軽自動車の寿命

軽自動車の寿命の平均は何年?走行距離との関係から解る事

軽自動車の耐用年数は、平均すると10年・走行距離10万kmと言われているのは、タイミングベルトなどのお金のかかるパーツの交換時期と重なるから。メンテナンスをしっかりと行えば10年以上も同じ車に乗り続けられる事、その際の維持費についても紹介。

軽自動車の寿命は何年くらい?走行距離数との関係などについて

低燃費で車の購入費用や維持費が安いというポジティブなイメージがある軽自動車には、普通車に比べて寿命が短いというネガティブなイメージが定着していた時期がありました。

ひと昔前までなら、軽自動車の寿命の目安として走行距離数10万km、使用期間10年が一つの区切りだと言われていました。しかし、技術力が進歩した今の時代は、メンテナンスチェックをしっかりと行うという条件を満たせば、走行距離10万kmを超えて20万kmに達してもなお同じ車で走行し続けることが可能です。適切なメンテナンスが、軽自動車の寿命を大きく延ばします。

軽自動車に10年以上乗り続けた場合の、気になる自動車税の税額負担のアップについても紹介します。軽自動車を長く乗る際の維持費についても確認しましょう。

軽自動車はボディサイズや排気量に制限があるため寿命(耐用年数)にも影響が出ることがある

現在の軽自動車の規格は「全長3,400mm以下・全幅1,480mm以下・全高2,000mm以下、排気量が660cc以下、貨物積載量が350kg以下」です。

軽自動車として認証されるためには、指定された規格を満たす必要があります。軽のボディサイズの制限は普通車と比較するときつく、ニーズとして強く求められている低燃費を実現するために車重を軽量化することも大切です。これらの課されている条件の基で車を開発すれば、普通車よりもボディ剛性を増しにくくなってしまいます。この構造上の制約が、軽自動車の耐久性に影響を与えることがあります。

また、エンジンの排気量が660cc以下と制限されている事も寿命に影響を与える要因です。その条件下でエンジンの高性能化を目指すと、エンジンの回転数が早まってしまいます。エンジンオイルの交換を定期的に行うことで、エンジンの耐用年数を上げることは可能ですが、もしも怠ってしまえばエンジンの回転数の早い軽では、普通車よりも早いタイミングでエンジンの故障を招いてしまいます。軽自動車のエンジンは高負荷になりやすいため、特にメンテナンスが重要です。

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軽自動車の寿命は10年?走行距離10万kmを超えてもメンテナンス次第で乗り続けられる

軽自動車の寿命が平均すると10年くらいだと言われていたのには理由があります。走行距離10万kmに達すると、エンジンを作動するのに不可欠なタイミングベルトイグニッションコイルなどの重要なパーツが交換のタイミングを迎えるからです。

走行距離10万km前後でそれらの部品を交換するときには、付随して燃料フィルターなど他のパーツも交換する必要が生じます。そのときにかかる交換費用の合計は数十万円にもなってしまいます。この大きな出費が、車の買い替えを検討するきっかけとなることが多いです。しかし、部品を交換すれば軽自動車の寿命は延びます。

そういったお金のかかる部品以外の交換のタイミングは、

  • エンジンの状態を維持するために必要となるエンジンオイルは半年に1回
  • エンジン内で着火装置の役目を果たすスパークプラグは2年に1度
  • 車の安定走行にもかかわるタイヤは3年に1度

メンテナンスをしっかり行うことで、走行距離10万kmを過ぎ10年以上が経過しても同じ軽自動車に乗り続けることができます。定期的な部品交換が軽自動車の寿命を左右します。

車の購入を意識してしまうお金のかかる部品の故障

車の寿命というと抽象的で漠然としていますが、タイミングベルトなどの車を動かすために必要なパーツが故障してしまった時期が一つのターニングポイントになります。この時期が、軽自動車の買い替えを判断する目安です。

タイミングベルトのようなパーツは交換費用が数十万円にも及んでしまいます。お金のかかる部品を交換して車に乗り続ける方もいれば、「そんなにお金がかかるなら…」と思い、違う車に乗り換える方もいるでしょう。車の状態と修理費用を比較し、軽自動車の寿命を自分で決めることが大切です。

屋根付きガレージに駐車して軽自動車を雨風から守ると寿命は延びる

車を運転していない時に駐車する際には、屋根が付いたガレージに保管することで車の寿命が延びます。夏場の日差しの強さや、底冷えする冬、秋などにやってくる防風雨、地域によっては降りしきる雪によるダメージが車の寿命を間接的に縮めてしまう要因です。軽自動車のボディは普通車よりも板金が薄い傾向があり、外部からの影響を受けやすいことも考慮します。

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そういった天候による影響を遮断できるガレージ内に車を駐車することで、車の寿命を延ばすことができます。ボディの劣化や錆の発生を抑えることができ、軽自動車をより長く乗るための重要なポイントです。車を大切に扱うことが、軽自動車の寿命を延ばすことにつながります。

