超小型車(超小型モビリティ)

超小型車(超小型モビリティ)とは何か メリット・デメリットとマイクロカーとの違いを解説

超小型車(超小型モビリティ)とはどんな乗り物なのか、ミニカーとの違いや法的区分、運転免許・税金の現状まで徹底解説。トヨタC+podが累計2,000台で生産終了した理由や、普及の課題と実用化の可能性についても詳しく説明しています。

超小型車(超小型モビリティ)とは?実用化のメリットやマイクロカーとの違い

超小型車(超小型モビリティ)とは、1〜2人乗りでの移動を可能にする、軽自動車より小さい規格の乗用車のことです。二輪車や1人乗り専用のマイクロカー(ミニカー)より大きく、軽自動車より小さい三輪または四輪車という位置づけです。

2012年頃に政府が「超小型車の実用化に向けて法整備をすすめる」と報道され話題になりましたが、長年市販化・量産化は進みませんでした。しかし2019年に高齢ドライバーの増加が社会問題として大きく取り上げられたことで再び注目を集め、2020年9月には法改正により超小型モビリティの一般道走行に対応した法整備が整いました。

トヨタが超小型EV「C+pod(シーポッド)」を発売・その後生産終了

中央がTMS2019で初公開された超小型EV 右はビジネス向けコンセプトモデル

2019年10月の第46回東京モーターショーでトヨタが発表した電気式超小型車「C+pod(シーポッド)」は、2020年12月25日に法人・自治体向けに発売されました。全長2,490mm・全幅1,290mm・全高1,550mm、乗車定員2名、最高速度60km/h、1回の充電で150km(WLTCモード)走行可能で、最小回転半径3.9mの小回りが特徴です。2021年12月23日には個人向けリース販売も開始されましたが、累計販売台数は約2,000台にとどまり、2024年7月19日に生産終了、同年8月9日に販売を終了しています。トヨタは「小型モビリティとして一定の役割を果たした」と生産終了理由を説明しています。

歩行領域EV 空港や工業施設での業務、体が不自由な方の観光地などでの活用を視野に開発中

同モーターショーには、立ち乗りタイプ・座り乗りタイプ・車椅子連結タイプの1人乗り「歩行領域EV」も出展されました。

発表イベント 第46回 東京モーターショー 2019
発売日 2020年12月25日(法人・自治体向け)/2021年12月23日(個人向けリース)
生産・販売終了 2024年7月19日生産終了、2024年8月9日販売終了
スペック 全長2,490mm・全幅1,290mm・全高1,550mm、乗車定員2名、最高速度60km/h、航続150km(WLTCモード)、最小回転半径3.9m
累計販売台数 約2,000台
主な用途 カーシェア、自治体での業務利用、近距離移動など

超小型モビリティの法整備が整い、一般道走行が可能に

2020年9月の道路運送車両法施行規則の改正により、量産を目的とした最高時速60km以下の超小型モビリティについて一般道を走行できる車両に対応した法整備が整いました。これにより超小型モビリティは「全長2.5m・全幅1.3m・全高2mを超えない、最高時速60km以下の軽自動車のうち、高速自動車国道等を運行しないもの」と明確に定義されています。

保安基準を満たした「型式指定車」であれば一般道を走行でき(高速道路・自動車専用道路は走行不可)、車検が必要となります。一方で、走行区域を限定した「認定車」については地方公共団体や自動車メーカー等が運輸局に申請することで公道走行が可能となる制度も継続されています。経済産業省は超小型車の購入補助金についても方針を示しており、対象条件の詳細は随時確認が必要です。

法整備の経緯 2013年:認定制度創設/2017年:申請手続き簡略化/2020年9月:型式指定制度創設・一般道走行対応
現行の定義 全長2.5m・全幅1.3m・全高2m以下、最高時速60km以下の軽自動車(高速道路等は走行不可)
型式指定車 保安基準を満たせば一般道走行可能。車検が必要
認定車 地方公共団体や事業者が申請し、限定的な走行区域で公道走行可能
購入補助金 経済産業省が支給方針を示している(対象条件は随時確認が必要)

超小型車(超小型モビリティ)が実用化されたらどうなる?

