N-BOXのスロープ仕様が2018年4月20日に発売!
ホンダのNシリーズを代表する車「N-BOX」に、福祉車両であるスロープ仕様が加わりました。2018年4月20日に販売を開始した同車は、介護シーンだけではなく、日常生活や趣味での活用まで幅広いシーンでの使いやすさを追求します。
N‐BOX+の車椅子仕様車との違いや、介護シーンで役立つ特別装備品の特長、ボディカラーや販売価格について紹介します。
N‐BOXのスロープ仕様は日常から介護や趣味まで幅広いシーンで役立つ車
介護をサポートするスロープ仕様の新型N-BOX
N-BOXのスロープ仕様は、介護シーンをサポートするだけではなく、日常生活や趣味で車を利用するドライブシーンでも便利な車です。
N-BOXに設置される「スーパーフレックススロープ」はN-BOX+に装備されるスロープの進化版で、約4.5kgも軽量化され、4人乗車モードから車いす乗車モードへの切換え手順が簡易化されました。
N-BOXスロープ仕様の「4人乗車モード」から「車いす乗車モード」への切換え手順
1.ヘッドレストを下げて、リヤシートを前に倒す
2.クリップを手で回して、フロアに設置されるパーテーションボードを取り外す
3.スロープを引き出して、手すりを回転させロックする
4.電動ウインチを操作すれば、「4人乗車モード」から「車いす乗車モード」となる
車いすを引き上げる電動ウインチのモーターを高出力化し、ベルトのたるみ防止機能を設定し、車いす固定推奨位置付近(停止直前)で減速できる、高度な制御システム導入することで安全性を高めます。
また、電動ウインチには、車いすを押しながらリモコン操作ができる機能も与えて、介助者の負担を軽減します。
車いすだけでなく耕運機などを運ぶこともできる
スロープの傾斜を利用すれば、電動アシスト自転車や耕運機、ミニバイクなどの車輪の付いた重い荷物を楽に載せる事ができます。
スロープは荷室の床として利用可能
「スーパーフレックススロープ」は、普段はフラットな荷室の床として利用できます。スロープを隔てて上下に誕生するスペースは、買い物した時の荷物をかさばらないように収納するのに便利です。
N-BOXスロープ仕様のシートアレンジは3タイプある
N‐BOXスロープ仕様のシートアレンジには「4人乗車モード」「車いす乗車モード」「フラットモード」の3タイプがあります。
「4人乗車モード」では、大人4人が乗車しても荷室には十分な余裕があり、まとまった買い物した際の荷物も楽に収納できます。
荷物を載せながら4人乗れる「4人乗車モード」
リヤシートを前に倒せば、「車いす乗車モード」が完成します。「車いす乗車モード」では、N-BOXの広々スペースを有効活用して、車いすの方が足もとなどに窮屈な思いをすることなく乗車できるようなサポートを行います。
同シートアレンジモードでは、車いすだけではなく、耕運機や電動アシスト自転車などの車輪が付いている荷物の積載にも優れています。
車いすや耕運機を載せられる「車いす乗車モード」
リヤシートとスロープを倒せば完成する「フラットモード」では、観葉植物などの高さと幅のある荷物を安心して運べます。
高さのある荷物も楽々運べる「フラットモード」
車いすの方や介助者の使いやすい位置に「収納スペース」を配置
N-BOXのスロープ仕様では、車いす方や介助する方の使いやすい位置に収納スペースを配置します。
リアルーム左側に設置される「ドリンクホルダー」は、車いすに乗っている方が利用しやすいように、手の届きやすい位置と高さに配置します。
ドリンクホルダーは車いすの方も手が届きやすい位置にある
電動ウインチのリモコンの置き場所として使える「サイドトレー」は、その他の操作パネルと近いリアルーム左側に配置されます。
「車いす専用装備」にセットされるアイテムとその特徴
N-BOXのスロープ仕様では、車いすユーザーを想定して、電動ウインチなどの専用アイテムを充実させます。その種類と特徴を紹介します。
電動ウインチ
電動ウインチを操作するリモコン
介護する方をサポートする電動ウインチ
室内への車いすの移動をサポートし、介助者の負担軽減に大きく貢献する「電動ウインチ」は、高出力モーターの搭載、安全機能の充実、優れた操作性、コンパクト設計が特徴です。
操作性をアップするために、ボタンの色やサイズにもこだわるリモコンには、ベルトが付いたカバーを備わります。
車いす乗員用手すり
