福祉車両におすすめしたい軽自動車の人気の6車種
社会の高齢化が進むにつれて、福祉車両のニーズは高まっていきます。そんな中でも、燃費が良く・維持費が安く・街中走行に適している軽自動車タイプの福祉車両は、今後はますます注目が集まります。
福祉車両として認識されている車には様々なタイプのものがありますが、今回紹介していくのは車椅子に乗られている方にとって便利な、以下の機能が備わっている車です。
- 車椅子のまま乗車する事ができるスロープが付いている
- 助手席あるいは後部座席が昇降できる
その条件を満たしているスズキの「スペーシア」やホンダの「N-BOX+」などの人気のおすすめ6車種を紹介していきます。
ダイハツ タントスローバーは車椅子のまま乗車できるスロープが便利な福祉車両
「タントスローバー」は、ダイハツが2003年に発売を開始したタントをベース車とした車椅子のまま乗車できるタイプの福祉車両です。
タントは室内高を高く設定するなど、広々設計の室内スペースを誇る軽自動車です。そのため、車椅子のまま乗車しても窮屈な思いをしにくい設計となっています。
車内リヤ部分の両サイドには、回転式で取り外しが簡単にできる手すりが設置されています。そのため、走行中の車が左右にブレてしまっても手すりを利用すれば体をしっかりと支える事が可能です。
スロープはコンパクトに折り畳む事ができて、車椅子を備え付けの専用ベルトでしっかり固定すれば車の中に4人が乗る事ができます。
スローバーにはタント同様にダイハツの先進安全装備である「スマートアシスト3」が搭載されている事も、福祉車両として人気が集まる理由です。
全長 | 3,395mm |
---|---|
全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,750mm |
室内長 | 1,930mm |
室内幅 | 1,350mm |
室内高 | 1,365mm |
ホイールベース | 2,455mm |
最小回転半径 | 4.4m |
燃費 | 26.0km/L |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
乗車定員 | 4名 |
車両重量 | 980kg |
エンジン | 水冷直列3気筒12バルブDOHC横置 |
総排気量 | 658cc |
ボディカラー | 10色 |
駆動方式 | 2WD |
メーカー希望小売価格 | 1,670,000円 |
ダイハツ ムーヴ・フロントシートリフトは助手席が昇降するタイプの福祉車両でリモコン操作にも対応
「ムーヴ・フロントシートリフト」は助手席が昇降するタイプの福祉車両です。ベース車としているムーヴはライバル関係にあるスズキのワゴンRを意識して作られた車です。
助手席のシートリフトはリモコン操作で簡単に昇降することが出来ます。シート側面にはリモコンポケットが付いていて便利です。シートの下側には「折り畳み式フットレスト」が設置され、使わない時は片手でしまえる機能性を有しています。
車椅子を収納するスペースには、ホールド力の強い「車いす固縛ベルト」が設置されています。車椅子をしっかり固定することで、運転中に車椅子がカタカタと動いてしまう事はなくなります。そして、車椅子とリヤガラスがぶつかり合ってしまう恐れもなくなります。
全長 | 3,395mm |
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全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,630mm |
室内長 | 2,080mm |
室内幅 | 1,320mm |
室内高 | 1,280mm |
ホイールベース | 2,455mm |
最小回転半径 | 4.4m |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
乗車定員 | 4名 |
車両重量 | 870kg |
エンジン | 水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ横置 |
総排気量 | 658cc |
ボディカラー | 10色 |
駆動方式 | 2WD |
メーカー希望小売価格 | 1,474,000円 |
スズキ ワゴンR・ウィズは車高が高く室内空間が広い福祉車両のパイオニア
スズキのワゴンRは、軽自動車のウィークポイントであった室内空間の狭さを車高を高くする事で克服したパイオニア的な車です。スズキは自社の車をWITH(ウィズ)シリーズで福祉車両に改造しています。ワゴンRのウィズは、助手席が昇降するタイプの車両です。
シート昇降スイッチを押せば、シートはゆっくりと旋回しながら車椅子とほぼ同じ高さまで降りてきます。そのため、車椅子から助手席シートへの移動をスムーズに行う事が出来ます。