トヨタ車体が開発した「コムス」

超小型車を導入するメリットと、導入するのなら考えなくてはならないデメリット・課題を解説します。軽自動車が公共交通が十分ではない地方の人たちの足となっているように、超小型車も低価格で維持費の安い移動手段としての役割が期待されています。

メリットは「車がないと不自由」な人たち全体の利益と観光業での活躍

  • 高齢者や子育て中の人も移動が楽になる
  • 買い物難民の解消
  • 軽自動車以上に維持費が安いため、地方在住者の負担が減る
  • 観光業での活躍も期待できる(EV式なら環境にもやさしい)

デメリットは安全性確保のための課題

  • 衝突安全性が低く、公道走行する場所によっては危険を伴う
  • 暑さ・寒さへの対応が弱く、軽自動車ユーザーにとっては快適性が低い
  • 軽自動車と比べた際の価格的優位性が薄い
  • 税制や免許制度など、普及に向けた残課題がある

超小型車を作るのは技術的には問題なし!電気自動車で環境にもやさしい

日本の自動車メーカーの技術的には、超小型車を作ることは難しくありません。トヨタ車体は超小型車として開発した「コムス(COMS)」を、公道走行可能なミニカー規格に改良して販売しています。1人乗りのコムスはデリバリーカーや業務用途として現在も販売が続いており、1台あたりの価格は車種・仕様によって異なります。

C+podは「超小型モビリティ(型式指定車)」区分として発売されましたが、累計販売台数は約2,000台にとどまり生産終了となりました。軽自動車に対して価格面や利便性での競争力がなかった点が主な要因とみられており、「軽自動車に先進安全装備(ADAS)を追加した方がコストパフォーマンスが高い」というユーザーの判断が普及を阻んだとも指摘されています。

項目 内容
技術的難易度 日本の自動車メーカーにとって、超小型車の開発は難しくない
実用化例(コムス) トヨタ車体のコムスがミニカー規格で公道走行可能な形で販売中
実用化例(C+pod) 超小型モビリティ型式指定車として2020年発売も、2024年8月に生産・販売終了
普及の課題 軽自動車との価格・利便性の競争力不足が普及を阻んだ主因とみられる

超小型車とマイクロカー(ミニカー)の大きな違い3点

街を走る小型の三輪か四輪の車を見かけたことがある方もいるでしょう。あれはマイクロカー(正式名称「ミニカー」)と言い、道路交通法では普通乗用車の一種、道路運送車両法では原動機付自転車の一種とみなされています。超小型車との主な相違点を3つ解説します。

超小型車は2人乗りまでOKだが、マイクロカーは1人乗り専用

超小型車は1〜2人乗り程度の車両を想定していますが、マイクロカーは1人乗り専用であり、同乗者を乗せることはできません。

超小型車(型式指定車)は一般道走行が可能になったが、高速道路は不可

2020年の法改正により、保安基準を満たした超小型モビリティ(型式指定車)は一般道の走行が可能になりました。ただし高速道路・自動車専用道路の走行はできません。マイクロカーも自動車専用道路を除く公道走行が認められており、この点は共通しています。

超小型車は排気量125cc以下、マイクロカー(ミニカー)は50cc以下が条件

超小型車はエンジン排気量125cc以下、電気自動車の場合は定格出力8kW以下と規定されています。一方、ミニカーのエンジン排気量は50cc以下で、EV式の場合は定格出力0.6kW以下と定められており、出力面での差は大きいです。

比較項目 超小型車(超小型モビリティ) マイクロカー(ミニカー)
乗車定員 1〜2人乗りが想定される 1人乗り専用。同乗不可
公道走行の条件 型式指定車は保安基準を満たせば一般道走行可(高速道路は不可) 自動車専用道路を除く公道走行可
排気量・出力 125cc以下または定格出力8kW以下(EV) 50cc以下または定格出力0.6kW以下(EV)

