WRX S4がモデルチェンジを発表 導入したスバルの次世代型プラットフォームや新設計エンジンの特長
スバルのスポーツセダンWRX S4は、2021年11月にモデルチェンジした新型モデルを発表。2014年8月に販売を開始した初代WRX S4は、インプレッサのスポーツバージョンとして設定されていた「WRX」を独立させる形で、WRX STIともに誕生した日本のみで販売されている車です。
そんな新型WRX S4への搭載が見込まれる水平対向4気筒の2.4Lダウンサイジングターボエンジンや、スバルの次世代型プラットフォームの特長などについて紹介します。
WRX S4の特別仕様車WRX S4 STI Sport♯(シャープ)発表
STIパフォーマンスパーツと専用チューニングを施した限定500台の特別仕様車WRX S4 STI Sport♯
WRX S4へ500台限定の特別仕様車WRX S4 STI Sport♯(シャープ)を追加、2024年1月12日から1月28日の期間に全国のスバル店舗で抽選を受付。
WRX S4 STI Sport♯はSTIパフォーマンスパーツを多数装備、専用チューニングを施した操縦安定性の向上と、上質な乗り味を実現したモデル。
エクステリアではフロントグリルやドアミラーカバーなどをクリスタルブラックシリカ塗装に、WRX S4リヤオーナメントなどをラスターブラック塗装にすることで、精悍なイメージに。
シート表皮はブラックのウルトラスエード+合成皮革のRECAROシートをフロントに採用、スポーツマインドを刺激する仕様になります。
WRX S4 STI Sport R EXをベースにするWRX S4 STI Sport♯(シャープ)の販売価格は6,237,000円です。
スバル特別仕様車WRX S4 STI Sport♯(シャープ)の装備
- クリスタルブラックシリカ塗装 フロントグリル
- クリスタルブラックシリカ塗装 ドアミラーカバー
- クリスタルブラックシリカ塗装 シャークフィンルーフアンテナ
- クリスタルブラックシリカ塗装 小型トランクスポイラー
- ラスターブラック塗装 STIエンブレム フロント&リヤ
- ラスターブラック塗装 WRX S4リヤオーナメント
- ラスターブラック塗装 SYMMETRICAL AWDリヤオーナメント
- 本革巻ステアリングホイール
- シルバーステッチ シフトブーツ
- RECAROフロントシート
- 運転席&助手席8ウェイパワーシート
- インパネミッドトリム&ドアトリム
- センタートレイ加飾
- フロアコンソールリッド
- ドアアームレスト
- プリテンショナー&フォースリミッター付フロント3点式ELRシートベルト
- リヤ全席3点式ELRシートベルト
- 245/35R19ハイパフォーマンスタイヤ ミシュラン パイロット スポーツ5
- STI製フレキシブルパフォーマンスホイール フロント(BBS 19インチ×8 1/2J鍛造・スーパーブラックハイラスター塗装・FRONT刻印入り)
- STI製フレキシブルパフォーマンスホイール リヤ(BBS 19インチ×8 1/2J鍛造・スーパーブラックハイラスター塗装・REAR刻印入り)
- STI製フレキシブルドロータワーバー フロント
- STI製フレキシブルドロースティフナー フロント
- STI製フレキシブルドロースティフナー リヤ
- スバルパフォーマンストランスミッションフルードクーラー
- 制振材
WRX S4の改良モデルを2023年10月25日発表 アイサイトのステレオカメラ向上など
スバルがWRX S4へ改良を2023年10月25日に実施。
アイサイトのステレオカメラの向上やSTI Sport R EXグレードへ大型リアスポイラーのメーカーオプションを追加しました。
2023年WRX S4の改良内容
- ステレオカメラに広角単眼カメラ搭載の新世代アイサイト装備
- 新機能追加のデジタルマルチビューモニター装備
- STI Sport R EXグレードに大型リヤスポイラーをメーカー装着オプション設定
- STI Sport R EXグレードにハーマンカードンサウンドシステム標準装備
- SUBARU STARLINKにリモートエアコン機能追加
- Apple Carplayワイヤレス接続対応
- 12.3インチフル液晶メーター上でApple Carplay地図アプリ情報の表示機能追加
- Android Autoの11.6インチセンターインフォメーションディスプレイの表示画面拡張
予防安全支援システムのアイサイトが最新バージョンに、液晶メーター上で地図アプリを表示できるようになることでユーザービリティが向上しました。
WRX S4の販売価格はGT-H EXが4,477,000円、上位グレードのSTI Sport R EXが5,027,000円です。
WRX S4のフルモデルチェンジ発表は2021年11月25日
新型WRX S4が遂に日本市場でデビュー 樹脂フェンダーなど新鮮なスタイリングが特徴
2014年8月にWRX STIとともに発売をスタートしたWRX S4が、2代目へフルモデルチェンジを実施して2021年11月25日に発表。新開発された2.4L直噴ターボDITエンジンは最高出力275ps、最大トルク38.2kgmを発揮する驚異的なスペック。
新型WRX S4の特徴は高い運動性能だけではなく、ヘキサゴン空力テクスチャーを施した樹脂フェンダーや、張り出しの強いキャラクターラインを採用したこと。
スバルが発売した今までのセダンとは全く違うスタイリングで、コンセプトモデルのヴィジヴパフォーマンスを忠実に再現しています。
