サビ転換剤を使ったフレームのサビ落としDIY|手順・おすすめ製品・シャーシブラックまで徹底解説
車の下回りにあるフレームは、想像以上にサビが発生しやすい部分です。新車から1〜2年経過すると、角の部分や接合部に赤いサビ(赤錆)が浮いてくることがあります。赤錆は空気中の水分・酸素と反応して鉄を浸食し、放置するとどんどん広がり、フレームの強度低下にもつながります。早めに発見して対処することが重要です。
フレームのサビ落としDIYに必要な道具は、浮いたサビを削り落とすワイヤーブラシ、赤錆を不活性な黒錆に変える赤錆転換剤、油汚れや旧塗膜を除去するシリコンオフ(脱脂剤)、そして仕上げに防錆塗装を行うシャーシブラック(防錆塗料)の4点です。これらを揃えることで、初期の小さなサビであれば家庭でも効率よく処理できます。
本記事では、サビの確認方法から洗車・脱脂・転換剤塗布・シャーシブラック仕上げまでの手順を順を追って解説します。ランドクルーザープラドを使った実施レビューとともに、おすすめのサビ転換剤も比較して紹介します。
まず下回り全体のサビ発生箇所を確認する
サビを発見したら、まず下回り全体をチェックして、どの程度広がっているかを把握しましょう。フレームの角・水が溜まりやすい部分・溶接部付近は特にサビやすく、1か所にサビがあれば他の部分にも発生している可能性があります。
注意:車体の下に潜る作業は非常に危険です。ジャッキが外れると車体が落下し、大けがをする恐れがあります。必ずリジットラック(ジャッキスタンド・馬)を適切な箇所に設置し、安全を確保してから作業してください。
全体をチェックしておく理由は、1回の施工で気になる箇所のサビをまとめて処理できるためです。作業効率も上がり、手間も省けます。初期の小さなサビでも放置するとフレーム全体に広がり、強度低下の原因となるため早めの除去が大切です。
高圧洗浄機などで下回りの汚れをしっかり落としてから乾燥させる
サビ落とし作業の前に、洗車場などで高圧洗浄機を使いフレームや下回りの汚れをしっかり落とします。ボディの洗車も合わせて行うと、拭き上げの際に傷や異常箇所の早期発見にもつながります。
フレームは拭きにくいため、洗浄後は自然乾燥が安全です。日陰で1日程度置けば水分が切れて乾燥状態になります。乾燥後に表面に残った汚れや油膜も確認しておくと、後の作業がスムーズです。
ワイヤーブラシで浮いた赤サビを削り落とす
ラダーフレームの角や溶接部分に発生した赤サビは、放置すると金属を浸食し広範囲に広がります。洗車後の拭き上げ時に下回りをチェックすると発見しやすくなります。
汚れを落としたら、ワイヤーブラシで浮いた赤サビを可能な限り削り取ります。作業中は金属粉が飛散するため、軍手と保護メガネを必ず着用してください。細かい溝や隙間は歯ブラシを使うと効率よく清掃できます。
シリコンオフで脱脂し、赤錆転換剤を塗布して黒錆に変換する
ワイヤーブラシでサビを削ったら、転換剤を塗布する前にシリコンリムーバー(脱脂剤)で脱脂します。油分や汚れを取り除くことで、転換剤が金属表面に均一に密着し、赤錆を確実に黒錆へ変換できます。
シリコンリムーバーは古い塗装面にかかると白くなることがあります。塗装がある箇所では直接スプレーせずウエスに吹き付けてから拭き取る方法が安全です。フレーム周りの狭い範囲での使用では、この方法が推奨されます。
脱脂後、サビ転換剤を塗布します。スプレータイプと筆塗りタイプがあり、下回りの広範囲にはスプレータイプが扱いやすいです。塗布後は黒錆への化学反応を待ちます。必ずパッケージの説明書で放置時間を確認してください。
ホルツのサビ転換剤スプレータイプの乾燥時間
- 表面乾燥:40分
- 完全乾燥:6時間
- 耐熱温度:160℃
ホルツのサビ転換剤筆タイプの乾燥時間
- 表面乾燥:1時間
- 完全乾燥:8時間
- 耐熱温度:150℃
表面が乾燥したら、必要に応じて2度塗りを行います。2度塗りすることで塗り残しを防ぎ、より強固な黒錆皮膜が形成されます。なお、製品によっては転換後に塗装ができないタイプもあるため、説明書で確認してください。
スプレータイプ vs 筆タイプの使い分け
- スプレータイプ:下回りなど広範囲に効率よく使えるが、飛び散りやすい。乾燥時間は短め
- 筆タイプ:ドラムブレーキや奥まった細かい部分に塗りやすい。乾燥時間は長め
