スタッドレスタイヤのまとめ情報~ブリヂストンやミシュランなどの主要メーカーの特徴や人気商品の魅力
スタッドレスタイヤに関する情報をまとめました。国内外の主要メーカーの商品の特徴、スタッドレスタイヤを購入する際に意識すべきポイント、サマータイヤとの特徴の違い、オフシーズンの保管方法など役立つ情報が満載です。
また、大手カー用品店がプライベートブランドとして展開していて、リーズナブルな価格帯が魅力的なスタッドタイヤ等のトレンドも紹介。
氷の上で車が滑る原因は表面に形成されている水膜~スタッドレスタイヤはトレッドパターンなどに特徴を加えて冬道の滑りにくさを実現
氷の上で車が滑る原因は、表面に形成された水膜によって摩擦係数が下がって停まりにくくなるためです。各メーカーは水膜を効果的に除去できる技術をスタッドレスタイヤに導入し、滑りにくさを実現させています。
スタッドレスタイヤが本格的に普及する前には、ゴムに金属製のピンを打ち込んで雪や氷に対するグリップ力を引き上げるスパイクタイヤが利用されていましたが、雪のない状態で利用するとアスファルトを削って路面にダメージを与えるだけではなくて、粉塵を飛散させて大気汚染や健康被害の原因となるために製造中止となりました。
スパイクタイヤと違って、スタッドレスタイヤはトレッドパターンに特徴を持たせるなどして、氷雪路においての制動力を引き上げます。
スタッドレスタイヤとサマータイヤ(ノーマルタイヤ)の特徴の違いは「溝の深さ」と「ゴムの柔らかさ」
車のタイヤは、高強度を魅力とする天然ゴムや、低温環境下においての柔軟性に優れるブタジエンゴム等の数種類のゴムに、カーボンブラック・シリカ・オイル・老化防止剤などを配合して作られています。
冬の雪道や凍結路での利用を想定して開発されているスタッドレスタイヤは、滑りやすい氷雪路に対して十分なグリップ力を発揮できるように、低温下でもゴムの柔らかさをキープできる成分を配合する・溝を深くする・サイプ数が多いなどの特徴を備えています。
一方のサマータイヤ(ノーマルタイヤ)は、夏場の温度上昇に耐え得る硬いゴムを素材として選び、雨などで湿っているウェット路面下での優れた制動力を実現させるために、新品時であっても溝の深さは8mm~10mm程度と浅く設定しているのが特徴です。
スタッドレスタイヤ | サマータイヤ | |
---|---|---|
ゴム | 柔らかい | 硬い |
溝 | 深い | 浅い |
溝面積比率 | 大きい | 小さい |
サイプ | 多い | 少ない |
トレッド幅 | ワイド | ノーマル |
ショルダー幅 | スクエア | ラウンド |
プラットホーム | ある | ない |
スタッドレスタイヤを選ぶ際に役立つ6つのポイント
このセクションでは、スタッドレスタイヤを選ぶ際に役立つ6つのポイントを紹介します。
南北に長いという地理的な特徴を有する日本では、居住地の雪質や路面状況に適したタイプのスタッドレスタイヤを選ぶ必要があります。
1. 日本の雪質や路面状況を熟知してスタッドレスタイヤを開発している国産メーカーの安心感は高い
四方が海に囲まれているという地理的な要因が影響を与える日本の雪質や路面状況は、諸外国と比較すると湿っているという特殊性を備えます。雪の時期に利用するスタッドレスタイヤは、日本の特殊な雪質や路面状況を想定して開発している国産メーカーの方がやはり安心感はあります。
国産メーカーではなくとも、北海道に研究施設を構えているミシュランのような海外メーカーのスタッドレスタイヤであれば、安心して利用できます。
2. 居住地の雪質や冬の路面状況に適したタイプのゴムを採用しているスタッドレスタイヤを選ぶ
スタッドレスタイヤが採用しているゴムパターンは大きく「吸水タイプ」と「撥水タイプ」の2種類に分けられます。
北海道・東北・日本海沿岸などの雪が多くて、路面が凍結する期間は長いという地域では、摩擦熱などで溶けた水を溝の間に溜め込んで、遠心力を利用して後ろへ飛ばす「吸水タイプ」のゴムパターンを採用しているスタッドレスタイヤが推奨されます。
北関東などの雪が降って積もる時期はあるけれども、路面が凍結する機会はあまりないという地域の場合、トレッド面にサイプ加工を施して路面を引っ搔いて、推進する力を向上させる「撥水タイプ」のゴムパターンを採用しているスタッドレスタイヤが推奨されます。
