高級セダン「ジャガーXJ」のエクステリア・インテリアや装備など基本スペック
イギリスの高級車メーカー「ジャガー」のフラッグシップサルーンとして長らく君臨してきたのが、Fセグメントを代表するジャガーXJです。ここで取り上げるのは、2009年に発表され2010年から販売された最終型「X351系」を中心とした内容です。
X351系には、スタンダードホイールベースとロングホイールベースが用意されていました。スタンダードホイールベースにはXJ SWB LUXURY・XJ SWB PREMIUM LUXURY・XJ SWB PORTFOLIO・XJ SWB XJ50・XJ SWB R-SPORT・XJ SWB XJR575の6グレードが、ロングホイールベースにはXJ LWB AUTOBIOGRAPHYがラインナップされていました。
次期型はEV(電気自動車)として生まれ変わることが予告されていましたが、その計画は最終的に白紙撤回され、XJは2019年に生産を終えました。このページでは、XJの基本スペックのほか、初代から続くモデルチェンジの歩みと、生産終了後のジャガーの動向までを整理して紹介します。
ジャガーXJは生産終了、次期型EV計画も中止 新生ジャガーはフラッグシップEV「TYPE 00」へ
ジャガーXJは、8世代目にあたるX351系をもって、2019年に生産を終了しました。当初、ジャガー・ランドローバー(JLR)は次期型XJをブランド初の本格的な高級EVサルーンとして投入する計画を打ち出し、公道でのプロトタイプ走行テストも複数回目撃されていました。しかし、2021年2月に発表された事業再生戦略「Reimagine」により、開発が進んでいた電動XJは「新生ジャガーのビジョンには合わない」として、発売直前で見送られることになりました。結果的に、往年の名門サルーンの直接的な後継車は登場しないまま、XJの系譜はいったん途切れることとなりました。
その後ジャガーは、ピュアEVのラグジュアリーブランドへと大きく舵を切ります。2024年12月には、ブランドの新たな方向性を体現するコンセプトEV「TYPE 00(タイプ ゼロゼロ)」を米国マイアミ・アートウィークで世界初公開しました。車名はブランドの原点である「E-TYPE」に由来し、排出ガスゼロと新生ジャガーの“ゼロ号車”という二つの意味が込められています。専用EVアーキテクチャー「JEA」を採用する新世代モデルの第一弾は、ブランド最高クラスの動力性能を備えた4ドアGTになるとされ、価格帯もこれまでとは一線を画す超高級路線が予想されています。刷新後のロゴやマスコット「リーパー」も含め、ジャガーは大胆なリブランディングを進めており、賛否を巻き込みながら新時代へと向かっているところです。XJという車名が新世代のどこかで復活する可能性も、依然として残されています。
ジャガーXJ最後の特別仕様車「XJR575 “V8” FINAL EDITION」が登場
XJR575 “V8” FINAL EDITIONのエクステリア
XJの生産終了を締めくくる最後の特別仕様車が「XJR575 “V8” FINAL EDITION」です。2019年10月21日より受注予約が開始されました。
サントリーニブラック(メタリック)
ユーロンホワイト(メタリック)
ロワールブルー(メタリック)
インダスシルバー(メタリック)
ブリティッシュレーシンググリーン(メタリック)
XJR575 “V8” FINAL EDITIONが装着する20インチホイール
ベース車両は「XJR575」で、限定20台での販売でした。ボディカラーは「サントリーニブラック」「ユーロンホワイト」「ロワールブルー」「インダスシルバー」「ブリティッシュレーシンググリーン」の5色がラインナップされました。
XJR575 “V8” FINAL EDITIONのインテリア
パワートレインには、最高出力423kW/575PS、最大トルク700Nmを発生する5.0L V型8気筒スーパーチャージド・エンジンを搭載。価格は、初代XJがデビューした年にちなんで1968万円に設定されていました。
XJR575 “V8” FINAL EDITIONの多彩な車載装備
360°サラウンドカメラやセキュアトラッカー、アダプティブLEDヘッドライトなど、フラッグシップの掉尾を飾るにふさわしい特別装備が奢られていました。
XJR575 “V8” FINAL EDITIONの特別装備
- セキュアトラッカー
- スマートフォンパック
- ロッキングホイールナット(ブラック)
- ホイールセンターバッジ
- スタイルバルブキャップ
