タウンエースのモデルチェンジ

タウンエースがマイナーチェンジで小型商用車用の1.5L新エンジン搭載

タウンエースがマイナーチェンジを実施。2020年9月4日に発売される新型モデルは、トヨタの新開発1.5Lエンジンや最新の安全装備を搭載。同車のグレード別販売価格やスペック、搭載する安全装備や快適装備の特徴を紹介します。

タウンエースがマイナーチェンジで小型商用車用の1.5L新エンジン搭載

「タウンエース」がマイナーチェンジ(一部改良)で盗難防止システムを標準装備

トヨタは、2018年5月8日のプレスリリースで、商用車としても乗用車としても活用される「タウンエース」「ライトエース」の一部改良を行い、同年6月7日に発売しました。

一部改良で盗難防止システムを全車に標準装備するタウンエースは、全国のトヨタカローラ店から、ライトエースは全国のネッツ店から販売されました。そんなタウンエースの新型モデルの販売価格や、前モデルから引き継がれる安全装備や快適装備についても取り上げます。
また2020年6月22日に発表したマイナーチェンジについても解説します。

タウンエースがマイナーチェンジで安全装備を強化 新開発1.5Lエンジンで走行性能も向上

2020新型タウンエースのエクステリア2020年のマイナーチェンジで安全装備のスマートアシストを搭載 パワートレインも新開発の1.5Lエンジンで軽快な走りに進化

マイナーチェンジを行った新型タウンエースには衝突回避支援ブレーキ機能や車線逸脱警報機能、オートハイビームを搭載するスマートアシストが採用され、小型商用車ではトップクラスの安全性をもつモデルに生まれ変わりました。

2020年新型タウンエースの安全装備

  • 衝突警報機能
  • 衝突回避支援ブレーキ機能
  • 車線逸脱警報機能
  • ブレーキ制御付誤発進抑制機能
  • 先行車発進お知らせ機能
  • オートハイビーム

2020年のマイナーチェンジでは安全装備の拡充のほか、小型商用車用に新開発された1.5Lの2NR-VEガソリンエンジンを採用。最高出力97PS、最大トルク13.7kgmのパワフルなパワートレインです。
新型タウンエースの販売価格は、バンが1,819,000円から2,347,000円、トラックが1,677,000円~2,129,000円になっています。

タイプ グレード 駆動方式 マニュアル 販売価格
バン DX 2WD(FR) 5速マニュアル 1,819,000円~
4WD 4速オートマチック 1,908,000円~
2WD(FR) 5速マニュアル 2,111,000円~
4WD 4速オートマチック 2,200,000円~
GL 2WD(FR) 5速マニュアル 1,975,000円~
4WD 4速オートマチック 2,064,000円~
2WD(FR) 5速マニュアル 2,258,000円~
4WD 4速オートマチック 2,347,000円~
トラック DX 2WD(FR) 5速マニュアル 1,677,000円~
4WD 4速オートマチック 1,765,000円~
2WD(FR) 5速マニュアル 1,931,000円~
4WD 4速オートマチック 2,019,000円~
DX Xエディション 2WD(FR) 5速マニュアル 1,787,000円~
4WD 4速オートマチック 1,875,000円~
2WD(FR) 5速マニュアル 2,041,000円~
4WD 4速オートマチック 2,129,000円~
2020年新型タウンエースの販売価格

2018年5月8日の一部改良で盗難防止システムを全車に標準装備

今回の一部改良によって、タウンエースとライトエースは、盗難防止システム(イモビライザーシステム)を全車に標準装備させて、防犯力を強化します。

トヨタ車はエンジンが故障しににくく、ボディが頑丈で、燃費面でも優れているため、海外市場でも人気が高く、国内の盗難車ランキングでは上位を占めています。

特に、キングオブSUVのランドクルーザーや、商用車として圧倒的人気を誇るハイエースは、盗難被害にあいやすい車としても有名です。ハイエースは、そういった事情を考慮して盗難防止システムを充実させていきました。以降、盗難被害件数は減少していきました。

トヨタの盗難防止システムは抑止力が高い

トヨタの盗難防止システムにパッケージングされる「イモビライザーシステム」では、エンジンの始動は正規キーのみで可能とします。「オートアラーム」には、自動で盗難警報システムをON・OFFできる機能性が備わります。トヨタは抑止力の高い盗難防止システムを、自車に搭載する事で、防犯力をアップさせます。

