コルベットの導入時期やエクステリア・インテリアデザインなど
ゼネラル・モーターズのシボレーブランドのフラッグシップスポーツ、コルベットの新型モデル(米国仕様)が東京オートサロン2020でジャパンプレミアを迎えました。
8世代目となるコルベットには「スティングレイ」というサブネームが付けられています。スティングレイの呼称はコルベットの過去モデルにも使用されていました。
日本仕様のコルベットの発売時期や、気になるエクステリア・インテリアのデザイン、基本スペックについて解説します。
シボレーコルベット特別限定モデルの「エディション サーヴ ワン」と「ヘリテージ エディション」を設定
ゼネラルモーターズがシボレー コルベットへ2種類の限定モデルEDITION CERV I(エディション サーヴ ワン)とHERITAGE EDITION(ヘリテージ エディション)を追加。
エディション サーヴ ワンは幻のミッドシップマシンとして試作されたCERV Iをモチーフに開発、もう1つのヘリテージ エディションは1953年に発売した初代コルベットを想起するレッドインテリアやグレーのエクステリアを組み合わせたモデル。
シボレー コルベット特別モデルのエディション サーヴ ワン、ヘリテージ エディションはそれぞれにクーペ15台、コンバーチブル5台の計40台限定販売。
販売価格はEDITION CERV I クーペ2LTが15,100,000円で、コンバーチブルが18,900,000円。
HERITAGE EDITIONがクーペ3LTで17,400,000円、コンバーチブルで18,900,000円です。
新型コルベットのPHEV版らしき開発車両をスパイショット!
シボレーの新型コルベットのプラグインハイブリッドモデルと思われる開発車両が目撃されています。
車体の数か所にモーターへの電力供給をストップするキルスイッチが設置されていて、このモデルはAWDであることがうかがえます。リアにはエミッションテストデバイスを装着します。コルベットPHEVがラインナップすれば、燃費・走りを両立する高性能な一台となります。
コルベット スティングレイの日本発売はいつ?導入されるのはどのグレード?
コルベットの新型モデルは、アメリカでは2020年2月より販売店にデリバリーされ、日本では2021年春からの納車が予定されています。今回のモデルチェンジで日本では初となる右ハンドル車を導入し、ミッドシップエンジンを初採用しています。
海外仕様のコルベットでは、エントリーモデルの「1LT」、ミドルレンジの「2LT」、最上級グレードの「3LT」がラインナップしていますが、今回日本に導入されるのは「2LT」と「3LT」の2タイプです。
今回東京オートサロン2020で発表された新型コルベット スティングレイは、なんと発表初日に100件以上のオーダーが入ったという噂もあります。
6.2LのV8エンジンを搭載するなど、ランボルギーニやフェラーリ並みのスペックでありながら、その販売価格は半分以下という高いコストパフォーマンスが本国で話題になりましたが、今後日本でも注目を集めるモデルになるでしょう。
新型コルベット スティングレイ(C8)の予約は2020年3月末まで受け付け中。その後2020年7月末に正式注文になり、2021年以降に順次納車予定になっています。
シボレー・コルベットC8はミッドシップエンジン搭載で力強いパフォーマンスを実現
8世代目となるコルベットは、6.2リッターV型8気筒エンジンに8速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせます。コルベット史上初となるミッドシップエンジンを採用することで、運動性能を大きく引き上げました。
日本仕様のコルベットはハイパフォーマンス・メーカーオプションの「Z51パフォーマンスパッケージ」を標準装備。ミシュラン製のパイロットスポーツ4Sタイヤやフロントスプリッター、リヤスポイラー、パフォーマンスタイプのサスペンションとエキゾーストシステム、電子制御式LSDなどの多彩なアイテムがセットとなっています。これにより最高出力は490psから495psへ、最大トルクは630Nmから637Nmへと引き上げられ、0-60mph加速はコルベット歴代モデル最速となる3秒以下というタイムを実現しました。
ダイヤル式のドライバーモードセレクターでは、道路状況に応じて「スポーツ」「トラック」「エコ」「ツアー」「ウェザー」といった5つの走行モードを選択可能です。
新型コルベットのエクステリアはワイルドながら彫刻を思わせる上質なデザインに仕上がっている