- アダプティブLEDヘッドライト
- デュアルビュータッチスクリーン
- コネクトプロパック
- 20インチ”スタイル5044”5スポーク (テクニカルグレイフィニッシュ)
- 360°サラウンドカメラ
- ラゲッジコンパートメント プレミアムカーペットマット
- JAGUAR PREMIUM CARE 5
ジャガーXJ(X351系)のグレード別スペックをチェック
ジャガーXJはスタンダードホイールベースとロングホイールベースの2モデルがラインナップ
ここでは、最終型X351系のスタンダードホイールベースとロングホイールベースのモデル間、そしてグレード間のスペックの違いを整理して紹介します。
ベースグレードにあたるXJ SWB LUXURYの価格は11,490,000円からでした。
搭載エンジンは3.0L V6 340PSスーパーチャージド・ガソリンエンジンが基本ですが、XJ SWB XJR575には5.0L V8 575PSスーパーチャージド・エンジンが、XJ LWB AUTOBIOGRAPHYには5.0L V8 510PSスーパーチャージド・ガソリンエンジンが、それぞれ搭載されていました。
| グレード | XJ SWB LUXURY | XJ SWB PREMIUM LUXURY | XJ SWB PORTFOLIO | XJ SWB XJ50 | XJ SWB R-SPORT | XJ SWB XJR575 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 価格 | 11,490,000円~ | 12,530,000円~ | 14,030,000円~ | 13,210,000円~ | 14,340,000円~ | 18,870,000 円~ |
| エンジン | 3.0リッター V6 340PS スーパーチャージド ガソリンエンジン | 5.0リッターV8 575PSスーパーチャージドエンジン | ||||
| 乗車定員 | 5名 | |||||
| 最高速度 | 250km/h | 300km/h | ||||
| 加速性能0-100km/h | 5.9秒 | 4.4秒 | ||||
| 燃料消費率(JC08モード) | 7.6km/L | 6.8km/L | ||||
| 燃料タンク容量 | 80リッター | |||||
| 総排気量 | 2,994cc | 4,999cc | ||||
| 最高出力 | 250 kW (340PS)/ 6,500rpm | 423kW (575PS)/ 6,250-6,500rpm | ||||
| 最大トルク | 450N・m/3,500rpm | 700N・m/3,500rpm | ||||
| トランスミッション | 8速オートマチックトランスミッション | |||||
| 車両重量 | 1,890kg | 1,960kg | ||||
| 全高 | 1,455mm | |||||
| 全長 | 5,135mm | |||||
| 全幅 | 1,900mm | 1,905mm | ||||
| ホイールベース | 3,030mm | |||||
| グレード | XJ LWB AUTOBIOGRAPHY |
|---|---|
| 価格 | 20,690,000円~ |
| エンジン | 5.0リッター V8 510 PS スーパーチャージドガソリン エンジン |
| 乗車定員 | 5名 |
| 最高速度 | 250 km/h |
| 加速性能0-100km/h | 4.9秒 |
| 燃料消費率(JC08モード) | 6.8 km/L |
| 燃料タンク容量 | 80リッター |
| 総排気量 | 4,999cc |
| 最高出力 | 375 kW(510 PS) /6,000-6,500 rpm |
| 最大トルク | 625N・m /3,500rpm |
| トランスミッション | 8速オートマチックトランスミッション |
| 車両重量 | 1,970kg |
| 全高 | 1,455mm |
| 全長 | 5,260mm |
| 全幅 | 1,900mm |
| ホイールベース | 3,155mm |
ジャガーXJのエクステリアはフラッグシップらしい余裕と堂々たる美しさを備える
ラグジュアリーなデザインを極めたジャガーXJのエクステリア

ジャガーXJのエクステリアは、伝統と革新を融合させた仕立てが持ち味でした。ブランドの頂点に立つフラッグシップにふさわしい伸びやかなプロポーションで、なだらかな曲線を描くルーフラインが際立っていました。
