブレムやブロンズBBSホイールを装備しシックにまとめあげている

ランドクルーザーヘリテージエディションのフロントビューUSトヨタで販売されたランドクルーザーヘリテージエディションは限定1,200台

北米市場限定で発売されたランドクルーザー200系の限定モデル「ヘリテージエディション」は、1958年にランドクルーザーが米国市場へ導入されてから60年以上が経過したことを記念する特別仕様車です。なお「ランドクルーザー」という車名そのものは、1954年6月にトヨタジープBJから改称されて誕生しています。
「ヘリテージ」には代々継承するもの、伝承するものという意味があり、誕生から60年以上にわたり世界で愛されてきたランドクルーザーの歩みを今に伝えるモデルとなりました。

ランドクルーザーヘリテージエディションのサイドビューランクルヘリテージエディションはシカゴオートショー2019で実車が公開された

ヘリテージエディションはランクル200系をベースにしており、中東やアフリカ地域など、世界で最も過酷といわれる地域で活躍してきた精悍なスタイルを貫いています。
1,200台限定生産のため希少価値が高く、日本導入についてトヨタ公式からアナウンスされることは最後までありませんでした。

ランドクルーザーヘリテージエディションのリヤビュー5.7リッターV8エンジンの力強い走りが魅力のランクルヘリテージエディションは北米限定モデルで日本には正規導入されなかった

ボディカラーは、「ミッドナイトブラックメタリック」と「ブリザードパール」の2色設定で、日本仕様のランクルでいうところの「アティチュードブラックマイカ」と「ホワイトパールクリスタルシャイン」にあたるカラーです。2021年モデルではここにクラシックシルバーメタリックとマグネティックグレーメタリックが追加されました。

ランドクルーザーヘリテージエディションのエンブレム車体後部に設置されたレトロ調のエンブレム。トヨタのロゴが角張っていてランドクルーザーが筆記体のデザイン

ランドクルーザー ヘリテージエディションのエクステリアは大きく変わっている部分はありませんが、一番の特徴はDピラー付近にイタリック体で表現されたヴィンテージ調のエンブレムが装着されている点で、これがヘリテージエディションの象徴となります。

ランドクルーザーヘリテージエディションの18インチBBSホイールランドクルーザー ヘリテージエディションに装備される18インチBBSホイール。タイヤはダンロップを装着しているのが分かる

装着しているホイールは、ヘリテージエディションのみに装備されるBBS製ブロンズ色の鍛造アルミホイールで、サイズは18インチです。ホイールセンターにはTOYOTAのロゴがあり、力強い星型のデザインから伸びるダブルスポークがトータルバランスをとっています。タイヤはダンロップで、写真から判断する限りハイウェイテレーンかオールテレーン系のパターンです。

ランクルヘリテージエディションのボンネット特徴的なブラックアクセントのフロントグリル

ほかにも、フロントグリルにブラックアクセントが施され、ヘッドライトのインナーにもブラックの加飾が追加されています。フォグランプ周囲やドアミラーにもダーククロームの加飾が入り、標準車に付くランニングボード(サイドステップ)とクロームのロッカーモールが省かれているのも特徴です。ボンネットデザインや大きなフロントグリルからは、都会的でありながらパワーを秘めたランドクルーザーのポテンシャルを垣間見ることができます。

ランドクルーザー ヘリテージエディションの内装はブロンズステッチが各所に施されていてクラシック調を演出

ランドクルーザーヘリテージエディションのステアリングホイールランドクルーザー ヘリテージエディションのブロンズステッチ。ハンドルだけではなく、コンソールやドアトリムにも同様のステッチがある

ランドクルーザー ヘリテージエディションのインテリアは、ホイールのブロンズと呼応するコントラストステッチが施されており、ステアリングだけでなくセンターコンソール、センタースタック、ドアトリム、シートにも同じ処理が入ります。フロアマットはオールウェザー仕様のものが装備され、カーゴライナーも標準のため、ガシガシ使っても汚れは気になりません。

プッシュスタートボタンやキーレスエントリーはもちろん、運転席と助手席、後部座席の左右に分かれた4つのゾーンを温度制御できるフルオートエアコンや、ステアリングヒーター、ベンチレーションシートも装備されています。

そのほかにも、9インチのタッチインフォメーションディスプレイ、ボイスコントロールやBluetooth接続、14スピーカーのJBLプレミアムオーディオが装備され、スマートフォンなどを無線充電できる装備もあります。