タウンエース バンの安全装備・快適装備・積載性は魅力的

タウンエース バンの新型モデルでも引き継がれる万が一の事故を防ぐ予防安全装備やドライバーが嬉しい快適装備の特徴を紹介します。

タウンエース バンの安全装備

タウンエースバンは、衝突時のダメージを軽減できる機能を備える「プリテンショナー&フォースリッター機構付シートベルト」を運転席と助手席に搭載します。また、衝突時のエネルギーをボディ全体に分散する構造を採用するなどして、コンパクトクラスではトップレベルの衝突安全性能を実現します。

タウンエース バンの快適装備

新型タウンエースのリクライニング&スライドシート

タウンエース バンは、「リクライニング」「スライド」機能を運転席と助手席に装備させます。

同機能を利用すれば、シートポジションを細かく調整でき、座る位置をドライバーの体型に合ったベストな場所へと移動する事ができます。

新型タウンエースのアシストグリップ乗り降りを補助するアシストグリップ

フロントピラーには、アシストグリップを取り付けて、フラットで広い足もとスペース設計を採用し、パネルシフト等を導入する事で、助手席からの乗降もスムーズとなります。

タウンエース バンの積載力は折りたたみシートによってアップ

タウンエース バンのバッグドア開口部は、ワイド設計・スクエア構造を採用して、荷物の積みやすさをサポートします。

底面地上高は、荷物の積み下ろしがしやすい585mm設定とします。床面を低く・荷室高を大きい設計を採用する同車は、家具などの背の高い商品であっても楽に積み込む事が可能です。

バックスペースが限られている状況であれば、大きく開く両側スライドドアから荷物を室内へ積み込む事ができます。

新型タウンエースのリヤシートリヤシートを跳ね上げ荷室にすることも可能

3人掛けリヤシートの利便性は高く、簡単操作で荷室を拡げる事ができます。

タウンエース トラックは抜群の積載力が魅力的

新型タウンエースの荷台ビールケース60個を積載できる荷台

タウンエーストラックは、使いやすさを一番に考えて、荷台はスクエア構造・低床フロア設計を採用します。同車の2WDの最大積載量は800kgで、4WDでは750kgとなります。荷台には、ビールケースならば、最大60個を積載可能です。

デッキ部には、サビや腐食に強い亜鉛メッキ銅板を採用して、優れた防錆性能を実現させます。そのため、タウンエース トラックには、濡れている荷物であっても安心して積み込めます。

荷台を積む新型タウンエースロープフックで固定すると滑りやすい荷物も安全に運べる

荷物を安定して積めるように、アオリを高く設定しているのも、タウンエーストラックの特徴です。計20個設置されるロープフックを利用すれば、ダンボール箱のような滑りやすい荷物でもしっかりと固定しながら、目的の場所にまで移動することができます。

タウンエースとライトエースは販売店の異なる兄弟車

ライトエースとタウンエースは、ボディサイズや搭載するエンジン等のスペック、販売価格を同一とする兄弟車です。

1976年に販売をスタートしたタウンエースは、カローラの部品を使用して開発された経緯があるためカローラ店で販売され、一方のライトエースは差別化を図るためにネッツ店で販売しました。

タウンエースの一部改良後の価格帯は140万円台~220万円台

「タウンエース バン」「タウンエース トラック」と、トラックをベース車とする、特装車の一部改良後の販売価格を、グレード別に紹介します。従来モデルで充実していた積載能力や安全性に、防犯機能も追加される新型モデルの価格帯は140万円台~220万円台です。