ボディカラーは、スタンダードホイールベースに14色、ロングホイールベースに12色が設定されていました(以下は主なラインナップ)。
ジャガーXJのボディカラー
- フジホワイト
- ナルヴィックブラック
- サントリーニブラック
- ユーロンホワイト
- インダスシルバー
- コリスグレー
- ロワールブルー
- フィレンツェレッド
- ブリティッシュレーシンググリーン
- ロゼッロレッド
- カルパチアングレー(+174,000円)
- ファラロンブラック(+174,000円)
- サテンコリスグレー(+765,000円/スタンダードホイールベースのみ)
- ヴェロシティブルー(+765,000円/スタンダードホイールベースのみ)
フラッグシップセダンにふさわしい先進装備と質感を備えたジャガーXJのインテリア
操作性とデザイン性を両立し、機能美を形にしたジャガーXJのコックピット。スマホとの連携を強化した装備が充実
スイッチ類のレイアウトにも配慮された、上質なコックピットが与えられていました。スマートフォンと連携するTouch ProインフォテインメントシステムはXJの全車に標準装備で、車内をWi-Fi環境にしたり、スマートフォン経由でロック/解錠やエアコン操作を行ったりすることも可能でした。
大型で視認性に優れたインタラクティブドライバーディスプレイ
メーターまわりには、ハイコントラストで視認性に優れた12.3インチのHD TFTスクリーン「インタラクティブドライバーディスプレイ」を搭載。グラフィックテーマは好みに合わせてカスタマイズできました。
リアシートに座るゲストのためのオプションも充実
リアシートエンターテインメントもオプションで用意され、16:9画面の10インチHDスクリーンで映画鑑賞などを楽しむことができました。ショーファードリブンとしての快適性も抜かりなく作り込まれていました。
後部座席まで広々としたジャガーXJのインテリア
ゆとりあるリアシートもXJの大きな魅力でした。レッグルームは1mを超え、脚をしっかり伸ばしても余裕があるため、後席に座るゲストもリラックスして過ごすことができました。
ジャガーXJは先進安全装備が充実し、快適かつ安心なドライブを支える
走行中から駐車操作までドライバーを頼もしく支援する先進システムを装備
XJには、フラッグシップにふさわしい多彩な先進ドライバーアシスト機能が備わっていました。
自動緊急ブレーキや車線逸脱警報のほか、駐車時にステアリング操作を自動で行うパークアシストなども用意されていました。
ジャガーXJの先進安全装備
- レーンデパーチャーワーニング2
- レーンキープアシスト
- 自動緊急ブレーキ
- ブラインドスポットアシスト
- ドライバーコンディションモニター
- アダプティブクルーズコントロール(キューアシスト付)
- パークアシスト
- 360°パーキングエイド
- サラウンドカメラシステム
- リバーストラフィックディテクション
長い歴史を持つジャガーXJのモデルチェンジ遍歴
ジャガーXJは、イギリスのジャガーが手がけてきたFセグメントの高級セダンです。1968年、ジャガーの新たなアイコンとなるべくXJシリーズが開発されました。長い歴史の中で数多くの世代を輩出してきましたが、とりわけ最終型となった2010年販売開始のX351系は、まとまった人気を集めた1台です。
ジャガーXJ シリーズⅠ/1968年〜1972年
1968年、ジャガーXJ6シリーズⅠが誕生しました。エンジンは直列6気筒DOHCのXKユニットで、2.8Lと4.2Lが設定されました。ロールス・ロイスをも凌ぐと評された静粛性・快適性と、高い運動性能を両立し、高く評価されました。
1972年にはXJ12シリーズⅠが登場。5,344ccのV型12気筒エンジンをあえてデチューンして搭載したモデルでした。その後、XJ6LシリーズⅠ、XJ12LシリーズⅠが加わっています。
ジャガーXJ シリーズⅡ/1973年〜1978年
1973年、米国の安全基準に対応するためフロントバンパー位置を変更するなどして、シリーズⅡへ移行しました。1975年にはXJ6LがXJ6と呼び名を変えてXJ6シリーズⅡとなり、標準ホイールベース版の製造が終了。XJ12シリーズⅡでも、XJ12LがXJ12へと呼称変更されています。XJ6CシリーズⅡ、XJ12CシリーズⅡは、1978年のXJ-S発売とともに製造を終えました。
ジャガーXJ シリーズⅢ/1979年〜1985年
