キャストのマイナーチェンジ

ダイハツ キャストは2023年に生産終了 アクティバとスポーツは2020年に終了 後継は実質タフト

キャストはなぜ生産終了したのか、後継はどうなったのかを解説します。3タイプ展開の位置づけやライバルとの差別化、2020年・2023年の段階的終了の流れ、アクティバの後継タフト、当時の装備や価格までまとめました。

ダイハツ キャストは2023年に生産終了 アクティバとスポーツは2020年に終了 後継は実質タフト

ダイハツ・キャストは2023年に生産終了 2017年10月の一部改良や特別仕様車もあわせて解説

ダイハツの軽自動車「キャスト」は、2015年9月に登場し、アウトドア調の「アクティバ」、都会的な「スタイル」、スポーティな「スポーツ」の3タイプで展開されました。しかし、その後は段階的に姿を消し、2023年に生産を終えています。

この記事では、まずキャストが最終的にどうなったのかを整理したうえで、人気を支えた2017年10月4日の一部改良(スマートアシスト3の搭載など)や、その後の特別仕様車・一部改良の内容を振り返ります。

キャストは2020年・2023年に段階的に生産終了 現在は中古のみ

キャストは3タイプがそろって終了したわけではなく、順を追って整理されていきました。まず2020年3月31日に「アクティバ」と「スポーツ」が生産終了となり、ラインナップは「スタイル」のみに集約されます。SUVテイストのアクティバについては、2020年6月に発売された2代目「タフト」が実質的な後継という位置づけです。

その後も残っていたスタイルも、2023年4月11日に生産終了が発表され、2023年6月30日に生産を終了。OEM供給されていたトヨタ「ピクシスジョイ」とともに公式サイトからも姿を消し、在庫分の販売を経て8月31日に販売終了となりました。これをもって「キャスト」の名は名実ともに幕を下ろしています。

販売面では、同じボディで3つの世界観を狙った構成が中途半端と受け止められた面があり、ハスラーやアルトワークスといった個性の際立つライバルに対して差別化しきれなかったことが、販売不振と早期の終了につながったとみられます。現在、キャストは新車では手に入らず、中古車や届出済未使用車での購入が中心となっています。

キャストが一部改良でオートライトの仕様を変更(2021年5月10日)

生産終了より前、キャストは2021年5月10日に一部改良を実施し、運転中は常にオートライトが作動する仕様へと変更されました。軽微な改良のため、車両価格は据え置きの1,314,500円から1,738,000円でした。

ダイハツ・キャスト スタイルとアクティバに特別仕様車「VSシリーズ」を設定

キャストのスタイルとアクティバには、それぞれ特別仕様車Gターボ“VS SA 3”/G“VS SA 3”/Xが設定されました。

ダイハツ・キャストスタイルGターボ“VS SA 3”/G“VS SA 3”/X“リミテッド SA 3”はバーガンディのアクセントカラーを採用ダイハツ・キャストスタイルGターボ“VS SA 3”/G“VS SA 3”/X“リミテッド SA 3”はバーガンディのアクセントカラーを採用

キャストスタイルのGターボ“VS SA 3”/G“VS SA 3”/X“リミテッド SA 3”は、アクセントカラー(バーガンディ)のインテリアや、上空から見下ろすような映像を映すパノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパック、バックカメラを含む純正ナビ装着用アップグレードパック、運転席/助手席シートヒーターを特別装備しました。

ダイハツ・キャストアクティバGターボ“VS SA 3”/G“VS SA 3”/X“リミテッド SA 3”はボディカラー対応色のアクセントカラーを採用ダイハツ・キャストアクティバGターボ“VS SA 3”/G“VS SA 3”/X“リミテッド SA 3”はボディカラー対応色のアクセントカラーを採用

キャストアクティバのGターボ“VS SA 3”/G“VS SA 3”/X“リミテッド SA 3”には、ボディカラー対応色のアクセントカラーを施したインテリアに加え、スタイルと同様のパノラマモニター対応純正ナビ装着用アップグレードパック、純正ナビ装着用アップグレードパック、運転席/助手席シートヒーターが備わりました。

