ボンドカー特集!007シリーズで活躍したアストンマーティンなどの名車一覧
ボンドカーとは、映画『007』シリーズに登場し、イギリス秘密情報部(MI6)に所属する主人公ジェームズ・ボンドが運転する車のことです。
第3作『007ゴールドフィンガー』で人気の火付け役となったアストンマーティン・DB5がもっとも有名ですが、ロータス・カーズやBMWの車に乗ってカーチェイスを繰り広げたこともあります。
また、ボンドカーといえばMI6の研究機関Q課が開発した秘密兵器も見どころの1つ。潜水艦に変形したり、透明になったりと、SFチックな特殊装備もあり、『007シリーズ』を盛り上げてきました。
歴代ボンドカーを解説!アストンマーティンやBMWなどの高級車が勢ぞろい
歴代ボンドカーを映画の公開順に紹介します。
MI6のQ課によって開発された特殊装備がなく、一般人から拝借、敵役から強奪した車でも、ジェームズ・ボンド自身がハンドルを握った車をボンドカーとして含めています。
サンビーム・アルパイン <007 ドクター・ノオ>
1963年公開、007第1作『ドクター・ノオ』劇中車だが、当時は特殊装備が存在しない。サンビームはイギリスに存在した高級車メーカーで、レースでも数々の記録を樹立したが、1976年にブランドが廃止されている。
ベントレー・マークIV <007 ロシアより愛をこめて>
2作目『ロシアより愛をこめて』登場(劇中車はコンバーチブル)。実は原作小説では「ボンドはベントレー好き」設定があり、プライベートカーとして所有。特殊装備は存在しないが、自動車電話つき。
アストンマーティン・DB5 <007 ゴールドフィンガー>
1963~65年製造。歴代ボンドカー最多登場車種。第3作ゴールドフィンガーに秘密兵器を搭載して初登場し人気を博す。17作目『ゴールデンアイ』以降は、MI6から払い下げられたボンドのプライベートカーとなった。生産台数1023台。
アストンマーティン・DBS <007 ゴールドフィンガー/007 サンダーボール作戦/007 ゴールデンアイ/007 トゥモロー・ネバー・ダイ/007 カジノ・ロワイヤル/007 スカイフォール/007 スペクター>
1967~1972年製造。女王陛下の007劇中車。V8エンジン搭載のはずが、開発が間に合わず直6で発売。後にV8を追加するも顧客の不興を買った。同作のボンド像も賛否両論で、アストンマーティン経営危機の救世主とはならず。
フォード・マスタング・マッハ1 <007 ダイヤモンドは永遠に>
7作目ダイヤモンドは永遠に劇中車。ボンドガールの愛車をボンドが運転したため特殊装備はなし。1969~73年製造のマスタングのハイパワーモデルで、ボディも初代より大型化。栃木県警に高速取締車両として寄贈されたことも。昔はマスタングのカタカナ名称が定まっておらずムスタングと表記されていた。
アメリカン・モーターズ ホーネット <007 黄金銃を持つ男>
第9作黄金銃を持つ男劇中車。1970~77年製造の小型車。MI6支給品でないため、特殊装備はない。CGなしで川の対岸に360度回転して着地したが、これはホーネットの重量バランスが良いからできたアクション。
ロータス・エスプリ <007 私を愛したスパイ>
第10作私を愛したスパイ劇中車。日本のスーパーカーブームでも大人気。特殊装備てんこ盛りで潜水艇にも変形するTHEボンドカー。後に撮影車両がオークションに出品、高額な値段で落札したのはテスラ・モーターズCEOのE・マスク氏との噂。
ロータス・エスプリターボ <007 ユア・アイズ・オンリー>
第12作ユア・アイズ・オンリーに2台登場。1台目の白い車両は盗難防止装置により自爆し、ボンドはやむを得ず2CVでカーチェイスすることに。当時のエスプリターボの最高出力は210HP、2CVは29HPなので落差がすごかった。