北海道や東北などの降雪量が多い地域に暮らす方以外であっても、スノーボードやスキーが趣味で車でスキー場に行くことがある場合、アイスバーンに強い吸水タイプのスタッドレスタイヤを利用した方が冬の山道を運転する際の安全性は高まります。
3. 雪が降る時期は短期間という地域に暮らしている方にはドライ・ウェット性能が高い商品が推奨
雪が降る時期は短期間という地域に暮らしている方には、スノー性能だけではなくて、ドライ・ウェット性能も高いスタッドレスタイヤをお勧めします。
冬に雪が降る回数が少なくて、路面が乾いている・雨で濡れている路面を運転する機会が多いという地域では、ドライ性能やウェット性能も高いスタッドレスタイヤを装着した方が乗り心地は良くて、ロングライフも期待できます。
4. 耐摩耗性があって長いシーズン利用できるスタッドレスタイヤ
スタッドレスタイヤは特殊な軟化性が備わるゴムを使用しているため摩耗しやすくて、以前であれば3シーズン利用したら新品に交換するというパターンが一般的でした。
今は耐摩耗技術が進化して、保管方法にも注意すれば5シーズンも長持ちするという商品も発売されています。そういった商品は値が張ってしまいますが、ロングスパンで考える新品タイヤを購入する回数を減らす事が出来るので、コストパフォーマンスは優れています。
5. タイヤの「転がり抵抗性能」の等級がA以上の低燃費を実現しているスタッドレスタイヤ
スタッドレスタイヤが採用するゴムは柔らかく、路面と接触する面が広いため、走行時の抵抗は大きくなるので、サマータイヤと比較すれば燃費は悪くなってしまいます。
最近は製造技術の進化の影響もあり、スタッドレスタイヤもJATMA(一般社団法人 日本自動車タイヤ協会)が策定した等級制度において、「転がり抵抗性能」はA等級以上・「ウェットグリップ性能」はd等級以上の条件を満たす低燃費タイヤが増えています。
低燃費タイヤとして認められているスタッドレスタイヤを車に装着すれば、燃料代を節約する事ができます。
6. スタッドレスタイヤとホイールのセットになっている商品が購入時にはおすすめ
スタッドレスタイヤを購入する場合には、ホイールセットになっている商品がおすすめです。タイヤだけを購入するのであれば、現在使っているサマータイヤのホイールに購入したタイヤを組み替える必要性が生じてきます。
ホイールからタイヤを着脱する際に、ゴムが多方向に引っ張られて傷んでしまうリスクが伴います。またタイヤの組み替えは作業には時間がかかったり、作業料が割高であるため、ホイールとセットになっているスタッドレスタイヤの方がお得感は高いです。
国内外の主要メーカーのスタッドレスタイヤの特徴と人気商品の魅力
このセクションでは、ブリヂストン・ミシュラン・グッドイヤー・ヨコハマなどの国内外の主要メーカーが製造するスタッドレスタイヤの特徴と、各メーカーの人気商品の魅力について紹介します。
スタッドレスタイヤの購入に迷った際には、多くのユーザーから高い評価を受けている人気の売れ筋商品を選択するというのもアリです。
ブリヂストンは発泡ゴムを進化させて降雪地帯のユーザーから支持されるスタッドレスタイヤを開発・製造してきた
世界シェアNo.1の日本のトップメーカーであるブリヂストンのスタッドレスタイヤの特長は、スポンジのような構造を備えて水膜を効果的に吸い込んで除水する「発泡ゴム」を採用している事です。
ブリヂストンは日本市場では、1tクラスのバン・小型トラック用のTLタイヤ、「BLIZZAK VL1」、SUVと4×4用の「BLIZZAK DM-V3」、乗用車用の「BLIZZAK VRX」「BLIZZAK VRX2」などのスタッドレスタイヤをラインナップしています。
「BLIZZAK VRX2」は雪国装着率No.1のブリザックシリーズを代表する人気のスタッドレスタイヤ
BLIZZAK VRX2はアクティブ発泡ゴム2を採用して氷上ブレーキ性能を引き上げる
12インチから20インチまで幅広いサイズ展開をしている「BLIZZAK VRX2 (ブリザック ヴィアールエックスツー)」は、親水性コーティングや摩擦力向上剤を配合するアクティブ発泡ゴム2などの独自技術を導入して、ブリザック史上最高の氷上ブレーキ・摩耗ライフ・静粛性を実現させます。