キャスト スタイル 特別仕様車 G”VSリミテッド SA 3” / X“ リミテッド SA 3 ” の基本スペック
グレード G VS SA 3 X リミテッド SA 3
駆動方式 2WD 4WD 2WD 4WD
全長×全幅×全高 3,395mm × 1,475mm × 1,600mm
ホイールベース 2,455mm
燃料消費率 30.0km/L 26.8km/L 30.0km/L 26.8km/L
エンジン 水冷直列 3 気筒 12 バルブ DOHC 横置
最高出力 38[52] / 6,800
最大トルク 60[6.1] / 5,200
総排気量 658cc
乗車定員 4名
価格 1,402,500円 1,529,000円 1,320,000円 1,446,500円
キャスト アクティバ特別仕様車 G“VS SA 3 ”/ X“リミテッド SA 3 ”の基本スペック
グレード G VS SA 3 X リミテッド SA 3
駆動方式 2WD 4WD 2WD 4WD
全長×全幅×全高 3,395mm × 1,475mm × 1,630mm
ホイールベース 2,455mm
燃料消費率 30.0km/L 26.8km/L 30.0km/L 26.8km/L
エンジン 水冷直列 3 気筒 12 バルブ DOHC 横置
最高出力 38[52] / 6,800
最大トルク 60[6.1] / 5,200
総排気量 658cc
乗車定員 4名
価格 1,402,500円 1,534,500円 1,320,000円 1,452,000円

キャスト特別仕様車リミテッドを2018年9月3日にグレード追加

キャストには、パノラマモニターを標準装備したお得なパッケージとして、特別仕様車リミテッドが追加されました。
この特別仕様車はキャストアクティバとキャストスタイルに設定され、キャストスポーツには設定されませんでした。

特別仕様車リミテッドは、スタイル・アクティバのX SA3とG SA3をベースにした「Xリミテッド SA3」と「G リミテッド SA3」で、パノラマモニターと運転席・助手席シートヒーターを標準装備するお得な内容でした。

キャストスタイル・アクティバ特別仕様車リミテッドの価格
グレード 駆動 販売価格
キャストスタイル Xリミテッド SA3 2WD 1,320,000円~
4WD 1,446,500円~
キャストスタイル G VS SA3 2WD 1,402,500円~
4WD 1,529,000円~
キャストアクティバ Xリミテッド SA3 2WD 1,320,000円~
4WD 1,452,000円~
キャストアクティバ G VS SA3 2WD 1,402,500円~
4WD 1,534,500円~

キャストは2017年10月の一部改良でスマアシ3を搭載

ここからは、人気を支えた2017年10月4日の一部改良の内容を振り返ります。

スマートアシスト3の機能

2015年の発売時から搭載されていた安全装備のスマートアシスト2が、2017年10月の一部改良でスマートアシスト3へ進化しました。

スマートアシスト3の搭載装備

  • 衝突警報機能(対車両・歩行者)
  • 衝突回避支援ブレーキ機能(対車両・歩行者)
  • 車線逸脱警報機能
  • 誤発進抑制制御機能(前方)
  • 誤発進抑制制御機能(後方)
  • 先行車発進お知らせ機能
  • オートハイビーム

従来のスマートアシスト2では衝突回避支援ブレーキが車両のみを対象としていましたが、一部改良後は車両と歩行者の両方に対応。緊急ブレーキの作動条件も約4km~50km/hから、車両に対して約4km~80km/h、歩行者に対して約4km~50km/hへ拡大しました。