軽自動車の寿命を縮める運転の仕方とは?軽カーの寿命を延ばす運転のコツ

軽自動車の場合、買い物など近場での用事に使う機会も多く、街ではどうしてもストップ&ゴーの繰り返しになります。本来は、あまり車にとってよくない走らせ方ですが、生活していくうえでは仕方ありません。その分、別のところで愛車を労わってあげて、寿命を延ばしましょう!軽自動車は頻繁な発進・停止でエンジンに負荷がかかりやすいため、運転方法に工夫を施します。

暖機運転は不要だが、「走りはじめはゆっくり」が基本

発進前にエンジンを暖める暖機運転に関しては、エンジン性能やエンジンオイルの品質向上もあり、現在は昔ほど推奨されていません。フロントガラスが凍るような寒冷地や長期間運転していない場合を除き、アイドリングしたままでの暖機運転は不要なケースが多く、それは軽自動車も同様です。軽自動車でも過度なアイドリングは避けることが基本です。

ただし、エンジンが暖まっていない状態で、いきなり加速・高速走行を行うのはNGです!急発進はせず、「走り出しはゆっくり」が基本です。走行開始から数分はウォームアップするイメージを持ち、エンジンへの負担を軽減しましょう。この丁寧な運転が、軽自動車の寿命を延ばす運転のコツです。

急発進・急加速・急ブレーキ・急ハンドルなど「急」のつく運転はNG

軽自動車に限らない話ですが、車の寿命を延ばしたいなら、乱暴な運転はNGです。アクセルのべた踏みによる急発進・急加速、本来なら必要のない急ブレーキ、急ハンドルなどは車の寿命を縮めますし、なにより事故のもとです。「急」のつく運転は極力、控えましょう。特に軽自動車はエンジンが小さく高回転になりやすいため、急加速は大きな負荷をかけます。

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タイヤを車止め(輪止め)にぶつけるのは、足回りに悪影響

バック駐車する際、タイヤを車止めにぶつける行為は、サスペンションや足回りにダメージを蓄積させます。また、運転手が衝撃を感じるほどでなくても、タイヤが車止めに押し付けられている状態は、タイヤやサスペンションには悪影響です。この足回りのダメージも軽自動車の寿命に間接的に影響します。

軽自動車サイズなら、車止めに当てなくても十分に駐車スペースを確保できます。「ぶつかってから止まればいい」のではなく、車止めギリギリで停止するように心がけてください。日頃の丁寧な運転が軽自動車の寿命を延ばします。

停止中にハンドルを回す「据え切り」はできるだけ控えたい

停止中にハンドル(ステアリング)を回すことを「据え切り」といいます。絶対にNGという訳ではありませんが、タイヤに不要な摩擦を与え、サスペンションにとってよくありませんので、必要時以外は控えましょう。軽自動車のタイヤや足回りを長持ちさせるためにも、据え切りは極力避けることが望ましいです。

10年以上同じ車に乗り続ける事で負担金額が増してしまう税金が「軽自動車税(種別割)」と「自動車重量税」

メンテナンスをしっかり行うことで10年以上も軽自動車に乗り続けることは可能です。ただ、10年以上も車に乗り続けることで負担金額が増してしまう税金が軽自動車税(種別割)と自動車重量税です。これらは軽自動車を長く乗ることのデメリットの一つです。

軽自動車の軽自動車税(種別割)は新車登録から13年が経過すると、税額負担金が重課されます。増額になる車は、平成27年の4月1日以降が初度登録年月である車か、それ以前の車かどうかで変わってきます。税額の違いを以下の表で確認しましょう。

初度登録年月(※) 13年未満の軽自動車の軽自動車税(種別割) 13年以上経過した軽自動車の軽自動車税(種別割)
平成27年3月31日以前 7,200円 12,900円
平成27年4月1日以降 10,800円 12,900円

(※)初度登録年月とは、運輸支局に初めて車を登録申請して受理された年月のことで、車検証に記載されています。

また、車検時に支払い義務が生じる自動車重量税は、新車登録から13年の経過のタイミングで重課されます。さらに、18年が経過したタイミングで再度、負担金額が増してしまいます。軽自動車の税金は13年を目安に増額するため、買い替えを検討する時期の判断材料に使われます。

軽自動車の寿命は車を買い替えるタイミング!その時期は自分で決めよう

軽自動車は購入費用が安く新車であっても100万円以下で購入できる車もあり、寿命を迎え廃車となるタイミングを待たずに買い替える人もおります。軽自動車の買い替えは、比較的、検討しやすい選択肢です。

中古車市場では、同じ車であっても走行距離が10万kmの車よりも3万kmの方が高値で売れます。そのため、10年近くも同じ車に乗り続けて査定金額が0円となる前に売ってしまうドライバーさんも多くいます。軽自動車の査定額は走行距離に大きく左右されます。

車の寿命というと何となく後ろめたさがありますが、新しい車に乗り換えるタイミングだと思って、自分自身でその時期を決めることでカーライフをより充実させることができます。もちろん、お気に入りの車へのメンテナンスをしっかりと行って寿命を伸ばして、できるだけ長く乗り続けるということもあります!軽自動車の寿命は、最終的にオーナーが決めるものです。