自動車メーカーやベンチャーが開発した超小型モビリティ7選

トヨタ、日産、ホンダ、ダイハツ、スズキは、超小型車(超小型モビリティ)規格の自動車をすでに開発済みで、モーターショー等で公開し、一部実証実験も行いました。また、自動車メーカー以外にも、ベンチャー企業などが新たに超小型モビリティを開発した例もあります。

トヨタの「i-ROAD」はスポーティーな走りが楽しめる近未来型超小型EV

トヨタの3輪EV超小型車i-ROAD

コムスとは異なる3輪小型モビリティ「i-ROAD」は、トヨタが実用化に向けて開発・実証実験を重ねてきた超小型EVです。量産化はされていませんが、i-ROADの開発を担当したエンジニアが独立してLean Mobility社を設立し、進化版の開発を続けているとみられています。

i-ROADは超小型の電気自動車(EV)で環境にも配慮

動力は電気のため、CO2が発生せず環境にやさしいモデルです。また、三輪でコーナーではバイクのように傾くアクティブリーン機構を採用しており、実用性だけでなく走りの楽しさも追求した設計です。日本のトヨタ市やフランスで実証実験を行っており、i-ROADを進化させた「i-TRAIL」もコンセプトカーとして海外のモーターショーで発表されています。

項目 i-ROADの特徴
動力 電気駆動でCO2排出ゼロ。環境にやさしいEV
車体構造 三輪構造でコーナー時にバイクのように傾くアクティブリーン機構を採用
走行性能 小回りがきき、都市部での利用に適している
実証実験 日本のトヨタ市やフランスで実験走行済み
関連モデル i-ROADの進化形「i-TRAIL」は海外で発表済み
現在の状況 量産化はされていない。開発者がLean Mobility社を設立し進化版を開発中とみられる

i-ROADは北海道などの自然豊かな観光地でも活用された

量産化はされていないものの、カーシェアリングやレンタルという形で超小型車を運転できる場所は全国にいくつか存在しました。トヨタi-ROADは、北海道の清里町や斜里町で「ひがし北海道ネイチャーパス」の利用者限定で有料レンタルされていました。自転車より楽で乗用車よりゆっくり走れるため、自然豊かな観光地での活用に適しており、CO2を排出しないEV式の特性とも相性が良い使われ方です。

項目 内容
活用地域 北海道清里町・斜里町など自然豊かな観光地
導入形態 カーシェアリングやレンタル専用で利用
利用対象 「ひがし北海道ネイチャーパス」利用者限定
観光メリット 自転車より楽で車よりゆっくりと景観を楽しめる
環境性能 EV式でCO2を排出せず、自然にやさしい

i-ROADベースの超小型モデルのスペック(参考)

2019年6月7日のトヨタ発表によると、i-ROADをベースにした電気式超小型モデルのスペックは以下のとおりです。この車両はその後「C+pod」として市販化されましたが、前述のとおり2024年に生産・販売終了となっています。

i-ROADベースの超小型モデルのスペック(発表時)
全長 2,500mm
全幅 1,300mm
全高 1,500mm
乗車定員 2名
最高速度 60km/h
1充電走行距離 約100km

日産「ニューモビリティコンセプト」はルノーの超小型車をベースに最高速度80km/hを実現

最高速度80km/hで充電時間が4時間の実用的な超小型車

日産「ニューモビリティコンセプト」はEV式で、二人乗りが可能な超小型車です。実際に試乗した人からは機動性が高く、運転や駐車がしやすいと好評でした。最高速度80km/h、充電時間約4時間と実用性が高く、市販化されれば高性能な超小型モビリティとなる位置づけのモデルです。

ニューモビリティコンセプトは、ルノーが欧州で販売している「Twizy(トゥイジー)」がベース車となっています。欧州では超小型モビリティの販売が進んでおり、「Twizy」はフランスでは検定を終了すれば14歳から運転できます。

項目 内容
車名 日産 ニューモビリティコンセプト
乗車定員 2人
最高速度 80km/h
充電時間 約4時間
ベース車両 ルノー「Twizy(トゥイジー)」
欧州での特徴 フランスでは14歳から運転可能(要検定)