スマアシ3の車線逸脱警報

車線逸脱警報は、約60km/h以上で走行中にカメラが車線を検知している場合、車線をはみ出しそうになると警報で知らせる機能です。

スマアシ3の誤発進抑制制御機能

誤発進抑制制御機能(前方・後方)は、前後に障害物がある状態でアクセルを強く踏み込んでも、エンジン出力を抑えて急発進を防ぐ機能です。

スマアシ3の先行車発進

先行車発進お知らせ機能は、信号待ちなどで先行車が発進したのに気づかずブレーキを踏み続けていると、警報で知らせてくれます。

スマアシ3のオートハイビーム機能

オートハイビームは、対向車などがいないときはハイビーム、前方の明るさを検知するとロービームへ自動で切り替える機能で、手動切り替えの煩わしさを軽減します。

このほかキャストには、横滑りを抑えるVSCや発進・加速時の空転を抑えるTRC、エマージェンシーストップシグナル、ABSなども備わっていました。

一部改良でキャストにもパノラマモニターを採用

キャストのパノラマモニター

キャストにも、ムーヴキャンバスなどに採用されているパノラマモニターが搭載されました。駐車時はフロント・バック・サイドのカメラ映像を使い、上から見下ろすようなトップビューを表示。狭い路地から出る際はフロントカメラで死角を確認できます。

サイドカメラは、狭い場所でのすれ違い時に車両の左右を映せるため、確認しながら進めます。

一部改良でフロントグリルを変更しボディカラーに新色を追加

キャストアクティバのエクステリア

一部改良後のキャストアクティバは、フロントグリルを変更し、ボディカラーに「レモンスカッシュクリスタルメタリック」「オフビートカーキメタリック」を追加。アクティバ専用色だった「トニコオレンジメタリック」は廃止されました。

アクティバのボディカラーは、モノトーンが全7色、ホワイトルーフ・ブラックルーフのツートンが全12色の設定でした。

  • レモンスカッシュクリスタルメタリックのキャストアクティバ※追加された「レモンスカッシュクリスタルメタリック」
  • オフビートカーキメタリックのキャストアクティバ※追加された「オフビートカーキメタリック」
  • 廃止されたトニコオレンジメタリックのキャストアクティバ※廃止された「トニコオレンジメタリック」
  • キャストスタイルのエクステリア※キャストスタイル

スタイルもフロントグリルを変更し、スポーツ専用色だった「ディープブルークリスタルマイカ」がアクティバ・スタイルに新設定され、「ブライトシルバーメタリック」が廃止されました。スタイルのボディカラーは、モノトーンが全7色、ワインレッドルーフとホワイトルーフのツートンが全8色でした。

ディープブルークリスタルマイカのキャストスタイル追加された「ディープブルークリスタルマイカ」

キャストスポーツのエクステリアキャストスポーツ

キャストスポーツのエクステリアは変更されませんでしたが、これまで設定のなかった「ブライトシルバーメタリック」がスポーツ専用色として追加され、「ディープブルークリスタルマイカ」が廃止されました。

ブライトシルバーメタリックのキャストスポーツ追加された「ブライトシルバーメタリック」

スポーツのボディカラーは、モノトーンが全3色、ホワイトルーフとブラックルーフのツートンが全3色でした。

キャストのインテリアはグレードごとに異なるシートを採用

キャストの内装

キャストのインテリアは、アクティバ・スタイルでグレードごとにシート表皮が異なり、「プライムコレクショングレード」ではブラックのレザー調シート、「標準グレード」ではスタイルがスエード調フルファブリック、アクティバがディープボーダー柄のフルファブリックとなっていました。

インテリアアクセントカラーは、スタイルのプライムコレクションにブラウンが標準、標準グレードにはシルバーが標準(メーカーオプションでバーガンディ)でした。

  • ブラウンインテリアカラーのキャストスタイル・プライムコレクションのブラウンインテリアカラー
  • シルバーインテリアカラーのキャストスタイルスタイル・標準グレードのシルバーインテリアカラー
  • バーガンディインテリアカラーのキャストスタイルスタイル・標準グレードのバーガンディインテリアカラー
  • レモンインテリアカラーのキャストアクティバ・プライムコレクションのレモンインテリアカラー
  • カーキインテリアカラーのキャストアクティバ・標準グレードのカーキインテリアカラー
  • ネイビーインテリアカラーのキャストアクティバアクティバ・プライムコレクションのネイビーインテリアカラー
  • レッドインテリアカラーのキャストアクティバアクティバ・プライムコレクションのレッドインテリアカラー
  • ホワイトインテリアカラーのキャストアクティバアクティバ・プライムコレクションのホワイトインテリアカラー
  • ブルーインテリアカラーのキャストアクティバアクティバ・プライムコレクションのブルーインテリアカラー
  • レッド・ブラックインテリアカラーのキャストスポーツスポーツ・標準グレードのレッド・ブラックインテリアカラー

