スズキ スペーシア 車いす移動車の特徴・装備・価格を徹底解説
スズキは福祉車両ウィズシリーズに、2023年11月にフルモデルチェンジした新型スペーシア(第3世代)をベースとした「スペーシア 車いす移動車」を設定しました。2WD車は2023年12月22日、新たに追加された4WD車は2024年3月21日に発売されています。
本記事では、スペーシア 車いす移動車の特徴・装備・価格と、同じくウィズシリーズに設定されているエブリイワゴン 電動オートステップ装着車についても詳しく紹介します。
スズキ・ウィズシリーズには「車いす移動車」と「昇降シート車」タイプがある
スペーシア車いす移動車
スペーシア車いす移動車
スペーシア車いす移動車
スズキの福祉車両・ウィズシリーズには、車いすに座ったままで乗り降りできる「車いす移動車」タイプと、電動操作でシートをスライド・回転できる「昇降シート車」タイプがあります。
昇降シート車タイプは「ワゴンR」と「ワゴンRカスタムZ」をベースとする車両がラインナップしています。一方、車いす移動車タイプにはスペーシアとエブリイワゴン(エブリイ)をベースとした車両が設定されています。
| タイプ | 特徴 | ベース車両 |
|---|---|---|
| 車いす移動車 | 車いすに座ったままで乗り降り可能 | スペーシア、エブリイワゴン、エブリイ |
| 昇降シート車 | 電動操作でシートをスライド・回転 | ワゴンR、ワゴンRカスタムZ |
スペーシアの車いす移動車の特徴

衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポートII」やペダル踏み間違い時加速抑制装置などを全車に標準装備し、「サポカーS ワイド」および「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)認定車」の認定を受けるスペーシア 車いす移動車の特徴を紹介します。
広い室内スペースと車いすが乗り降りしやすい設計

第3世代スペーシアをベースとする車いす移動車は、軽最大クラスの室内スペースを誇ります。圧迫感のない室内高と広い足元スペース、後方のゆとりスペースが、車いす移動車としての高い実用性をもたらしています。
スペーシアの車いす移動車は、ワンアクションで簡単に展開でき、力の弱い方でも楽に操作できる「テールゲート一体型スロープ」を採用しています。現行モデルではテールゲート一体型スロープに前倒し機構を新採用し、スロープ格納時は室内側に倒すことで床面がフラットになり、室内空間を多様にアレンジすることが可能になりました。スロープ幅は640mm、耐荷重は200kgを確保しています。

スロープには滑り止め加工が施されており、傾斜角は14°設定です。車いすの乗り降りをアシストする電動ウィンチとワイヤレスリモコンを全車に標準装備し、短時間でスムーズにベルトを引き出して操作できるフリーモード機能で介助者の負担を軽減します。また、電動ウィンチで車いすを引き上げるだけで固定できる「車椅子簡易固定装置」がディーラーオプションとして用意されており、乗せ降ろしがさらに容易になっています。

現行モデルでは車いす乗員用の手すりを回転タイプに刷新しました。車いす乗員者がより掴みやすい位置に手すりを配置できるよう配慮した設計で、安全性と安心感がさらに向上しています。
スペーシアが採用する両側スライドドアは、普段の乗り降りが楽になるだけでなく、サイドスペースに余裕がない場面でもスムーズなサポートを実現します。

ハイブリッドXのリヤシート付車に標準装備される「スリムサーキュレーター」は、室内の空気を効率的に循環させ、前席と後席スペースの温度のムラをなくすことで、乗車するみんなの快適さを追求します。