助手席シートには、ホールド力を高める胸部固定用ベルトや専用のアームレスト・フットレストを装備します。
ワゴンRは、福祉車両に嬉しい安全性能も充実しています。車内に設置する単眼カメラや検知能力が優れているレーダーを利用することで、自動ブレーキ機能や誤発進抑制機能などの安全サポートシステムが充実します。
ワゴンRは軽自動車で初めてヘッドアップディスプレイを搭載しました。ダッシュボードの上に、車の速度や安全システムの作動状況を表示するヘッドアップディスプレイを設置することで、ドライバーは視線移動を最小限になり、運転に集中できるため安全性が増します。
全長 | 3,395mm |
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全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,650mm |
ホイールベース | 2,460mm |
最小回転半径 | 4.4m |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
乗車定員 | 4名 |
車両重量 | 870kg |
エンジン | 水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ吸排気VVT |
総排気量 | 658cc |
ボディカラー | 10色 |
駆動方式 | 4WD |
トランスミッション | CVT |
メーカー希望小売価格 | 1,393,000円 |
スズキ スペーシア・ウィズはスロープが便利で解放感を感じられるくらい高い天井が魅力の福祉車両
スズキのスペーシアは2013年に発売された軽トールワゴンの車です。その福祉車両にあたるスペーシア・ウィズは、車椅子のまま乗車する事ができるスロープが付いた車です。スロープは、簡単操作で力のない女性であっても楽に開閉できます。
室内には、車椅子を乗り降りさせる際にサポートしてくれる電動ウインチや、「ハの字」型のオシャレな色合いが印象的な手すりが設置されています。
スペーシアはレーダーブレーキサポート機能を標準装備します。同安全システムでは、渋滞中などのロースピード状況下で、先行車と衝突するリスクがあれば自動的にブレーキが作動して衝突の危険性を回避します。
車椅子が乗るリヤ側のドアには、スライド方式で利用できるロールサンシェードを取り付けています。サンシェードは乗車中のプライパシーの保護に役立つだけではなくて、プレミアムUV・IRカットガラスと併用することで紫外線や赤外線を大幅にカットできます。
全長 | 3,395mm |
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全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,735mm |
ホイールベース | 2,425mm |
最小回転半径 | 4.2m |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
乗車定員 | 4名 |
車両重量 | 900kg |
エンジン | 水冷4サイクル直列3気筒DOHC12バルブ吸排気VVT |
総排気量 | 658cc |
ボディカラー | 3色 |
駆動方式 | 2WD |
メーカー希望小売価格 | 1,600,000円 |
ホンダ N-BOXはスロープや電動ウインチを装備して介護者の負担を減らす工夫が盛りだくさんの福祉車両
ホンダが発売した四輪車の中で最速で累計販売台数100万台を突破したN-BOXの派生車である「N-BOX+」は、N‐BOXに新しい可能性をプラスするために開発されました。
N-BOXでは、車椅子のまま室内に乗り込む事ができるアルミ製のスロープの設置や、介護する人の負担を減らして安全に乗り降りができる電動ウインチを導入するなど、福祉車両の可能性を広げました。
N-BOXは、アルミスロープの床下にある収納スペースとマルチボートを利用することで、介護以外の買い物や子育てのシーンでも便利に使える車でもあります。
全長 | 3,395mm |
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全幅 | 1,475mm |
全高 | 1,780mm |
室内長 | 1,885mm |
室内幅 | 1,350mm |
室内高 | 1,400mm |
ホイールベース | 2,520mm |
最小回転半径 | 4.5m |
燃費 | 24.4km/L |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
乗車定員 | 4名 |
車両重量 | 1,020kg |
エンジン | 水冷直列3気筒横置 |
総排気量 | 658CC |
ボディカラー | 9色 |