高さと角度を工夫して握りやすく設計
N-BOX+の車いす仕様車では着脱式であった、「車いす乗員用手すり」はN-BOXでは、使いやすさをと収納性を考えて回転式へと変更します。
ノブは回転させるだけで低位置に固定できて、使用しないときにはコンパクトに収納できる仕組みを採用します。手すりの位置はN-BOX+よりも70mm近くも高く設定し、グリップにも特徴を持たせて、
車いすに乗られている方にとって、握りやすいベストな位置と角度で配置します。
車いす乗員用3点式ELRシートベルト
車いす乗員用3点式ELRシートベルト
「車いす乗員用3点式ELRシートベルト」は、車いすの方が安心して乗車できるように、3点固定のホールド方式を採用します。
車いす固定ベルト
車内には車いすを固定するベルトを完備
「車いす固定ベルト」は、車輪が付いていて、室内で動きやすい車いすをベルトとフックを用いてしっかりと固定します。簡単に装着できる使いやすさも魅力です。
N-BOX・スロープ仕様のデザインやボディカラーは他の仕様と変わらない
N-BOXやN-BOXカスタムの福祉車両であるスロープ仕様のデザインやボディカラーは、「ベンチシート仕様」や「スーパースライドシート仕様」とほぼ同一です。
N-BOXは、開発の初期段階からスロープ仕様を想定してデザインされた車です。そのため、スロープを導入しても、リヤ下端部の見え方にわずかに違いが生じるだけで、スロープ仕様もベンチシート仕様やスーパースライドシート仕様とほとんど変わらないエクステリアの特徴を持ちます。
ここでは、そんなN-BOXとN-BOXカスタムのスロープ仕様のボディカラーを紹介します。
N-BOX・スロープ仕様のボディカラー
カラフルなボディカラーが揃うN-BOXのスロープ仕様車ですが、中でもプレミアムイエロー・パール2&ホワイトやプレミアムピンク・パール&ホワイトなどの2トーンカラーは女性にも支持されるポップなカラーになっています。
N-BOX・スロープ仕様のモノトーンカラーは10種類
- プラチナホワイト・パール※30,000円高(消費税非課税車の場合)
- ルナシルバー・メタリック
- クリスタルブラック・パール
- ピーチブロッサム・パール※30,000円高(消費税非課税車の場合)
- プレミアムアイボリー2・パール2※30,000円高(消費税非課税車の場合)
- プレミアムアガットブラウン・パール※30,000円高(消費税非課税車の場合)
- ブリリアントスポーティブルー・メタリック
- モーニングミストブルー・メタリック
- プリティッシユグリーン・パール
- タフタホワイト3
N-BOX・スロープ仕様の2トーンカラーは2種類
- ピーチブロッサム・パール&ホワイト※75,000円高(消費税非課税車の場合)
- プレミアムアイボリー・パール2&ブラウン※75,000円高(消費税非課税車の場合)
N-BOXカスタム・スロープ仕様のボディカラー
クールでかっこいいダーク系のボディカラーが揃うN-BOXカスタムはクリスタルブラック・パールやシャイニンググレー・メタリックなど長く乗れる飽きのこない素敵なボディカラーです。全7色のボディカラーを紹介します。
N-BOXカスタム・スロープ仕様のモノトーンカラーは6種類
- プラチナホワイト・パール※30,000円高(消費税非課税車の場合)
- ルナシルバー・メタリック
- シャイニンググレー・メタリック
- クリスタルブラック・パール
- プレミアムグラマラスブロンズ・パール※30,000円高(消費税非課税車の場合)
- ブリリアントスポーティブルー・メタリック
- プレミアムベルベットパープル・パール※30,000円高(消費税非課税車の場合)
N-BOXカスタム・スロープ仕様の2トーンカラーは5種類
- プラチナホワイト・パール&ブラック※75,000円高(消費税非課税車の場合)
- ミラノレッド&ブラック※75,000円高(消費税非課税車の場合)
- ブリリアンスポーティーブルー・メタリック&ブラック※75,000円高(消費税非課税車の場合)
N-BOXとN-BOXカスタムのスロープ仕様車の販売価格
N-BOXとN-BOXカスタムのスロープ仕様車のタイプ別販売価格を紹介します。ともに、車いす固定ベルトなどがセットされる車いす専用装備を搭載すれば、車両にかかる消費税は免除されます。
タイプ | 乗車定員 | 駆動方式 | 車いす専用装備 | 消費税 | 販売価格 |