ブリヂストンの主力スタッドレスタイヤである「BLIZZAK VRX2」は、微細な凹凸構造を特徴とするマイクロテクスチャーで装着初期からの氷上性能や、非対称サイド形状による直進安定性も評価されています。
ミシュランは日本で初めてスタッドレスタイヤを販売した総合タイヤメーカー
自転車用から航空機のタイヤまでを扱う総合メーカーであるミシュランは、1982年に日本市場で初めてスタッドレスタイヤを販売したメーカーとしても有名です。
北海道の中でも冬の寒さが最も厳しいと言われていて、特別豪雪地帯に指定される士別市にテストコースを構え、研究・開発が行われているミシュランのスタッドレスタイヤは、歩くのが困難な凍結路であっても、装着していれば安心して走行できると評判。
日本で35年以上もスタッドレスタイヤを研究・開発しているミシュランは、バンやライトトラック装着可能な「Agilis X-ICE」、SUV専用の「LATITUDE X-ICE XI2」、スポーツカー・セダン・ハッチバック・ミニバンなどの幅広い車に装着可能な「X‐ICE XI3」と「X‐ICE 3+」を展開しています。
表面再生ゴムを採用する「X-ICE 3+」は摩耗時でも強力なアイスブレーキング性能を発揮
多方向へのエッジ効果を発揮する「X-ICE 3+」は氷の上でも安心して運転できる
日本の冬の気候に合わせて製造されている「X‐ICE 3+」は、タイヤの真円度や速度レンジが高く、静粛性・高速安定性・耐摩耗性に優れています。
同タイヤ最大の特長は、Mチップを詰め込む最先端コンパウンド「表面再生ゴム」です。表面再生ゴムは、新品時から強力なアイスブレーキング性能の発揮に貢献し、タイヤの摩耗が進めばMチップが溶けだして水膜の除去を担う無数の穴を形成させて、氷上性能を持続化させます。
グッドイヤーは日本市場でICE NAVIシリーズを展開
世界3大タイヤメーカーのひとつである「GOODYEAR(グッドイヤー)」は、1898年にアメリカのオハイオ州のアクロンで創業されました。アポロ14号の月面探査車にはグッドイヤーのタイヤが使われるなど、その高い技術力は自家用車以外の分野にも活かされています。
グッドイヤーは、日本特有の水分量の多い雪質や路面を意識した商品開発を行い、乗用車には「ICE NAVI 7 (アイスナビ セブン)」と「ICE NAVI 6(アイスナビ シックス)」を、SUVと4×4には「ICE NAVI SUV (アイスナビ エスユーブイ) 」を、軽トラやバンなどには「ICE NAVI CARGO (アイスナビ カーゴ)」を展開しています。
ドライ路面での偏摩耗を防げる「ICE NAVI 7」はロングライフも期待できるスタッドレス
バイティング・スノー・デザインを採用するICE NAVI 7は圧雪路での安定走行も可能
ICE NAVI 7は、ミドル部からショルダー部にかけて高い剛性を確保させる「セブン・エフェクティブ・デザイン」や、従来モデルより柔軟性の高い「エクストラ・コンタクト・コンパウンド」等を導入して、日本の多様な氷上・雪上環境に対応する優れた制動力とコーナリング性能を与えます。
4本のストレートグルーブを路面との接地面に最適配置する「アクア・スプラッシュ・グルーブ」でウェット制動力を従来モデルよりも引き上げて、新パターンデザインを採用して転がり抵抗を低減させるICE NAVI 7は総合性能が優れるスタッドレスタイヤです。
ピレリはモータースポーツで磨いた技術力をスタッドレスタイヤにも導入
イタリアのミラノに本社を置くピレリは、F1などのモータースポーツとの関わり合いが深いタイヤメーカーで、フェラーリ・ポルシェ・マセラティ・ランボルギーニなどの世界的知名度を誇る自動車メーカーの新車には、ピレリのタイヤが採用される機会が数多くあります。
ピレリは日本市場で、SUV向けの「SCORPION WINTER」や、高級車への装着に適したプレミアムスタッドレスタイヤ「WINTER SOTTOZERO 3」などのスタッドレスタイヤを展開しています。
「ICE ASIMMETRICO PLUS」が採用するデュラブルソフトコンパウンドはロングライフ化に貢献
「ICE ASIMMETRICO PLUS」はスノートラップを採用して雪上での制動力をアップさせる