「タウンエース バン」「ライトエースバン」のグレード別販売価格
グレード 定員 エンジン 駆動 トランスミッション 販売価格(消費税込み)
DX 2名/5名 3SZ‐VE
(1.5L)
2WD
(FR)
5速マニュアル 1,608,200円~
4速オートマチック 1,697,300円~
4WD 5速マニュアル 1,899,700円~
4速オートマチック 1,988,800円~
GL 2WD
(FR)
5速マニュアル 1,764,400円~
4速オートマチック 1,853,500円~
4WD 5速マニュアル 2,047,100円~
4速オートマチック 2,136,200円~
「タウンエース トラック」「ライトエース トラック」のグレード別販売価格
グレード 定員 エンジン 駆動 トランスミッション 販売価格(消費税込み)
DX 2名 3SZ‐VE
(1.5L)
2WD
(FR)
5速マニュアル 1,466,300円~
4速オートマチック 1,554,300円~
4WD 5速マニュアル 1,720,400円~
4速オートマチック 1,808,400円~
DX Xエディション 2WD
(FR)
5速マニュアル 1,576,300円~
4速オートマチック 1,664,300円~
4WD 5速マニュアル 1,830,400円~
4速オートマチック 1,918,400円~
「タウンエース トラック」「ハイエース トラック」特装車(パワーリフト車)の販売価格
グレード 定員 エンジン 駆動 トランスミッション 販売価格(消費税込み)
パワーリフト車 2名 3SZ‐VE
(1.5L)
2WD
(FR)
5速マニュアル 1,906,300円~
4速オートマチック 1,994,300円~
4WD 5速マニュアル 2,160,400円~
4速オートマチック 2,248,400円~

一部改良後のタウンエース バン・トラックのスペック

今回の一部改良の変更点は、盗難防止システムを標準装備し、防犯力を強化した事です。そのため、「タウンエースバン」と「タウンエース トラック」の新型モデルのボディサイズ等のスペックは、前モデルとは変わりません

前モデルと新型モデル共通のスペックを紹介します。

「タウンエース バン 」「ライトエース バン」のスペック
駆動方式 2WD(後輪駆動方式) 4WD(4輪駆動方式)
グレード GL DX GL DX
ドア数 5
乗車定員(名) 2[5]
最大積載量(kg) 750[500] 700[500]
最小回転半径(m) 4.7 5.3
全長(mm) 4,045
全幅(mm) 1,665
全高(mm) 1,900
ホイールベース(mm) 2,650
荷室長(mm) 2,045[1,255]
荷室幅(mm) 1,495
荷室高(mm) 1,305[1,300]
エンジン 3SZ‐VE 直列4気筒
総排気量(L) 1.495
最高出力(kW/rpm) 71/6,000
最大トルク(Nm/rpm) 134/4,400
「タウンエース トラック」「ライトエース トラック」のスペック
駆動方式 2WD(後輪駆動方式) 4WD(4輪駆動方式)
グレード DX Xエディション DX Xエディション
乗車定員(名) 2
最大積載量(kg) 800 750
最小回転半径(m) 4.7 5.3
全長(mm) 4,275
全幅(mm) 1,675
全高(mm) 1,890
ホイールベース(mm) 2,650
荷台長(mm) 2,430
荷台幅(mm) 1,585
荷台高(mm) 360
エンジン 3SZ‐VE 直列4気筒
総排気量(L) 1.495
最高出力(kW/rpm) 71/6,000
最大トルク(Nm/rpm) 134/4,400

商用車や車中泊車として人気があるタウンエースのモデルチェンジ遍歴

タウンエースはトヨタが販売するライトエースの上級車種として誕生したワンボックスの商用車、ミニバン、小型トラックです。

タウンエース 初代 R10系(1976年~1982年)

1976年10月、1,200ccで3人乗りと、1,600ccで6人乗りのバンと、1,600ccで8人乗りのワゴンを発表しました。当初はライトエースの上級モデルと位置付けられていました。
1978年10月、ワゴン系のレジャーユース需要が高まり、足回りの見直しと、操縦安定性を向上させました。ワゴン系の最上級グレード「カスタムエクストラ」もラインナップに追加。トラックモデルもラインナップに追加になりました。

1979年10月にマイナーチェンジを実施し、見映えを向上することでカジュアル色を強め、快適性も良くなっています。ワゴン系の「カスタムエクストラ」を「スーパーエクストラ」に名称を変更し、1,600ccのバンには上級グレードの「ハイデラックス」を追加。遅れてトラックのマイナーチェンジも実施されます。

1980年12月、競合車種と差別化するためマイナーチェンジで高級化にシフト。ワゴン系では外観の見映えを向上し、最上級グレード「グランドエクストラ」を追加設定。備え付けのクールボックスや電動開閉式のサンルーフなどを装備。
1982年2月、一部変更で簡易ベッドを搭載した「キャニオンパッケージ」を追加しました。

タウンエース 2代目 R20/30系(1982年~1999年)