防錆効果を高めたい場合はシャーシブラックで上塗りする
黒錆への転換が完了したら、長期的な防錆効果を高めるためにシャーシブラック(防錆塗料)を塗布します。再度シリコンオフで下地処理を行い、シャーシブラックを均一に吹き付けることで、フレーム表面が二重に保護され、錆の再発を強力に抑えられます。
シャーシブラックは塗布部分が黒くなるため、バンパー周辺や塗装面に付着しないよう新聞紙やマスキングテープで養生するか、段ボールを盾にして塗布すると安心です。
マスキングの手間を省きたい場合は「シャシーコートクリア」が便利
冬期に散布される融雪剤(塩化カルシウム)による腐食防止にはシャーシブラックが有効ですが、マスキング作業が必要で手間がかかります。そんなときはクリアタイプのシャシーコートクリアが便利です。
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シャシーコートクリア -
クリア色のため扱いやすく、下回りの状態を視認しやすい -
マフラーなど高温になる部分には使用できない点に注意
クリアタイプはマスキングの手間が少なく扱いやすい点が最大のメリットです。透明なので錆の進行状況を目視で確認でき、補修のタイミングを判断しやすくなります。シャーシブラックと比べると耐久性はやや低く価格もやや高めですが、コスト差は大きくなく、手軽に防錆処理をしたい方には十分実用的な選択肢です。ただし、マフラーなど高温になる部分には使用できないため注意してください。
ランドクルーザープラドの前輪付近フレームで「Holts サビチェンジャー」を試してみた
ランドクルーザープラドの前輪付近のフレームに発生したサビを、Holts サビチェンジャーの筆塗タイプで処理しました。塗膜が十分に厚く形成されるため、今回は上塗りのシャーシブラックは使用していません。
Holts サビチェンジャーは、面倒なサビ取り作業を行わずに赤錆の上から直接塗布するだけで、赤錆を不活性な黒錆(酸化鉄皮膜)に転換できる製品です。スプレータイプと筆タイプがあり、手の届きにくい奥まった箇所には筆タイプが有利です。現在もAmazon・モノタロウ・カー用品店などで販売されています。
塗布前に、中性洗剤を入れた霧吹きでサビ箇所を濡らし、ウエスで汚れを拭き取っておきます。
Holts サビチェンジャーのキャップは液の計量カップになっており、付属の筆で必要な量を取ってサビ箇所に塗布できます。なお、200gのハケ塗りタイプは容量が多くコスパに優れますが、ハケは付属していないため別途用意が必要です。
表面乾燥は約1時間のため、慌てず丁寧に塗布できます。サビが強い箇所は30分経過後に二度塗りすると塗膜が厚くなり、ムラなく仕上がります。
表面乾燥後、赤錆は黒錆に転換されます。二度塗りで塗膜が厚くなり、シャーシブラックを塗ったような仕上がりになります。完全乾燥は塗布から8時間後のため、それまでは水濡れに注意して乾燥を待ちましょう。
そのほかのおすすめ錆転換剤の比較
使用年数が経過した車では、錆が広範囲に広がっている場合があります。塗り(筆)タイプは特定箇所への集中塗布に向いていますが、フレーム全体など広範囲の施工にはスプレータイプの方が作業効率が高くおすすめです。容量が大きいスプレー缶(300〜400ml)を選ぶと、途中で足りなくなる心配が少なくなります。
錆止め&転換剤 サビチェンジャー スプレータイプ 300ml
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錆止め&転換剤 サビチェンジャー スプレータイプ 300ml -
錆が多いと1回の施工で300ml一本使い切りでも足りない -
車以外の錆にも使えるので数本ストックすると便利
広範囲の施工では1回で1本を使い切ることもあります。自転車・門扉・フェンスなど鉄製品全般のサビ対策にも使えるため、数本ストックしておくと便利です。手の届きにくいフレーム全体の施工にはスプレー缶タイプが必須で、300〜400mlサイズを複数本用意して作業効率を高めましょう。
ENDOX 錆転換剤刷毛塗用 500ml
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ENDOX 錆転換剤刷毛塗用 500ml -
