ハザードランプの意味や使い方を紹介!危険運転を防止するドライブの知識
ウィンカーが全て同時のタイミングで発光する「ハザードランプ」は、いつどのような場面で使えばいいのか?ハザードランプの出し方から、本来の使い方、一般的に浸透している使用方法や、消し忘れによる危険運転など、ハザードランプの意味や使い方を解説します。
ハザードランプとは車両の危険を知らせる「非常点滅表示灯」のこと
ハザードランプとは「非常点滅表示灯」とも呼ばれ、駐停車の際に自車の位置をアピールさせる時に使う、故障して動けなくなった際に使用するなど、ハザードランプを使う場面はたくさんあります。
また、後続車に道を譲るとき、駐車場で駐車する際や脇道から優先道路に入れてもらった時など「ありがとう」の意味を込めて1、2回点灯させる人もいます。
他にも、路線バスや通園バスが路肩に止まってハザードランプを点灯している時は、乗員の乗り降りのために止まっている合図となります。
インパネにある「三角マークのスイッチ」でハザードランプを作動
ハザードランプを作動させるには、ハンドル近くやセンタークラスター(ナビやエアコンが集まっている場所)に取りつけられている、三角マークが二重に重なったスイッチを押すことで、ハザードランプが点灯します。
外から見ると、フロントウィンカー、サイドウィンカー、リアウィンカーが同タイミングで点滅しているのが分かります。
また、メーターを見るとインジケーター(ウィンカーの表示)が左右とも同時に点灯しているのが見えます。
ハザードランプはガス欠などでエンジンがかからないなどの緊急時にも使えるようイグニッションがオンになっていない時でも作動します。ただしバッテリーが上がっていて電気系統が使えない状態になっている時はハザードスイッチを押しても作動しないことがあります。
また、エンジンを切っていてもハザードランプは作動し続けるので、消し忘れているとバッテリーあがりの原因にもなりますので注意してください。
道路交通法施行令に記載があるハザードランプ本来の使い方
道路交通法施行令における、ハザードランプの取り扱いは以下になります。
第十八条(道路にある場合の灯火)(注1)
2.自動車(大型自動二輪車、普通自動二輪車及び小型特殊自動車を除く。)は、法第五十二条第一項 前段の規定により、夜間、道路(歩道又は路側帯と車道の区別のある道路においては、車道)の幅員が五・五メートル以上の道路に停車し、又は駐車しているときは、車両の保安基準に関する規定により設けられる非常点滅表示灯又は尾灯をつけなければならない。
夜間の5.5メートル以上幅がある道路で停車・駐車している時は、ハザードランプまたはテールランプをつけなければならないとされています。
つまり、センターラインを引いている道路に駐停車する時はハザードランプを点灯すれば問題ありません。ですが、標識により駐停車禁止が示されている時はこの限りではありません。
ハザードランプの本来の使い方は、センターラインを引いている道路で駐停車する時のみですが、センターラインがない道路でも駐停車する時にハザードランプをつけたほうが周りの車に止まっていることを伝えられるので、使用したほうが好ましいです。
また、夜間はスモールランプをつけていれば良いということになっていますが、ハザードランプも一緒に点灯したほうが目立つので、周りの車に自車の存在をアピール出来て当て逃げなどの被害を受ける可能性が低くなります。
一般的に浸透しているハザードランプの使い方を紹介
ハザードランプ本来の使い方の他にも、一般的に浸透しているハザードランプの使い方を紹介します。
「ありがとう」の気持ちを込めてハザードランプを点滅させるサンキューハザード
詰まっている道路で車線変更した時に入れてもらった時や、細い道から優先道路に入れてもらった時など、後続車に「ありがとう」の気持ちを表すために1~3回点滅させるハザードランプを「サンキューハザード」といいます。
海外ではあまり浸透していない日本独自の文化になっており、ハザードランプを使わない時は会釈をする、窓から軽く手を振る、クラクションを短く鳴らす人もいます。
ただし、サンキューハザードは、交差点付近では紛らわしく、かえって危険を招く可能性もあります。状況をよく見て、ハザードやサインを使い分けるのがベストです。
「いまから駐車します」の意思表示をするためのリバースハザード
駐車場で、車を止めるスペースを見つけた際に「いまから駐車します」の意思表示にハザードランプを点灯させる使い方があります。通称「リバースハザード」と呼ばれており、ショッピングモールなどの駐車場ではよく見られる光景です。
立体駐車場では特に効果があり、ブレーキランプを点灯して駐車場スペースへ位置決めをしようとしていても距離を詰めてくる人もいますので、ハザードランプを点灯させながら駐車することで距離を詰められて駐車が難しくなる可能性も低くなりますし、スペースが空いているなら追い越していってくれ落ち着いて駐車ができます。
高速道路での渋滞や事故による通行止めを教える追突防止ハザード
信号がない高速道路では、基本的に止まる場面が少ないものですが、渋滞していて進めないとき、事故の影響などで通行止めになっている際など、自分は停車することの意思表示、後続車へのより強い注意喚起を込めて、ハザードランプを点灯させながら停車する使い方があります。
高速道路以外でも、峠など信号機がない道ではこうした追突防止のためのハザードが焚かれることがあります。
特に先の状況が後続車から見えにくいトラックドライバーが使うことが多く、高速道路や峠でトラックが減速しながらハザードを点灯させている時は、譲っているのではなく事故や工事、渋滞で停車すると思ったほうがベターです。
濃霧や吹雪で見通しが悪い時にハザードランプを点灯しながら走行するケースも
濃霧で見通しが悪い片側一車線の道路(峠など)を走行している時に、バックフォグ(リアについている赤いランプ)の代わりにハザードランプを点灯しながら走行する使い方もあります。
後続車から発見されやすく追突される可能性も低くなりますが、あまり見かけない使い方ですので後続車から道を譲っていると勘違いされる可能性も否定できません。
追いつかれたらハザードランプを消して走行するようにするとお互い安全に走行し続けることができます。
ハザードランプの消し忘れに注意して事故防止
ハザードランプは、基本的に駐停車する時や緊急時に使用することが想定されて設計しているので、手動で解除しない限り点灯しっぱなしの車種が多いです。
ウィンカーを作動させても周りの車からはハザードランプが点滅している状態なのでウィンカーを出した方向が分からずいきなり車線変更しているように見えるので、発進する時は必ずハザードランプが消えているか確認してください。
もし、昼間や夜間走行時、対向車や後続車からパッシングされる時は、ハザードランプが点灯したまま走っていないか、ヘッドライトをつけているか確認するといいです。
ハザードランプを正しく使って楽しくドライブ
ハザードランプは本来、駐停車する時に使うものですが、一般的には
- 道を譲ってもらったとき
- 駐車場に駐車する時
- 峠や高速道路で渋滞や工事や事故のために停車する合図
として使われることが多いです。
道を譲られた時にハザードランプを点灯させないと、怒って煽ってくる車もいますので、1回だけでも出しておくとお互い気持ちよく運転することができます。
夜間はもちろん、昼間でもハザードランプを点灯させて駐車することで、他の車から視認性も高まり当て逃げされる機会も減りますので、積極的に使うようにしてください。
また、ハザードランプが優先されウィンカーでの意思表示が出来なくなるので、発進する時にはハザードランプを解除することを忘れないでください。