センターインフォメーションディスプレイはレヴォーグと同じ11.6インチの大型サイズを採用。360度センシングで安全性を高める新世代アイサイトも装備しています。
新型WRX S4の販売価格は4,004,000円から4,774,000円です。
グレード | 販売価格 |
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GT-H | 4,004,000円~ |
GT-H EX | 4,389,000円~ |
STI Sport R | 4,389,000円~ |
STI Sport R EX | 4,774,000円~ |
スバルは北米でウィルダネスというオフローダーグレードをアウトバックに設定しています。第二弾も予定されているほど評価の高いモデルで、今回発表するWRXの新型モデルはセダンながら、ホイールアーチに樹脂フェンダーを採用するなどクロスオーバーに寄せたエクステリアになっていると話題になっています。
2023年にはスバルが北米で展開するスバルオブアメリカから、ハイパフォーマンス仕様のWRX TR(WRX S4ベース)を発表。日本発売の期待もかかる特別モデルになります。
2代目WRX S4の発表前に噂されたエクステリアやスペックなどの情報
2代目WRX S4は2021年11月25日に日本市場で発表。WRX S4はファンの多いモデルで、2代目モデルはスバリストからも注目されていました。
新型WRX S4発表前に噂された予想エクステリアや予想スペックなどの情報をまとめています。
2021年11月頃に誕生予定の新型WRX S4はスバルの次世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を採用
2021年11月頃に誕生予定の新型WRX S4は、5代目インプレッサが初めて導入したスバルの次世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM (スバルグローバルプラットフォーム)」を採用する可能性が高いです。
スバルグローバルプラットフォームの基で開発された5代目インプレッサを前モデルと比較すると、高剛性化や優れた操縦安定性などを達成する5代目インプレッサの方が、ワンクラス上の快適性や走行性を実現します。
次期フルモデルチェンジにおいて新型WRX S4も「スバルグローバルプラットフォーム」を採用すれば、5代目インプレッサと同様あるいはそれ以上の導入メリットが考えられます。
2021年11月頃誕生予定のWRX S4はハイブリッドモデルをラインナップする可能性もある
「SUBARU GLOBAL PLATFORM」は、ガソリンエンジンだけではなく、ハイブリッド・プラグインハイブリッド・EV(電気自動車)に対しても汎用性を持つプラットフォームです。
そのため、2代目WRX S4からはガソリンエンジンだけはなくて、e-BOXERを搭載する新型フォレスターのようなハイブリッドモデルや、提携関係にあるトヨタから技術の提供を受けて、プリウスのようなプラグインハイブリッドモデルのラインナップも考えられます。
2代目WRX S4のエクステリアはスバルのデザインフィロソフィー「DYNAMIC×SOLID」の理想形に近づくと期待
フルモデルチェンジで誕生する次期WRX S4のエクステリアは、東京モーターショー2017や東京オートサロン2018に出展されたコンセプトカーのデザインの一部を採用すると思われます。
WRXの新型モデルは、「SUBARU VIZIV PERFORMANCE CONCEPT」等のコンセプトカーの影響を受けて、ヘキサゴングリルやエアインテークのデザインを洗練させ、ホークアイヘッドライトはよりシャープな形状とし、フェンダーからホイールアーチにかけての躍動感は向上させると予想します。
バンパーはよりスポーティなデザインを採用するなどの改良が見込まれる2代目WRX S4のエクステリアは、スバルのデザインフィロソフィー「DYNAMIC×SOLID」が追い求める理想形に近づくものと期待します。
次期フルモデルチェンジで誕生する2代目WRX S4は新たな環境時代に対応する新設計のダウンサイジングエンジンを搭載する可能性が高い
スバルは中期経営計画「際立とう2020」にて、2020年度をタイムスケジュールとして新たな環境時代に対応できる、1,800ccターボエンジンの開発を目指している事を宣言しています。
スバルの新設計エンジンは、2020年にフルモデルチェンジが予定される新型レヴォーグへの搭載が噂されています。そのため、前回のマイナーチェンジを同日に行うなど関係性の深いWRX S4にも新型ターボエンジンを導入する可能性は高いと言えます。
WRX S4の現行モデルが搭載するエンジンは、レヴォーグやトヨタ86との共同開発も行うスポーツ走行に適したFA20型の水平対向4気筒2.0L直噴ターボモデルです。
次期WRX S4が搭載する予定の新設計のダウンサイジングターボエンジンを、現行モデルが導入するFA20型と比較すれば、コンパクト化が実現され、同レベルの高出力は維持され、そして更なる低燃費を達成する事が期待されます。
2021年8月頃に誕生が予定される2代目「WRX S4」はアイサイトセイフティプラスよりも進化した予防安全装備を搭載する見込み
WRX S4は、2017年8月にビッグマイナーチェンジを行って誕生したD型で、スバルリヤビークルディテクション等をパッケージングした「アイサイトセイフティプラス」を装備しました。