駆動方式 | FF |
メーカー希望小売価格 | 1,575,640円 |
日産 デイズ LVは車椅子を固定するゴムネットや助手席リクライニングを設定するなど快適性に優れた福祉車両
インテリジェント軽とのキャッチコピーのある日産デイズからも福祉車両がラインナップされています。日産では福祉車両の事をライフケアビーグル・LV(Life Care Vehicle)と呼び、日々の暮らしの中でやってくる様々な場面において、人々の助けとなる乗り物を目指して車の開発を行っています。
車内には車椅子を折り畳んだまま荷台に固定できるゴムネット、助手席の両側にはアームレストが付いてリクライング機能を付けるなど乗り心地の面でも充実化が図られています。
全長 | 3,395mm |
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全幅 | 1,475 mm |
全高 | 1,620 mm |
室内長 | 2,085 mm |
室内幅 | 1,295 mm |
室内高 | 1,280 mm |
ホイールベース | 2,520 mm |
燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
乗車定員 | 4名 |
車両重量 | 880kg |
駆動方式 | 2WD |
メーカー希望小売価格 | -円 |
福祉車両に関する税制度や助成制度について
福祉車両を購入・利用する際には、「消費税」「自動車税(軽自動車税)」「自動車取得税」で税制上の恩恵を受ける事が出来ます。福祉車両への改造が一定レベルならば、ベースとなっている車と同じくエコカー減税の対象車となります。また、お住みになられている自治体に申請を行えば助成制度を受ける事も可能です。
福祉車両に関する税制度の恩恵|消費税は非課税となる・自動車税や自動車取得税は減免
車椅子などを自動車に乗せるための昇降装置と、自動車の中で車椅子を固定するために必要となるアクセサリーを装備している福祉車両は、車の購入費用やリース料などにかかる消費税は非課税となります。
車本体への価格 | 非課税 |
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車の販売メーカーのアクセサリー等 | 非課税(車を購入した場合) |
届け出書類の手数料等 | 課税 |
リース契約の料金 | 非課税 |
自動車税(軽自動車税)や自動車取得税は、福祉車両に限らず「身体に不自由を抱えている方が自分で運転する自動車」「体に不自由を抱えている方と一緒に暮らしている家族の方が運転する自動車」などの条件を満たしていれば、申請を行うことでそれらの税金は減免されます。
詳細や諸手続き事項に関しては、お住みになられている地区にある税務署や福祉事務所、各市区町村の税務担当課で確認する事が出来ます。
福祉車両に関する助成制度や貸付制度
身体に不自由を抱えている方が自動車を購入するケース・車の免許を取得する・車を福祉車両に改造する際などの必要に応じて、各自治体は様々な貸付・助成制度を設けています。
項目 | 内容 | |
---|---|---|
貸付制度 | 自動車購入資金 | 通勤・通院・通学など日々の暮らしが便利となるため、社会参加のために車が必要であれば資金を貸付ける |
車の免許取得費用 | 自営または働く事を目的として車の免許を取得する場合に、費用の貸付を行う | |
助成制度 | 自動車購入資金 | 身体に不自由を抱えている方を雇う事業主に対する制度。従業員が通勤用に利用する自動車に適用されます |
車の免許・技能習得費用 | 自営または働く事を目的として車の免許を取得しようと場合に、費用を助成します | |
福祉車両への改造資金 | 身体に不自由を抱えている方が就労等で車を改造する必要がある場合に、その費用を助成します | |
車の燃料代 | 身体に不自由を抱えている方やその家族が運転する車のガソリン代を助成します。 |
その他にも有料道路の通行料金が割り引かれる制度などもあって、それらも含めた制度を利用できるかについては、お住みになられている自治体や福祉事務所で確認する事ができます。
福祉車両の軽自動車のニーズはこれから高まる
これからの社会は益々高齢化していきます。年を重ねるにつれて脳梗塞などになりやすく、その影響で体にマヒを抱えるなど体が不自由になりやすくなってしまいます。そのため、福祉車両のニーズは高まります。
ご家族の方に介護が必要となれば、介護制度や助成制度は整えられておりますが、予想以上に出費が膨らんでしまいます。通院の際や買い物など際にあると便利な車は、ご家族の中に体が不自由な方がいれば車椅子も乗せられる福祉車両が必要となります。
軽自動車タイプの福祉車両は、購入費用や維持費も安いのでその他の出費の事も考えると、選択肢とする方がこれからも増えていくのでニーズは更に高まっていきます。