車に積んではいけないものリスト

車に積んではいけないもの一覧 工具や刃物を載せる際の注意点と正当な理由を解説

車に積んではいけないものをピックアップ。マイナスドライバー・ドリル・バールなどの工具類や、カッターナイフなどの刃物類は、正当な理由なく携帯していれば、不法侵入や車上荒らしなどの犯罪に用いる道具として判断されるため注意が必要。

車に積んではいけないもの一覧 工具や刃物を載せる際の注意点と正当な理由を解説

車に積んではいけないものとは?正当な理由なく工具類を積載すると犯罪に使う道具として疑われる

マイナスドライバー・カッターナイフ・懐中電灯など、車のDIYやアウトドアを趣味とする方ならば積んでいることもあるアイテムも、正当な理由なく車内に携帯していれば警察に逮捕されてしまう場合があります。

実際に、2022年5月には鳥取県で75歳の男性が車のドアポケットにマイナスドライバー1本を隠し持っていたとして逮捕された事例があります。「所持しているだけで逮捕とは…」「正当な理由なく隠し持っていれば、ピッキングや車上荒らしを疑われても仕方がない」といった賛否両論の意見があります。

この記事では、正当な理由がなければ車に積んではいけないもののリストと、それらを車内に積んでいると逮捕される可能性がある理由を解説します。

正当な理由なくマイナスドライバー等を所持していれば指定侵入工具とみなされる

  • KTCの工具車を整備するための工具も正当な理由がなければならない
  • KTCの工具KTCの工具
  • KTCの工具KTCの工具
  • KTCの工具KTCの展示会

検問時や職務質問時にマイナスドライバーやバール等の工具を、正当な理由なく車内に隠し持っていたと見なされれば、建物への不法侵入や車上荒らし等の犯罪に用いる道具として疑われます。

捜査機関が逮捕する際の根拠となる「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律(ピッキング防止法)」では、邸宅や建物などへ不法侵入する際に使われることが多い、日常生活で普及している工具を指定侵入工具と定義しています。

同法第四条では、指定侵入工具に該当するマイナスドライバー・ドリル・バール等を、正当な理由なく隠して携帯してはならないとする禁止事項を設けています。違反者には第十六条により、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金が科されます。

特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律

第二条(定義)
一 建物錠 住宅の玄関その他建物の出入口の戸の施錠の用に供する目的で製作される錠をいう。
二 特殊開錠用具 ピッキング用具(錠に用いられるシリンダーをかぎを用いることなく、かつ、破壊することなく回転させるための器具をいう。)その他の専ら特殊開錠(施錠された状態にある錠を本来の方法によらないで開くことをいう。以下同じ。)を行うための器具であって、建物錠を開くことに用いられるものとして政令で定めるものをいう。
三 指定侵入工具 ドライバー、バールその他の工具(特殊開錠用具に該当するものを除く。)であって、建物錠を破壊するため又は建物の出入口若しくは窓の戸を破るために用いられるもののうち、建物への侵入の用に供されるおそれが大きいものとして政令で定めるものをいう。
四 特定侵入行為 特殊開錠用具又は指定侵入工具(以下「特殊開錠用具等」という)を用いて建物に侵入する行為をいう。

第三条(特殊開錠用具の所持の禁止)
何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、特殊開錠用具を所持してはならない。
第四条(指定侵入工具の携帯の禁止)
何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、指定侵入工具を隠して携帯してはならない。
第十六条 第三条又は第四条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する

引用元:特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律

正当な理由と判断されるケース

  • 建設業など仕事で用いる工具箱に入れている場合
  • 引っ越し作業をしていて必要な場合
  • 車の修理のために工具箱に入れて運転している場合
  • ホームセンターなどで工具を購入した直後

車内にマイナスドライバーやバールなどを携帯していても問題が生じない正当な理由とは、その工具を車に積んでいるのが当然と思われる職業についているケース、あるいは客観的に見ても積んでいるのが自然な状況下にある場合です。

例えば、建設業に従事する方がマイナスドライバー等を工具箱に入れて車で移動するのは職業上よくあることですし、引っ越し業者が指定侵入工具に属する工具類を車に載せて現場まで移動するのも同様です。