ピレリのスタッドレスタイヤ「ICE ASIMMETRICO PLUS(アイス・アシンメトリコ・プラス)」は、新開発のデュラブルソフトコンパウンドを採用してロングライフ性能を引き上げて、3Dバタフライサイプを設置して、車の優れたコーナリング性能を発揮させます。
ソフトコアブロックを採用して、路面の変化に対応する「ICE ASIMMETRICO PLUS」のドライ・ウェット性能も魅力的です。
ダンロップはロングライフを特長とする「WINTER MAXX」シリーズを展開
1889年にスコットランド人の獣医師が創業したダンロップ。北米・ヨーロッパ市場ではグッドイヤーが、日本を含むアジア市場においては住友ゴム工業がタイヤ事業を受け継いでいます。
ダンロップが日本市場で展開しているのは、ロングライフを特徴として商用車・SUV用・乗用車用の商品が展開されている「WINTER MAXX (ウィンターマックス) 」シリーズです。
WINTER MAXX02は高密度ゴムを採用して4シーズン使えるロングライフを実現
WINTER MAXX02はユーザー評価の高いハイスペックタイヤ
「WINTER MAXX02(ウィンターマックスゼロツー)」は、軟化剤との結合力の高い液状ファルネセンゴムや、摩耗の要因となる混ぜ物の含有量の少ない高密度ゴムを使用して4シーズン使えるロングライフを実現するスタッドレスタイヤ。
超密着ナノフイットゴムや新開発のMAXXグリップパターンを採用する同タイヤは、凍結路面に対する密着力を高めて、氷上性能を従来モデルよりも引き上げます。
コンチネンタルはタイヤ以外の車両システム部門においても高い技術力を誇っている
1871 年に創業されたContinental(コンチネンタル)は「Upgrade your ride.」をコンセプトとするドイツ・ハノーファーに本社を置く、タイヤだけではなくて自動車の部品も数多く手掛けているメーカーです。
コンチネンタルは、日本市場でサイプテクノロジーを特徴とする「ContiVikingContact 6」や、ウィンター性能だけではなくてウェット性能も高次元化させる「VikingContact 7」などをラインナップしています。中でも注目度が高いのは、2019年9月より順次発売をスタートさせる「NorthContact NC6 (ノース・コンタクト・エヌ・シー・シックス)」です。
「NorthContact NC6」は冬の登坂路においても強力なグリップ力を発揮
NorthContact NC6は15~22インチまでの39サイズを展開する
コンチネンタルの新たなスタッドレスタイヤ「NorthContact NC6 (ノース・コンタクト・エヌ・シー・シックス)」は、極寒環境下においても優れたゴム弾性をキープさせるために独自の柔軟剤「耐寒性ソフトジェル」を配合させます。
「NorthContact NC6」は、ヤモリ(ゲッコー)の脚をイメージしたゲッコー・グラブ・パターンや、緻密に設計された千鳥トレッドパターンを採用して、雪道でのコーナリングを安定化させて、静粛性能を引き上げます。
ヨコハマのスタッドレスタイヤは水膜を効果的に除去する「iceGUARD」シリーズが人気
日本で最も歴史があるヨコハマタイヤは、富士通などが含まれる旧財閥である古河グループの一角である横浜ゴム株式会社に属するタイヤブランドです。
低燃費タイヤの市販化に初めて成功・モータースポーツカーに装着するタイヤを提供するなど技術力に定評のあるヨコハマのスタッドレスは、1985年に発売された「GUARDEX」を起源とします。その後は、凍結路面の水膜を効果的に除去する吸水ゴムを採用する「iceGUARD (アイスガード)」シリーズがブランド力をつけて人気商品となっています。
iceGUARD6は幅広いボディタイプに対応する総合性能を魅力とするスタッドレスタイヤ
iceGUARD6の氷上性能は従来モデルよりも15%向上している
第6世代の「iceGUARD 6(アイスガード シックス)」は、13インチから20インチのサイズ展開を行って、軽自動・セダン・スポーツカー・SUVなど幅広いボディタイプにも対応する商品をラインナップしています。
「iceGUARD 6」は、トライアングルスポットによって構成される非対称パターンとプレミアム吸水ゴムによって氷上性能を引き上げて、BluEarthシリーズで構築された低燃費技術を導入してエコ性能を高めて、パターンノイズを従来モデルよりも3割以上も低減させて優れた総合性能を実現させるスタッドレスタイヤです。