シトロエン 2CV <007 ユア・アイズ・オンリー>
第12作ユア・アイズ・オンリーのボンドガール・メリナの愛車。ロータス・エスプリターボの自爆により、やむなく2CVでカーチェイス。ボンドが運転した車でもっとも非力な29HPの水平2気筒エンジン。撮影は4気筒に変更して実施。
メルセデス・ベンツ250SE <007 オクトパシー>
第13作オクトパシー劇中車。Q開発ではない敵役オルロフ将軍の車だが、ホイールのみになった後、線路を走ったので実質ボンドカーと言っていい無茶っぷり。現Sクラス相当するベンツの高級車。
アルファロメオ・GTV6 <007 オクトパシー>
第13作007 オクトパシーでボンドが電話中の女性から拝借した小型車。2.5LのV6エンジンを搭載し、シャープなハンドリングが魅力。ボンドは華麗なドリフトを見せつけた。80年代のヨーロッパのツーリングカーレースでも活躍。
ルノー・11 <007 美しき獲物たち>
第14作美しき獲物劇中車。一般人に車を(無断で)借りることが珍しくないボンドだが、今作ではタクシーを拝借。最終的に真っ二つになるまで走行を続けて大破させる。1.7L水冷4気筒エンジン搭載、車両重量は約900kg。
ロールス・ロイス・シルバークラウドⅡ <007 美しき獲物たち>
14作目007美しき獲物たち劇中車。プロデューサーのプライベートカー。1959年に6気筒エンジンの先代クラウドIからアルミニウム製V8エンジンに変更。推定200馬力前後。光岡のガリューやリューギはこの車がモチーフ。
アストンマーティン・V8 <007 リビング・デイライツ>
1972~89年製造。第15作リビング・デイライツ劇中車。5,340cc水冷90度V8エンジンが特徴。高性能モデル「ヴァンテージ」は最高出力430hp。久々のアストンマーティン・ボンドカーのため、ミサイルや自爆装置などの機能を張り切って搭載。
アウディ・200 <007 リビング・デイライツ>
第15作リビング・デイライツ劇中車だが、本作は久々のアストンマーティン復活のため目立った出番なし。1979~1991年まで生産されたアッパーミドルセダン。1989年には2.2Lの直5エンジン、220馬力の「200クワトロ20V」も登場。
BMW・Z3 <007 ゴールデンアイ>
1996~2002年生産。当初はロードスターのみだが、98年にクーペを追加。第17作ゴールデンアイのボンドカーだが、劇中で活躍する場面は少なく、発売前のディザーキャンペーンのような扱いだった。エンジンの種類が豊富で日本円で約365~700万。
BMW 750iL <007 トゥモロー・ネバー・ダイ>
第3世代E38が第18作トゥモロー・ネバー・ダイに登場。ボンドカーとしては珍しいセダン。ボンドが後部座席の窓から飛び乗るシーンは見どころの1つ。携帯電話によるリモコン操作が主な特殊装備。V12エンジン・最高326馬力。
BMW・Z8 <007 ワールド・イズ・ノット・イナフ>
第19作ワールド・イズ・ノット・イナフ劇中車。最後は真っ二つに切断という歴代ボンドカーの中でも不運な車(撮影車はシボレー・コルベット)。BMW・M5と同じ4.9LのV8エンジンを搭載。400PS。ボディとシャシはオールアルミニウム製。
アストンマーティン・V12ヴァンキッシュ <007 ダイ・アナザー・デイ>
第20作ダイ・アナザー・デイ劇中車。2001~2007年まで生産された初代モデル。6L/V12エンジン搭載。最終的な最高出力は524PS。ジャガーXKRとのカーチェイス、透明になる光学迷彩装置など見せ場の多かったボンドカー。
フォード・フェアレーン <007 ダイ・アナザー・デイ>
第20作ダイ・アナザー・デイでボンドが葉巻工場で借りてキューバで運転した車。本作は当時アストンマーティンを傘下に収めていたフォードが全面協力しており、実際キューバでは50年代のアメ車が多数走っていた。