コルベットスティングレイのボディサイズは全長4,630mm、全幅1,933mm、全高1,234mm。デザインこそ7世代目からキープコンセプトされていると思われますが、従来モデルよりも大型化され、存在感のあるダイナミックなボディが特徴です。
ミッドシップへと変更されたことでノーズが短くなり、運転席が重心に近い場所にレイアウトされ、より車との一体感が味わえるスポーティな一台となりました。後ろ姿もリヤスポイラーの装着によってアグレッシブな魅力がプラスされています。
フロントには19インチ、リアには20インチのホイールを装着。それぞれ大口径で迫力のあるデザインです。さらにブレンボ社製のハイパフォーマンスブレーキシステムを搭載しています。
コルベットのボディカラーは全6色で、「ゼウスブロンズメタリック」「アクセレレートイエローメタリック」「ラピッドブルー」「トーチレッド」「シャドーグレーメタリック」「アークティックホワイト」など豊富にラインナップ。このうち「アクセレレートイエローメタリック」と「ラピッドブルー」は有償色となります。
なお、東京オートサロン2020では高級感あふれるゼウスブロンズメタリックのコルベットC8が展示されました。
シボレー・コルベットスティングレイのインテリアは高級感がありスポーツマインドを刺激するデザイン
良好な前方視界を確保し、ドライバーが運転しやすい環境下を作り出したコルベットスティングレイのコックピット。操作系は直感的な動作で手を伸ばしやすいレイアウトとし、インフォテインメントディスプレイは運転手側に傾けられています。計器盤も視認性に優れた作りで、ステアリングにパドルシフトを搭載します。
コルベットスティングレイに搭載される車載インフォテインメントシステム「シボレー・MyLink」は、Apple Car PlayやAndroid Autoに対応。タッチスクリーンディスプレイを通して、Bose社のオーディオシステムの操作やメッセージの送受信、ナビゲーション機能を使用できます。また、4G LTE Wi-Fiに接続も可能で、スマートフォンやタブレットとの連携を強化したクルマになっています。
シボレー・コルベットのモデルチェンジ遍歴
コルベットはゼネラルモーターズ(GM)のシボレーブランドから販売されているスポーツカーです。GMデザイン部門の初代副社長が、ヨーロッパ製のスポーツカーに感化されて、GMもスポーツカーを制作する必要性があると認識したことからコルベットの誕生につながりました。
コルベット 初代 C1型/1954年~1962年
初代のコルベットはシボレーでは初の2シーターのオープンスポーツカーです。コルベットのスポーツカー第一世代と呼ばれ、1953年にプロトタイプが公開され、1954年から販売を開始しました。初期の頃のコルベットの販売は予想をはるかに下回りましたが、マイナーチェンジでシボレーセダン用の4.3L水冷V8OHVエンジンに専用チューンを施し、1955年まではオプションだったのが、1956年以降は通常ラインナップに追加されます。トランスミッションは3速MTのボルグわなー性が選択可能になり、本格的なスポーツカーとして認められるようになります。
コルベット 2代目 C2型/1963年~1967年
2代目のコルベットは「コルベットスティングレイ」とも呼ばれています。初代と違い、クーペタイプがメインになります。デザインも大幅に変更され、エッジの効いたシャープなエクステリアになりました。リトラクタブル・ヘッドライトが採用され、5代目まで続くことになります。エンジンは5,358ccの水冷V/OHVで、300馬力と340馬力、インジェクション仕様の360馬力がありました。トランスミッションは標準装備の3速MTと、3速AR、ギアレシオをクロスさせた4速MTがオプションで設定でき、これによってシボレーのフラッグシップとしてコルベットは昇華します。それまでのドラムブレーキが、1965年からはディスクブレーキになりました。
コルベット 3代目 C3型/1968年~1982年
1968年に登場した3代目コルベットは、そのエクステリアデザインから「コークボトル」の愛称がつけられました。1969年、7,440ccにブックブロックユニットを拡大。標準エンジンのスモールブロックも5,358ccから5,738ccに拡大しています。同年、生産数3台、市販車両に搭載されたのはたったの2台という幻のパワーユニット、ZL1が追加されました。
1978年にビッグマイナーチェンジが行われ、ウィンドウ形状やバンパーに変更が施されます。新型コルベットの発売予定に伴い、1982年はC3型コルベットの最後の年と言われていましたが、新型コルベットの発売が翌年にずれ込んでしまった為、「コルベットはC3が最期」との噂がささやかれました。