ENDOX 錆転換剤刷毛塗用は黒色塗料が含まれた錆転換剤 -
水溶性で無臭のため作業環境への負担も少ない -
刷毛塗りタイプなので広い範囲の錆転換に最適
黒色塗料が含まれた錆転換剤で、ジャッキアップしてフレーム下を広範囲に処理する場合に特に向いています。水溶性・無臭のため作業環境への負担も少なく、刷毛塗りタイプで広範囲の施工に適しています。施工中は塗った箇所が黒色で視認しやすく、塗り残しを確認しながら作業できる点も利点です。
ただし、白色など目立つ塗装面に直接使う場合は上塗り前提でなければ不向きです。上塗りなしで仕上げたい場合は、黒色被膜がしっかりしているため他の製品より耐久性に優れます。
ENDOX 錆転換剤RSスプレー 400ml
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ENDOX 錆転換剤RSスプレー 400ml -
手の届かない場所用に1本は用意したい -
黒色塗料が含まれているため目立つ塗装面への使用は注意
広範囲には刷毛塗りタイプの「ENDOX 錆転換剤刷毛塗用」が作業しやすいですが、手の届きにくい細かい場所や隙間にはスプレータイプを併用するのが効果的です。刷毛塗りタイプを使う際に、手の届かない箇所用としてRSスプレーを1本用意しておくと作業効率が上がります。フレームの下側や溶接部分など届きにくい場所を重点的に塗布することで、錆の再発防止効果を高められます。
レノバスプレー 錆転換剤 300ml
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レノバスプレー 錆転換剤 300ml -
薬液は黄褐色だが、赤錆と反応すると黒く変色する -
赤錆を黒錆に変換するため塗布箇所は黒く変色する
レノバスプレーは、赤錆を黒錆に転換する溶剤系スプレータイプの錆転換剤です。塗布箇所は黒く変色するため、白や明るい塗装面に使う場合は上塗り塗装を行うと仕上がりが整います。リーズナブルで手軽に広範囲の錆転換をしたい方に最適です。
刷毛塗りとの併用を希望する場合、透明タイプならHolts(ホルツ)、黒色タイプならENDOXとの組み合わせがおすすめです。
| 製品名 | タイプ | 容量 | 塗布後の色 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Holts サビチェンジャー スプレー | スプレー | 300ml | 黒 | 広範囲に使いやすい定番品。乾燥が比較的速い |
| Holts サビチェンジャー 筆・ハケ | 筆/ハケ塗り | 70g / 200g | 黒 | 細かい箇所・奥まった場所に塗りやすい |
| ENDOX 錆転換剤刷毛塗用 | 刷毛塗り | 500ml | 黒 | 水溶性・無臭。大容量でフレーム全体の施工に向く |
| ENDOX 錆転換剤RSスプレー | スプレー | 400ml | 黒 | 手の届かない場所の補完用に最適。刷毛塗りとの併用推奨 |
| レノバスプレー | スプレー | 300ml | 黒(薬液は黄褐色) | リーズナブル。スプレーのみのシンプルな構成 |
サビを放置せず早めに処理することでフレームの劣化を防げます
車のフレームなどの下回りは地面に近く、水分や飛び石によってサビが発生しやすい場所です。「どうせすぐまたサビる」と放置するとサビはどんどん進行し、転換剤だけでは対処できないほど腐食が進む可能性があります。
手遅れになる前にサビ処理を行えば、フレームへのダメージは最小限に抑えられます。浮いているサビを削り、脱脂して転換剤を塗布するだけなので、作業は比較的簡単です。
サビ転換剤を塗った部分は塗っていない箇所と比べて黒く目立ちますが、そのままにしておく方が防錆効果には良い状態です。見た目を整えたい場合はシャーシブラックや上塗り塗装を行うことで、防錆効果を維持しつつ外観もきれいに仕上げられます。なお、塗布した皮膜をサンドペーパーで削ると防錆効果が弱まるため注意してください。
シャーシの防錆処理にムラがあっても、車の買取査定にはほとんど影響しません。むしろ何も処理せずサビだらけの状態よりも、適切に処理されている方がメンテナンス状況が良好と判断され、査定にプラスに働くことがあります。普段は見えにくい下回りですが、しっかりケアすることで車のコンディションを長く保てます。