リヤシートが設置されている車両では、シートをアレンジすることで最大4人(車いす搭載時は3名)が乗車できるスペースを確保できます。折りたたみ式リヤシートを採用しているため、4名乗車時でもベース車と同様の後席スペースを維持し、日常のドライブシーンでも高い利便性を発揮します。
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 室内スペース | 軽最大クラスの広さ。圧迫感のない室内高と広い足元、後方のゆとりスペースを確保 |
| テールゲート一体型スロープ | ワンアクションで簡単展開。前倒し機構を新採用し格納時に床面がフラットに。スロープ幅640mm・耐荷重200kg |
| 電動ウィンチ・ワイヤレスリモコン | 全車標準装備。フリーモード搭載でスムーズなベルト引き出しが可能。介助者の負担を軽減 |
| 車椅子簡易固定装置 | ディーラーオプションとして設定。電動ウィンチで引き上げるだけで車いすを固定可能 |
| 車いす乗員用手すり | 回転タイプに刷新。より掴みやすい位置への配置が可能に |
| 両側スライドドア | 狭い場所でも乗降サポートがスムーズ |
| スリムサーキュレーター | ハイブリッドXのリヤシート付車に標準装備。室内の温度ムラをなくし快適性を向上 |
| 乗車定員とシートアレンジ | リヤシート付車は最大4名(車いす搭載時は3名)。折りたたみ式リヤシートで日常使いも快適 |
スペーシアの車いす移動車は快適装備も充実

ハイブリッドXのリヤシート付車には紫外線をカットする「ロールサンシェード」が装備されます。フロントドアには紫外線を99%遮断し、赤外線もカットする「IRカットガラス」が設置されています。紫外線・赤外線対策によって車内環境を快適に保ち、乗車者の健康も守ります。

乗車中に利用する手すりは、つかみやすいサイズと高さに配置することで利用者の安全性と安心感を高めます。視認性の高いオレンジカラーと、回転タイプの採用でより掴みやすい位置への調整が可能なデザインも特徴です。

寒い季節に足もとを温める「リヤヒーターダクト」は、足もとが冷えやすい方に重宝する装備です。リヤヒーターから足もとに送られる温かい風は、快適性だけでなく体調管理にも貢献します。
| 装備 | 説明 |
|---|---|
| ロールサンシェード | ハイブリッドXのリヤシート付車に標準装備。紫外線をカット |
| IRカットガラス | フロントドアに設置。紫外線99%カット・赤外線も遮断 |
| 手すり(回転タイプ) | 掴みやすい形状とオレンジカラーで安全・安心感を向上。回転により最適な位置に配置可能 |
| リヤヒーターダクト | 足もとを効率的に暖める機能。体調管理にも貢献 |
先進の安全装備が充実
現行の新型スペーシア 車いす移動車は、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた「デュアルセンサーブレーキサポートII」を全車に標準装備しています。車両・歩行者・自転車・自動二輪車を検知対象とし、交差点での検知にも対応しています。また、超音波センサーが前後の障害物を検知する「低速時ブレーキサポート(前進・後退)」も全車に標準装備しています。
その他、車線逸脱抑制機能、標識認識機能、SRSカーテンエアバッグなどベース車と同等の安全装備が搭載されているほか、コーナーでのスリップや横滑りを防ぐESP(車両走行安定補助システム)も備えます。