ホンダ「MC-β」はバイクのようなスタイリッシュで居住空間の広い超小型車

ホンダMC-βは航続距離80kmで中距離移動も可能

熊本県、さいたま市、宮古島市などで実証実験が行われたホンダの「MC-β」。二人乗り仕様の超小型車ですが、バイクのように前後に人が座るタンデム式の乗車で居住スペースを広くとれるよう工夫しています。最高速度70km/h、最大航続走行距離が約80kmで、フル充電しておけば中距離の移動も対応可能です。

項目 内容
車名 ホンダ MC-β
乗車形式 二人乗り(前後に人が座るタンデム式)
最高速度 70km/h
最大航続距離 約80km
実証実験実施地域 熊本県、さいたま市、宮古島市など

rimOnO(リモノ)は外装を発泡ウレタンで覆ったゆっくり走りたい人向けの超小型車

リモノは着せ替えもできる個性的なモビリティ

乗り物(NORIMONO)から「NO」をとって名付けられた「rimOnO(リモノ)」。外装がクッション性の高い発泡ウレタン素材でおおわれており、着せ替えも可能です。高齢者など歩行が困難な人に使ってもらうコンセプトで、重量は軽量、スピードはあまり出ないよう安全性に配慮しています。現在は開発を休止していますが、ゆっくり走りたい人向けの超小型モビリティとして独自のコンセプトを持ったモデルです。

項目 内容
車名 rimOnO(リモノ)
特徴 外装をクッション性の高い発泡ウレタンで覆い、着せ替え可能
コンセプト 歩行が困難な高齢者などが使いやすい設計
開発状況 現在は開発休止中

Piana(STYLE-D)は「フロントドア」から乗り込む個性的なスタイルの超小型車

元トヨタのデザインプロデューサーだった山下泰弘氏が開発した超小型車「Piana(ピアーナ)」は、前方が開いてそこから乗り込む独創的なデザインが特徴です。リチウム電池とマグネシウム電池のハイブリッドを採用し、充電3時間で約120km走行できます。

項目 内容
車名 Piana(STYLE-D)
開発者 元トヨタ デザインプロデューサー 山下泰弘氏
特徴 前方がフロントドアとして開き、そこから乗り込む独創的なデザイン
電池仕様 リチウム電池とマグネシウム電池のハイブリッド
充電時間 約3時間
航続距離 約120km

ULV(早稲田環境研究所)は重量わずか82kgの超軽量小型モビリティ

大学が研究して開発した軽量モビリティULV

早稲田大学の研究室で開発されたULVは、車両重量わずか82kgのリチウム電池式超小型車です。墨田区で業務用車両や観光用モビリティとして実証実験も行われており、イベントカーとしても注目を集めました。被災地などでの活用も視野に入れた研究が進められています。

項目 内容
車名 ULV
開発者 早稲田大学の研究室
車両重量 82kg
動力 リチウム電池式
利用実績 墨田区での業務用・観光用モビリティの実証実験
用途拡大 被災地などでの活用も視野に研究中

キューモ(NTN)はその場での左右移動を可能にした新しい超小型EVモビリティ

回転や横移動ができる利便性が特徴のキューモ

NTNが開発したQ’mo(キューモ)・Q’mo IIの最大の特徴は、その場での回転や左右移動が可能なこと。従来の「小回りがきく」を超えた方向転換性能は、狭い路地や駐車場での扱いやすさにおいてまさに次世代のモビリティです。

項目 内容
車名 キューモ(Q’mo、Q’mo II)
開発者 NTN
特徴 その場での回転や左右移動が可能な超小型EVモビリティ
利便性 従来の「小回りがきく」を超えた方向転換性能

超小型車(超小型モビリティ)の時代は本当にやってくるのか

法整備は一定程度整ったものの、トヨタC+podが累計約2,000台で生産終了したことが示すように、超小型モビリティの本格普及はいまだ道半ばの状況です。「軽自動車に安全装備を追加した方がお得」というユーザーの合理的判断が壁となっており、価格・快適性・利便性のいずれかで軽自動車を明確に上回る超小型車が登場するまで、本格普及は難しいとみられています。

超小型車の課題は法整備以外にも残る!運転資格や税金はどうする?

