日産シーマのモデルチェンジで日産のフラッグシップ復活なるか
日産のフラッグシップセダンのシーマのフルモデルチェンジ情報です。2019年には生産終了の噂も流れるほど販売台数は落ち込んでいて、日産のモデルチェンジの長期計画ではフェアレディZやフーガの名前が挙がるもののシーマは依然としてモデルチェンジの情報がありません。
SUVの世界的な流行に押され、セダン人気が下降しているのもあり、日産の車種整理の対象になっているという情報も聞こえていました。2022年に生産終了が決定した、日産シーマのモデルチェンジについて解説します。
シーマがフルモデルチェンジせず生産終了 スカイラインとフーガも絶版になりセダン市場撤退の噂も
シーマ、スカイラインハイブリッド(ガソリンモデルは存続)、フーガ、マーチが現行モデルで生産終了して、日産が日本国内のセダン市場から撤退しました。
日産のミドルサイズセダンのシルフィは2020年末に生産終了しましたが、シルフィに続きプレミアムセダンの3車種の開発は行っていないようで、シーマは2022年夏に生産終了しています。
トヨタでは国産セダンを代表するクラウンがタイプからSUVタイプのクラウンクロスオーバーとして生まれ変わり、日産も今後はセダンからSUVモデルに注力することになるかもしれません。
日産シーマのモデルチェンジは2023年以降か 注目は自動運転技術プロパイロットの進化
シーマは日産のみならず日本を代表するフラッグシップセダンの1つです。初代の31型シーマは1988年に発売され、シーマ現象と呼ばれるほどの販売台数を記録、日本の高度経済成長期を象徴するモデルになりました。
2代目の32型シーマは日本のバブルが崩壊して景気後退の始まりとともに販売台数も減少、その後も回復することはなく現在に至ります。そのためモデル期間も長くなり、5代目にあたる51型シーマは2012年の販売から5年後に初めてマイナーチェンジを行いました。
次期シーマのモデルチェンジ時期はいつ頃になるのか、2020年以降に加速する自動運転技術は搭載されるのか、新型シーマの最新情報を基に考察します。
次期シーマは2023年以降にモデルチェンジ インフィニティでもラインナップする可能性も
一度はラインナップから消えたが2012年に復活を果たしたシーマ現行モデル
日産シーマは1988年から製造され日本経済を象徴する高級セダンです。初代シーマの販売台数は12万9,000台で、車両価格の高いフラッグシップセダンとしては考えられない販売台数と言えるでしょう。
その後販売台数は下降して4代目にあたる50型シーマを最後に2010年で消滅、海外のインフィニティブランドで販売するシーマ(インフィニティQ45)も2008年に消滅しました。2010年に生産終了したシーマですが、1年9か月後の2012年にハイブリッド専用モデルとして見事に復活、2017年6月15日にはマイナーチェンジを行っています。
全長 | 5,120mm |
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全幅 | 1,845mm |
全高 | 1,510mm |
ホイールベース | 3,050mm |
室内長 | 2,240mm |
室内幅 | 1,535mm |
室内高 | 1,185mm |
最小回転半径 | 5.8m |
車両重量 | 1,930kg |
最低地上高 | 155mm |
総排気量 | 3.498L |
エンジン最高出力 | 225kW(306ps)/6800rpm |
エンジン最大トルク | 350Nm(35.7kgm)/5000rpm |
モーター最高出力 | 50kW(68ps) |
モーター最大トルク | 290Nm(29.6kgm) |
JC08モード燃費 | 15.6km/L |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン(ハイオク) |
乗員定員 | 5名 |
販売価格 | 7,946,640円~ |
シーマが復活したとはいえ、販売台数は伸び悩んでいることからモデルチェンジ期間は長くなっています。特に4代目シーマはマイナーチェンジ期間を含め9年間同じモデルを販売していました。そのため5代目の現行モデル51型シーマも4代目シーマと同じモデル期間になると考えます。
年度 | 内容 | モデル期間 |
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1988年1月18日 | 初代31型シーマ発売 | – |
1989年8月 | マイナーチェンジ | 1年7か月 |
1991年8月 | 2代目32型シーマにモデルチェンジ | 2年 |
1993年9月 | マイナーチェンジ | 2年1か月 |
1996年6月 | 3代目33型シーマにモデルチェンジ | 2年9か月 |