2018年中に年次改良が行われて誕生するE型では、安全装備への新機能の追加やアップグレードは抑えて、2021年8月頃に誕生予定の2代目「WRX S4」では、ステレオカメラやミリ波レーダー、高精度デジタルマップGPS等から寄せられるデータを活かしたより機能的な予防安全装備を搭載する見込みです。
新型エンジンを採用し安全装備を進化させる予定の2代目WRX S4の販売価格帯は350万円台~420万円台になると予想
WRX S4の現行モデル(D型)の販売価格は、エントリーグレードである「2.0GT EyeSight」が3,369,600円からで、新設定された最上級グレードである「STI Sport EyeSight」は4,093,200円となります。
新開発の2.4Lダウンサイジングターボエンジンを搭載し、進化した安全装備を導入する予定の2代目WRX S4の販売価格帯は、現行モデルに20万円を加算した350万円台~420万円台になると予想します。
グレード | 価格 |
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2.0GT EyeSight | 3,432,000円~ |
2.0GT-S EyeSight | 3,806,000円~ |
STI Sport EyeSight | 4,169,000円~ |
現行型WRX S4のボディカラーは全6色
現行のD型WRX S4のボディカラーは全6色、シートカラーは「ブラック」と「ボルドー&レッドストレッチ」の2色です。
- クリスタルホワイト・パール(33,000円高)
- アイスシルバー・メタリック
- マグネタイトグレー・メタリック
- クリスタルブラック・シリカ
- ピュアレッド
- WRブルー・パール
インプレッサWRXを起源とするWRX S4のモデルチェンジ遍歴
WRX S4はスバルが販売する四輪駆動のスポーツセダンです。海外モデルはWRXで、インプレッサのスポーツモデルにつけられていたグレード名でした。
WRX S4初代 VA系/2014年~2021年
2014年8月、WRX S4が発売されました。グレード体系は「2.0GT」「2.0GT-S」の2タイプ。
2015年6月に一部改良。「2.0GT-S」に新ダンパーを採用し、乗り心地が向上しています。安全装備も強化されました。10月、イタリアの老舗皮革製品サプライヤーのMARIO LEVI社とのコラボで、500台限定の特別仕様車「SporVita」を発売。
2016年4月、一部改良で内装の質感を向上。10月には「走りと安全性の融合を目指したモデル」として開発された特別仕様車「WRX S4 tS」を期間限定で発売。
2017年7月、大幅改良を実施。走行性能と安全性能を向上しました。
2018年4月、一部改良で「アイサイト」に搭載されるプリクラッシュブレーキ制御を改善し、衝突回避の性能を向上させました。9月、スバルテクニカルインターナショナルとの共同開発された最上級グレード「STI Sport EyeSight」を追加設定。
2019年5月、改良モデルを発表、翌月6月に発売。「STI Sport EyeSight」ではフロントデザインを変更、「2.0GT-S EyeSight」ではアルミホイールのカラーが変更になりました。10月には555台限定の特別仕様車「FULL PACKAGE」を設定。
2020年7月、一部変更を発表し、8月に発売。「STI Sport EyeSight」のみのグレードとなりました。同時に限定500台の特別仕様車「STI Sport#」を発表しますが、先行予約の段階で予約数に「達していたため、発表と同時に予約受付が終了しました。
2021年1月、受付を終了し、在庫のみの販売となりました。
WRX S4 2代目 VB系/2021年~
2021年11月、フルモデルチェンジで2代目になりました。日本仕様でのグレード体系は「GT-H」「STI Sport R」の2種類で、「GT-H EX」「STI Sport R EX」の設定があります。
2022年11月、一部改良で、ランプ類の消し忘れ時の自動消灯昨日の追加や、スマートキーにモーションセンサーとスリープ機能が搭載され、リレーアタック対策が施されました。
2023年10月、一部改良でアイサイトに広角嘆願カメラを追加し、デジタルマルチビューモニターに3Dビュー表示やフロントビューとトップビューを自動で表示するAUTOモードを追加しました。グレード体系も整理され、「アイサイトX」や「SUBARU STARLINK」を非装備している「GT-H」と「STI Sport R」が廃止になりました。
WRX S4のモデル | 販売年表 |
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初代 VA系 | 2014年~2021年 |
2代目 VB系 | 2021年~ |
2021年8月モデルチェンジした新型WRX S4は欧州のスポーツセダンと比較しても見劣りしないコストパフォーマンスの高い車
WRX S4は日本車では数少ない本格的なスポーツセダンです。スバルは、新型インプレッサを第1弾として、順次「SUBARU GLOBAL PLATFORM」の基で開発する次世代モデルへの切換えを行っています。
2021年8月のモデルチェンジで新設計のダウンサイジングターボエンジンを搭載し、安全装備を充実させ、居住空間を拡げる可能性の高い2代目「WRX S4」は、ラグジュアリーな欧州のスポーツセダンと比較しても性能面では見劣りせずに、価格面ではリーズナブルなコストパフォーマンスの高い車となります。