---|---|---|---|---|---|
G・スロープ HondaSENSING |
通常時4名 車いす乗車時3名 |
FF | 〇 | 非課税 | 1,575,640円~ |
4WD | 1,696,640円~ | ||||
G・スロープL Honda SENSING |
FF | 〇 | 非課税 | 1,699,040円~ | |
‐ | 課税 | 1,857,944円~ | |||
4WD | 〇 | 非課税 | 1,820,040円~ | ||
‐ | 課税 | 2,002,044円~ | |||
G・スロープL ターボ Honda SENSING |
FF | 〇 | 非課税 | 1,895,600円~ | |
‐ | 課税 | 2,085,160円~ | |||
4WD | 〇 | 非課税 | 2,016,600円~ | ||
‐ | 課税 | 2,218,260円~ |
※車いす専用装備を搭載すれば、消費税は免除されます。
タイプ | 乗車定員 | 駆動方式 | 車いす専用装備 | 消費税 | 販売価格 |
---|---|---|---|---|---|
G・スロープL L Honda SENSING |
通常時4名/ 車いす乗車時3名 |
FF | 〇 | 非課税 | 1,898,840円~ |
‐ | 課税 | 2,088,724円~ | |||
4WD | 〇 | 非課税 | 2,019,840円~ | ||
‐ | 課税 | 2,221,824円~ |
※車いす専用装備を搭載すれば、消費税は免除されます。
スロープ仕様は全車ホンダセンシングを標準装備
N-BOXのスロープ仕様は、先進の安全システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」を全車に標準装備します。
衝突軽減ブレーキ(CMBS)や歩行者事故軽減ステアリング、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)などの8つの基本機能に加え、オートハイビームと後方誤発進抑制機能を追加設定されます。
車椅子でそのまま乗車できる仕様のN-BOXスロープのモデルチェンジ遍歴
N-BOXスロープはホンダが販売する車椅子でそのまま乗車できる、スロープや電動ウインチ、車椅子固定ベルトを搭載したトールワゴンです。
N-BOXスロープ 初代/2018年~2023年
2018年4月、N-BOX+の後継車種として、N-BOX スロープが登場しました。4人乗車と車椅子乗車のモード切り替えが簡略化され、スロープも軽量化。N-BOXには「G・スロープ Honda SENSING」「G・スロープL Honda SENSING」「G・スロープLターボ Honda SENSING」、N-BOXカスタムには「G・スロープL Honda SENSING」「G・スロープLターボ Honda SENSING」が設定されています。「G・スロープ Honda SENSING」には車椅子専用装置が標準装備され、「G・スロープLターボ Honda SENSING」には非装備、その他のグレードでは装備の有無が選択できます。
2019年10月の一部改良で、N-BOXカスタムの「G・スロープLターボ Honda SENSING」が廃止されました。
2020年12月、タイプ体系の変更で、「G・スロープ」「L・ターボ・スロープ」「L・スロープ」となりました。
N-BOXスロープ 2代目/2023年~
2023年10月、2代目となり、「N-BOX スロープ」「N-BOX CUSTOM スロープ」が設定されました。速度調整ができる電動ウインチと、進路補正機能が付きました。
N-BOXスロープのモデル | 販売年表 |
---|---|
初代 | 2018年~2023年 |
2代目 | 2023年~ |
N-BOXスロープ仕様は日常から介護シーンでも利用できる車
N-BOXは、2017年の販売台数が唯一20万台を超えた軽自動車販売台数No.1の車です。乗る人を中心に考えた設計、軽自動車最大クラスの室内スペース、充実した快適装備が人気の理由です。
そんな、N-BOX本来の魅力に加え、進化した「スーパーフレックススロープ」などの専用装備を備えるN-BOXスロープ仕様は、加速する高齢化社会の車ニーズに十分に応え得る1台です。