1982年11月、フルモデルチェンジでエッジの効いたスタイルになり、スタイルや装備がより高級化しました。グレードは「ロイヤルラウンジ」「クランドエクストラ」「スーパーエクストラ」「カスタム」「キャニオン」「GL」「デラックス」「スタンダード」のラインナップ。
1983年5月、一部変更でワゴンにディーゼルエンジンと2,000ccガソリンエンジン搭載車を追加。
1984年8月の一部改良ではバンパーの大型化が「スーパーエクストラ」以上に施され、AT車をディーゼルモデルに追加しました。

1985年8月、マイナーチェンジを実施してスカイライトルーフを新設定。「グランドエクストラ」を廃止し、バンの1年車検を回避すべく、内外装がバン並みの乗用車登録「SW」を追加設定しました。また、2C-T型ターボディーゼルモデルを追加しました。10月にはパートタイム4WDの設定を追加。

1986年8月、一部改良で、標準装備で合わせガラスを採用すると同時に、誕生10周年記念車「スーパーエクストラ ホワイトリミテッド」を追加しました。10月にはタウンエーストラックを新型に刷新しました。1988年8月にはマイナーチェンジを実施。

1992年1月、ビッグマイナーチェンジをワゴンとバンで実施し、内外装を大きく変更しました。フラットフロアのジャストローが設定され、バンでは全てがフロアシフトとなりました。ワゴンの最上級グレードに、「ロイヤルラウンジリミテッド」を追加。さらに、二段ベッド付の「シャルム」を新設定しました。

1995年8月の一部改良と、誕生20周年記念車「スーパーエクストラリミテッド」を発売。
1996年10月、ワゴンタイプとバンタイプがモデルチェンジのため販売を終了。トラックはマイナーチェンジが実施されました。

タウンエース 3代目 R40/50系(1996年~2008年)

1996年10月、3代目になり、ワゴンタイプは「タウンエース・ノア」となりました。ワゴンのグレード体系は「ロイヤルラウンジ」「スーパーエクストラ」「フィールドツアラー」「ロードツアラー」「LD」「SW」、バンは「LD」「DX」「GL」「SUPER」、トラックは「DX」「DX-x」のラインナップになります。

1998年1月に一部改良で装備の充実が図られました。12月にはマイナーチェンジでボディカラーの整理と、「ロイヤルラウンジ」のスタンダードルーフが廃止になりました。
1999年6月にはバンがマイナーチェンジとトラックがフルモデルチェンジ。
2001年10月、「ラウンエース・ノア」の製造を中止。11月には販売を終了し、「ノア」として独立しました。
2004年8月、ディーゼル車の生産を終了し、翌2005年には法改正による小変更が実施されました。
2007年8月、バン、トラック共にフルモデルチェンジのため販売を終了。

タウンエース 4代目 S40#/41#系(2008年~)

2008年2月、フルモデルチェンジで4代目に。インドネシアのダイハツで生産される「グランマックス」の逆輸入車となります。グレード体系はバンが「DX」「GL」、トラックが「DX」「DX-Xエディション」のラインナップ。
2010年7月の一部改良では4WDを設定し、寒冷地仕様を標準設定としました。
2012年4月と2014年4月の一部改良では燃費性能と快適性を向上。2015年6月にはトラックの一部改良で安全装備を向上しました。
2020年6月にはマイナーチェンジを実施。安全装備の強化とエンジンは新型に変更。燃費性能も向上しています。

タウンエースのモデルチェンジ遍歴
タウンエースのモデル 販売年表
初代 R10系 1976年~1982年
2代目 R20/30系 1982年~1999年
3代目 R40/50系 1996年~2008年
4代目 S40#/41#系 2008年~

マイナーチェンジにより防犯性と走行性能が強化されタウンエースの実用性はさらに高まった

タウンエース

タウンエースや、その兄弟車であるライトエースは、コンパクト設計ながらもたっぷりと積める広い荷室や荷台を確保し、キャビンにもゆとりがあり、荷物の積み降ろしをサポートする設計を施し、入り組んだ住宅街をスイスイと駆け巡る機敏性を備える実用的な車です。

タウンエースは、そんな実用的な車だからこそ、リセールバリューが高く、盗難被害にあってしまうケースも少なくありませんでした。

前回の一部改良では、防犯力を強化するために盗難防止システムを全車に標準装備しました。2020年のマイナーチェンジでは安全装備を拡充して新たに開発した1.5Lエンジンを搭載して走行性能も強化されました。発売から、40年以上も続くロングセラーであるタウンエースは、これからもドライバーのビジネスシーンや、日常生活をサポートします。