現場の警察官は、車内に指定侵入工具が携帯されているという事実だけでなく、ドライバーの職業・状況・積載している理由などを総合的に判断して逮捕すべきかどうかを決定します。

カッターナイフやハサミを正当な理由なく車内に携帯していれば銃刀法や軽犯罪法によって逮捕される可能性がある

銃刀法違反の対象となる刃物の例銃刀法に違反する道具類は携帯しているだけで処罰の対象となる

鉄砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)第二十二条では、業務その他の正当な理由がある場合を除き、刃体の長さが6センチメートルを超える刃物の携帯を禁じています。また軽犯罪法第一条第二項では、刃体の長さが6センチメートル未満の刃物や、使い方によって他人に危害を加えられる器具の携帯も禁止しています。

鉄砲刀剣類所持等取締法 第二十二条

(刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物の携帯の禁止)

何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが六センチメートルをこえる刃物を携帯してはならない。ただし、内閣府令で定めるところにより計つた刃体の長さが八センチメートル以下のはさみ若しくは折りたたみ式のナイフ又はこれら刃物以外の刃物で、政令で定める種類又は形状のものについては、この限りではない。

引用元:鉄砲刀剣類所持等取締法 第二十二条

軽犯罪法 第一条 第二項

正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を携帯していた者

引用元:軽犯罪法 第一条 第二項

キャンプなどのアウトドアシーンで利用する機会の多い十徳ナイフ(アーミーナイフ)、緊急時に備えて車内に積んでおきたいレスキューハンマーや十字レンチ等の工具類も、正当な理由なく積んでいると判断されれば、取り調べや軽犯罪法による逮捕の対象となる場合があります。なお、サバイバルゲームで使用するエアガンについては銃刀法の適用外ですが、外観によっては不審物と見なされることがあるため、取り扱いには注意が必要です。

軽犯罪法の適用の可能性がある道具の例銃刀法に違反していなくても場合によっては軽犯罪法違反が適用される

車に積む際に注意が必要な工具・器具一覧と指定侵入工具の認定条件

正当な理由なくマイナスドライバーやバール等の工具を隠し持っていたと判断されれば、取り調べ対象となり、逮捕されてしまう場合もあります。以下に車に積み込む際に注意すべき工具類をまとめます。

指定侵入工具の認定条件
器具 条件
マイナスドライバー 柄を含めた長さが15センチメートル以上、またはドライバーの先端が平らでその幅が0.5センチメートル以上のもの
バール 作用する部分のいずれかの幅が2センチメートル以上、または長さが24センチメートル以上のもの
ドリル 電動・手動を問わず直径1センチメートル以上の刃が附属するもの。本体と刃を一緒に携帯している状態が対象(刃を取り外して別保管であれば対象外)

マイナスドライバーは鍵穴のこじ開けにも使われるため、正当な理由なく携帯していると取り調べ対象になる

マイナスドライバー

2017年5月、陸上自衛隊の男性が正当な理由なく車内にマイナスドライバー2本を隠し持っていたことを理由に青森県警に逮捕されました。当時、弘前市内では空き巣事件が多発しており、検問や職務質問が強化されていた中での逮捕でした。さらに2022年5月には、鳥取県で75歳の男性が車のドアポケットにマイナスドライバー1本を隠し持っていたとして逮捕されています。

マイナスドライバーのような形状の工具は、鍵穴をこじ開けるなど本来の用途とは違う目的でも使用でき、建物への不法侵入・車上荒らし等の犯罪時に用いられることも多いため、正当な理由なく携帯している場合は取り締まり対象となります。

マイナスドライバーを単体で車内に保管していると、現場の警察官に不自然な印象を与えます。何かしらの理由があってマイナスドライバーを車内に積む際には、必ず工具箱に入れて保管するようにしましょう。また、柄を取り外していても、取り付けた状態で15cmを超える場合は指定侵入工具とみなされる可能性がある点にも注意が必要です。