ランドクルーザーヘリテージエディションのシートブラックレザーシートを標準装備してインパネ中央には大画面のインフォテインメントディスプレイも見える

シートは本革のブラックレザーで、ランドクルーザーZXと同様にブラックインテリアを採用しています。全体的にブラックでまとめられた内装は、シックで落ち着きのある雰囲気をかもしだしています。2020年モデルは3列目を廃した2列5人乗り専用で、これは荷室容量を最大化するための割り切りでした。標準の3列モデルが2列目後方41.4立方フィートなのに対し、2列モデルは53.5立方フィートを確保しています。

インテリア後部から見るとルーフもブラックになっているのが分かります。5人乗りではありますが、後部座席のセンターを倒せば長尺物も積めるため、スキーやスノーボード、サーフィンも楽しめます。前述のとおり、2021年モデルからは3列シートもオプションで選べるようになりました。

ランドクルーザー ヘリテージエディションの搭載エンジンは5.7LのV8で200系最後のV8ランクルとなった

ランドクルーザー ヘリテージエディションに搭載されるエンジンは、USトヨタがラインナップしていたほかのランドクルーザーと同様に5.7LのV8エンジン(3UR-FE)です。米国での公表値は381hp/401lb-ftで、日本で使われる単位に換算するとおよそ386PS/544Nmにあたります。

200系USランドクルーザーの搭載エンジン(当時)
型式 3UR-FE
種類 V型8気筒
排気量 5,663cc
最高出力 386PS/5,600rpm
最大トルク 544Nm/3,600rpm
搭載車種 USランドクルーザー
タンドラ
セコイア
レクサスLX

200系時代の日本仕様ランドクルーザーは4.6Lの1UR-FEを搭載していましたが、アメリカ仕様には日本のレクサスLXと同じ3UR-FEが積まれ、日本のランクルよりもパワフルな仕様でした。トランスミッションは8速ATで、トルセンLSDやマルチテレインセレクトを備え、ランドクルーザーのオフロード性能も受け継いでいます。KDSS(キネティック・ダイナミック・サスペンションシステム)やクロールコントロール、ダウンヒルアシストコントロール、オフロードターンアシストも標準装備でした。

ただし燃費は市街地13mpg・高速17mpg・複合14mpgと厳しく、これが200系の寿命を縮めた一因でもあります。この3UR-FEを積んだ2021年モデルが、ランドクルーザー史上最後のV8となりました。後継の300系は3.5L V6ツインターボと3.3L V6ディーゼル、さらに小型の250系やFJはより小排気量のユニットへと移っています。

ランドクルーザー ヘリテージエディションの価格は89,040ドルで2019年夏に発売された

ランドクルーザー ヘリテージエディションは、2019年2月のシカゴオートショー2019で実車が公開され、限定1,200台が2019年夏に米国で発売されました。

価格は89,040ドルで、1,395ドルの輸送費を含んだ金額です。標準のランドクルーザーに対して2,330ドル高という設定でした。1,200台という台数は、当時の米国におけるランドクルーザーの年間販売台数の4割近くに相当する規模です。

参考までに、200系当時の日本仕様ランドクルーザーはベースグレードのGXが473万円でした。2026年7月時点では、ランドクルーザー300が525万2500円から813万6700円、250シリーズが520万円から735万円、FJが450万100円という構成です。ランドクルーザーの入口が最も手頃な市場が日本である、という構図は現在も大きくは変わっていません。

ランドクルーザー ヘリテージエディションは北米専売のまま終了し、日本での販売は行われませんでした

ランドクルーザーヘリテージエディション

ランドクルーザー ヘリテージエディションの販売地域はアメリカのみで、日本での正規販売は最後まで行われませんでした。2019年2月のシカゴオートショー2019で実車が公開されたこのモデルは、60年以上の歴史を持つランドクルーザーの記念モデルとして2020年モデルと2021年モデルの2年分が作られ、200系の終了とともに設定を終えています。

基本的なエクステリアは標準車と変わりませんが、ブラックアクセントが施されたフロントグリルやヘッドライト、レトロ調のエンブレム、ブロンズのBBSホイールなど、60年以上の歴史を感じさせるアクセントが随所に配置されていました。

フルタイム4WDやクロールコントロールなどのオフロード性能はヘリテージエディションでも変わらず、地球上のどんな道でも走破できる資質を備えていました。その系譜は300系、250系、そして2026年に加わったFJへと形を変えながら受け継がれています。V8とラダーフレームを併せ持つ最後の世代に、あえてクラシックな装いをまとわせたこの1,200台は、ランドクルーザーがひとつの時代を閉じる直前に残した記念碑といえるでしょう。