スポーツは、レッド・ブラックのインテリアカラーが標準装備でした。

アクティバのインテリアカラーは、プライムコレクションでブラックまたはボディカラー対応色、標準グレードではメーカーオプションでボディカラー対応色が設定できました。

キャストの搭載エンジン

キャストのエンジンは、2017年の一部改良では変更されず、インタークーラーターボと自然吸気(NA)の2種類が用意されていました。

キャストNAエンジン諸元
型式 KF型
種類 直列3気筒
排気量 658cc
最高出力 52PS/6,800rpm
最大トルク 60Nm/5,200rpm

NAエンジンは、アクティバ・スタイルの「G・SA3」「X」グレードに搭載され、燃費は2WDで30.0km/L、4WDで26.8km/Lでした。

キャストターボエンジン諸元
型式 KF型
種類 直列3気筒
過給機 インタークーラーターボ
最高出力 64PS/6,400rpm
最大トルク 92Nm/3,200rpm

ターボエンジンは、アクティバ・スタイルの「Gターボ・SA3」、スポーツの「スポーツSA3」に搭載され、燃費はスタイル・アクティバが2WDで27.0km/L・4WDで25.0km/L、スポーツが2WDで24.8km/L・4WDで24.6km/Lでした。

一部改良後のキャストは2017年10月4日発売・価格は1,225,800円から

雪道を走るキャスト

一部改良後のキャストの発売日は2017年10月4日。価格帯は122万円から177万円で、アクティバ・スタイル・スポーツといったモデルや、X・Gなどのグレード、2WD・4WDの駆動方式によって異なりました。

キャスト アクティバの価格帯(2017年10月時点)
X 1,225,800円(4WD:1,355,400円)
X SA3 1,290,600円(4WD:1,420,200円)
G SA3 1,414,800円(4WD:1,544,400円)
G プライムコレクション SA3 1,479,600円(4WD:1,609,200円)
G ターボ SA3 1,517,400円(4WD:1,647,000円)
G ターボ プライムコレクション SA3 1,582,200円(4WD:1,711,800円)
キャスト スタイルの価格帯(2017年10月時点)
X 1,225,800円(4WD:1,350,000円)
X SA3 1,290,600円(4WD:1,414,800円)
G SA3 1,414,800円(4WD:1,539,000円)
G プライムコレクション SA3 1,479,600円(4WD:1,603,800円)
G ターボ SA3 1,517,400円(4WD:1,641,600円)
G ターボ プライムコレクション SA3 1,582,200円(4WD:1,706,400円)
キャスト スポーツの価格帯(2017年10月時点)
スポーツ SA3 1,647,000円(4WD:1,771,200円)

キャストはモデルや駆動方式で価格が異なり、降雪地帯なら4WD、アクティブに使うならアクティバ、というようにライフスタイルに合わせて選べる構成でした。

3タイプで個性を競ったキャスト、その歩みを振り返って

芝生にとまるキャスト

2017年10月4日の一部改良でスマートアシスト3を搭載したキャストは、自動ブレーキが車両だけでなく歩行者にも対応するなど、安全性能を高めました。

キャスト

その後もフロントグリルやボディカラー、インテリアの見直し、特別仕様車の設定などで魅力を磨いてきましたが、アクティバとスポーツは2020年に、スタイルは2023年に生産を終えました。個性豊かな3タイプで軽自動車の楽しさを広げたキャストは、いまは中古車でその存在を確かめられるモデルとなっています。