スバルのピュアスポーツ WRX STIのフルモデルチェンジ最新情報
スバルの本格派スポーツセダンWRX STIのモデルチェンジ最新情報を解説します。WRX STIの前身モデルは1992年に販売されたインプレッサWRXで、インプレッサの派生車種として登場。レガシィRSに代わり、WRC(世界ラリー選手権)に参戦するスポーツ性能を極めたモデルとして、モーターファンの注目を集めました。
1994年に登場したスバルのチューニングメーカー、スバルテクニカインターナショナル株式会社(STI)のコンプリートカーWRX STIは、1996年に登場したバージョン3以前の車両では改造車申請が陸運局で必要なほどのハイスペックモデルでした。
2014年に完全に独立した車種としてWRX STIが誕生しましたが、2019年12月には、EJ20型水平対向エンジンの生産終了に伴い、現行モデルの受注を終了。スバルWRX STIの今後のモデルチェンジの動向についてまとめました。
新型WRX STIの北米生産は行わないと明言
次期WRX STIは北米では発売されない可能性があります。
米国で生産を行わない、と米国部門のスバルオブアメリカが発信したことで、次期モデルは発売しないのではないかという噂です。
スバルは米国の市場規模が大きいことから、日本でも発売するXVやアウトバックのモデルチェンジを米国から先行して発表しています。
今回の発表を受けて次期WRX STIは発売されない可能性が高く、日本市場でも先代WRX STIが最後のモデルになると言われています。
背景には環境問題があり、WRX STIのようなハイパワーモデルの販売が難しい状況になっています。
次期型WRX STIは86/BRZと同様トヨタと共同開発になるかもしれない
現行型WRX STI(EJ20型)が2019年12月に受注終了しましたが、次期型WRX STIは86とBRZのように、トヨタと共同開発される可能性があるとの噂。
次期型WRXには新駆動方式の「ウルトラAWD」を採用し、現行のWRX STIと同等かそれ以上のハイパフォーマンスを発揮すると推測され、86/BRZにも同じ技術を導入する可能性があります。
TMS2019にWRX STI 特別仕様車「EJ20 Final Edition」プロトタイプが登場
2019年10月23日開幕の東京モーターショーで、スバルWRX STI 特別仕様車「EJ20 Final Edition」のプロトタイプが公開されました。ベース車両にWRX STI Type Sを採用した「EJ20 Final Edition」は、EJ20型水平対向エンジンを搭載するWRX STI最後の特別仕様車。
購入受付期間は10月24日から11月11日までで、555台限定で販売。2019年11月14日の午後4時以降、応募者のメールアドレス宛に抽選結果が送られます。
事前エントリーの時点でも9倍近くの件数が集まりましたが、最終的な応募件数はなんと約1万3000件にまでのぼり、最終倍率は23倍となりました。
グレードは「EJ20 Final Edition」とレカロシート・アドバンスドセイフティパッケージを装備する「WRX STI EJ20 Final Edition FULL PACKAGE」の2種類です。
チェリーレッドのアクセントが利いたフロントグリルやリアバンパーに、大型のリヤスポイラー、ブラックのサイドガ―ニッシュとドアミラーが目をひく「EJ20 Final Edition」のエクステリア。用意されるボディカラーは「WRブルー・パール」「クリスタルホワイト・パール」「クリスタルブラック・シリカ」の3種類で、クリスタルホワイト・パールは有料色のため+33,000円となります。
足元にはゴールド塗装のBBS19インチ鍛造アルミホイールとbrembo製のベンチレーテッドディスクブレーキを装着します。
乗り込む際にはフットランプ付きのウェルカムライティングがドライバーを出迎えてくれます(WRX STI EJ20 Final Edition FULL PACKAGEのみ)。コックピットにはシルバーステッチ入りのインパネセンターバイザーやウルトラスエード巻ステアリングホイール、シフトブーツを装備。プッシュエンジンスイッチはSTI製でロゴ入りの専用デザインを採用します。
EJ20 Final Editionのシートはウルトラスエードと本革を採用した高級感のある作り。WRX STI EJ20 Final Edition FULL PACKAGEにはレカロ製のスポーツシートが標準装備となっています。マットなカーボン調のインパネ加飾が精悍な印象を与えます。
WRX STI EJ20 Final Edition FULL PACKAGEは、「スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)」「自動防眩ルームミラー付ハイビームアシスト」「フロントandサイドビューモニター」の3つの先進機能をセットとした「アドバンスドセイフティパッケージ」を標準装備します。
スバルリヤビークルディテクションは、車線変更の際に後方から来る車両を検知してサイドミラーに警告表示する機能です。
グレード | WRX STI 特別仕様車「EJ20 Final Edition」プロトタイプ |
---|---|
全長/全幅/全高 | 4,595mm×1,795mm×1,475mm |
ホイールベース | 2,650 mm |
エンジン | 2.0ℓ DOHC16バルブデュアルAVCSツインスクロールターボ |
最大出力 | 227kW(308ps) |
最大トルク | 422Nm(43.0kgm) |
トランスミッション | 6MT |
駆動方式 | AWD(常時全輪駆動) |
サスペンション形式[前/後] | ストラット式独立懸架/ダブルウィッシュボーン式独立懸架 |
タイヤサイズ | 245/35R19 |
価格 | WRX STI EJ20 Final Edition:4,521,000円 WRX STI EJ20 Final Edition FULL PACKAGE:4,851,000円 |
現行型WRX STIが2019年12月に受注終了 東京モーターショー2019に最後の特別仕様車「WRX STI EJ20 Final Edition」のプロトタイプが出展!