1998年9月10日 | マイナーチェンジ | 2年3か月 |
2001年1月12日 | 4代目50型シーマにモデルチェンジ | 2年4か月 |
2003年8月 | 2WDモデルがマイナーチェンジ | 2年7か月 |
2003年11月 | 4WDモデルがマイナーチェンジ | 2年10か月 |
2008年2月7日 | マイナーチェンジ | 4年3か月 |
2010年8月 | シーマ生産終了 | 2年6か月 |
2012年4月25日 | 5代目51型シーマ発売 | – |
2017年6月15日 | マイナーチェンジ | 5年2か月 |
2019年 | シーマ生産終了 | – |
セダン人気が復活すれば開発費が増えるため、次期シーマを短期間でモデルチェンジできますが、現在の状況を考えると早くても2023年のモデルチェンジになると考えます。
日産は海外重視と言われるほどで、2018年は日本市場で新型車の投入は1台もありませんでした。そのため新型シーマも予想する2023年よりも遅くなる可能性もあるでしょう。
エクステリアはインフィニティのQ80インスピレーションを基に開発
2014年に公開されたコンセプトカー「インフィニティQ80インスピレーション」
海外ではシーマの2代目モデルから日産が海外展開する高級自動車ブランドのインフィニティでも販売していました。車名は「インフィニティQ45」で2012年に「インフィニティM35hL」から車名変更しています。
インフィニティQ45は2008年に販売終了していて、「インフィニティQ70L」が後継車種として販売しています。
シーマは海外でもインフィニティとして販売されていることから、5代目シーマも日産とインフィニティの両ブランドで販売すると考えます。
ベースになるのは2014年10月に公開パリモーターショーで公開された「インフィニティQ80インスピレーション」です。
インフィニティQ80インスピレーションは新型フーガのモデルにもなると言われていますが、現在発売中の「インフィニティQ70」がフーガ、ロングホイールバージョンの「インフィニティQ70L」がシーマなので、「インフィニティQ80インスピレーション」はどちらのベースにもなる、と考えます。
次期シーマは自動運転システムを搭載する次世代のプロパイロット2.0を採用か
シーマは日産のフラッグシップセダンです。そのため次期シーマには日産の最先端技術を搭載することは間違いないでしょう。注目は自動運転技術になり、現在SUVのエクストレイルやミニバンのセレナ、電気自動車のリーフに搭載する自動運転支援技術のプロパイロットが次世代型に進化すると考えます。
2020年から自動運転についての法整備が行われ、その後自動運転技術の進化が加速するでしょう。
ホンダでは2020年以降に高速道路で自動運転(緊急時以外はシステムが運転するレベル3相当の技術)を実現して、2025年には高速道路で完全自動運転(全ての運転をシステムが担当するレベル4相当の技術)を実現するとしています。
日産でもホンダやトヨタなどと足並みをそろえ自動運転技術を開発すると考えます。2023年以降にフルモデルチェンジする新型シーマにはレベル3からレベル4相当の自動運転技術を採用することを期待します。
新型シーマはガソリンモデルを廃止して電気自動車(EV)になることも考えられる
2012年に発売した5代目シーマ(現行モデル)はガソリンエンジンモデルを廃止して、3.5LのV型6気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド専用車として販売しています。
モデルチェンジ後の新型シーマはハイブリッドエンジンを継続、もしくは電気自動車(EV)専用車として販売する可能性も考えられます。
日産の電気自動車リーフは、史上初めて全世界累計販売台数40万台を突破したこと発表しました。日産はリーフの技術を持っているため、日本市場ではEVに強みを持ち、その技術をフラッグシップモデルのシーマに転用することもできます。
ホンダでは2020年に30分で約200kmの航続距離を持つコンパクトEVの「ホンダe」を日本市場で販売します。価格はリーフよりも低くなり、ガソリンモデルからEVモデルへのシフトチェンジが加速すると考えます。
シーマはEVシフト後の高級モデルとして登場するかもしれません。
日本のセダンを代表するシーマが自動運転可能なEVに進化するかもしれない
自動車業界の技術向上は瞬く間に行われ、近年に実装された安全装備は年々進化しています。燃料をガソリンから電気に置き換えるEVシフトや自動運転技術も2020年以降加速することから、シーマがモデルチェンジする時期は自動車にかかわる多くの変化を楽しめます。
かつては社会現象を起こすほど売れた日産シーマが、技術の粋を集めた自動運転を搭載する電気自動車(EV)に進化することを期待しましょう。