1979年、ビッグマイナーチェンジによりシリーズⅢへ。5速MTが初めて採用されました。XJ6シリーズⅢはシリーズⅡと同じエンジンを踏襲し、1985年には最後のマイナーチェンジで3.4L版のインテリアが大きく刷新されています。
XJ12シリーズⅢも当初は同型エンジンを搭載していましたが、1981年のマイナーチェンジでファイアボール(ハイエフィシェンシー)エンジンへ変更。1983年のマイナーチェンジではクルーズコントロールなどの装備が充実しました。
ジャガーXJ XJ40系/1986年〜1994年
XJ40型は前期型と後期型に分かれます。前期型は1986年〜1989年に販売され、トランスミッションは4速AT・5速MT。ATにはジャガー独自の「Jゲート」と呼ばれるセレクターデザインが採用されました。日本にはATのみが導入され、ベーシックな「2.9」「3.6」、上級の「2.9ソブリン」「3.6ソブリン」、サスペンションを強化した「3.6スポーツ」が設定されています。1988年5月にはスポーツタイプの「XJR」が追加されました。
後期型は1990年〜1994年に、ビッグマイナーチェンジを受けて販売されました。信頼性と品質、工作精度がさらに引き上げられ、1991年モデルからは強化型エンジンを採用。1993年からは全車にエアバッグが標準装備されています。
V型12気筒モデルは1993年〜1994年に販売され、6.0L V型12気筒を搭載した「XJ12」が登場。のちにロングホイールベースの「デイムラー・ダブルシックス」が追加され、日本市場では「デイムラー・マジェスティック」の名で販売されました。1994年にX300系へ引き継がれ、生産を終えています。
ジャガーXJ X300系/1994年〜2003年
1994年、ボディパネルを大幅に変更するビッグマイナーチェンジでX300系に。XJ40で不評だった角型ヘッドライトが廃止され、丸型ヘッドライトへと戻されました。エンジンは「AJ6」から「AJ16」へ変更され、ジャガー史上初の過給エンジンも登場。電装系が日本製となり、信頼性と品質も向上しました。1995年にはインテリアの小変更、1996年にもマイナーチェンジが行われています。
1998年にはマイナーチェンジで「X308」系となり、V型8気筒のAJ-V8エンジンを搭載。これにより「XJ6」の名称が一度姿を消しました。
2001年のマイナーチェンジではトランスミッション形式が変更され、日本市場に「3.2スポーツ」が追加。その後、創始者ウィリアム・ライオンズの生誕100周年を記念した世界限定500台の「XJR100」も発売されました。
ジャガーXJ X350系/2003年〜2010年
2002年に欧州で発表され、2003年に販売が始まったX350系は、フルモデルチェンジによる世代交代でした。ジャガー初のオールアルミ製ボディで大幅な軽量化を実現し、V型8気筒の3.6Lと4.2L、過給機付きの4.2L V型8気筒を用意。6速ATも設定されました。
2004年にはV型6気筒3.0Lを搭載する「XJ6」の名が復活。2006年には3.6L V型8気筒が姿を消しました。
2007年には「X358」へのマイナーチェンジでエクステリアが変更され、よりスポーティな装いとなりました。
2010年6月、日本での販売が終了しています。
ジャガーXJ X351系/2010年〜2019年
2009年7月にX351系が発表され、2010年から販売が始まりました。歴代で受け継がれてきたスローピングボディを廃した、斬新なデザインが大きな話題を呼んだ世代です。直噴の5.0L V型8気筒、スーパーチャージャー付き5.0L V型8気筒、V型6気筒3.0Lターボディーゼルなどを設定。2013年には直列4気筒直噴ターボが追加され、2015年にはフェイスリフトでエクステリアの小変更とメディアシステムの刷新が行われました。2018年にはXJ誕生50周年を記念した特別仕様車「XJ50」を、標準/ロングの両ホイールベースに設定しています。
当初は次期型をEVとして刷新する計画が発表されていましたが、のちにその計画は中止となり、X351系をもって2019年に生産を終了しました。
| ジャガーXJのモデル | 販売年表 |
|---|---|
| シリーズⅠ | 1968年~1972年 |
| シリーズⅡ | 1973年~1978年 |
| シリーズⅢ | 1979年~1985年 |
| XJ40系 | 1986年~1994年 |
| X300系(X308系含む) | 1994年~2003年 |
| X350系(X358系含む) | 2003年~2010年 |
| X351系 | 2010年~2019年 |



