EJ20型水平対向エンジンの生産終了に伴い、スバル現行型WRX STIが2019年12月に受注を終了し、30年の歴史に幕を閉じます。さらにWRX STIの最後の特別限定モデルとして「WRX STI EJ20 Final Edition」を発売し、そのプロトタイプが東京モーターショーで発表されることとなりました。
WRX STI EJ20 Final Editionは限定抽選販売となり、東京モーターショーが開幕される2019年10月23日よりさらに詳しい情報が解禁されます。
次期型に関する情報は今のところ入ってきていません。
新型WRX STIのレンダリング画像が公開!
フルモデルチェンジが噂されているスバルWRX STIですが、この新型WRX STIのレンダリングが海外メディアサイトで公開されています。
主要3モデルとされるWRX STI・WRX S4・レヴォーグは、フルモデルチェンジによってパワートレインやプラットフォームを刷新。排気量2.0リットルF20型の水平対向4気筒直噴ターボエンジンで、スポーティーかつ安定した走行性能を実現します。最高出力は320psから400ps、最大トルクは441Nmとなる見込みです。
エクステリアについては、従来型の雰囲気を残しつつもグリルやヘッドライトのデザインを新しくする予定。新型を発売したばかりのスバル・インプレッサと同様のフロントLEDデイタイムランニングライト(シームレス)が採用される可能性があります。また、レンダリングでは足回りをゴールドのホイールやブレーキキャリパーとしています。
新型WRX STIのフルモデルチェンジ時期は未定
独立する前のWRX STIは約7年周期でフルモデルチェンジをしてきました。これにWRX STIを当てはめると、そろそろモデルチェンジ時期になりますが、次期STIの登場は未定です。
エクステリアのヒントはヴィジヴ パフォーマンス コンセプト
東京モーターショー2017で初公開されたスバルのコンセプトカー「ヴィジヴ パフォーマンス コンセプト」が次期WRX STIと言われています。
スバルのデザインアイコンとなっているヘキサゴングリル、コの字型のヘッドライトが特徴的なコンセプトカーで、ボンネットに大きく開口したエアインテークがピュアスポーツセダンらしい走りを予見させます。
リヤには4本のマフラーを装備して、スバル共通のデザインフィロソフィ(デザイン哲学)「DYNAMIC×SOLID」を表現しています。
ヴィジヴ パフォーマンス コンセプトにはスバルが新開発した次世代プラットフォーム「Subaru Global Platform(SGP)」が採用されています。
フルモデルチェンジする新型WRX STIもこの次世代プラットフォームSGPを採用することから、今よりワンランク上の運動性能やボディ剛性、安全性を手に入れます。
WRX STIがフルモデルチェンジでボディカラーを追加
現在WRX STIに設定されているボディカラーは全6色となっていますが、フルモデルチェンジによりボディカラーが追加される可能性があります。
WRX STIと同じ2014年に登場したレヴォーグは、ベース車両もWRX STIと同じインプレッサです。レヴォーグは全8色展開となっていて、レヴォーグのボディカラー「ストームグレー・メタリック」「ラピスブルー・パール」の2色を追加することも考えられます。
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アイスシルバー・メタリック -
クリスタルホワイト・パール(32,400円高) -
ダークグレー・メタリック -
クリスタルブラック・シリカ -
ピュアレッド -
WRブルー・パール -
ストームグレー・メタリック(レヴォーグのボディカラー) -
ラピスブルー・パール(レヴォーグのボディカラー)
WRX STIのパワートレインにはトヨタ製ハイブリッドエンジンを採用か
2005年にトヨタはスバルと業務提携を結び筆頭株主になりました。
2017年にはスバルが発行する株式の16.82%を保有し発言権を増していますが、トヨタからの「トヨタにはならないでください」の言葉通り、独自性の保たれた良好な関係を築いています。
次期WRX STIのパワートレインにはレヴォーグ、BRZ、トヨタ86にも搭載されている新開発のFA20型の2.0L 水平対向4気筒DOHC直噴ターボエンジン(ボクサーエンジン)が搭載される予定となっていますが、ハイブリッドエンジンも採用される可能性がでています。