アストンマーティン・DBS V12 <007 カジノ・ロワイヤル>
21作カジノ・ロワイヤル、22作慰めの応酬に登場した2代目DBS。ボンドがヒロインを避けるための横転シーンはギネス記録に認定。実際は車両安定性が半端なく、横転させるためには車体底にピストン装置をつけるしかなかった。
フォード・モンデオ <007 カジノ・ロワイヤル>
第21作『カジノ・ロワイヤル』のバハマのシーンに登場。発売前の新型Mk4モンデオのお披露目をかねた出演。2007~12年生産の3代目。ボルボ製のEUCDプラットフォーム。フォード・キネティックデザインを初採用。
ジャガー・XJ <007 スカイフォール>
第23作スカイフォールでMI6の公用車として登場。Fセグメントの高級セダン。2010年登場の4代目だが、丸型4灯ランプなどエクステリアの伝統を一切踏襲しなかった大刷新モデル。先代より10%の軽量化に成功。
アストンマーティン・DB10 <007 スペクター>
第24作スペクター劇中車。歴代ボンドカーで唯一市販化されていない。映画のために10台のみ限定生産した。V8ヴァンテージをベースに、0-100km/h加速3.2秒。後にオークション出品され4億近い値が付いた。
ボンドカー以外も魅力的!ボンドガールや敵役の印象的な007劇中車
ボンドガールの愛車やジェームズ・ボンドと激しいカーチェイスを繰り広げた敵役の搭乗車を紹介。中にはボンドカーを超えるインパクトを残した007劇中車も存在します!
トヨタ・2000GT <007は二度死ぬ>
第5作007は二度死ぬ劇中車。身長188センチのショーン・コネリーが乗れなかったため、市販化されていないオープンカー仕様に急遽改造。ボンドは運転していないが、現ボンド役ダニエル・クレイグが「1番好きな歴代ボンドカー」と公言。
フォード マーキュリー・クーガー・コンバーチブル <女王陛下の007>
第6作女王陛下の007劇中車。ボンドと唯一結婚したボンドガール・テレサの愛車。劇中車は1969年製、赤のコンバーチブル。フォード・マスタングをベースにした上級姉妹車で、ポニーカーの代表車種。
AMC マタドール <007 黄金銃を持つ男>
第9作黄金銃を持つ男で敵役の殺し屋の愛車として登場。ボンドのAMCホーネットが1回転して向こう岸に着地したのに対し、この車は翼とジェットエンジンによって飛行しており、ボンドカーを超すインパクト。
フォード・サンダーバード <007 ダイ・アナザー・デイ>
第20作ダイ・アナザー・デイでボンドガールのジンクス(ハル・ベリー)が搭乗。「レトロ・バーズ」の愛称を持つ11代目最終型サンダーバード。生産は2002~2005年。ハードトップとコンバーチブルが存在。
ジャガーXKR <007 ダイ・アナザー・デイ>
第20作ダイ・アナザー・デイの敵役ザオ搭乗車。1996~2006年生産。ボンドのアストンマーティンV12ヴァンキッシュとカーチェイスを繰り広げた。ボディカラーは当時のジャガーF1参戦マシンと同色。
ジャガー C-X75 <007 スペクター>
第24作スペクター劇中車。2010年にコンセプトモデルが登場したハイブリッドスーパーカー。市販化決定、撤回と紆余曲折を経て、最終的に007劇中車として陽の目を見た幻の名車。0-100km/h加速約3秒、最高速度354km/h。
ランドローバー・レンジローバースポーツSVR <007 スペクター>
第24作スペクターに登場。通称「史上最速のランドローバー」。同社のスペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)が開発。5.0LのV8エンジンを搭載し、最高出力は550馬力。現在の新車価格1681万円~。
2020年第25作のボンドカーはアストンマーティンから4車種が決定済み!