2020年の法改正により公道走行の法的根拠は整いましたが、個人での所有・運用に関してはまだ課題が残っています。

超小型車の個人購入は難しく、カーシェアや実証実験での利用が中心

現状、超小型車に乗ってみたい場合は、実証実験を行っているカーシェアリングやレンタカー会社から借りるのが一般的です。個人での直接購入は限定的で、仮に購入できた場合でも型式指定車でなければ公道走行には自治体・運輸局との手続きが必要になる場合があります。型式指定車であれば一般道を走行できますが、高速道路・自動車専用道路は引き続き走行不可です。

項目 内容
一般的な利用方法 カーシェアリングや実証実験中のレンタカー会社から借りるのが主流
型式指定車の場合 保安基準を満たせば一般道走行可能(高速道路・自動車専用道路は不可)
認定車の場合 走行区域を限定した上で、自治体・運輸局への手続きが必要

運転資格は普通運転免許だが「限定免許にすべき」という意見もある

現在、超小型車を運転するためには普通自動車運転免許(AT限定も可)が必要です。欧州の一部の国では超小型車の運転に免許が不要なケースもあり、「手軽な乗り物」と位置づけるなら取得に高額な費用がかかる普通運転免許が必須というのは障壁になりうるという議論があります。三輪の超小型車はバイク操作に近いとも言われるため、専用講習を実施した「限定免許」を設けるべきとの意見もあります。

項目 内容
運転資格 普通自動車運転免許(AT限定可)が必要
欧州の状況 一部の国では超小型車の運転に免許不要
議論のポイント 普通免許取得コストの高さが普及の障壁になりうるとの指摘あり
三輪超小型車の特徴 車よりバイク操作に近いため、限定免許導入の意見もある

超小型車の自動車税は年7,200円が検討されたが、まだ確定していない

超小型車の自動車税は年7,200円が検討されていますが、まだ確定ではありません。参考として、軽自動車の自動車税は年10,800円、公道走行可能な1人乗りミニカーは年3,600円、原付バイクは年2,000円です。この7,200円を高いと見るか安いと見るかは意見が分かれますが、軽自動車との差額が小さい点は普及の観点から課題とも言えます。

車種 自動車税(年額)
超小型車(検討中) 約7,200円(未確定)
軽自動車 10,800円
ミニカー(1人乗り) 3,600円
原付バイク 2,000円

超小型車を普及させるならドライバーや歩行者の安全性を真剣に議論すべき

超小型車が一般公道を走ることになった場合、普通車や大型トラックと混在することになります。衝突安全性という点では超小型車は不利であり、道路環境の整備と並行した安全基準の議論が欠かせません。

「車の運転が厳しくなってきた高齢者に超小型車に乗り換えてもらう」は安易

超小型モビリティは「高齢者のための新しい乗り物」とよく言われており、経済産業省も購入補助金の支給方針を示しています。しかし、普通車(軽自動車含む)からの乗り換えを安易に推進することには疑問が残ります。超小型車の多くは最高時速60km/h程度ですが、「運転」という行為に危険が伴う点は超小型車も自動車も変わりません。「超小型車」という選択肢を増やすこと自体は有意義ですが、超小型車の普及だけですべての問題が解決するわけではないのです。

超小型車が都市部を走る姿は想像しづらいが、限定活用ならあり得る

超小型モビリティが日本の都市部を普通自動車のようにたくさん走る光景はまだ想像しづらいです。トヨタC+podの生産終了が示すように、軽自動車との競争力という点では現段階では難しい側面があります。

安全性の問題を踏まえると、仮に法整備がさらに整った場合も、交通量の少ない地方から試験的に少しずつ普及していくことが予想されます。離島や過疎地域では、原付バイクや1人乗りのミニカーに乗っている高齢者がいますので、それが超小型モビリティに代わるというイメージは持ちやすいです。また、外国人観光客も多く訪れる自然豊かな観光地では、EV式の2人乗り超小型モビリティが「スローな移動手段」として観光客に支持される可能性は十分あります。観光地でのカーシェアやレンタルという形での限定的な活用が、超小型モビリティ普及の現実的な第一歩といえるでしょう。