それがトヨタのプリウスやC-HRに搭載されているTHS2と呼ばれるハイブリッドユニットです。
ハイブリッド技術で世界の先頭を走るトヨタの技術と、ラリーで鍛えられたWRX STI走りの融合により、新たな時代を切り拓く次世代ハイブリッドピュアスポーツセダンが登場するかもしれません。
次期WRX STIには進化したアイサイトが搭載
2017年8月に一部改良したレヴォーグに「アイサイト ツーリングアシスト」を採用しました。これは日産のプロパイロットと同じ、高速道路の単一車線を自動化するレベル2の自動運転システムです。
東京モーターショー2017に登場したヴィジヴ パフォーマンス コンセプトには高速道路において、加減速や操舵をシステムが行うレベル3の自動運転技術が採用されています。
グレード | 駆動方式 | 販売価格 |
---|---|---|
WRX STI | 4WD | 3,866,400円~ |
WRX STI Type S | 4WD | 4,060,800円~ |
スバルテクニカルインターナショナルを意味する WRX STIのモデルチェンジ遍歴
WRX STIはスバルが販売していたスポーツセダンで、2021年まで販売されていました。後継モデルはWRX S4となっています。
WRX STI初代 VAB/VAF型(2014年~2021年)
2014年8月、WRX STIの販売を開始しました。グレード構成は「STI」「STI Type S」のラインナップ。トランスミッションは6速MTの身になります。
2015年6月、一部改良で安全装備を強化しました。10月、400台限定のコンプリートカーの特別仕様車「S207」を発売。「NBR CHALLENGE PACKAGE」と「NBR CHALLENGE PACKAGE YELLOW EDITION」の各200台となります。また、WRX STIが継続して参戦しているニュルブルクリンク24時間レースを想わせるモデルとして、「NBR CHALLENGE PACKAGE」を限定200台で設定しました。
2016年4月、一部改良でインテリアの質感がアップしました。
2017年5月、大幅改良を実施して走行性能を向上し、フロントフェイスを一新。「STI Type S」ではトランクリップスポイラーを新たに標準装備し、シートにはRECAROシートを採用するなど様々な変更が加えられました。6月には2018年初頭に米国市場向けに500台限定で「WRX STI TYPE RA」を販売すると発表しました。10月にはトップエンドモデルとなる、450台限定の特別仕様車「S208」を発売。同時にニュルブルクリンク24時間レースを想わせるモデルの「NBR CHALLENGE PACKAGE」を設定しました。
2018年7月、STI創立30周年を記念するコンプリートカーを500台限定で、特別仕様車「TYPE RA-R」として発売。
2019年1月、米国市場向けで、STIコンプリートカーの最高峰のSシリーズとしては初になる「S209」を発表。6月、改良モデルを発売。「STI Type S」ではフロントデザインが変更になりました。10月、限定555台の特別仕様車「EJ20 Final Edition」を発表。12月、EJ20型水平対向エンジンが生産終了のため、日本でのWRX STIの受付を終了しました。
WRX STIのモデル | 販売年表 |
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初代 VAB/VAF型 | 2014年~2021年 |
新型WRX STIのモデルチェンジは自動運転の進化にも期待
東京モーターショー2017に出展されたコンセプトカーに共通したのが、「環境に優しい車」です。これは今後の自動車業界が「エンジンからモーターへシフト」することを明確にしているでしょう。
動力にエンジンを使うガソリン車やディーゼル車から、動力にモーターを使うEVやFCVへの変革に、世界中のモーターファンが魅了されました。
そして、交通インフラに革命をもたらす「完全自動運転」の実用化にも、期待がかかるモデルが複数登場しています。
その一つが次期WRX STIを示唆するヴィジヴ パフォーマンス コンセプトです。2018年にフルモデルチェンジを迎える新型WRX STIにも完全自動運転に繋がる新技術が搭載されるのか、期待しましょう。