2020年公開予定の007第25作『NO TIME TO DIE(原題)』は、既にアストンマーティン・ラゴンダからの車両提供が決定しています。映画公開を控えて、アストンマーティンは第25作の登場予定車種を発表しました。
最新作には、人気ボンドカーDB5、名車V8ヴァンテージ、新型ヴァルハラが登場
007最新作への登場車種は、歴代ボンドカーとして最多登場回数を誇るDB5、第15作『007リビング・デイライツ』(1987年公開)の劇中車にも採用されたV8ヴァンテージ、そして2022年発売のミッドシップハイブリッドスーパーカー新型ヴァルハラの3車種だとアストンマーティン社は発表しました。
注目は2021年発売のハイブリッドスーパーカー「ヴァルハラ」の活躍
007最新作のボンドカーで、1番の注目は2022年発売の新型ヴァルハラで間違いないでしょう。
アストンマーティン究極のハイパフォーマンスカー「ヴァルキリー」と同様に、北欧神話から車名をとった「ヴァルハラ」は、アストンマーティンが独自開発したV型6気筒ガソリンターボエンジンに、モーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。
近未来的なカーボンボディは最先端の航空宇宙技術をもとに設計されており、エアロダイナミクスは「ヴァルキリー」と共有しています。
007『NO TIME TO DIE』にはDBSスーパーレッジェーラも登場!
007第25作『NO TIME TO DIE(原題)』の登場車種は、DB5、 V8ヴァンテージ、新型ヴァルハラの3車種とお伝えしましたが、2019年10月にアストンマーティン社はDBSスーパーレッジェーラの登場を明かしました。
DBSスーパーレッジェーラは、アストンマーティンと、優れた軽量構造技術を持つイタリアのカロッツェリア・トゥーリングが共同開発したスポーツカーです。
5.2リッターV型12気筒エンジンを搭載し、最高出力725ps/6500rpm、最大トルク91.8kgm/1800~5000rpmを発生させ、最高速度は340km/h!
2019年にはコンバーチモデルのDBSスーパーレッジェーラ・ヴォランテがイギリスの「スポーツカーオブザイヤー」を受賞しています。映画内で派手に活躍すれば、更に人気が高まるでしょう。
007第25作『NO TIME TO DIE』ランドローバーからの劇中車提供も決定!
2019年11月13日、ランドローバー社は、映画『007/ NO TIME TO DIE』(2020年公開)に新型ディフェンダーを含めた複数の車両を提供することを発表しました。
ランドローバーは、イギリスを代表する四輪駆動車メーカーですから、アストンマーティンとともに記念すべき007第25作を盛り上げてくれるでしょう!
新型ディフェンダーは道なき道を駆け抜けるカーチェイスシーンに登場!
『007/ NO TIME TO DIE』には、2019年11月に日本発売も果たしたランドローバー・新型ディフェンダーが登場。ショートホイールベースの「90」とロングホイールベースの「110」が存在しますが、007劇中車となるのはロングホームベースで5ドアモデルの「110」です。
登場するのは007の見せ場であるカーチェイスシーンで、急勾配の道を走ったり、最大渡河水深900mmの性能を活かして川を渡る可能性もあります。劇中車のボディカラーは「サントリーニブラック」で、公開後はかなり人気が出そうです。
他にもランドローバーからはレンジローバースポーツSVRなどが登場予定
ランドローバーからは新型ディフェンダー以外にも、第24作『007スペクター』にも採用されたレンジローバースポーツSVRなどが登場予定です。ランドローバー・シリーズ3やレンジローバー・クラシックのような絶版名車もスクリーンデビューを飾ります。
ボンドカーは007シリーズの見どころの1つ!
6代目ジェームズ・ボンド役ダニエル・クレイグは、第25作もってボンド役を引退することを公言しています。
初代ショーン・コネリー以来「歴代最高のボンド」とも呼ばれたクレイグの引退作品、数多くの興行収入を塗り替えてきた記念すべき007シリーズの第25作目、そしてボンドカーとして最も人気が高いアストンマーティンによる劇中車提供。公開前からファンの期待が高まるのも無理のないことです。
007第25作は2020年公開予定。ボンドカーはどう活躍するのか、どんな名シーンが見られるのか、活躍が待ちきれません!