コルベット 4代目 C4型/1983年~1996年
1983年に43台のクラッシュテストカーを費やし、1984年のモデルイヤーから販売を開始。路線変更されてエンジン以外を全て新設計した洗練されたスタイルになり、FRPを素材に用いることで軽量化されました。1985年にはTPI仕様のL98型にエンジンが変更され、最高出力はPSにアップ。1986年にはコンバーチブルタイプが復活しています。翌年、アルミヘッドをエンジンに採用することで、最高出力240PSにアップ。1993年、「ZR-1」「LT-1」に上級モデルの生誕40周年を記念したアニバーサリーモデルを設定。1996年、特別仕様車の「コレクターエディション」と「グランスポーツ」が発売。
コルベット 5代目 C5型/1997年~2004年
1997年、フルモデルチェンジで5代目へと進化。流線形のデザインに替わり、居住性と快適性が向上されました。この代で、2代目から続いてきたリトラクタブル・ヘッドライト搭載が最後となります。ルマン24時間耐久レースなどのレースで1-2フィニッシュを飾るなど、素晴らしい結果を残しています。マイナーチェンジではセレクトスイッチで走行モードを変えられたり、快適性を高めたり、スポーツ走行を楽しめたりと、選択ができます。ヘッドアップディスプレイが採用されるなど、アメリカンタイプのスポーツカーに仕上がっています。
コルベット 6代目 C6型/2005年~2013年
6代目コルベットは2005年に、「よりパワフルに、情熱的に、精緻に」をコンセプトに掲げて登場しました。先代のC5型での欠点をとことん洗い出して改善したモデルです。日本での販売は2005年2月から。廃止されたリトラクタブル・ヘッドライトに替わって固定式の吊り目型のヘッドライトが採用され、スタイリングもエッジの効いたパワフルなデザインになりました。クーペのみに設定されている6速MTと4速ATが日本仕様に用意され、2006年モデルではATが6速のパドルシフト付きに変更されています。2008年モデルでは6.2Lに排気量があげられ、反応速度が向上したパドルシフト付き6速ATや、ギアレイアウトが改善された6速MTなど、さらにすぐれたパフォーマンスを発揮できるようになりました。ハイパフォーマンス版の「Z06」も設定されました。
コルベット 7代目 C7型/2014年~2019年
2013年、7代目となるC7型を発表、2014年に発売。7速MT、6速AT、8速ATのトランスミッションを搭載し、2代目、3代目でも呼ばれていた「スティングレイ」を別名とします。テールランプにはコルベット史上初の角形を採用し、FRP製のボディで軽量化がされています。のちにスポーツ性が高い「Z51」、ワイドボディの「Z06」を追加、2018年には最強モデルの「ZR1」が発表されました。
コルベット 8代目 C8型/2020年~
2019年7月18日、8代目となるC8型を発表。翌日日本市場での全車右ハンドルでの導入が発表されます。これまでフロントだったエンジン搭載位置がミッドシップに変更されたことが大きな変更点です。Gtレースでのパフォーマンスを追求したからとされています。トランスミッションは8速DCT。C8型より世界戦略としての位置づけとなり、右ハンドル仕様の製造がスタートしました。ルーフが脱着可能なクーペタイプと、16秒でフルオープン可能なコンバーチブルをラインナップしています。
シボレーのモデル | 販売年表 |
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初代 C1型 | 1954年~1962年 |
2代目 C2型 | 1963年~1967年 |
3代目 C3型 | 1968年~1982年 |
4代目 C4型 | 1983年~1996年 |
5代目 C5型 | 1997年~2004年 |
6代目 C6型 | 2005年~2013年 |
7代目 C7型 | 2014年~2019年 |
8代目 C8型 | 2020年~ |
コルベットはコルベットの歴史上最もプレミアムな一台!
コルベットC8の日本での販売価格は、現時点でコルベット2LTが1,180万円、コルベット3LTが1,400万円と発表されています。好みのボディカラーとグレードが選べるプレオーダーキャンペーンは、2020年1月10日から3月31日まで実施。日本仕様の正式な価格など、最終決定は2020年7月頃を予定していて、ちょうどこの時期に受注をスタートする見込みです。
ミッドシップや右ハンドルを初導入するなど、今回のモデルチェンジでさまざまな試みに挑戦したC8型コルベットは、日本国内のスポーツカー市場を盛り立てる期待の一台となりそうです。