車いすのホールド力を高める3点式シートベルトに手すりと4点固定ベルトを組み合わせており、走行中の安全性と乗車する方の安心感をさらに高めています。
| 安全装備 | 説明 |
|---|---|
| デュアルセンサーブレーキサポートII | ミリ波レーダー+単眼カメラで車両・歩行者・自転車・自動二輪車を検知。交差点対応。全車標準装備 |
| 低速時ブレーキサポート(前進・後退) | 超音波センサーが前後の障害物を検知し衝突を回避・被害軽減。全車標準装備 |
| スズキ セーフティサポート | 車線逸脱抑制機能・標識認識機能などをパッケージした予防安全技術 |
| ESP(車両走行安定補助システム) | コーナーでのスリップ・横滑りを検知しエンジン・ブレーキを制御して安定走行を支援 |
| 3点式シートベルト+手すり・4点固定ベルト | 車いすのホールド力を強化し、走行中の安全性と安心感を向上 |
マイルドハイブリッドが全車に装備
スペーシア 車いす移動車は、全車にモーターによるアシスト力でエンジンをサポートするスズキの「マイルドハイブリッド」を装備しています。ISG(モーター機能付発電機)を採用し、モーターの高出力化とリチウムイオンバッテリーの大容量化により低燃費を実現しています。
アイドリングストップからの再スタート時はモーター出力のみで移動するクリープ走行を可能とし、ガソリン消費を節約します。100km/hまでの加速時にはISGでエンジンをアシストすることが可能で、パワーモードを選択するとCVT制御の変更とトルクアップによりパワフルな加速が実現します。
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| マイルドハイブリッド搭載 | 全車にモーターアシストでエンジンを補助し、燃費向上を実現 |
| ISG(モーター機能付発電機) | 高出力モーターと大容量リチウムイオンバッテリーを搭載 |
| クリープ走行機能 | アイドリングストップ後、モーター出力のみで車が動きガソリン節約に貢献 |
| 加速時のエンジンアシスト | 100km/hまでの加速時にISGがエンジンをアシスト |
| パワーモード選択 | エンジン・CVT制御を変更し、トルクアップでパワフルな加速が可能 |
スペーシア 車いす移動車の販売価格と車検区分
現行の新型スペーシア 車いす移動車の価格です(消費税は非課税)。4WD車は今回のモデルから新たに設定されました。なお、スペーシア 車いす移動車はエコカー減税の対象車です(2026年4月30日新車届出まで自動車重量税の減税措置が適用)。
| 機種名 | リヤシート | 駆動方式 | 価格 |
|---|---|---|---|
| HYBRID G | リヤシート付 | 2WD(FF) | 1,821,000円〜 |
| 4WD | 1,930,000円〜 | ||
| リヤシート無 | 2WD(FF) | 1,786,000円〜 | |
| 4WD | 1,895,000円〜 | ||
| HYBRID X | リヤシート付 | 2WD(FF) | 1,906,000円〜 |
| 4WD | 2,015,000円〜 |
車検区分については、リヤシート無車は「8ナンバー」(改造車・2年車検)、リヤシート付車は「5ナンバー」(初回のみ3年、以降2年車検)となります。購入前に車検のサイクルと費用についても確認しておきましょう。
エブリイワゴンの車いす移動車(電動オートステップ装着車)

ウィズシリーズには、エブリイワゴンをベースとした「エブリイワゴン 電動オートステップ装着車」も設定されています。スペーシアより大きな室内空間を活かし、より多くのシーンに対応した車いす移動車です。

後席左側のスライドドアの開け閉めに連動して作動する「電動オートステップ」を採用し、リヤステップとの段差を縮めてスムーズな乗り降りを実現しています。スペーシアの車いす移動車と同様に、テールゲート一体型スロープや電動ウィンチも標準装備しています。
| 機種名 | リヤシート | 駆動方式 | 価格 |
|---|---|---|---|
| エブリイワゴン | 左右分割式 リヤシート付 | 2WD(FF) | 1,972,000円〜 |
| 4WD | 2,089,000円〜 |
スペーシア車いす移動車は高齢化社会のニーズに応える福祉車両

スズキのウィズシリーズ「スペーシア 車いす移動車」は、第3世代の新型スペーシアをベースに、テールゲート一体型スロープへの前倒し機構追加・回転タイプ手すりの採用・デュアルセンサーブレーキサポートIIの搭載など、使い勝手と安全性をともに向上させた福祉車両として進化しました。4WD車が新たに設定されたことで、雪道などの悪路環境での利用にも対応できるようになっています。
軽自動車ベースで価格を178万6,000円から抑えつつ、マイルドハイブリッドによる低燃費も実現しているため、日常使いでの経済的な負担も少ないのが魅力です。高齢者や要介護者との移動をより安全・快適にしたいとお考えの方は、最寄りのスズキ販売店でご相談ください。





