トーヨータイヤのスタッドレスタイヤは独自開発の鬼クルミ殻が特長
1904年に創業された「TOYO TIRES(トーヨータイヤ)」は、兵庫県伊丹市に本社を構える日本のタイヤメーカーで、近年はタイヤ解析に特化した数値計算を可能とするスーパーコンピューターを用いた設計基盤技術であるTモードを用いて商品開発を行います。
トーヨーのスタッドレスタイヤの特徴は、凍った路面を強力にひっかく独自開発の「鬼クルミ殻」を配合してスノーグリップ力を高水準化している事です。
同社のスタッドレスタイヤは、ミニバンやSUVといったハイト系のふらつきを抑える技術力を導入した「WINTER TRANPATH」や、OBSERVEシリーズが人気商品となっています。
「OBSERVE GARIT GIZ」の氷上レスポンス性は魅力的
OBSERVE GARIT GIZはデザイン性も優れるスタッドレスタイヤ
「OBSERVE GARIT GIZ(オブザーブ・ガリット・ギズ)」は、鬼クルミ殻によって氷を直接引っかいてグリップ力を向上させて、NEO吸水カーボニックセルによって滑りの原因である水膜を吸い込んで、ナノゲルを採用して雪道に対する密着力を引き上げます。
ひっかき・吸水・密着力を高水準化させている「OBSERVE GARIT GIZ」は、氷の上でピタッと止まれるレスポンス性を装着している車に与えます。
ノキアンはタイヤメーカ―としては世界でもっとも寒い場所に本社・研究テスト施設を構えている
フィンランドに拠点を構えるノキアン社は1934年に世界で初めて冬用タイヤを発売しました。タイヤメーカーとしては世界でもっと寒い場所に本社・研究テスト施設を構える同車のタイヤは北欧・ロシアなどの極寒地域で人気です。
ボルボやポルシェなどの自動車メーカーから技術力を信頼されているノキアン社は、主力スタッドレスタイヤ「NOKIAN HAKKAPELIITTA R3 (ハッカペリッタR3)」を日本市場で展開しています。
「ハッカペリッタR3」はブロック間とショルダーエリアの多方向にスノークロウズを設置して氷上グリップ性能を高めている
「NOKIAN HAKKAPELIITTA R3」はコンフォート特性も備える
「NOKIAN HAKKAPELIITTA R3 (ハッカペリッタ R3)」は、14インチから21インチの幅広いサイズ展開を行っています。同タイヤは、バイオ素材をゴム化合物に加える効果によって凍結路においてのグリップ性能を引き上げます。
北欧地域で磨かれた技術力を積極的に導入する「ハッカペリッタ R3」は、スタッドレスタイヤに安全性・快適性・低燃費を求めるユーザーを満足させる商品力を備えています。
世界市場で急成長するアジアンタイヤの代表格「ナンカン」はスタッドレスタイヤも積極的に展開
ナンカンは台湾で最も長い歴史を持つタイヤメーカーで、世界市場で勢いを増しているアジアンタイヤの代表格でもあります。同社の技術力は、各国で様々な認証を与えられる・賞を受けるなどして認められています。
ナンカンは「SV‐3」「ICE‐1」「WA‐1」など様々なタイプのスタッドレスタイヤを展開しています。中でも日本市場で人気が高いのは、日本の冬を想定して開発された「NANKANG ESSN-1(ナンカン イーエスエスエヌワン)」です。
のこぎり状の3Dサイプを特徴とする「ESSN-1」は一般のドライバーが参加した体験試乗会で高い評価を受けている
「NANKANG ESSN-1」の価格設定は魅力的
「NANKANG ESSN-1 (ナンカン イ―エスエスエヌワン)」は、日本の多種多様な雪道に適用するために、氷雪路においての操縦安定性をアップさせる構造的な特徴を3Dサイプに与えて、高硬質のカーネルパウダーを配合させています。
IN側とOUT側で採用するサイプパターンなどを非対称とする「イ―エスエスエヌワン」は、一般ユーザーが参加した体験試乗会にて高い評価を受けました。
大手カー用品店はスタッドレスタイヤの購入費用を安く済ませたいという消費者のためにプライベートブランドを展開
スタッドレスタイヤは利用する季節が限定されている、尚且つ数えるほどの回数しか雪が降らないという地域もあるので、購入費用は極力抑えたいと考えている消費者も数多くいます。