ドリルは手動・電動を問わず、刃を取り付けたまま正当な理由なく携帯すると取り調べ対象になる

電動ドリル

レクサスやランドクルーザーなどの高級車のドアをドリルで開けて盗難する窃盗グループが逮捕される事例があるなど、ドリルは犯罪目的で悪用されることの多い工具です。

ドリルは手動・電動を問わず、直径1センチ以上の刃を本体に取り付けたまま正当な理由なく携帯している場合、犯罪目的での使用を疑われ取り調べ対象となります。刃と本体を別々に保管・携帯していれば対象外となるため、車で運ぶ際は刃を取り外して別の袋や箱に入れておくと安心です。

バールは犯罪に悪用されることが多く、車に載せる際には正当な理由と保管方法に注意が必要

バール

釘抜き用の工具であるバールは、邸宅等への不法侵入や車上荒らし等の犯罪に悪用されるケースが多く、正当な理由なく車内に隠し持っていたと判断されれば取り調べ対象となり、逮捕されてしまう場合もあります。リュックサックの中にバールを所持していたとして現行犯逮捕につながった事件も確認されています。引っ越しや工事などで必要な場合は、工具箱に入れるなど用途が明確に分かる状態で保管しましょう。

カッターナイフやハサミを車内に積む際は、保管方法と携帯理由を明確にしておくことが重要

ハサミ

検問時に、車の中に積みっぱなしになっていた登山用のナイフが発見されて逮捕されてしまった事件があります。カキの殻むき用のナイフも一部は軽犯罪法の規制対象となるなど、カッターナイフ等は使い方によって他人の身体に危害を加える可能性がある器具として扱われます。正当な理由がなければ、車内に積まないようにしましょう。

キャンプなどのアウトドアを趣味とする方は、食材を切るために用いる刃物類を調理道具と一緒に保管しておくことで、調理目的で携帯しているという正当な理由づけができます。用途が分かるよう、関連するアイテムとセットで保管しておくことがポイントです。

懐中電灯を正当な理由なく携帯していると軽犯罪法第一条が適用されて逮捕される場合がある

懐中電灯

2017年2月、福岡県大野城市で土木作業員の男性が正当な理由なく懐中電灯を所持していたことを理由に現行犯逮捕されました。福岡県警の発表をもとに推測すると、男性には軽犯罪法第一条第三項が適用されたものと考えられます。

軽犯罪法第一条 第三項

正当な理由がなくて合かぎ、のみ、ガラス切りやその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者

引用元:軽犯罪法第一条 第三項

これは路上での逮捕でしたが、車内に正当な理由なく懐中電灯を携帯していた場合にも同様のケースは起こり得ます。懐中電灯を携帯しているだけで逮捕されるというのは極端に思えるかもしれませんが、軽犯罪法違反で検挙する際には現場警察官の裁量権も加味されます。職務質問や検問時には、懐中電灯などを所持している理由を冷静に説明できるようにしておくことが大切です。

不必要なときは車内に工具を置かないこと、保管方法も安全対策のひとつ

マイナスドライバーやバールなどの工具類は、携帯するに値する正当な理由がなければ、悪意がなくても犯罪に用いる道具と見なされてしまいます。そのため、友人や親戚の引っ越し作業を手伝うなどの明確な理由と目的がなければ、車内に積んでおくべきではありません。

特に、近隣地域で空き巣や車上荒らしなどの犯罪が多発している場合は、警察が検問・職務質問を強化するため、運転中に職務質問を受けるリスクが高まります。うっかり置き忘れた工具類が車内で発見されれば、意図しないトラブルに発展する可能性があります。

工具を車で持ち運ぶ必要がある際は、以下のポイントを意識するだけでリスクを大幅に下げることができます。

  • 工具は必ず工具箱にまとめて収納する(むき出しで置かない)
  • 用途が分かるよう関連アイテムと一緒に保管する
  • 不要になったら速やかに車から降ろす
  • 職務質問を受けた際は、携帯している理由を落ち着いて説明する

工具類を正当な理由なく車内に放置することは、思わぬ法律トラブルに直結します。使い終わった工具は車から降ろす習慣をつけることが、最も確実なリスク回避策です。