軽自動車のバッテリー

軽自動車のバッテリーは自分で交換できる!選び方や交換時期のタイミング・交換方法

軽自動車のバッテリーは5年ほどで寿命が来るといわれている。最近ヘッドライトが暗くなった気がする、エンジンのかかりが悪くなった気がすると思ったら、バッテリーが弱ってきているかもしれない。早めにバッテリー交換しよう。

軽自動車のバッテリーは自分で交換できる!選び方や交換時期のタイミング・交換方法

軽自動車のバッテリーまとめ!種類、規格の選び方、交換方法を解説

自動車にとって「バッテリー」は、エンジンの始動、ヘッドライトの点灯、カーナビやオーディオの電源、そしてパワースライドドアなどの電動部品を動かすために欠かせない重要な存在です。バッテリーは走行中に充電・放電を繰り返して使用されますが、その寿命は一般的に2年~3年と言われています。

中には5年以上交換せずに使えることもありますが、定期的に点検・交換をしないと、ある日突然エンジンがかからなくなったり、ライトが暗くなったりといったトラブルに見舞われるリスクが高まります。そこで、高い人気と販売実績を誇る軽自動車であるホンダ「N-BOX」を例にとり、バッテリーの種類や自分の車に合うバッテリーの規格の選び方、安全な交換手順などを紹介します。

ケースモデル:人気の軽自動車 ホンダN-BOX

1番売れている軽自動車のN-BOX※新型N-BOX

ホンダ「N-BOX」は、両側スライドドアを装備したスーパーハイトワゴンであり、その利便性の高さから多くの方に選ばれています。両側パワースライドドアなどの快適装備を電動で動かすためにも、バッテリーは重要な役割を担っています。

新型N-BOXのサイドビュー

バッテリーが劣化すると、エンジンの始動が遅くなったり、ヘッドライトが暗くなったりといった不調が現れ、走行中の思わぬトラブルにつながることがあります。そこで、ホンダN-BOXを例に、バッテリーの種類や正しい選び方、交換方法などを見ていきましょう。

軽自動車のバッテリー種類と規格の見方

軽自動車に搭載されるバッテリー

軽自動車のバッテリーは、大きく分けて「アイドリングストップ車用(ISS車用)」「アイドリングストップ非搭載車用(充電制御車用を含む)」の2種類があり、互換性がないため、ご自身の車に合った種類を選ぶことが重要です。

N-BOXに標準装備されているバッテリーの例

  • アイドリングストップ搭載車:M-42R(ISS車専用規格)
  • アイドリングストップ非搭載車:34B17L(一般的なJIS規格)

バッテリーの型式は、その性能、サイズ、端子の位置を示しています。例えば、非搭載車用の「34B17L」を例にとると、以下のような規格を表しています。

  • 34性能ランクを表す数字で、数値が大きいほど始動性能や容量などの総合性能が高いことを示しています。
  • B:バッテリーの短側面のサイズ区分(幅と高さ)を表しています。
  • 17:バッテリーの長さ(約17cm)を表しています。
  • L:プラス端子を上にして見たときの端子の位置を表し、左側にある場合は「L」、右側にある場合は「R」と表記されます。

アイドリングストップ車用の「M-42R」などの型式も、最初のアルファベットがサイズ区分を、数字が性能ランクを表すなど、同様の要素で構成されていますが、ISS車は頻繁な充放電に耐える特殊な構造のため、必ず専用品を選ぶ必要があります。

軽自動車のバッテリー選び方:容量アップの考え方

バッテリーを交換する整備士

より高性能なバッテリーを選びたい場合、基本的には標準装備されていたバッテリーと同じサイズ規格(アルファベットと長さ、端子の位置)は変えずに、性能ランクを表す最初の数字のみをアップさせるのが一般的です。

例えば、標準が「34B17L」であれば、「40B17L」や「44B17L」といったように、物理的なサイズや端子の位置(B17L)を変えずに性能ランク(34)の数字を上げることで、容量や始動性能の余裕を持たせることができます。ただし、容量を大きくする際は、充電制御システムとの相性やメーカーの適合表を必ず確認するようにしてください。

軽自動車のバッテリー交換方法と注意点

バッテリーを持ち上げる整備士

軽自動車のバッテリー交換はご自身でも可能ですが、感電やショート(短絡)のリスクがあるため、正しい手順を厳守することが非常に重要です。

交換手順の基本

  • 1.車のエンジンを切り、キーを抜き、ライト類を全てOFFにする
    2.メモリーバックアップ機器を接続する(ナビなどの設定消失防止のため)
    3.ボンネットを開ける
    4.古いバッテリーのマイナス端子(-)から外す(ショート防止のため厳守)
    5.次に、プラス端子(+)を外す
    6.バッテリーを固定している金具を外す
    7.古いバッテリーを新しい物と交換し、金具で固定する
    8.新しいバッテリーにプラス端子(+)から繋ぐ(ショート防止のため厳守)
    9.最後に、マイナス端子(-)を繋いで完了
    10.メモリーバックアップ機器を外す

バッテリーを外す際にマイナス端子から外すのは、スパナなどの工具が誤って車体の金属部分(マイナス側)に触れたとしてもショートしないようにするためです。取り付け時も、ショートを防ぐためにプラス端子から繋ぐという順番を必ず守ってください。

また、ナビやオーディオのメモリーがバッテリーに記憶されているため、何も対策せずに交換すると設定が消去されてしまうことがあります。その対策として、メモリーバックアップ機器を使用することで、交換後も再設定の手間なく普段通りにナビやオーディオを使うことができます。

軽自動車のバッテリー交換に不安がある場合は専門業者に依頼しましょう

車とバッテリーのマーク

ご自身でバッテリーの規格を調べて購入し、交換するのが最も費用を抑えられますが、感電やショート、電装品の故障などのリスクを考えると、少しでも不安がある場合はガソリンスタンドやカー用品店、整備工場などの専門業者に依頼することをおすすめします。

専門業者であれば、車の状態を見ながら最適なバッテリーを選んでくれますし、バッテリー代と工賃を支払えば、安全かつ確実な作業を任せることができます

特に寒い時期はバッテリー性能が低下しやすいため、トラブルを未然に防ぐためにも、使用期間が2~3年を超えている場合は一度点検し、早めに交換を検討することが、愛車に長く安全に乗るために必要なメンテナンスと言えます。