大手カー用品店のオートバックスとイエローハットは、そうした消費者ニーズを意識して、リーズナブルな価格帯が魅力的なプライベートブランドを展開しています。
オートバックスが展開する「ICE ESPORTE(アイスエスポルテ)」「ノーストレック」や、イエローハットが自社店舗で販売する「ice FRONTAGE(アイスフロンテージ)」などは、国内のタイヤメーカーが製造して、カー用品店がプライベートブランドとして販売する商品戦略を行っています。
プライベートブランドの商品は、凍結路には弱い・2シーズン目に性能が大幅にダウンするなどのユーザー評価は受けてはいるものの、スタッドレスタイヤの購入費用を安く抑えたいという消費者から一定以上の支持を集めています。
スタッドレスタイヤの寿命はギザギザした表面が特徴の「プラットホーム」で確認
スタッドレスタイヤの寿命は、ブロックとブロックとの間にある表面がギザギザしている「プラットホーム」と呼ばれている突起状の目印で確認します。
スタッドレスタイヤは新品時の溝の状態から摩耗して深さが50%減ってしまうと、本来備えられている氷雪路性能を十分には発揮できなくなります。「プラットホーム」はタイヤの溝が50%摩耗していているかどうかを判断するための目印です。タイヤ表面が削られてプラットホームが目立つような状態となっていれば、早いタイミングでの交換が求められます。
なおプラットホームの位置は、タイヤサイドウォールに90度間隔で計4ヶ所設置されている矢印で確認できます。
スタッドレスタイヤは経年劣化により硬化してしまう~購入前にはサイドウォールに刻印されている「製造番号」で造られた時期を把握しておく必要がある
スタッドレスタイヤは溝が減っていない状態であっても、経年劣化によりゴムが硬くなっていきます。
ゴムが硬化すると、ひび割れが起こりやすくなるだけではなくて、氷や雪に対する密着力が低減してしまうため、雪上・凍結路面においては十分な制動能力が発揮できなくなります。
カー用品などで未使用のスタッドレスタイヤをリーズナブルな価格で販売するという商品戦略には、それら商品が製造してからある程度年数が経っていて、経年劣化によってゴム成分が硬くなり始めているという理由も関わっています。
スタッドレスに限らずタイヤがいつ製造されたかについては、サイドウォールに刻印されている4桁の製造番号で確認する事ができます。製造番号の下2桁は西暦で製造年を、前の2桁は製造年の第何週目に作られたかを表しています。
例えば「3319」とサイドウォールに刻印されているタイヤであれば、2019年の第33週に製造された事を意味しています。
スタッドレスタイヤの寿命は、オーナーの使用方法や保管状況によっても大きく変化しますが、同じスタッドレスタイヤをより長く使いたいと思うのであれば、購入する際にタイヤが造られた時期をあらかじめ確認しておく必要があります。
オフシーズンにきちんと保管すればスタッドレスタイヤは長持ち
各メーカーが製造するスタッドレスタイヤを長持ちさせるためには、利用しないオフシーズンの保管方法にこだわる必要があります。
スタッドレスに限らずサマータイヤにも言える事ですが、タイヤをロングライフ化させるには、オフシーズンにゴム成分にダメージを与える、雨・油類・ストーブ等の熱源・紫外線などの影響を受けにくい物置やガレージなどに保管するのが効果的です。
その他のタイヤを長持ちさせるコツは、タワー型タイヤラック等の保管アイテムを利用する、ホイールの重さによってタイヤの接地部分が変形してしまうのを防ぐために平置きで保管するなどです。
居住地の雪質や路面状況に適したスタッドレスタイヤを装着して冬のドライブも安全に楽しもう
冬のドライブには欠かせないスタッドレスタイヤは、寒冷地で暮らすドライバーにとっては必需品で、あまり雪の降らない地域で暮らす方にとっては、万が一のために備えておきたいアイテムです。
ブリヂストンやミシュランなどのメーカーが販売するスタッドレスタイヤのどの商品に魅力を感じるかについては、居住地も関わってきます。
数ある商品群の中から、ご自身の暮らしている地域の雪質や路面状況に適しているスタッドレスタイヤを選んで、冬のドライブもアクティブに安全に楽しみましょう。